マルクス・ガブリエルのレビュー一覧
-
-
-
-
Posted by ブクログ
実存主義を完全に理解しないまま本書を読んだために半分も理解できなかった。少し分かったことは実はマルクス・ガブリエルの思想は大陸合理論からの流れであり、人間は他の動物とは異なる知性(精神)というものが存在し、これは物理の領域を超えた何かであると考えているという事。人間中心主義的な考え方であるが、本当に物理の法則を超えた何かが存在するのか、人間が本当に他の動物とは異なるものなのかは分からない。それを思考実験で考えるのが哲学であり、人間が作ったはずの言葉がなぜかその謎を解き明かす神聖なカギとなるのが哲学。理解はできないが、何か知性的な鍛錬をした気になり少し高揚した。
-
-
Posted by ブクログ
「新しい実在論」についての解説書。正直に言うと内容についての理解度は4割もいっていない気がする。
世界は「価値の危機」「資本主義の危機」「民主主義の危機」「テクノロジーの危機」に直面しており、その4つは「表象の危機」に結びついている、というのが筆者の主張。薄い理解ではあるが、「現物」を手に取らずとも様々なものを見聞きしたり、実際に会わずともコミュニケーションが取れたりする現代において、人々は「幻想」を「現実」だと捉えてしまい、その裏側にある「真実」を見ることができていないということかと思う。
「テクノロジーの危機」の章では、「人工知能など存在しない」「AIは知能をモデル化したものである時点で、 -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに 新しい哲学が描き出す針が巻き戻る世界とは
第1章世界史の針が巻き戻るとき
第2章なぜ今、新い実在論なのか
第3章価値の危機
第4章民主主義の危機
第5章資本主義の危機
第6章テクノロジーの危機
第7章表象の危機
補講新しい実在論が我々にもたらすもの
P95仏教(禅宗)に代表される日本の価値観は、欲望を
極力切り捨て、大きな変化を求めるよりも。今目の前
にあるものを、大事にする思考だ。これは新しい
実在論の形である
P97デジタル時代への次なる貢献は、新しい思想の波
である
P98よりすぐれた思想、あまりか企業よりもすぐれた
哲学を持つ企業が必要
まあまあ -
Posted by ブクログ
話題の哲学者マルクス・ガブリエルのリード論文と4名の哲学者のコメントからなる対論集。いささか仰々しい宣伝文句とは裏腹に、内容は真っ当な自然主義・還元論の批判、ヒューマニズムの擁護です。AI時代にウケがいいのも納得。精神(Geist)という大陸観念論の伝統を現代的な形式で再提出・復権を目指しているのも好感触で、新実存主義という括りにもさほど違和感はありません。気になったのは氏の精神史観で、この新書では明らかとなりませんが、新書サイズでは求め過ぎでしょうね。氏の他の本も読みたくなった。御年88歳のテイラーが活き活きと、ガブリエルより分かりやすくポイントを説明していたのは流石。
-
Posted by ブクログ
ガブリエルの「新実存主義」という論文が中心になっていて、それに対する同業者(?)の序論やコメントがあって、最後にコメントに対するガブリエルによる回答がおさめられているという構成。
新書なので、わかりやすいのかな?と思って、買ってみたのだが、わりと専門的というか、学術的な本でした。
より一般向きと思われる(文章とか例示はわかりやすそうなのだが内容的にはそんなにわかりやすいわけではない)「なぜ世界は存在しないのか」「私は脳ではない」をまず読まないと、ここでの議論にはついていけないんじゃないかな、と思う。(私は、2つとも読んだけど、この本の議論にあまりついていけなかったが、、、)
さて、ガブリ