池波正太郎のレビュー一覧
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剣客商売 十六
小兵衛さんが26年前に仇討ちの立会&助人をした、元門弟・滝久蔵、相手方の助太刀、山崎勘介の息子・勘之介、そしてその頃交流のあった金貸しの平松多四郎・・。
小兵衛さんが変わり果てた滝の姿を見かけたのをきっかけに、昔の因縁が動き出します。
命を狙われている勘之介を守りつつ、滝と平松の関係を探っていく小兵衛さん。
仇討ち時に父を殺された山崎勘之介と、理不尽に死罪になった平松多四郎の息子・伊太郎という二人の若者は、性格は全く違いますが、どちらも父を亡くしたものの、仇討ちへの興味が全くないという事で共通していて、ちょっと小兵衛さんが“え?仇討ちしないの?”てな感じで物足りなそうだったよ -
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剣客商売 十五
今回は短編「おたま」特別長編「二十番斬り」の二本立てとなっております。
「おたま」は小兵衛さんが猫の“おたま”に導かれて行った場所での出来事がサクッと描かれています(勿論ちゃんと味わいあります)。
「二十番斬り」は小兵衛さんが謎の目眩で倒れてしまうという、心配な場面から入ったのですが、その後小兵衛さんの元門人・井関助太郎と彼が連れていた豊松という男の子を匿ったことから、ガッツリ騒動に巻き込まれていくという、いつもの小兵衛さんに戻り、探索もさることながら、終盤では圧巻の二十人を相手にした大立ち回りを見せてくれます。
中盤で三冬の父・田沼老中の子息が城中で襲撃されて、田沼老中が窮 -
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剣客商売 十四
今回は特別長編「暗殺者」です。
秋山大治郎を襲う計画があるらしいと耳にした小兵衛さんは、その噂の真偽を確かめる為に奔走します。
そこで浮かんできたのが、波川周蔵という凄腕の剣豪で・・。
例によって、小兵衛さんが弥七や徳次郎と共に探りまわるのですが、自分たちが大変な思いをしているのに、当の大治郎があまりに落ち着き払っているので、ついイラっとした小兵衛さんが大治郎に食って掛かるという珍しい場面がありました。
結局は、田沼老中の暗殺計画が裏にあったという事で、前回の長編「春の嵐」でも田沼老中がらみで大治郎がターゲットにされていましたよね。“大治郎、長編で狙われがち”という感じです。