池波正太郎のレビュー一覧

  • 剣客商売十六 浮沈

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    剣客商売 十六

    小兵衛さんが26年前に仇討ちの立会&助人をした、元門弟・滝久蔵、相手方の助太刀、山崎勘介の息子・勘之介、そしてその頃交流のあった金貸しの平松多四郎・・。
    小兵衛さんが変わり果てた滝の姿を見かけたのをきっかけに、昔の因縁が動き出します。
    命を狙われている勘之介を守りつつ、滝と平松の関係を探っていく小兵衛さん。
    仇討ち時に父を殺された山崎勘之介と、理不尽に死罪になった平松多四郎の息子・伊太郎という二人の若者は、性格は全く違いますが、どちらも父を亡くしたものの、仇討ちへの興味が全くないという事で共通していて、ちょっと小兵衛さんが“え?仇討ちしないの?”てな感じで物足りなそうだったよ

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    2020年12月26日
  • 剣客商売十五 二十番斬り

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    剣客商売 十五

    今回は短編「おたま」特別長編「二十番斬り」の二本立てとなっております。
    「おたま」は小兵衛さんが猫の“おたま”に導かれて行った場所での出来事がサクッと描かれています(勿論ちゃんと味わいあります)。
    「二十番斬り」は小兵衛さんが謎の目眩で倒れてしまうという、心配な場面から入ったのですが、その後小兵衛さんの元門人・井関助太郎と彼が連れていた豊松という男の子を匿ったことから、ガッツリ騒動に巻き込まれていくという、いつもの小兵衛さんに戻り、探索もさることながら、終盤では圧巻の二十人を相手にした大立ち回りを見せてくれます。
    中盤で三冬の父・田沼老中の子息が城中で襲撃されて、田沼老中が窮

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    2020年12月20日
  • 闇は知っている

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    あることがきっかけで僧が殺し屋になる。一瞬の感情が若者の人生を狂わせるのはいつの時代も同じ。殺し屋の末期はたいてい厳しい。闇の世界で長く生き延びる者は、生の執着が強く、それに伴い洞察力旺盛である。金と女に心をひかれなくなった殺し屋も最期は詰めが甘かった。2020.11.29

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    2020年11月29日
  • 闇の狩人(上)

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    記憶を失くし自身が何者かもわからぬ青年を助けた主人公、盗賊の弥平次の物語。かつての盗賊の一団や香具師の一団が隠れ家を変えたり尾行を重ねたりしながら一触即発の気配がスリリング。2020.11.21

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    2020年11月21日
  • 夢の階段

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    短編集。なんと池波先生が31歳から38歳までに発表された短編9編。時代でいうと、昭和29年から36年。
    時代背景を感じます、まだ戦後と言える時代であり、懸命に、しぶとく生き延びようとする庶民を暖かい眼差しで作品を作られたのがよくわかります。
    自分が捨てた娘との偶然の出会いを描いた娘のくれた太陽や、処女作厨房にてが素晴らしい。

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    2020年11月19日
  • 剣客商売十四 暗殺者

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    剣客商売 十四

    今回は特別長編「暗殺者」です。
    秋山大治郎を襲う計画があるらしいと耳にした小兵衛さんは、その噂の真偽を確かめる為に奔走します。
    そこで浮かんできたのが、波川周蔵という凄腕の剣豪で・・。
    例によって、小兵衛さんが弥七や徳次郎と共に探りまわるのですが、自分たちが大変な思いをしているのに、当の大治郎があまりに落ち着き払っているので、ついイラっとした小兵衛さんが大治郎に食って掛かるという珍しい場面がありました。
    結局は、田沼老中の暗殺計画が裏にあったという事で、前回の長編「春の嵐」でも田沼老中がらみで大治郎がターゲットにされていましたよね。“大治郎、長編で狙われがち”という感じです。

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    2020年11月08日
  • あばれ狼

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    全七編の短編集。
    前四編は、連作短編。
    後三編は、真田家もの。
    ひとつひとつの物語は、池波正太郎らしさがあるが、これを一緒に収録するのは、少し無理があるかもしれない。
    前四編の連作短編で一冊にしても良かったのではないだろうか。

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    2020年11月06日
  • 食卓の情景

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    著者自筆の挿し絵も味わい深く、食べ物のエッセイを引き立てている。古き良き時代のエッセイだが、今読んでも充分楽しめるし、感慨深い。

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    2023年02月14日
  • 剣客商売十三 波紋

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    ネタバレ

    剣客商売 十三

    本巻は全5編ということもあって(いつもは7編ほど)各話、筋立てが入り組んだ読み応えのあるものでした。
    どれも過去の因縁や、思わぬ縁の繋がりが絡んでくる話でしたが、「剣士変貌」「夕紅大川橋」は小兵衛さんの知人や友人の思わぬ一面が明かされるという点で共通していたと思います。人というのは、たとえそれが長年親交のある友人であっても、秘めた部分があるものなのですな。
    そして、「消えた女」では、御用聞き・弥七が直属していた同心の永山さんが殺されてしまい、結構いい人だっただけに、残念です。

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    2020年10月26日
  • 戦国と幕末

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    読書子の手にあるのは、1980年に刊行された紙魚も黄変もある文庫。何年ぶりの再読になるのか。
    歴史小説ファンなら最も注目する戦国と幕末。その時代に活躍した歴史上の人物などに焦点を当てた歴史エッセイ。
    「関ヶ原と大坂城」は、重複した記述があり少し興醒め。
    「忠臣蔵と堀部安兵衛」は、脚色された安兵衛とは一味違った実像を解き明かす。
    「新選組異聞」では、新選組隊士のほか、小栗上野介や伊庭八郎、真田幸貫、佐久間象山、陸奥宗光などについての記述がある。
    池波氏は、伊庭八郎に生粋の江戸さむらいとの思い入れがあり、彼を主人公にした小説(幕末遊撃隊がすでにあるが)を書いてみるつもりだと記している。
    真田幸貫は

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    2020年10月26日
  • 剣客商売番外編 黒白(上)

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    剣客商売番外編。

    小兵衛さんと真剣試合をする予定だった波切八郎がメインのストーリー。
    出る人出る人が、謎めいていて、怪しさ満点。
    小兵衛さんとお貞さんの夫婦時代も描かれていて、とても楽しい。
    個人的には、市蔵がお気に入りキャラクターです。

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    2020年10月11日
  • 剣客商売十六 浮沈

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    剣客商売最終巻。

    終わってしまったな。。。
    一巻から一気に読んだわけだが、当初の小兵衛ファミリーと、この最終巻の小兵衛ファミリーは、雰囲気が違う。
    そこには、小兵衛さんが老いていく姿があるせいだろうか。

    池波正太郎さんの作品は、「剣客商売」と「鬼平犯科帳」しか読んでいないが、作品の中で登場人物が確かに生きているなと感じる。
    だからこそ、こんなにもおもしろいと思うのかもしれない。

    最終巻、小兵衛さんが亡くなってしまうのではないか。と、ドキドキしていたが、それは荒唐無稽な心配だった。
    最後の最後、小兵衛さん、おはる夫婦の「老後」をしかと見た気分。

    又六の件は、前作でひょっとして。。。と思っ

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    2020年10月07日
  • 剣客商売十二 十番斬り

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    剣客商売 十二

    「逃げる人」では、大治郎が知り合って仲良くなりつつあった老人が、実は旧友の仇だったことが判明します。板挟み状態で苦悩する大治郎。小兵衛さんは敢えて突き放すような感態度をしていましたが、このような事を乗り越えて精神的にたくましくなっていくのでしょうかね。
    そして、「罪ほろぼし」では、2巻「辻斬り」で辻斬りを犯した永井十太夫の息子・源太郎が登場。大罪を犯した父とは違い、意外にもかなりの好青年でした。今後また登場してほしいキャラですね。

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    2020年10月07日
  • 剣客商売十五 二十番斬り

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    剣客商売15作目。

    小兵衛さんが、身体的にもメンタル的にも老いてきた感じがして、とても寂しくなるスタート。
    次の作品が最終話だと分かっているので、もしや。。。と、心配をしながら読んでいたが、途中から、いつもの小兵衛さんになったので、安心した。
    と言っても、1桁台の作とは違うけど。。
    作を重ねる毎に、侍の時代の終焉が顕著になってくる。
    それに伴い、小兵衛さんの憂いも深まる。

    さあ、次作は最終巻。

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    2020年10月06日
  • 剣客商売十三 波紋

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    剣客商売12作目。

    「消えた女」で思ったのは。。。
    小兵衛さん。。。。昔からだったのね。。。ということ。
    まったく、男というものは。。。(笑)

    今回は、人の縁の不思議さを感じるストーリーが多かったかも。
    袖振り合うも他生の縁。という感じかな。

    消えた女
    波紋
    剣士変貌

    夕紅大川橋

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    2020年09月30日
  • 剣客商売十 春の嵐

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    剣客商売 十

    今回は特別長編「春の嵐」です。

    “秋山大治郎”を名乗る連続辻斬りが現われ、全く身に覚えのない大治郎が窮地に陥ります。
    小兵衛さんと、弥七、徳次郎が懸命の追跡を行うのですが、特に徳次郎の執念には胸が熱くなりました。
    さらに八巻「狐雨」に登場した杉本又太郎や、女武芸者・お秀さんも加勢します。
    この事件の裏に、田沼老中と松平定信の対立を深めることで漁夫の利を得ようとする巨悪の存在が浮かび上がりますが、結局闇に葬られる事になり、仕方ないとはいえ、とんだ目にあった大治郎のことを思うとモヤモヤします。
    せめて辻斬りの男を大治郎に退治させてあげたかったと思います。
    そんな中、今回登場して杉

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    2020年09月29日
  • 剣客商売九 待ち伏せ

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    剣客商売 九

    「待ち伏せ」「討たれ庄三郎」は、どちらも仇討ち(果し合い)の話で、共通しているのは、仇とされている人が本当は違うのに自分から“討たれてあげる”事です。
    どちらも清廉な人が理不尽な目に合う哀しい結末です。
    「秘密」も理不尽&哀しい結末という部分では上記2話と繋がる部分を感じます。
    「或る日の小兵衛」は、小兵衛さんが行く先々で災難に遭う“小兵衛受難の巻”です。ラストの“人違い”まで含めてここまで小兵衛さんがトホホな回は珍しいかも。

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    2020年09月28日
  • 食卓の情景

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    オリジナリティ溢れる簡単な料理が書いてあって面白いのはもちろん、東京や古き良き日本の文化や生活の情景が鮮明に浮かび上がり楽しめた。

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    2020年09月26日
  • その男(三)

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    三巻立てで、一巻毎の色合いがこんなに違う小説を他に知らない。一巻目は若き剣豪誕生の物語、二巻目は維新に向う時代に愛と死と復讐の物語、三巻目は桐野利秋をサブに据えて維新の有様から西南戦争にいたる物語。また、一巻ごとに杉虎之助の語り部的な立ち位置が強くなる。このような語り部的書き方は、「天切り松闇がたり」や「壬生義士伝」など浅田次郎の専売特許かと思っていたら、凄い先立がいました。個人的な好みを言えば、一巻、二巻、三巻の順です。池波流の切り口と簡潔で小気味のいい文章はとても好きだが、維新や西南の役なら、やはり司馬遼太郎の「翔ぶが如く」ではないだろうか。

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    2020年09月23日
  • 剣客商売八 狂乱

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    剣客商売 八

    表題作「狂乱 」は身分の低さに比して剣術が強すぎる為、周りから疎まれ続けてきた、石山甚市の悲劇です。
    嫌われすぎてこじらせてしまっている、彼の孤独を読み取った小兵衛さんが、温かい言葉をかけてあげた時は、確かに石山さんの心の扉が開きかけていたのですが・・・その後仕官先の人々の冷淡な態度によって、結局彼を凶行に走らせてしまうという何ともやるせない結末でした。
    「秋の炬燵」では、5巻「手裏剣お秀」で登場した、女武芸者・杉原秀さんが再登場。狙われた男の子を守る為、おはるも頑張っております。

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    2020年09月23日