マルクス・ガブリエルのレビュー一覧

  • 人類の終着点 戦争、AI、ヒューマニティの未来
    何時の時代にも「考えてみるべきであろう」というテーマは在る。そんなことに関する話題を提供してくれるのが本書である。豊富な話題を提供してくれる一冊であると思う。
    本書は識者達へのインタビューや鼎談、対談を色々と集めて纏めたモノである。幾つもの読み応え在る内容を纏めている。新聞の特集、その下敷きになるフ...続きを読む
  • 人類の終着点 戦争、AI、ヒューマニティの未来
    「人類の終着点」とはエグいタイトル。終着点と言いつつ、副題で「戦争、AI、ヒューマニティの未来」と。未来、それが明るいのか暗いのかはわからないけど、歴史が続くのであれば、決して終着ではない。一方、今の不透明・混乱な時代に生きる我々からすると、今後どうなるのか=終着ということだろう。

    民主主義の問題...続きを読む
  • つながり過ぎた世界の先に
    先だって読んだ本「人生百年の教養」に著者の亀山郁夫先生がこの本から「幸せになれるゾーン」が人間にはあると引用していたのでマルクス・ガブリエルの「つながり過ぎた世界の先に」を読んでみた。
     最終章に「人には幸せになれるゾーンがある。ゾーンは人によって違う。このゾーンをみつけられたら、それは自分の運命。...続きを読む
  • つながり過ぎた世界の先に
    マルクス・ガブリエルは注目している知識人の1人なので、本書も手に取りましたが、とても満足しています。この手のインタビュー本ですと、内容がかなり薄くがっかりすることも多々あるのですが、さすが哲学者ガブリエルです、インタビュー用にわかりやすい言葉を使いつつ、かなり深いことも多数盛り込んでいました。ガブリ...続きを読む
  • なぜ世界は存在しないのか
    哲学初心者ですが、世界で爆発的に売れたということで手に取りました。難しい個所も多くすべてを理解したわけではありませんが、本書の核となる「新しい実在論」の骨子は理解できました。これについてはかなり丁寧に説明されているので哲学初心者でもガブリエル氏の主張は理解できると思います(同意するかはまた別問題だと...続きを読む
  • なぜ世界は存在しないのか
    「本書では新しい哲学の原則を示してみせたいと思っています。~中略~すなわち「世界は存在しない」ということです」

    といきなり大風呂敷を広げたうえで、「世界は存在しない!」というキャッチーな主張の理由を、今までの様々な哲学の歴史をおさらいしつつ、やさしく説明してくれます。とても読みやすかった。(と言っ...続きを読む
  • 全体主義の克服
    お二人とも現代を代表する知性の方。とても消化しきれないので、今後のためにいくつかメモ。

    欧州の知的世界にあっても、いまだに拭えないナチズムの負の遺産
    デジタル技術を駆使した新しい全体主義の到来
    資本主義、消費社会の倫理的な再構築
    多様性、複数性、偶然性の哲学的回復
    東アジア哲学の可能性、西欧哲学と...続きを読む
  • 新実存主義
     一本の論文に4名による関連論文(反論)を4本足して再版論を付けて1冊の新書になっている。論文がわざわざこんな形で邦訳され,新書化されるってなかなかに凄いことだと思います。
     「実存主義」を名乗る理由はいまいちピンとこなかったのだが,言いたいことはだいたい真っ当だと感じた。というか,自然主義というか...続きを読む
  • 全体主義の克服
    私は以前から世の中には何か一つの真理があり、それをひたすら追い求めていた。その思考がロジカルであり、その最たるものが自然科学だと思っていた。
    しかし、この自然科学だけを信じる思想は全体主義といって、その他の価値観、例えば宗教などを一切受け付けなくなってしまう。
    実際に私は宗教を全否定していたし、空想...続きを読む
  • なぜ世界は存在しないのか
    タイトルに興味があって読んだのではなく、現代の哲学界で天才と言われるマルクスガブリエルさんがこんなにも若い方だったということに驚いて読んだ。

    ある程度哲学の本は読んで少しわかったつもりになっていたけれど、まだまだ分からない難しいことが多かった。

    世界が存在しない理論についてもなんとなくそうなのか...続きを読む
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか
    5つの危機
      1.価値の危機
    2.民主主義の危機
    3.資本主義の危機
    4.テクノロジーの危機
    5.表象の危機

    1.価値の危機

     現代社会ではほとんどの人が文化相対主義を信じる。結果、差別主義が蔓延。
    同じ種である人間の道徳的価値観は同一で...続きを読む
  • つながり過ぎた世界の先に
    星が足りない。本物の天才が哲学で社会を語る。思弁性とプラグマティズムのアウフヘーベンはこうすれば良いのか。著者のウィルバー理解を聞いてみたい。
  • つながり過ぎた世界の先に
    落ちぶれたマスメディアからは発信されないであろう事柄、倫理観に基づく洞察、偏りすぎていない確固たる主張。
    総じて勉強になることが多かった。

    トランプ支持者ではないものの、昨今のトランプ批判には疑問を抱いていた。しかしこの本の中でトランプの功績について触れられており、そこが特に、この本を評価した点。
  • つながり過ぎた世界の先に
    生意気ですが、今まで私が考えていた事と同期する所多く、漠然とイメージしていた事を論理的に整理頂き感謝感激です。
    また、倫理観については、体の奥底に潜んでいた、忘れていた観念、哲学を今に甦らせてくれたと思います。
    今後マルクスサンを追っかけて行きます。
  • なぜ世界は存在しないのか
     最近とみに注目されているらしいマルクス・ガブリエル、2013年のベストセラー。邦訳は2018年講談社選書メチエなので、入手しやすい廉価設定かつ、ごつくない。
     一般読者向けに自身の哲学を平易に記述したものなので、すこぶる読みやすい。ただし、文章は読みやすいが言っている内容はかなりラジカルな部分もあ...続きを読む
  • 全体主義の克服
    新しい全体主義は科学や技術から来るのかもしれない、という指摘はすごく腑に落ちる。
    行き過ぎた相対主義からもう一度普遍性を見出せす取り組みこそ、新たな全体主義を防ぐ方法なのかもしれない。
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか
    注目の「Neo existentialism」またはNew Realism をひっさげる哲学者マルクス・ガブリエルとの独占インタビューを元に構成した一冊。インパクトが大きい一冊。
    中身を咀嚼するために、ガブリエルの他の主要著作をみる必要があると思っているのですが、なかなか、進んでないです。
    そういう...続きを読む
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか
    非常にエキサイティングな内容の一冊だった。しかし自分には難解なところも多々あり、すべてを理解できたわけではなかった。日本がテクノロジーに関するイデオロギーを生み出すのが抜群にうまいというのは国際社会で今後生き残っていくために重要な示唆のように思う。
    優しい独裁国家とは言い得て妙だなと思った。特に海外...続きを読む
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか
    とても良かった。特に、多くの人が民主主義を間違って理解している、言いたいことを言うのはフェイスブックであって民主主義ではない、とか。普遍的な道徳的価値観とか。
    新しい実在論の最後のところ読んで驚いた。明白なことなのに論理立てられてないことを普通の手段で説明している。すごい。
    社会を新しい視点で捉えら...続きを読む
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか
    全貌がわかるわけではなかったけれど(そもそも人文的なものに「わかった」が存在するか怪しい)たしかにいい感触というのがあった新書だった。これをきっかけにして色々と読んでいきたい。一番新しめの哲学。