マルクス・ガブリエルのレビュー一覧
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気鋭の哲学者であるマルクス・ガブリエル氏の三部作最終章。三部作のなかでは(文章が平易であるという点において)最も分かり易いものの、相変わらず内容はさっぱり理解できず。ただ、知的刺激は大いに受けた。
前々作は「世界」、前作は「私」、本作は「考える」がテーマ。唯物論的神経中心主義を論駁した前作に対し、思想ならびにその表象化モデルである思考とはそもそも何かを再定義していく。著者は「考える」ことを「考覚」と言い、生物として元来備わっているものではなく、人間が生み出した「(人工知能ならぬ)人工知性」という捉え方がユニーク。
著者が語る「考える」ということが持つダブルミーニングつまり感覚器官と表象手段は、 -
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いま最も有名な哲学者といっても過言ではないマルクス・ガブリエル氏の一般向け哲学書三部作の第2弾。1作目同様、内容はほぼ理解できなかったが、著者の深い造詣と考察に触れているだけで知的好奇心が刺激される。
昨今のニューロネットワークのAI花盛りの時代にあって、「AGIの登場がまもなく」というまさに今、著者は「神経(ニューロ)中心主義」に異議を唱え、「私」≠脳というテーゼを以って、我々の精神の深淵や本質に対する論理展開を図る。自由意志の存在は第三章や量子力学的パラレルワールドからすると制約条件の結果という気もするが、志向的意識と現象的意識という観点を経ると「現象的」は人間の精神の複雑さを示しているよ -
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読んだと思ったのに本棚になかった。二重登録かもしれないけれど書いておく。
新実在論は未だによく分からないが,思弁的実在論やOOOとは違うらしいというのは分かった。新書ばかりでなくちゃんと著作を読まなければなりませんね。
死刑反対の議論があって,これを覚えていたので読んだと思っていたのだが,他の著作でも言ってるのかもしれない。
①「尊厳とは,「人間はときには人間存在の概念に基づいてその人生を送っている動物である」という事実」
②「他の人の尊厳を減らす人は,自分自身の尊厳も減らしている」
③「尊厳がゼロになることはありません。ゼロになれば人間でなくなります。」
④「もしその人を殺せば,その人の -
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これからの世界について、今起きている戦争、AIの発展、資本主義、民主主義の今後など重要なテーマについて、複数の知識人たちの語りで展望が語られる。
ロシアのウクライナ侵攻を西欧ほどそのほかの国々は嫌っていないとか、戦後ロシアとドイツの接近こそアメリカが嫌っているとか斬新な切り口もあり、人口減少する先進国なので第二次世界大戦ほどの拡大戦争にはならないという見方もあれば、それはわからないという意見もある。
AIによるデータの大企業に寡占される様やソノ、IT企業組織はヒエラルキー型のトップダウンという保守的組織であるという指摘も興味深い。
ただAIはよくできて効率的なWikipediaのようなも -
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科学に関するところは怪しすぎたのですが、後半はとても良い内容だった気がしました。
ステレオタイプによって他者を判断することは非倫理的であること、対話が必要であること、SNSが我々に自己を与えていること、などのところはかなり興味深く感じました。
この辺りは不必要に自己の属性についてSNSを通して自ら確定してしまうというのは実際に感じるところで、他者に対する属性化も問題だとは思っていたのですが、反面自己を不必要に規定してしまうことが生きづらさを生む温床となってしまうのを感じました。
交友層の偏りがかなり出てるように見えるので自分がもっと広く対話したらどうかなと思いますし、哲学者を雇うべき的なところ -
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世界の頭のいい人たちからコンパクトに要点教えてもらおう!という、ある意味とても今っぽい本。中公新書で出た企画が成功したので、後追いという印象もある。
後追いとはいえ、世界は変わっており、最新の状態を前提にスピーディに新書化してるので、つまらないということはない。
今回はコロナとウクライナを前提に話している。
複数の人が話し、それをまた複数の人が感想を言う二重構造で議論が深まっていて良い。
学ぶとは考える体験であり、時間がかかるためデジタル化やコスパとは相容れないないという言葉は印象的。
多元的に考えるという言葉一つでも、人によって表現が違い、印象も変わる。
読後は「もっと本を読もう、ネットは減 -
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『エマニュエル・トッド』
(2022年現在、今後の世界情勢について)私は歴史家が本職。でも歴史の話はまったく役立たず。なぜなら、私たちが経験しているのは、まったく新しい何かだから。
歴史と違う点
・20世紀初めは各国人口増加したが、今は中国も含め減少する見通し
・冷戦時は、ロシアとNATOが直接対決したことはないが、ウクライナ戦争は、核使用が現実味を帯びるロシア対NATOの本物の戦争
・プーチンは独裁者だと言うが、ヒトラーや、ムッソリーニ、スターリンと違いイデオロギーが無い折衷的で多様な独裁者
・各国国民は超個人主義になった。それはロシア国民も同じ。だから国家間の経済紛争や戦争が行っているのに -