タイトルに興味があって読んだのではなく、現代の哲学界で天才と言われるマルクスガブリエルさんがこんなにも若い方だったということに驚いて読んだ。
ある程度哲学の本は読んで少しわかったつもりになっていたけれど、まだまだ分からない難しいことが多かった。
世界が存在しない理論についてもなんとなくそうなのか
...続きを読むとくらいにしか理解できなかったけれど、読んでいてとても腑に落ちたことがあった。
世の中には無数の意味の場があって、しかもそれらが互いに独立しているわけでもなく、独立していないわけでもなく、複雑に絡み合って存在していると。
最近はすべてを自然科学で説明しようとする傾向があるけれど、それも一つの意味の場にすぎない。宗教を信じる人、国家という概念を信じる人、自然科学を信じる人、そこになんの違いがあるのだろうか。
個人的には、医療や科学技術を信じられず自然主義の人たちのことがなかなか理解できなかったけれど、この言葉を聞いて、すごく納得した。
自分自身、何か一つの真理で世界をとらえようとしていたけれど、そんなことは不可能なのだと理解できた。
すべてを包摂する意味の場は存在しないのだ。