角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひょっとしたら私たちはだれも、福袋をもたされてこの世に出てくるのではないか。
この一文が全てです。
何が入っているのかは分からない。
それらを捨てることも、誰かに押しつけることも、どうすることもできない私たちは、ぶつぶつ言いながらもなんとか折り合いをつけて受け入れるしかないらしい。
ここに登場する人物は、ふとしたきっかけで福袋から取り出されたものと対峙する。
それは、自分がかつて持っていたもの。信じていたもの。欲しかったもの。知りたくなかったもの。
ありとあらゆるそれらを眼前に見せつけられ、彼らは、もう目を背けることができなくなる。
なんてことのない日常を、やっぱりそれらと共に生きていくしか