マルクス・ガブリエルのレビュー一覧

  • 全体主義の克服

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    TwitterやYoutubeで何気なく発言することが当たり前のようにパブリックコメントとして扱われて炎上する現象が頻発していることも、本書の対談が問題としている現象の一部なんだろうなぁと思いながら読み進めました。無底って概念、もっと知って自分になじませていきたいな。

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    2020年09月18日
  • 全体主義の克服

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    マルクス・ガブリエルと「世界哲学史全8巻」の編纂者の一人中島さんの対話にもとづく本。

    マルクス・ガブリエルは、なんだか面白そうなんだけど、どこが新しいのかはよくわからなかった。ポストモダーンの構築主義を批判する「あたらしい実在論」というのだが、「世界は存在しない」と主張していて、超越的な「1」を否定するポストモダーンの哲学者にみえる。

    つまりは、構築主義が「あれも構築、これも構築。実在とか、本質なんてない」というところを「あれも実在、これも実在。すべてを包含する一つの世界はない」といっているだけ?たしかに「すべて構築」というより、「すべて実在」というほうが、なんか元気がでるけどね。。。。

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    2020年08月17日
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか

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    ●最近本屋でよく顔を見るこのひとの本、初めて読んだ。
    難しいとこも多いけど面白かった。内田樹の本読んでる感覚に似てた。

    第4章:民主主義
    民主主義では何でも自由に言えると誤解されている。文化的多様性は事実で、minorityを排除しようとする人を民主主義は排除すべき。でも他人の尊厳を減らす人は自分自身の尊厳も減らしていると考えよ。つまり尊厳がゼロになれば人間でなくなるのだから死刑はダメ

    第5章:資本主義
    グローバル経済が、グローバル国民国家の存在なしで機能することはない。インターネット上の危機と似ている。法律上の制限がないグローバル経済は明らかに問題。ここにトランプは気づいた。世界国家のな

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    2020年07月25日
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか

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    インタビュー形式で読みやすく訳された文章なので、煩わしくなくマルクス・ガブリエルの言葉を咀嚼できる。私が見る現実、あなたが見る現実、見えない現実、その事実、仏教にも通じる観点が提唱される。見る角度を変えると見えなかったものが見えてくる、思い込みを捨てると違う景色へと変貌する。万華鏡のように世界は変わる。それでは世界は存在しないものなのか、そこに真実がある。数多の現実が交錯する中に潜んでいる。「新しい実在論」の第一歩として良書。

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    2020年06月10日
  • 新実存主義

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    哲学の本は通常難解だ。いや、“哲学者以外の人間には”、とことわるべきだろう。この本もその例外ではない。基本的には、「脳」と「心」は同じものか、違うものか、を論じているのだが、唯物論だ、観念論だ、自然主義だ、実存主義だ、などと、全て自明のこととして論が進む。素人にとっては甚だ厄介で、いちいちそれってなんだっけ、と立ち止まらなければ先に進めない。著者は、「心」は「脳」とイコールではないとの立場だと思うが、それがなぜ「新実存主義」なのか。「世界はなぜ存在しないのか」という彼の言葉を見て、仏教の唯識を思い出した。

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    2020年05月12日
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか

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    ネタバレ

    ・インターネットはすべてが反・社会主義的。民主主義の土台を揺るがしている。デジタル化によって、リアルとバーチャルの境目があやふやになった。
    ・新しい実在論における氏の主張は二つ。「すべてを包摂する現実は存在しない」、「現実はそのまま知ることができる」。現実は数多く存在する。「意味の場」は複数ある。
    ・「新しい実在論」はリアル(真実)とバーチャル(嘘)の境目を明確にするもの。真実に目を向けるための思考法。新しくグローバルに協力し合おうという提案。
    ・相手を悪だと思うことも、善だと思うことも、人から人間性を奪う。
    ・特定の偏見を克服するためには、「意味の場」を学ぶこと。「我々は何人たりとも排除して

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    2020年05月03日
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか

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    グローバル経済において、労働環境が異なる中国のような主要プレーヤーと製品のやり取りをするのは、ルールなしで巨漢と殴り合いをするようなものだ。
    そこにはルールが必要であり、トランプはこのルールを確立しようとしている。

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    2020年04月30日
  • 世界史の針が巻き戻るとき 「新しい実在論」は世界をどう見ているか

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    インタビュー文字起こしがベースで日本人読者向けという意識があるので読みやすいし、それほどのボリュームでもないのでこの時期にサクっと読んでしまうにはうってつけの教養本でした。

    哲学界のロックスターと呼ばれるドイツの哲学者が「新しい実在論」を軸に世界の危機を読み解くという本。

    彼が「表象の危機」と表現し米国、欧州、中国の振る舞いというのは「そういうフリ」でしかなくて、目に見えていることとは全く異なる衝突が起きているんだよ、という解説が私には1番スリリングな内容でした。

    政治や地政学、デジタルに経済も網羅的に語ってくれるので、何やら複雑怪奇な現代というシステムを俯瞰するのに良い知恵を授けてくれ

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    2020年04月29日
  • 「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学

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    様々な哲学者の思想を簡略に書いてあるので、非常にわかりやすい本である。脳と意識の関係がとても分かりやすく書かれている。

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    2020年03月14日
  • 「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学

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    人間は、科学的に説明し得るのか。自然科学的探究を思考するときの「私」は、迫るシンギュラリティに備えようとし、それは説明可能性を受け入れている。一方で、答えのない未来を探究する思考に耽るときの「私」は、自然科学では構築しえないものであることを疑うことすらしない。だから、脳が単に神経回路で、内外の入出力を媒介するだけなら、「私」は脳ではない。生物的存在と社会的存在、そして、「私」にとっての世界によって、「私」が在る。ような気がする、所で一先ず。

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    2020年01月17日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    結論から言うと「なぜ世界が存在しないのか」は分からなかった。認識の問題というのはわかるが、そこからの展開が理解を越えている。
    ただ、哲学(思考)というものがどういう風に展開されていくのかが興味深く、また分かりやすい例を多用してくれているので読むのは楽しい。

    哲学入門書、というレベルではないだろうが、読者の理解レベルによってそれなりに楽しめるのでは?

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    2019年12月08日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    「新しい実在論」を説く若手哲学者による哲学書。

    訳語がですます調なのと、卑近な例が多く使われていて、思ったよりも読みやすい。

    どうも近年?の哲学は、観察する側とされる側(主体と客体というか)のどちらに重きを置くかの論争になっていて、本書の著者はどちらにも重きを置く立場らしい。

    同じものでも見る人によって見え方が違うというのは至極当たり前だが、量子論的とも言えなくはない。

    著者がいう「世界は存在しない」ことの理屈は理解できる(わかりやすく図解までされている)が、それは「世界」の定義によるところが大きく、言ってしまえば「全知全能の神(いるとして)を作ったのば誰?」という問いにも似ている。

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    2019年02月25日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    哲学の本としては、異例に評判になっているらしい。

    「現代思想」の本としては、わりと読みやすいかな。

    ある意味、当たり前のことを言っている感じもする。

    この本が評価されるということは、これまでの哲学が極論というか、話を必要以上に難しくしすぎていたということか?

    ポストモダーン思想をある程度読んだ人には、この「新しい実在論」は、ちょっとしたコロンブスの卵に思えるかもしれないが、あまり哲学を読んでない人、つまり「素朴な実在論者」にとっては、この本自体が「ポストモダーン」な相対主義の本に思えるかもしれない。

    だって、普通の人は、目の前の「現実」がもしかすると本当は存在しなくて自分の心が「構築

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    2019年01月20日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    ネタバレ

    よみうり堂店主の2018年の3冊。
    「新しい実在論」の旗手による刺激的な論考。私たちが存在するとはどういうことかを徹底的に掘り下げる。

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    2018年12月31日
  • なぜ世界は存在しないのか

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    とてもわかりやすく実在論を書いてある。また、訳がわかりやすい。最後にテレビドラマでしめくくったのが、現在風かもしれない。

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    2018年05月31日
  • 時間・自己・幻想 東洋哲学と新実在論の出会い

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    ネタバレ

    p19 西洋哲学と東洋思想の大きな違いは、西洋哲学が不変のものを探求している点だと思います。~他方、日本人が問うのは、「変わらないものが存在するという幻想は」なぜ生じるのか」です。~西洋思想はアフリカ思想なのです。
    p48 ~真の効率性とは点の質を上げることではなく、点同士の結びつき方を向上させること~。真の効率性は現実を分解することではなく線を引くことです。

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    2025年12月20日
  • 「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学

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    平易な文章であるがゆえに,逆に分かりにくくなってる印象。全編にわたって神経中心主義を批判するのだが,論点が次々出てきて論旨が追いにくい。色々な学説(主義)に言及されるのだが,著者がそれに賛成なのか反対なのかすら,俄には読み取れない始末。神経中心主義が誤りであることが論証されているのか?なんだか議論をずらしているというか,噛み合っていないように思える。自分の読解力の問題か。
    しかしガブリエルはドイツ哲学をベースにしながら,フランスはもちろん,英米にも造詣が深い。大陸系VS分析系という分類は乗り越えられつつあるように思った。

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    2025年11月02日
  • 時間・自己・幻想 東洋哲学と新実在論の出会い

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    著書こそ出会ったことはなかったが、
    若い天才的哲学者、マルクス・ガブリエルの名前は聞いたことがあったので、本屋さんで見かけて気になっていた。
    しかも副題が、
    「東洋哲学と新実在論との出会い」

    新実在論の方は聞き馴染みがなかったが、東洋哲学については、ちょっと勉強したいぞ…とここ数年、ずっと思っているトピック。

    今年は聖書読書会を通じて、聖書を開く時間が増えた。クリスチャンでもないし、ましてや新たなる信仰心から読もうと考えて通読を試みているわけでもないので、聖書について向き合う際には、ざっくり「東洋哲学や東洋思想とは別世界のもの」と思って読んできたんだが、ところどころ(私が知る限りなのでだい

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    2025年10月30日
  • わかりあえない他者と生きる 差異と分断を乗り越える哲学

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    他者とは永遠に分かり合えないんだろうけど、その前提で付き合う必要があるってことだと思う。
    なぜ哲学者の口調って全て自分が正しいかのような口調なんだろうというのが気になった。

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    2025年09月22日
  • つながり過ぎた世界の先に

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    パンデミックの途中に購入した本。ジャケ買いのようなものだった。難解な内容のインタビューの翻訳ということだからか、文章が短く、砂を喰むような感覚が終止抜けなかった。デリダがハイデガーの弟子だとか、歴史が現代に繋がっている感じもしたが、途中、そんなの喋っていいのか?というほどご自分の多岐に渡る活動の自慢?が出てくるところを見ると著者は大丈夫かな?と不安になった。人間、そんなに色々な事に取り組めないよ、と。

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    2025年07月03日