池波正太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前半だるくて読む気がせず後半からスリリングで取り憑かれたように読んでしまうというこのギャップはなんだろ。
まあとにかく古い。テレビドラマを意識したであろう説明の際に登場人物のものらしきセリフを多用するのがダサいし、ドラマが常に偶然から始まるのも昭和ですか?(そうだが)って感じだし、警察側の成果が泥棒側のミスからしか生まれないのも現代の様々な作品で作られた一種のプロフェッショナルである「怪盗」像からかけ離れていてかっこ悪い。
盗賊の首魁がもと武士という設定も、なんだよ結局権威主義かよサムライカッコイーかよって思っちゃう。
ただし後半読んでいくと魅力的な陰影が出てきて、衰えてゆく初老男と時代に呑ま -
Posted by ブクログ
藩主が、将軍の妹を正室に迎える前に、他の女性に産ませた嫡男堀源太郎の、数奇な物語。
若くして堀源太郎は、頭髪が抜け落ちる奇病を、患う。
主君の世継ぎ、千代之助に侮辱され、源太郎はブチ切れて、ボッコボコにしてしまった。
結果、牢屋にぶちこまれる。
江戸で、源太郎の頭がツルピカになったと、聞いた許嫁の家からは、断られる。
その元許嫁からは、ハゲ頭を笑われる。
堀源太郎の青春は、暗~く、じめっとした、惨めを絵に描いたようだった。
さらに、自身の出生が災いして、お家騒動に巻き込まれる。
救いようのない程の、不幸な青年。
しかし、この最悪の状況から、いろんな人の助けを借りながら、自分の -
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▼消えた女波紋剣士変貌敵 夕紅大川橋
▼「鬼平犯科帳」が面白くて、するすると11巻まで読んだところで、読み終わるのが惜しいなあと思って中断し。「仕掛人梅安」に移動して、そっちを読み終えてしまい。いかんこのままでは鬼平を読み終わってしまうと思って「剣客商売」に移動。するすると読んでるうちに気がつけば13巻を読み終え「げ。あと3冊で終わってしまう」と青ざめています。いずれ再読するにせよ、やっぱり初読は格別、終わっちゃったら寂しいだろうなあ。
▼どの話も読みやすくそれなりにオモシロく、「消えた女」という、小兵衛が昔の恋人の娘を見た気になって…という話から、割と定番の「かつての弟子筋が身を持ち崩し