池波正太郎のレビュー一覧
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▼子供の頃に<中村吉右衛門×フジテレビ×京都松竹バージョン>の時代劇を、さほど熱心では無くても見ていたので、そのイメージがあって読みやすいという要素もきっと欠かせないでしょう。
自分の中では鬼平さんは吉右衛門さんだし、木村忠吾さんは尾美としのりさんだし、五郎蔵は綿引勝彦さんだし、おまさは梶芽衣子さん。このあたりは鉄板になってしまっています。塗り替えられない(笑)。そういう方も、多いはずです。
▼文庫全24巻。とうとう16まで来ました。
ルパン三世シリーズのアニメみたいなもので、1話1話が厳密に言うと「オモシロかったのか?」と詰め寄られると実はそうでもない。んだけど、レギュラーキャラの活躍を安心して楽しめるというぬるま湯な読書の愉しみ。
▼収録内容
影法師 網虫のお吉 白根の万左衛門
火付け船頭 見張りの糸 霜夜
▼確かいくつかの話を跨いで、部下の同心・木村忠吾の結婚&新婚話があり、長寿シリーズならではの「サブキャラの成長」が愉しい。
▼「見張りの糸」は盗賊を監視する家のものが盗賊だったという、ありそうで無かった設定。これまた長寿シリーズならではの番外編的愉しさ。
▼「霜夜」。義母との葛藤で悩みぬいた若き日の平蔵を助けてくれた後輩が、今や落剝して再会するが…。平蔵の「過去剣友シリーズ」で、又四郎というゲストキャラが良く描けていて面白かったです。 -
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▼特別長編「雲竜剣」。鬼平シリーズの特別長編は初めてだったので、期待も不安もありました。大まかは剣客商売シリーズと同じで、長編だから特に面白いということもありません。
▼過去の、剣の死と曰くがあった使い手。同じ剣を使う謎の刺客。鬼平の部下が連続殺人。謎の「鍵師」が江戸に現る・・・。だが結局は、2つの盗賊集団の動きがたまたま重なった、という。そして善玉盗賊と悪玉盗賊が親子の使い手だったという。
▼ミステリが明らかになるまでの鬼平たちの右往左往がねちっこく描かれる、というのが長編の醍醐味ですね。50代の部下・吉田さんがいい味出していました。 -
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ネタバレこの巻を読んでいる間に別のジャンルも読み進め、併読のようになったので読み終わってみて、余り印象が薄くなってしまいました。
P.56
すべてがわかったようなつもりでいても、双方のおもいちがいは間々あることで、大形にいうならば、人の世の大半は、人々の[勘違い]によって成り立っているといってもよいほどなのだ。
P.123
人にも物事にも信を置いてならぬという言葉を基にしてしまっては、人を、物を看る自分の眼力が、いつまでたっても養われぬことになると、いいたかったのだ。
・猫田与助になにがあったのか気になる。
P.192
新しい時代は、いつも新しい理性を要求する。
-「理性」物事の道理を考える能力。道理に従って判断したり行動したりする能力。
・李舜臣という朝鮮国の武将が気になる。
P.240
桜の花片がはらはらと落ちてきた。-「はらはら」という表現が印象に残った。
P.336
死ぬる覚悟をさだめたとき、与七は、
「まず、笑うてみよ」
と、いうのである。
P.383
何故、これほどまでに、昌幸は角兵衛を疎むのか・・・。-確かに気になる。
P.391
「こたびのことは、佐助の手柄じゃ。いまこのとき、御本家と御分家がきまずくなってしもうては困る。これが何よりにも大事ゆえな、な・・・・・」
いよいよ、対立が形になり始め関ケ原の戦いの足音が聞こえてきたように思う。
まだまだ先は長い?のでじっくり楽しみたい!
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池波正太郎のエッセイ集『散歩のとき何か食べたくなって』を読みました。
池波正太郎の作品は2年前に読んだ『剣客商売(四) 天魔』以来ですね。
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映画の試写そ観終えて銀座の〔資生堂〕に寄り、はじめて洋食を口にした四十数年前を憶い出す。
今、失われつつある店の味を克明に書留める。
映画の試写を観終えて、銀座の〔資生堂パーラー〕に立ち寄り、はじめて洋食を口にした40年前を憶い出す。
外神田界隈を歩いていて、ふと入った〔花ぶさ〕では、店の人の、長年変らぬ人情に感じ入る。
時代小説の取材で三条木屋町を散策中、かねてきいていた〔松鮨〕に出くわす。
洋食、鮨、蕎麦、どぜう鍋、馬刺から菓子にいたるまで、折々に見つけた店の味を書き留めた食味エッセイ。
貴重な写真を多数収録。
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平凡社の発行するグラフィックマガジン『太陽』に連載されたエッセイを収録して1977年(昭和52年)に刊行された作品です。
■銀座・資生堂パーラー
■室町・はやし
■神田・連雀町
■三条木屋町・松鮨
■外神田・花ぶさ
■藪二店
■大阪ところどころ
■京都・寺町通り
■横浜あちらこちら
■近江・招福楼
■渋谷と目黒
■京都・南座界隈
■銀座界隈
■信州ところどころ
■浅草の店々
■深川の二店
■名古屋懐旧
■京にある江戸
■フランスへ行ったとき
■あとがき
■索引
■解説 佐藤隆介
食味エッセイなのですが、単なるグルメ本ではなく、持続するものの美しさへの賛歌であり、商人道や職人気質という現代では失われつつある時代、昔ながらの流儀への挽歌……というような印象のエッセイでしたね、、、
もちろん、稀代の食いしん坊であることが、このエッセイの原点なので……銀座・資生堂パーラー、室町・天ぷらはやし、神田・洋食松栄亭や甘味処竹むら、京都三条木屋町・松鮨、外神田・料理屋花ぶさ、御堂筋かやくご飯・大黒、法善寺横丁・夫婦善哉、京都三条・イノダコーヒーやバーサンボア、寺町通り・洋菓子村上開進新堂、横浜弁天通り・カフェスペリオ、中華街・徳記、渋谷・ちゃんぽん長崎、目黒・とんかつとんき、京都南座界隈・おでん蛸長や御釜飯・由良之助、銀座界隈・天ぷら天國や寿司幸、菊鮨、洋食・煉瓦亭 等々の池波正太郎が愛した数々の店や場がふんだんに紹介されていて、むちゃくちゃ食欲をそそられましたねー 空腹時に読むのは辛い作品でした。
生きている限り、食べて排泄するという行為は続きますからね……せっかくなら美味しいモノを食べたいですね。 -
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ネタバレ第三巻
「麻布ねずみ坂」
「土蜘蛛の万次郎」の指圧師 宗仙 が鬼平の指圧をしている。
山田市太郎、宗仙宅から浪人風の男「石島」が出てきて粂八へ後を頼む。
羽沢嘉兵衛と繋がっている石島は、白子の菊右衛門の一派。お八重は菊右衛門の妾。
宗仙六二、お八重二六、七歳の情事がバレて五百両で買えと菊右衛門に迫られ、金を貯める。
が。貯めた金は本人には渡らず横流しされて、お八重は殺されてしまう。
「盗法秘伝」
平蔵、京都へ。忠五をお供に。左馬助までもが追っかけで行くと。
道中奉公人の男女を助けるが、引き渡す。
浪人風の善八と行動を共にする。
善八は盗人。犯罪を未然に防ぎ、善八は足を洗う約束をする。
「艶婦の毒」
京都での道中は続く。忠五、女好きは相変わらず。
忠五のそばの女「お豊」と良く似た女。
お豊と呼ばれた女は盗人で、裏に大きな組織。
その組織ごと潰した平蔵は、浦部彦太郎に手柄を寄越した。
「兇剣」
鬼の平蔵が京にいると、浦部与力が公表したために広がった。
道すがら「およね」を拾った。一緒に奈良見物に。
浦部与力の娘妙、忠五の嫁に…。
およねを奉公先で手籠めにした白狐の谷松。
眠っているところ、必死に出口を求めて逃げ出したおよねは、無事に脱出した先が奉公先でない事に気づいた。
小屋に近づき覗き見ると稲垣同心が絞め殺される現場。
奉公先の旦那、高津の玄丹や、猫島の伝五郎等。
大河内と浪人数名が平蔵の命を狙う。
応酬する平蔵と浦部。
浦部を馬で逃がし一人応酬する平蔵。負傷する。
現れる左馬助。大河内の体には小刀が刺さってる。
一味の一人鯨の源吉を狗に。玄丹は密貿易までしていた。
およねは庄屋に大切にされる事に。
「駿州・宇津谷峠」
今日から江戸へ。左馬助が途中で別れ秋葉山へ向かう。
宿で居合わせた男は左馬助の幼馴染。昔の命の恩人。
鎌太郎は左馬助を嫌がり、そそくさと宿を後に。
平蔵と忠吾はのんびりと帰路に付く。
途中忠吾が鎌之助と女の声に気付き、そっと聞く。
盗人宿の絵図面を手に入れ女を殺めて去る。平蔵へ報告。
宿に付き忠吾とすれ違う鎌太郎は、直ぐに立つと言う。
平蔵は後を付ける。
鎌太郎は盗人宿に付くと、斬り殺されてしまう。
その直後、平蔵と忠吾は峰打ちにして倒す。
翌朝、平蔵の知らせを受けて処理する役人。
左馬助と合流。
「むかしの男」
久栄の元に一通の手紙。宛名は勘。久栄の昔の男。
呼び出されて、音羽町の茶屋へ一人赴く。
久栄の跡を付いて来た家の者鶴蔵は、一人勘四郎の後を追う。
家では久栄が斬り付けられたと、大騒動。
その間に養女お順の姿がない。
庚申塚近くの家に入るのを見届けて帰って来た鶴蔵。
佐嶋と部下一名、同心四名が鶴像を伴って庚申塚の家へ。
火を放って出てきた者から峰打ち、体当たりで捕まえる。全て出払ったら、火を消す。
お順は中で気を失っていたが、無事救い出せた。
平蔵が帰って来るまで土蔵に押し込められていた勘四郎達。
それぞれが罪を犯しているので、勘四郎は貼り付けに。
一芝居売った婆は島流し。義息、霧の七郎は逃げた。
巻末の「あとがきに代えて」は、池波正太郎自身による解説・長谷川平蔵。
平蔵は、藤原秀郷の流れをくんでいるらしい。
実在した人物で、幼い頃は妾腹の子として父の本妻に虐められた。
若い頃は悪さをしていたが、長谷川を継ぐ時に改心。
が収録されている。
要らぬことは言わぬ、が、茶目っ気もある。
こんな人、今ではちょっと、お目に掛かれない。