【感想・ネタバレ】今夜、すベてのバーで 〈新装版〉のレビュー

あらすじ

すべての酒飲みに捧げるアル中小説

「この調子で飲み続けたら、死にますよ、あなた」
それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。
ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、
ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、
親友の妹が繰り出す激励の往復パンチ――
実体験をベースに、生と死のはざまで揺らぐ人々を描き、
吉川英治文学新人賞に輝いた著者の代表作が新装版になって再登場!

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なぜ人は酒を飲むのか。
35歳でアルコール中毒による症状で入院した男性が自身の人生を見つめ直す物語。

アルコールは合法にして、飲めば気分を高揚させ、記憶を飛ばすことができ、依存性が高い。しかし、全員が全員アルコール中毒になるわけでもない。では、その線引きはどこにあるのか。この小説の一節を紹介したい。
「酒をやめるためには、飲んで得られる報酬よりも、もっと大きな何かを、「飲まないこと」によって与えられなければならない。
それはたぶん、生存への希望、他者への愛、幸福などだろうと思う。」

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

作家の一雫ライオンさんのイチオシの小説と言うことをある方から教えて頂き読みました。
実は前働いていた職場にアル中の主人公と同じような人が働いてて、その人を思い出しました。
また、お酒を沢山飲む身近な人達のことも、心配しながら読みました。
そして中島らもさんを思わせる主人公が破天荒過ぎて、昭和って感じが強すぎる作品。
令和ならアウトな事が沢山起きていて笑えました。
赤河先生の言葉が色々良かった。

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2026年08月06日

Posted by ブクログ

アル中のお話。
独特な世界観があるなと思ったのですが、すごく読みやすかったです!
『乾杯=スコール』での締めが気持ちよく少し笑ってしまいました。

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2026年06月23日

Posted by ブクログ

まず一言。
めちゃくちゃおもしろかった。

テーマにおいての重さに対して、
文章の快活さがとてもページを軽くさせた。

アルコール依存、その他依存による人間がそうなる経緯や背景に目を向けると、単純に軽蔑することは難しい。
逃避しているのだから。

らもさんが予想したよりもアル中は増えてないかもしれないが、確実に依存者は増えているので、
人はとかく依存してしまう生き物だと考えさせられる。

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2026年06月17日

Posted by ブクログ

空のオルゴールに続いて、中島らも氏の作品を読んだ。
少し調べるだけでも、アル中ヤク中となんとも波乱万丈な人生が垣間見える中島らも氏。
その人生経験が、この小説にドンと現れているんだろうなと。

アルコール依存性について、「手が震える」だの「飲みたくてたまらない」だの、その程度の知識しかなかったヘテロの私には衝撃的な小説だった。

アルコール依存性をメインテーマに据えて、各登場人物とのお話があって。それらの絡め方がとても上手いと感じた。


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2026年05月27日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃに面白かった。
洗練されたアル中文学。

アルコールに依存していく様子がありありと書かれているんだけど、でも文学としても成立してる。うちは父が大酒家だったから…なおさら引き込まれて読んだわ。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

アルコール依存をテーマにしながらも、軽妙でユーモラスな語り口によって物語へ引き込まれるアル中小説。冒頭からテンポの良い会話が続き、どこか可笑しみを含んだ世界観の中で読み進めることになる。
一方で、随所に鋭さや繊細さを感じさせる感情の描写もあり、単なる滑稽さではなく、人間の弱さや揺らぎが丁寧に掬い取られている点が印象的だった。
作者自身の経験を背景にしながら、重い題材をここまで軽やかに、かつ深みを持って描き切っている点に手腕を感じる一冊だった。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

アル中小説として名高い本作。決して良くないこととは知りつつも、なぜ飲んでしまうのかーーそれを考えることは、結局は「人間とはどんな生き物か」を突き詰めることで、とても面白かった。そういった哲学的な思考がところどころに挟まれつつも、病院での生活やそこで出会う人々との交流など、アル中患者としての日常をベースに物語が進んでいくので読みやすい。町田康さんの解説も読みどころを的確におさえていてとてもいい。それにしても、小島容(いるる)っていい名前だな。

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2026年04月27日

Posted by ブクログ

天下の大酒豪、中島らもさまの作品である。帯には「すべての酒飲みに捧ぐ」「どうしても酒を飲まずにはいられない人生について」などとあり、不穏なことこの上ない。そしてアルコール依存症だけにアルコールと薬物についての考察は一読に価値あり。

解説の町田康さんは、「人はなぜ破滅を恐れながら破滅を目指すのか」という問いに対しての問答が書いてあると解説している。

これは体験記なのだろうか?小島さんなる小説家が主人公なのだが、まずγGTP1300、結膜真っ黄っき〜の、皮膚に黄疸まで出てて、入院を言い渡されると、入院までの1-2時間で向かいの酒屋でワンカップ酒2つを平らげる。入院患者あるあるなのだが、常人の発想ではない。

尿量計測を言われて、コーラみたいな色で少ししか出ないからと水道水を混ぜる。きゃあああ〜と絶叫してしまう。保険医療で入院はドブにお金を捨ててるようなもんだ。そもそも10年間毎日ウィスキー1本飲んでるんだもん!自殺じゃないとするとなんなのか。

薬など効かないから、安静、睡眠、高タンパク食をしっかりと言われてるのに、固形物は受け付けないと食べない。入院日の夜に振戦が始まる。が、幻覚は見ないで済んだらしい。あれは相当ツライときく。

8日目になってフケが出てきた。タンパク質がようやく細胞の新生に回り始めたらしい。風呂に久々に入る。

だいぶ身体が楽になってきて、病院内を徘徊していると霊安室があったので入ってみたら、同室のアルコール依存症患者が死体清拭用のアルコールを飲んでいた。勧められたが断る。しかしこの後、何かしているとあそこにアルコールがあると頭に浮かぶようになってしまった。

肝生検、しばらくお腹が痛くてしかも体力が低下する。結果的に重度の脂肪肝でまだ肝硬変ではないとわかる。体力がついてきたので、小一時間くらい散歩するようになったら、今度はお腹が空いて眠れなくなった。我慢できずに蕎麦屋に入ってビールを飲んでしまう。飲んだらあっという間、次は日本酒。気がついたら蕎麦もほとんど食べずにバーに来ていた。

病院に帰ると…

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2026年03月12日

Posted by ブクログ

全ての酒飲みに捧ぐアル中物語。

二日酔いになって二度と酒なんて飲まないと
これから何回誓うのか…日々のストレスを忘れ浴びるように酒を飲んだ翌日は決まって酒鬱になる。

人としての脆さ、依存心が面白く書かれてて夢中になって読んじゃった!

何事もほどほどに…乾杯。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

生まれてきたこと生きていくことの痛み、愚かさ、悲しみとそれらが強いほど苦しいほど生が強く美しい瞬間もあると知る。

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2025年11月26日

購入済み

愛している人が好きだ言ったから

自分の好きな人が好きな小説家ということで、読んでみました。
ただひたすらにエモかったです。
刹那的な生き方、退廃的な生き方に対する葛藤と悦び、生と死の狭間で揺れる心の在り方などの描写がひたすらにリアルでした。

#エモい

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2024年10月03日

絶品な語り口調!

古典落語レベルの語り口調なので、繰り返し読んでも飽きないし、面白い!本棚に永久欠番❕間違いなし!

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2020年12月18日

Posted by ブクログ

アル中の話。
登場人物が学力的に賢く、しっかり持論を持っていることもあって、内容が深かった。知識としてもとても勉強になって、読んでいて楽しかった。
最後は微妙にわかりづらい終わり方ではあったけど、総じて面白かった。

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2026年08月08日

Posted by ブクログ

自分はまったくお酒を飲まないので、その感覚は正直よくわからない。それでも、「なぜ人は酒を飲むのか」を考えさせられる作品だった。気晴らしや刹那主義だけでは説明しきれない何かがあるのかしら。

らもさんの博覧強記ぶりも炸裂していて面白い。

読んでいてふと、「何にも依存せずに生きるなんて、そもそも無理なんじゃないか」と思った。人は何かに寄りかかりながら生きている。その対象が違う、というだけなのかもしれない。

「「教養」のない人間には酒を飲むことくらいしか残されていない。「教養」とは学歴のことではなく、「一人で時間をつぶせる技術」のことでもある」

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2026年07月20日

Posted by ブクログ

アルコール性肝炎で黄疸になり緊急入院する35歳の男の話

愛読書。ザ・アル中小説。酒を見ると飲みたくなり飲むと止まらない。これは精神の問題か、安易に買える制度のせいか。"依存とは人間そのもののこと"アル中に寄り添う1冊。酒好きに一読の価値あり

らもさんの自伝的小説。初めて読んだのは20代前半。酒を飲み始めるのは本当些細なことなんだよね。飲まないとやってられねぇ!ってさ。人間だもの

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2026年07月18日

Posted by ブクログ

書店にて講談社コーナーを見つける。
佐久間さんの紹介文と共に置いてあった本書のテーマは酒、それも重度の酒好き、というより依存症である。

すべてのバーでというタイトルから、バーにまつわる人間模様が描かれる作品かと読み進めたが、だいぶ検討はずれだった。

酒好きの私にとって"今日は呑まずにいようかな…"と思わせてくれたがこれいかに。

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2026年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アルコール依存症の男性が主人公のアル中小説!読みやすくて3日で読んだ
なぜ人はアルコール依存症になるのか、少しだけ理解できた気がした。酒と薬、タバコなどの依存性や手に入りやすさの話が興味深かった
さやかの父がアルコール依存症のち膵臓がんで死去していることを知って(兄は酒に酔って車に轢かれて死亡)彼は酒をやめることができるかな...できて欲しい
久里浜式アルコール依存症スクリーニングテストしたらきわめて問題多い(重篤問題飲酒群)だった!!!3月と4月よくない飲み方したから...反省

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

大学1年生の時にハマっていて、当時の大学のレポートでは何でもかんでもこの本の内容を課題に絡ませていました。恥ずかしい思い出です。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

穏やかな文章を書く人です。

依存症の人は帰る場所がないと治らないと聞きますが、まさにこう言う事なんでしょう。
アルコールによるドーパミン的快楽よりも人との繋がりによる安心、オキシトシン的な安心が代替になる事で、依存症を克服できると。

にしても、ダメオヤジが若いあ女の子に帰りを待たれたら、頑張っちゃうよね。なんかズルいなぁ。

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2026年04月01日

Posted by ブクログ

「人は酒のみにて生きるにあらず」なんて言葉は本作の中で出てきやしないが、感想を一言で伝えるならばこれだ。

人がこの世に生を受けてから死に至るまで、皆漏れなく何かに依存して生きてる。
本作の主人公の小島容(いたる)はたまたまその依存先が酒に、酒のみに偏っていただけだ。

私自身、比較的依存先をたくさん作れるタイプで高みの見物をしながら本作を読み進めつつ、依存先のバランスなんぞ意図も容易く崩壊する危険性が常にあるということを気付かされた。

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

アルコール依存の克明な記録。
ここまで細かく書くのか、と正直少しうんざりした。
それでも読み進めたのは、単なる闘病記では終わらないものがあったから。
病院でお世話になった先生、出会った個性豊かな入院患者たちとの交流の様子は、流石、らも氏のユーモアで生き生きと描かれている。

作中で語られる『シェーン
ひとりで去って行くヒーローを「カッコいい」と言い切りながら、同時に「ずるい」とも言う。
去る者は物語を終わらせられる。でも残る側は、生き続けなければならない。その視点に、らも氏の死生観を感じた。

中に出てくる「階段から落ちる」「頭を打つ」という何気ない言葉。作品だけを読んでいれば気にも留めなかったかもしれない。でも、らも氏の最期を知っているから、それは不吉に響いた。ただの読後のざわめきなのだが。

ずるさも弱さも抱えたまま、書かれた小説。
読み終えて、やはり晴れやかにはならない。

「すべての酒飲みにささげるアル中小説」
心して読んでほしい。

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2026年03月04日

Posted by ブクログ

以前読んだ童貞アンソロジーのエッセイがすっかり私のお気に入りになった中島らもさん。
どんな本を書いている作家なんだろう?と調べてみたらまずすぐ目についたのがこちらで、曰く「すべての酒飲みに捧ぐアル中小説」。
20年近く前に出版されているんだけど、ちょうど昨年の12月に文庫が新装版になっていて、このタイミングと言いどこか私を呼んでいるかのようだった。というかきっとこの小説読んだすべての酒飲みがそう思ったことでしょう。

冒頭でいきなり緊急入院宣告を突きつけられているのは、とっくに肝臓が悪くなっていることを知りつつも酒断ちできなかった主人公の小島容。なんと飲酒量は毎日ウィスキーを一本!
同室の愉快な患者たちとの交流、横暴な医者による健康管理、シラフで現実と向き合う憂鬱、アルコールに恋い焦がれる底なしの欲求が、ユニークかつ軽妙な文章をもって綴られていく。
小島容が読んだという設定で「アルコール依存症」について書かれた様々な資料からの引用もたくさんあり、医学的知識や精神病理学的知識が深まってまるでアル中治療のための贅沢な副読本のような仕上がりになっていた。おかげで少し知識が増えました。アル中は慢性的自殺。
生きるか死ぬかの瀬戸際にいる小島容くんには悪いけれど、とにかく至るところで共感しすぎて面白かったのでいくつかご紹介。

・おれがアル中の資料をむさぼるように読んだのは結局のところ、「まだ飲める」ことを確認するためだった。

・これらの人々を眺める安心感と、こういう「ひとでなしのアル中」どもが、河ひとつ隔てた向こう側にいて、おれはまだこっち側にいるその楽観とを得るために、おれは次から次へとアルコール中毒に関する資料を集めた。ついには「アル中の本」を肴にしてウィスキーをあおる、というのがおれの日課にさえなった。

・アル中になるのは、酒を「道具」として考える人間だ。この世からどこか別の場所へ運ばれていくためのツール、薬理としてのアルコールを選んだ人間がアル中になる。

・酒の好きな奴がよく冗談で、“いや、私はもうアル中ですから”なんてことを言うだろう。本人は自分がアル中ではないと信じてるからそういう冗談も言えるんだ。ところが、冗談じゃないわけだな、これが

・バナナの皮ですべって転んでいる男と、それを見て笑っている男が、同時におれの中にいるのだ。苦痛に対する耐性を得るために、無意識のうちに自分をふたつに裂いたのかもしれない。このふたつの存在は互いを毛嫌いしているが、唯一、泥水の中にあってだけ重なり合ってひとつのものになった。このふたつが溶解し合ったときにだけ、そこからほんものの怒りや悲しみがたちのぼってくるのだった。泥酔していないときのおれは、苦笑いだけが得意な、いわば感情喪失症者だった。

・「飲む人間は、どっちかが欠けてるんですよ。自分か、自分が向かい合ってる世界か。そのどちらかか両方かに大きく欠落してるものがあるんだ。それを埋めるパテを選びまちがったのがアル中なんですよ」

・酔うというのは、体が夢を見ることだ。

いちばん最後の、天童寺さやかとバーを訪れるシーンもすごくよかった。
私もお酒はほどほどに!……とは思ってるけどね。酒飲みの友達と乾杯してこの本の感想を交換し合えたら楽しいだろうな。はやくコロナ終息して欲しいと、こんなに強く思ったの初めてかもしれない。

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2026年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

酒飲みの主人公が入院する。そこで語られる内容は酒に関する話ばかり。でも酒に馴染みのない人にもわかる。人生に関する話がある。
「「教養」とは学歴のことではなく、「一人で時間をつぶせる技術」のことである」
現代は自由に使える時間が増えている。時間をどう有効に使うのか。使い方次第で、今後の人生が決まる世の中になってきている。
「面白いのは大人になってからだ。ほんとに怒るのも、ほんとに笑うのも、大人にしかできないことだ。なぜなら、大人にならないと、ものごとは見えないからだ」
子供時代。思い起こせば、本当に何もわかっていなかった。もし子供時代にわかっていれば、もっと楽しめていただろうか。

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2026年07月10日

Posted by ブクログ

ユーモアに溢れた作品。
とても読みやすかったし、読み応えがあった。
自分とは2世代ほど離れている作者が書く作品なのに、つい最近書かれたかのように違和感が無かった。

"何かに依存していない人間がいるとすればそれは死者だけ"
この言葉は真理だと思う。
人は死ぬまで何かに頼って生きていくもの、か。
主人公は、それがたまたま酒だっただけ。

依存との距離感が人生の生きやすさになるのかと。
最後の主人公がミルクを飲みながらも、また飲むかもしれないと言った発言こそが依存との正しい向き合い方なのかなと。

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2026年06月04日

Posted by ブクログ

序盤から病院内での描写や人物像の描き方が面白く、引き込まれた。
酒やアル中についての書籍の内容が書かれた部分も多く、正直ピンと来ない部分もあったが、主人公やその周りにいる人物が面白い。特に医師の赤河が魅力的で、こんな医師に出会いたいと感じた。
中島らもの生涯とかなりリンクするものを感じた。

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2026年04月14日

Posted by ブクログ

お酒に依存し、お酒におぼれてしまった人たちのお話。
アルコールをあまり飲まない自分では、こういった人たちの気持ちなどは知れなかったので、
この本のおかけでいろいろと知れたので、貴重な読書体験だった。
アルコール依存症は身体も壊れるけど、家庭や人間関係も壊してしまう。
自分もいつか現実から逃げたくなった時に、お酒におぼれないように気を付けないといけないと思った。

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2026年04月08日

Posted by ブクログ

帯に「すべての酒飲みに送る」的なこと書かれてて、ほとんど飲めない私が読んでいいのか?と思いながら読みました。中島らもさんの文章は雑というか直接的な感じがしますが、だからこそ伝わる思いがあって独特だと思います。アルコールの勉強になりました。「面白いのは大人になってからだ」と文中で言ってのける中島らもさんは魅力的な大人でした。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どうしても酒を飲まずにはいられない人生について。

「この調子で飲み続けたら、死にますよ、あなた」
それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。
ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、
ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、
親友の妹が繰り出す激励の往復パンチ――

「飲む人間は、どっちかが欠けてるんですよ。
自分か、自分が向かい合ってる世界か」

劇作家、ミュージシャン、放送作家、ラジオパーソナリティ、小説家……
尼崎に生まれ、独創的なユーモアで幅広く活躍した中島らも。
実体験をベースに、生と死のはざまで揺らぐ人々を描き、
吉川英治文学新人賞に輝いた著者の代表作が新装版になって再登場!
没後20年を経ていまなお読者の心をつかんで離さない、
すべての酒飲みにささげるアル中小説のロングセラー。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

すべての酒飲みに捧げるアル中小説のロングセラーで、アルコールが人生にどう作用するのか。そんな問いに、真っ直ぐに、残酷なリアルに向き合った小説。
主人公、小島容の描写を通じてアルコール依存症の怖さ、特に「連続飲酒」や「離脱症状」といった症状の現実が生々しく胸に迫る。飲酒という行為が習慣から執着に、そして生命を脅かすものへと変わる過程が淡々とした筆致で描かれる作品。
また、GOTやγ-GTP(安全域: GOT: 50↓/γ-GTP: 100↓, 依存症初期: 60-120/100-200, 依存症: 120↑/200↑)といった肝機能の数値について言及される場面も印象的。普段は健康診断の結果でなんとなく見過ごしてしまいそうな数値が、読みながら自分の数値はどうだったかと気になった。(31/106なのでγ-GTPが片足突っ込んでる)
作中で特に印象に残ったのは、赤河医師が語る「医者の"助けてあげたい"という思い上がり」に関する言葉、「そうだ。"助けてあげたい"ってのは思い上がりだよ。患者は自分で自分を助けるしかないんだ。医者が正義の味方のように現れて、悪い病をばっさり切り捨てて去っていく。そんな幻想は医者の思い上がりだ。(中略)この子はこの子なりに、精一杯前に進んでたどり着けるところまでたどり着いたんだ。他人のゴールを基準にしたって仕方ない。」
医療に限らず、人の悩みや問題に関わろうとするすべての人が、「助ける」ではなく「寄り添う」という姿勢の大切さに一度立ち止まって考えるべき姿勢なのかもしれない。
小説としての読みごたえは十分で、重ためのテーマでありつつも、どこか人間らしさを感じる一冊だった。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

アルコール依存の心境、病院内の人々は面白かった。

薬物・未成年飲酒が身近にあった時代の話をしつつ、主人公(=作者)は淡々としているというか、薬物・飲酒に依存することを肯定的に書いてなくて良かった。
アル中になったことに被害者面しない作者のプライドを感じた。

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2026年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

酒が原因で入院した男が病院で色んな人に出会ったり、昔のことを思い出したり、親友の妹でありかつ職場の部下と話をする内容。
この親友の妹であるさやかが非常にキャラクターとして良かった。中盤の死に急ぐ人間に対する少しきつくも感じる物言いが素晴らしい。死に急ぐ人間は生きている人間の思い出の中で生きようとする卑怯者である、なんて考え方は初めて聞いたが彼女の芯の強さを感じた。しかもその彼女の考え方の根拠を終盤で確認することができたのも良かった。
反面、主人公の小島はあまり好きにはなれなかった。主人公というか作者に対して思うことなのだが、ところどころでフーゴバルやギュスターヴモローなどの名前を出して知識をひけらかしたり、過去のアウトローな部分を武勇伝的に回想しているのがとても嫌悪感が生まれた。最後に主人公が蕎麦屋でビールを飲んだ時はもう読むのをやめようかと思った。
赤河や三婆など魅力的なキャラも多数おり、読んでいて楽しかったが、この小説を好きになれた理由の大部分はさやかのおかげだと思う。
最後に天童寺家の恥ずべき過去の報告書を書き並べており、それがこの小説をしっかりと締めてくれている。できればさやか視点の物語も読んでみたかったな。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代の出来事を描き、過去を振り返る構成がメイン。
時々、アル中、シャブ中、そしてそれを改善するプログラムなど、
学術研究的な記載があるので知的資料にもなる
(ただし、医学科学は進歩するので情報が古い可能性はあるので鵜呑みは注意)

出来事自体はそれほど展開しない。
起承転結はあるが、想像だにしない方向にはいかないので
大筋のプロットで言えば誰でも考えれそうなもの。
なのだけど、(著者経験による)アル中の解像度はもちろん、人物の解像度が高い。
文体の巧さがあって、何も起きてないのに、それでも引き込まれる強みがある。
少しだけ劇的なシーンはあるけど、ジントニックのライムにも満たない。

人間の生々しさ(弱さの中に魅力がある)と、
文体で、ここまで良くなるのか。という小説。

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2025年11月28日

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