角田光代のレビュー一覧
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公務員となった飛馬が、主婦の不三子と知り合ったのは子ども食堂のボランティアでだった。
不三子は自然食に傾倒し、子供にも給食ではなく手作りのお弁当をもたせた。
コロナワクチンの接種もしなかった。
娘が成長して、そんな母親から離れていったのは当然だったかもしれない。
息子は娘ほどの反抗心は示さなかったけれど、結婚して子供が出来て母親との接触を避けるようになった。
飛馬は震災ボランティアにのめりこんで離婚。その後、区役所の職員という立場で子ども食堂に携わっていた。
交互に語られる二人の話しに、大きな出来事は無い。
不三子の食に対するこだわり、ワクチンを体内に入れることへの不安感などが書かれた部分 -
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角田光代のエッセイはどんな題材でももれなく読むことは決まっているけれど、角田光代と韓国ドラマ、という取り合わせがめずらしくて読む前からワクワクした。
角田さんはコロナ禍、おうちで過ごさねばならない毎日のなかで韓国ドラマにハマったのだそう。
ネタバレ満載で、各エッセイの冒頭に「これからご覧になるかたはその後にお読みください」といった注意書きが、しょっちゅう出てくるのが可笑しかった。
すでに見ている人が読んだら共感できたりして面白いのだろうけど、私のように「まだ見ていない」かつ「これから見るかもわからない」といったタイプでも、逆に別の視点から楽しんで読めた気がする。
韓国ドラマ(映画も)をみた角 -
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「若菜」からは瀬戸内寂聴から角田光代に切り替え。どちらが好きかと言われれば、やはり寂聴さんかな。下の者が宮中の出来事を物語るという体を取っているので、これという名刺には全て「お」をつけ、「おうたをお詠みになります」とか「拝舞をなさるお姿は風情があります」とか、おもばゆいけど心地よい。そして帖ごとの解説も、状況確認できて嬉しい。もちろん、角田さんの翻訳も、とってもわかりやすいし読みやすいんですよ、でも寂聴さんの勝ち。
・若菜(上)‥朱雀院は身体も弱くなり、出家しようと決心する。そうなってくると心配なのは、まだ片付いてない三女の女三の宮。嫁ぎ先には困らないが、院としては光君(角田氏は光源氏といわ -
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角田源氏6巻です。「夕霧」、「御法」、「幻」、(「雲隠」があるが数えない)、「匂宮」、「紅梅」、「竹河」、「橋姫」、「椎本」の8帖を収録。
大将(夕霧)は、亡き親友の妻だった一条宮(落葉の宮)をお見舞いに訪問しているうちに思いが募る。宮は、物の怪に患っている母一条御息所とともに小野の山荘に移るが、一条御息所は死去。大病を患った紫の上は、その後も衰弱し死去。悲しみに沈む光君、出家する前にと形見分けをし、紫の上からの手紙を処分する。今上帝と明石の中宮の子三の宮(匂宮)と、女三の宮の産んだ若君(薫)の二人は、何かにつけお互いに張り合っている。三の宮は元服し兵部卿となり、若君も14歳で元服し侍従に、 -
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例えば、この前の7月大災害説とか、本当のことだと信じているわけではないけど、完全にデマだと無視するわけでもない。そういう曖昧な状態に、周りがむしろ進んで身を置いているように見える時がある。
それは、どうしてだろうと思う。
たぶん、いまがより一層不安な時代であるとともに、人間は一人では弱いから。
この物語で描かれているのは、そういう人間の普遍性なんじゃないかと思う。いまがよりそういう時代ではあるけど、たぶんそれはどの時代にも言える。
それが何かのきっかけで集団同調となるとき、一滴が水に波紋するように、ある根拠不明の情報や権力の言説が正義であるかのように語られ、暴力が生まれる。
だからといって、誰 -
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タラント
角田光代
終戦記念日の今日、読み終えて良かった。
8章からなる長篇小説。シーンごとに考えさせられるものがある。貧困/戦争/障害/夢/実行力/震災/コロナ…さまざまなテーマを時系列通りでない構成で扱い、それが逆に起伏や読みやすさを持っている。
内容が深く厚いので、いくつか心に残ったことを。
・ネパールの学校の子どもたちの夢はみな「先生」だったが、おそらく他の職業を知らないからだという。
・後押しするムーミン
・うじうじすることも、そんな自分を嫌悪することにも慣れてしまっている
・国に命を捧げた若者が、戦地から帰ってきてしまった葛藤と「失ったものを数えず、残されたものを最大限に生かせ」 -
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豪華作家たちのアジアにまつわるアンソロジー
『アジア』とタイトルにある割には台湾と香港しか出てこないけど 笑
人は香りや味や音や言葉や、そして一瞬の風景でふっと過去の記憶の中に連れていかれることがある
どのストーリーもそんな郷愁に誘われる
若い頃、香港にハマっていた奈美子
当時のパーティで妊婦さんのお腹を生まれて初めて撫でた
その時のお腹の中の子、ケリーが日本で勤め始めたと聞く
『友達になってあげて』と古い友人に頼まれたけれど…
奈美子が知っている香港の熱い情熱と勢いと自由
それは25歳も年の離れたケリーが育ってきた香港の環境とはかけ離れていた
ぎこちない2人
でも2人の中にはそれぞれ、愛 -
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ネタバレ昭和、平成、令和…そういえば、こんなことがあったんだ、と思い返しながら読んだ。
文通、無線、ポケベル、ピッチ、携帯電話からスマートフォンへと、伝達?方法だけ取っても、めまぐるしい進歩と変化を遂げて来た、今。
世間を騒がせた事件も沢山あって、震災もコロナ禍も、確かに経験したはずなのに遠い昔のことみたいに実感がわかないのは何故なのだろう。
そんなことを思いながら、一気読み。
家族のことを思い、一生懸命に生きて来た不三子なのに、独り立ちした子どもたちは心まで遠く離れてしまう。
ふとしたきっかけで子ども食堂に携わり、共に活動することになっただけの間柄でも、災害時に老齢で独り暮らしの不三子のことを心配