清水一浩のレビュー一覧

  • なぜ世界は存在しないのか

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    哲学初心者ですが、世界で爆発的に売れたということで手に取りました。難しい個所も多くすべてを理解したわけではありませんが、本書の核となる「新しい実在論」の骨子は理解できました。これについてはかなり丁寧に説明されているので哲学初心者でもガブリエル氏の主張は理解できると思います(同意するかはまた別問題だと思いますが)。形而上学での存在の扱いをテーゼ、構築主義による考え方をアンチテーゼとするならば、そのジンテーゼとして「新しい実在論」が提示されていると解釈しました。

    本書の前半では存在するとはどういうことなのか、ということで新しい実在論についての説明が続きますが、個人的に興味深かったのは後半部分です

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    2023年05月04日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    「本書では新しい哲学の原則を示してみせたいと思っています。~中略~すなわち「世界は存在しない」ということです」

    といきなり大風呂敷を広げたうえで、「世界は存在しない!」というキャッチーな主張の理由を、今までの様々な哲学の歴史をおさらいしつつ、やさしく説明してくれます。とても読みやすかった。(と言っても自分は読むのに2ヶ月以上かかったけど)
    それにしてもこの煮詰まった時代に、いきなり「新しい原則を示す」という野心がすごい。もはやロマンチスト。
    そして説明されるガブリエルさんの主張は、多様性の時代にフィットした哲学という感じで、とても面白かった。

    なぜ世界は存在しないのか、を要約すると、

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    2022年07月22日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    タイトルに興味があって読んだのではなく、現代の哲学界で天才と言われるマルクスガブリエルさんがこんなにも若い方だったということに驚いて読んだ。

    ある程度哲学の本は読んで少しわかったつもりになっていたけれど、まだまだ分からない難しいことが多かった。

    世界が存在しない理論についてもなんとなくそうなのかとくらいにしか理解できなかったけれど、読んでいてとても腑に落ちたことがあった。

    世の中には無数の意味の場があって、しかもそれらが互いに独立しているわけでもなく、独立していないわけでもなく、複雑に絡み合って存在していると。
    最近はすべてを自然科学で説明しようとする傾向があるけれど、それも一つの意味の

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    2021年09月10日
  • なぜ世界は存在しないのか

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     最近とみに注目されているらしいマルクス・ガブリエル、2013年のベストセラー。邦訳は2018年講談社選書メチエなので、入手しやすい廉価設定かつ、ごつくない。
     一般読者向けに自身の哲学を平易に記述したものなので、すこぶる読みやすい。ただし、文章は読みやすいが言っている内容はかなりラジカルな部分もあり、丁寧に読むために、私は時間をかけた。
     非常に良い本だった。極めて論理的であり、例えばバートランド・ラッセルのように明快である。
     本書で言う「世界は存在しない」というテーゼは、「あらゆるものを全て包含するような『世界』は存在しない」ということであって、物理学的な「宇宙」や、個人の意識と生活に基

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    2020年12月28日
  • なぜ世界は存在しないのか

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     ベストセラーにあまり触手が動かない僕だが(読むのがとんでもなく遅いので読みたくても読めないだけ)、こういう本があるからやはり油断してはダメだ。僕は、この著者の主張に対する反発と同意を同時に覚えながらこの本を読み進めた。こういう読み方ができる本は意外に少ない。

     僕はここのところずっと、「科学で世界を説明する」というアイデアにシンパシーを感じてきた。特に分子生物学や脳科学の分野における成果を見るにつけ、人間と世界に関わる全てが自然主義的に説明される可能性は高いと思えたし、そのプロセスも十分に知的興味を刺激してくれた。今もこの期待感は全く揺るいではいない。

     しかし、同様の立場に立つ本を読み

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    2020年03月12日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    哲学書にしては非常に分かりやすい語り口と内容。

    キルケゴールを通して、宗教の意味を説く章は白眉。バランスが取れている。

    マレーヴィッチを通して、芸術の意味を説く章も刺激的。

    エンドロールに示された、世界がない故に、新たな意味の場が生まれる、との主張には希望すらある。

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    2020年02月03日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    哲学で最も基礎的な存在と認識に関する問題に真正面から取り組んでいる。結論だけ見れば、日常的な感覚に即した極めて穏当なものだが、少しでも哲学をかじった者ならば、著者の論の進め方になるほどと思うのではなかろうか。論の雰囲気だけで言うならば、フッサールの現象学にウィトゲンシュタインの言語ゲーム的なものの見方を導入したような感じだろうか。宗教や神の概念、あるいは芸術についての見方も独自で面白かった。

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    2019年03月24日
  • ジャストタッチでおもしろいように入る!パットの正解

    購入済み

    参考になった

    とても参考になりました。
    子供も一緒にゴルフをしていますが、パットの説明、本を参考に説明して話してます(^^♪

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    2018年03月06日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    多様性に振り回されている現代で、半歩進んで世界を前向きに捉えるための関わり合い方、新しい実存主義の提唱。同じ時代に生きる哲学者はその時代に必要とされる提唱をしているのだと思う。自分の気持ちと向き合うことで、その背景にある世界との繋がりを見出したい。

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    2025年05月03日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    毎年観ているドキュメンタリーの中で考えをきいていたのですが、著作は実は読んでいなかったので挑戦

    様々な角度から思考を回転させないと理解が進まず、
    思った以上に時間がかかったが、
    ひょっとしたら欧米より日本の方が理解しやすい内容なのかもしれない

    またそこから世界の断絶と資本主義の限界という近年の課題が導かれるヒントになるのかな

    何にせよ思考をまとめることは難しく、良い頭のトレーニングになったと思う

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    2025年02月02日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    新進気鋭の哲学者マルクス・ガブリエルによる「新しい実在論」の解説書。物理的な宇宙は存在するが、それが即ち「世界」ではない。私たちは物理的でない意味合いも当たり前に実感し存在することを感覚的に理解できるのだから。「世界」とは物理的な意味合いもその他の意味合いもすべて含んだものであるはずだがそのようなすべてを包含する視点は存在しえない、というような話。めちゃくちゃ屁理屈言ってるようにも感じるが、ものすごく当たり前の感覚のことを言っているようにも感じる。ですます調の訳も含めて哲学書にしてはかなり読みやすい。

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    2023年12月10日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    一般向けという触れ込みだったように記憶してますが、十分に理解するのに手間取ってしまいました。

    新しい存在論というテーゼは、世界は存在するすべての領域がその中に現れてくる領域、「すべての領域の領域」であるために、「果てしない派生のなかで果てしなく増殖していく無数の意味だけが存在する場」であるがゆえに「世界は存在しない」という論理なのだと思う。

    唯物主義や構築主義を否定する論理はすべてを理解するには至ってないが、それぞれに理論を証明できない部分があることが何となく分かったし、特にそもそも事実は存在せず我々が一切の事実を構築しているのみという構築主義は人間軽視の感があって寂しさも感じるところ。

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    2021年05月22日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    新進気鋭の哲学者ガブリエルの著作の翻訳ということで期待を込めて手に取った。実存主義、対象と自己の関係を解きほぐす。科学と哲学の関係は長年疑問だったので、印象に残る。理論を詰めるとこうなるという哲学の世界で、脳の裏側を使う感覚を久々に覚えた。良書

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    2020年12月31日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    世界はなぜ存在しないのかという大胆な問いについて考えている本である。

    なぜ世界が存在しないのか。
    それは、世界はそれぞれの人が切り取った場で意味が変わってくる。
    なので、世界は存在しない。
    加えて、形而上学は事象の詳細それぞれのリアリティを考えられないことが欠点であると大胆に述べている。
    最後には人生の意味とは生きること。尽きることのない意味に取り組みつづけることと実存主義にも触れて終えている。

    感想
    人生の意味を考え続け、取り組み続けけること、
    これは普遍的に人類が取り組まないとならないことであろう。
    そうしなければ、自由から逃走し続けることと、アノミー的な自殺者がついえることはなくなら

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    2020年10月18日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    結論から言うと「なぜ世界が存在しないのか」は分からなかった。認識の問題というのはわかるが、そこからの展開が理解を越えている。
    ただ、哲学(思考)というものがどういう風に展開されていくのかが興味深く、また分かりやすい例を多用してくれているので読むのは楽しい。

    哲学入門書、というレベルではないだろうが、読者の理解レベルによってそれなりに楽しめるのでは?

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    2019年12月08日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    「新しい実在論」を説く若手哲学者による哲学書。

    訳語がですます調なのと、卑近な例が多く使われていて、思ったよりも読みやすい。

    どうも近年?の哲学は、観察する側とされる側(主体と客体というか)のどちらに重きを置くかの論争になっていて、本書の著者はどちらにも重きを置く立場らしい。

    同じものでも見る人によって見え方が違うというのは至極当たり前だが、量子論的とも言えなくはない。

    著者がいう「世界は存在しない」ことの理屈は理解できる(わかりやすく図解までされている)が、それは「世界」の定義によるところが大きく、言ってしまえば「全知全能の神(いるとして)を作ったのば誰?」という問いにも似ている。

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    2019年02月25日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    哲学の本としては、異例に評判になっているらしい。

    「現代思想」の本としては、わりと読みやすいかな。

    ある意味、当たり前のことを言っている感じもする。

    この本が評価されるということは、これまでの哲学が極論というか、話を必要以上に難しくしすぎていたということか?

    ポストモダーン思想をある程度読んだ人には、この「新しい実在論」は、ちょっとしたコロンブスの卵に思えるかもしれないが、あまり哲学を読んでない人、つまり「素朴な実在論者」にとっては、この本自体が「ポストモダーン」な相対主義の本に思えるかもしれない。

    だって、普通の人は、目の前の「現実」がもしかすると本当は存在しなくて自分の心が「構築

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    2019年01月20日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    ネタバレ

    よみうり堂店主の2018年の3冊。
    「新しい実在論」の旗手による刺激的な論考。私たちが存在するとはどういうことかを徹底的に掘り下げる。

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    2018年12月31日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    とてもわかりやすく実在論を書いてある。また、訳がわかりやすい。最後にテレビドラマでしめくくったのが、現在風かもしれない。

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    2018年05月31日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    要再読。新しい実在論とは。

    ・「世界」とはすべての意味の場の意味の場。

    ・いっさいを包摂する意味の場など存在しないからこそ、存在するということは、つねに相対的なこと、つまり何らかの意味の場に関わってこそ言える。

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    2024年09月29日