あらすじ
すべての酒飲みに捧げるアル中小説
「この調子で飲み続けたら、死にますよ、あなた」
それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。
ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、
ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、
親友の妹が繰り出す激励の往復パンチ――
実体験をベースに、生と死のはざまで揺らぐ人々を描き、
吉川英治文学新人賞に輝いた著者の代表作が新装版になって再登場!
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Posted by ブクログ
アルコール依存症の男性が主人公のアル中小説!読みやすくて3日で読んだ
なぜ人はアルコール依存症になるのか、少しだけ理解できた気がした。酒と薬、タバコなどの依存性や手に入りやすさの話が興味深かった
さやかの父がアルコール依存症のち膵臓がんで死去していることを知って(兄は酒に酔って車に轢かれて死亡)彼は酒をやめることができるかな...できて欲しい
久里浜式アルコール依存症スクリーニングテストしたらきわめて問題多い(重篤問題飲酒群)だった!!!3月と4月よくない飲み方したから...反省
Posted by ブクログ
穏やかな文章を書く人です。
依存症の人は帰る場所がないと治らないと聞きますが、まさにこう言う事なんでしょう。
アルコールによるドーパミン的快楽よりも人との繋がりによる安心、オキシトシン的な安心が代替になる事で、依存症を克服できると。
にしても、ダメオヤジが若いあ女の子に帰りを待たれたら、頑張っちゃうよね。なんかズルいなぁ。
Posted by ブクログ
どうしても酒を飲まずにはいられない人生について。
「この調子で飲み続けたら、死にますよ、あなた」
それでも酒を断てず、緊急入院するはめになる小島容。
ユニークな患者たちとの会話や担当医師との対話、
ときおり訪れる、シラフで現実と対峙する憂鬱、
親友の妹が繰り出す激励の往復パンチ――
「飲む人間は、どっちかが欠けてるんですよ。
自分か、自分が向かい合ってる世界か」
劇作家、ミュージシャン、放送作家、ラジオパーソナリティ、小説家……
尼崎に生まれ、独創的なユーモアで幅広く活躍した中島らも。
実体験をベースに、生と死のはざまで揺らぐ人々を描き、
吉川英治文学新人賞に輝いた著者の代表作が新装版になって再登場!
没後20年を経ていまなお読者の心をつかんで離さない、
すべての酒飲みにささげるアル中小説のロングセラー。
Posted by ブクログ
酒が原因で入院した男が病院で色んな人に出会ったり、昔のことを思い出したり、親友の妹でありかつ職場の部下と話をする内容。
この親友の妹であるさやかが非常にキャラクターとして良かった。中盤の死に急ぐ人間に対する少しきつくも感じる物言いが素晴らしい。死に急ぐ人間は生きている人間の思い出の中で生きようとする卑怯者である、なんて考え方は初めて聞いたが彼女の芯の強さを感じた。しかもその彼女の考え方の根拠を終盤で確認することができたのも良かった。
反面、主人公の小島はあまり好きにはなれなかった。主人公というか作者に対して思うことなのだが、ところどころでフーゴバルやギュスターヴモローなどの名前を出して知識をひけらかしたり、過去のアウトローな部分を武勇伝的に回想しているのがとても嫌悪感が生まれた。最後に主人公が蕎麦屋でビールを飲んだ時はもう読むのをやめようかと思った。
赤河や三婆など魅力的なキャラも多数おり、読んでいて楽しかったが、この小説を好きになれた理由の大部分はさやかのおかげだと思う。
最後に天童寺家の恥ずべき過去の報告書を書き並べており、それがこの小説をしっかりと締めてくれている。できればさやか視点の物語も読んでみたかったな。
Posted by ブクログ
現代の出来事を描き、過去を振り返る構成がメイン。
時々、アル中、シャブ中、そしてそれを改善するプログラムなど、
学術研究的な記載があるので知的資料にもなる
(ただし、医学科学は進歩するので情報が古い可能性はあるので鵜呑みは注意)
出来事自体はそれほど展開しない。
起承転結はあるが、想像だにしない方向にはいかないので
大筋のプロットで言えば誰でも考えれそうなもの。
なのだけど、(著者経験による)アル中の解像度はもちろん、人物の解像度が高い。
文体の巧さがあって、何も起きてないのに、それでも引き込まれる強みがある。
少しだけ劇的なシーンはあるけど、ジントニックのライムにも満たない。
人間の生々しさ(弱さの中に魅力がある)と、
文体で、ここまで良くなるのか。という小説。
Posted by ブクログ
アル中患者として入院した主人公・小島容の視点で、酒におぼれる人生の哀しみや滑稽さ、病と向き合う人々の姿をユーモラスかつ繊細に描く作品。
医療用エタノールを隠れて飲むアル中だったり、平気で患者と殴り合う医者だったり、「本当にいそうだけど、絶対にいなさそうなやつ」の描き方が天才的に面白かった。主人公の「アル中本を肴に酒を飲む」という設定もバカすぎる、、
アル中によって引き起こされる病気や弊害、使用される薬、海外での症例、家庭環境とアル中の因果関係など、アル中にまつわる幅広い学識が生々しく紹介される。
自分自身もお酒が大好きなので、日常生活を見直さないといけないと痛感させられた。
でも、そんな全世界のアル中たちを突き放すだけでなく、むしろどこか優しく寄り添ってくれる文章で、とても心地よかった。
ラストはちゃんとミルクを頼んだが、主人公はこれからどうなることやら、、
軽やかな文章のためか、重いテーマでも読後感が重くなりすぎず、不思議な切なさと温かみを感じることができた。