マルクス・ガブリエルのレビュー一覧

  • 時間・自己・幻想 東洋哲学と新実在論の出会い

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    注目を集める哲学者マルクス・ガブリエル氏との対談形式による、西洋哲学と東洋哲学の思考の往来は、難解ではあるが新たな気付きが散りばめられ、とても興味深く読み進めることが出来た。
    墓場と高層ビル群の視点も面白い。

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    2025年10月12日
  • 時間・自己・幻想 東洋哲学と新実在論の出会い

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    哲学系の本の中では読みやすい方だと思う。日常的な言葉を使いながら話されている対談なので、新実在論や仏教思想、日本哲学について詳しくなくても面白く読める。

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    2025年09月06日
  • 時間・自己・幻想 東洋哲学と新実在論の出会い

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    知の好奇心を煽られた。
    でもなかなか理解できないこともあり。
    著者が語る新実在論。
    脳が受信機であれば、同じ受信機ではない。
    だから人それぞれ、少しずつ見ている番組が違う。
    そして放送されている番組(=現実)は単一の番組ではない。つまり世界は存在しない。
    「私たちは現実をあるがままに知ることはできるが、現実は一つではない。よって世界は存在しない。
    その現実とは、さまざまな断片の集まりだから。
    ※つまり世界とは、ひとつに繋がっている物語でないといけないのに、断片的であるから、存在しない、ということ?
    ※確かに東洋哲学だと 断片 を重視している。つまり、過去と現在と未来につながりはない、と。
    で、あればやはりニーチェの指摘のとおり、「仏教はニヒリズム」であり、そのニヒリズムからの脱却は難しいのでは?(それこそ超人以外は)
    そして「世界は存在しない」のなら、なぜ著者は「もはやGDPを擁護する人はいない」といった経済学や「ウクライナへの戦争は、政治の問題ではなく宗教問題」などの国際情勢に首突っ込んで語るのか?
    存在しえない世界を語っても、仕方ない、のでは?

    でも一冊しか読んでいないし、私がよくわかっていないのだと思う。

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    2025年08月01日
  • 考えるという感覚/思考の意味

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    気鋭の哲学者であるマルクス・ガブリエル氏の三部作最終章。三部作のなかでは(文章が平易であるという点において)最も分かり易いものの、相変わらず内容はさっぱり理解できず。ただ、知的刺激は大いに受けた。
    前々作は「世界」、前作は「私」、本作は「考える」がテーマ。唯物論的神経中心主義を論駁した前作に対し、思想ならびにその表象化モデルである思考とはそもそも何かを再定義していく。著者は「考える」ことを「考覚」と言い、生物として元来備わっているものではなく、人間が生み出した「(人工知能ならぬ)人工知性」という捉え方がユニーク。
    著者が語る「考える」ということが持つダブルミーニングつまり感覚器官と表象手段は、「テセウスの船」が示すような「思想」というものの物理との分離性と一体不可分性を感じる。
    「哲学のロックスター」とも称される著者だが、三部作を通じて最も伝わることはTV番組に対する深い造詣と愛情であろう!

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    2025年07月11日
  • 「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学

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    いま最も有名な哲学者といっても過言ではないマルクス・ガブリエル氏の一般向け哲学書三部作の第2弾。1作目同様、内容はほぼ理解できなかったが、著者の深い造詣と考察に触れているだけで知的好奇心が刺激される。
    昨今のニューロネットワークのAI花盛りの時代にあって、「AGIの登場がまもなく」というまさに今、著者は「神経(ニューロ)中心主義」に異議を唱え、「私」≠脳というテーゼを以って、我々の精神の深淵や本質に対する論理展開を図る。自由意志の存在は第三章や量子力学的パラレルワールドからすると制約条件の結果という気もするが、志向的意識と現象的意識という観点を経ると「現象的」は人間の精神の複雑さを示しているように思える。
    著者がユニークなのは例示に映画やTV番組、時事の話題などをふんだんに盛り込んでいる点だろう。だからといって解りやすいわけではなく、デカルトやカントのような不変的哲学書の地位にはなりえない面は否めないが、哲学をより身近にしていることは間違いない。

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    2025年07月05日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

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    いまだ20世紀と変わらない西洋の独善を体現したようなアタリは論外としても、4名の「西洋」知識人達の議論には特に目新しい視点がみられない(トッドもこの時点では露ウ戦争へのスタンスを明確にしていない)。唯一ミラノビッチにはやや未来に開かれた現実主義のようなものが感じられたくらいか。
    一方で、その後を受けた日本の論者達の議論には共感する部分が多かった。特に小川さやか氏の途上国やインフォーマル経済に視点を置いた議論には、世界の広さや本当の多様性について考えさせられる。

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    2025年06月18日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    多様性に振り回されている現代で、半歩進んで世界を前向きに捉えるための関わり合い方、新しい実存主義の提唱。同じ時代に生きる哲学者はその時代に必要とされる提唱をしているのだと思う。自分の気持ちと向き合うことで、その背景にある世界との繋がりを見出したい。

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    2025年05月03日
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか

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    読んだと思ったのに本棚になかった。二重登録かもしれないけれど書いておく。

    新実在論は未だによく分からないが,思弁的実在論やOOOとは違うらしいというのは分かった。新書ばかりでなくちゃんと著作を読まなければなりませんね。

    死刑反対の議論があって,これを覚えていたので読んだと思っていたのだが,他の著作でも言ってるのかもしれない。
    ①「尊厳とは,「人間はときには人間存在の概念に基づいてその人生を送っている動物である」という事実」
    ②「他の人の尊厳を減らす人は,自分自身の尊厳も減らしている」
    ③「尊厳がゼロになることはありません。ゼロになれば人間でなくなります。」
    ④「もしその人を殺せば,その人の尊厳はゼロであるとみなしていることになる」

    この論証が腹落ちしないのは多分②だと思う。
    これと,新実在論で言う倫理的事実という概念がどう関係するかも課題。
    そもそも倫理的事実がよく分からない。

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    2025年04月27日
  • つながり過ぎた世界の先に

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    コロナの頃に書かれていた本ですが、哲学者の言うような世界になっているのでしょうか?ますます混沌とした社会になってるような気がして仕方ありません。それほど世界は単純じゃない、のかもしれません。SNSと距離を置いたほうが良さそうです。

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    2025年02月05日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    毎年観ているドキュメンタリーの中で考えをきいていたのですが、著作は実は読んでいなかったので挑戦

    様々な角度から思考を回転させないと理解が進まず、
    思った以上に時間がかかったが、
    ひょっとしたら欧米より日本の方が理解しやすい内容なのかもしれない

    またそこから世界の断絶と資本主義の限界という近年の課題が導かれるヒントになるのかな

    何にせよ思考をまとめることは難しく、良い頭のトレーニングになったと思う

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    2025年02月02日
  • 人類の終着点 戦争、AI、ヒューマニティの未来

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    これからの世界について、今起きている戦争、AIの発展、資本主義、民主主義の今後など重要なテーマについて、複数の知識人たちの語りで展望が語られる。

    ロシアのウクライナ侵攻を西欧ほどそのほかの国々は嫌っていないとか、戦後ロシアとドイツの接近こそアメリカが嫌っているとか斬新な切り口もあり、人口減少する先進国なので第二次世界大戦ほどの拡大戦争にはならないという見方もあれば、それはわからないという意見もある。

    AIによるデータの大企業に寡占される様やソノ、IT企業組織はヒエラルキー型のトップダウンという保守的組織であるという指摘も興味深い。

    ただAIはよくできて効率的なWikipediaのようなもので、何かを直接生み出すこともなければ、視覚聴覚に頼りがちな我々が体験したかのように錯覚するが、五感を通した体感とは別のものという指摘は忘れないようにしたい。

    リベラルな民主主義とコミュニティの関係が制度とし述べられる中、一方でコミュニティのアソシエイトとしての責任と権限、そしてそれが体感できる規模感、そういった共通倫理や道徳感があってこその民主主義制度が機能するという中島氏の意見はまさに賛同する。

    まさに無責任、手触り感のない暮らしは工業社会以降の先進国に多く生み出されている。それは仕事、暮らし、住居などが特定の土地、文化、共同体から切り離されたり、容易に変わらざる得ない現状が生み出したものでもあると思う。

    また、コミュニティやアソシエイトの負の側面(同調圧力等)にも目を向けて、出入り可能なフレキシブルさ、レジリエントも必要という結びに賛同しつつ、それを作ってかないとなというところに読後感が着地した一冊。

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    2025年01月09日
  • 全体主義の克服

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    戦前の日本、ドイツが失敗した全体主義化の危険性を、現在ネットが起こしうる危機について述べている。

    中盤から後半は、欧州思想が二者択一論に陥る、それはキリスト教の枠組みを超えられていないこと、中国思想はそこにとらわれずなので、新たな可能性があるとすることなどが語られている。

    最後に人の資本主義、倫理を大企業はきちんと価値にする、そのため弁護士だけでなく優良な哲学者をコンプライアンス部門に雇うべきなど興味深い示唆もあった。

    理解にはまだ及ばないが、興味深い本だった。

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    2024年12月09日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

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    コロナ禍とウクライナ戦争で、世界の経済のグローバル化は減速した。だが、世界の経済のグローバル化はこれからも持続していくだろうという。SNSが普及して、これからに必要なのはリテラシー教育らしい。「未来の自分に利他的になろう」というメッセージには共感した。急速に物事が変化していく時代に、生涯学び続ける姿勢を持ちたいと思った。

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    2024年09月18日
  • 新実存主義

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    ガブリエルの新実存主義をめぐる哲学的な対話。

    最後のケルンの議論は腑に落ちなかったが、ガブリエルの反論で明瞭になった。おかしい議論はおかしいと言えるのが知性だ。

    全体的に、心、精神の問題を扱っている。「語彙」に注目するガブリエルの視点が興味深かった。
    また、ハラリなどが主張するニューロン主義や意思の欺瞞性への批判も痛快。確かな人間性を取り戻す重要な取り組みだ。

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    2024年01月24日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    新進気鋭の哲学者マルクス・ガブリエルによる「新しい実在論」の解説書。物理的な宇宙は存在するが、それが即ち「世界」ではない。私たちは物理的でない意味合いも当たり前に実感し存在することを感覚的に理解できるのだから。「世界」とは物理的な意味合いもその他の意味合いもすべて含んだものであるはずだがそのようなすべてを包含する視点は存在しえない、というような話。めちゃくちゃ屁理屈言ってるようにも感じるが、ものすごく当たり前の感覚のことを言っているようにも感じる。ですます調の訳も含めて哲学書にしてはかなり読みやすい。

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    2023年12月10日
  • つながり過ぎた世界の先に

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    考えを整理するとき、哲学者の助けがあった方が良いケースはあるのだと思う。マルクス・ガブリエルは分かりやすく噛み砕いて、自分の考えを伝えようとする宗教者のようだ。

    倫理資本主義とは「“人と社会にとってよいこと”を判断軸とした資本主義」のこと。
    社会性と経済的(儲け)を高いレベルで両立した経済のあり方とも言える。
    ここで言う「社会性」とは、儲けの前に、まず人の幸せを本気で考え、顔の見える他者を想像する倫理性を持つこと。

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    2023年10月07日
  • つながり過ぎた世界の先に

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    この本が特に印象的だったのは倫理的価値と経済的価値は同意であると話してるのは本当に印象的でした。
    twitter含めてなんですが、近年、本当に倫理的に考えて発言しなくなってる事に危機感を覚える。
    また、企業も含めて本当にひどいなと感じます。
    改めて倫理の重要性を感じました。
    特に恋愛、仕事、婚活において!
    倫理と経済
    これは今後大事だと感じさせる本です。

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    2023年09月23日
  • つながり過ぎた世界の先に

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    科学に関するところは怪しすぎたのですが、後半はとても良い内容だった気がしました。
    ステレオタイプによって他者を判断することは非倫理的であること、対話が必要であること、SNSが我々に自己を与えていること、などのところはかなり興味深く感じました。
    この辺りは不必要に自己の属性についてSNSを通して自ら確定してしまうというのは実際に感じるところで、他者に対する属性化も問題だとは思っていたのですが、反面自己を不必要に規定してしまうことが生きづらさを生む温床となってしまうのを感じました。
    交友層の偏りがかなり出てるように見えるので自分がもっと広く対話したらどうかなと思いますし、哲学者を雇うべき的なところなど所々プラトン的にも思えますし、やってないことをいつでもやれるぜっスタンスで語るのは個人的には格好悪いと感じてしまいますし、歴史的経緯から倫理的に正しい自分であることを表明し続けなければならないドイツにおけるナショナリズムってこんな感じなのかなと想像したりもしました。
    哲学はズブの素人なのですが、医学についての語りはだいぶ怪しかったので、同氏の専門以外の発言は、話半分くらいで考えようと思いました。

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    2023年09月12日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    金田一秀穂さんは
    日本語は緊急事態に向かないと言う

    緊急事態を宣言します、には
    本当に緊急事態なの?

    緊急事態宣言を発出します、だと
    ああそうですかとどこか他人事

    日本語の得意は落とし所を探す事

    ロックダウンより20時閉店
    和を持って貴しとなす、それでいい

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    2023年06月27日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

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    世界の頭のいい人たちからコンパクトに要点教えてもらおう!という、ある意味とても今っぽい本。中公新書で出た企画が成功したので、後追いという印象もある。
    後追いとはいえ、世界は変わっており、最新の状態を前提にスピーディに新書化してるので、つまらないということはない。
    今回はコロナとウクライナを前提に話している。
    複数の人が話し、それをまた複数の人が感想を言う二重構造で議論が深まっていて良い。
    学ぶとは考える体験であり、時間がかかるためデジタル化やコスパとは相容れないないという言葉は印象的。
    多元的に考えるという言葉一つでも、人によって表現が違い、印象も変わる。
    読後は「もっと本を読もう、ネットは減らそう」となった。

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    2023年06月17日