マルクス・ガブリエルのレビュー一覧
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Audibleにて。
イグノーベル賞にあった惹かれ合う者同士の心拍や発汗の同期は、Zoomによる関わりでも起こりうるのだろうか?著者は、「他者を知るには相手の匂いを感じる必要がある」と述べる。五感(六感も含む)で知ろうとするからこそ同期は生じるのだろうか。
実感としてはそちらのほうが強いな。電話のカウンセリングが一番抵抗感が強いのは 、分からないことが増えるからだしな。
「他者の社会的な仮面を超えた所に人間性を見る必要がある」
→これも我ー汝につながっていくものかな。自分ごとのように他者を考える…利他のためではなく、それが人間の幸福にとって必然だからそうする。社会的望ましさゆえでなく、そうしなければ「私」は顕現し得ないし、その先の幸福もないから。あくまで自分自身のために我ー汝を考える。そのための対話。
これを教育により理解して貰う必要がある。
「民主主義服務」の考え方は面白いな。今のままだと偶然そういう環境に行くくらいしか、自分と違う社会的な状況にある人と対話する機会は得られない。可能なのは、せいぜい読書くらいだが、好みによる選別が入るし、匂いを感じるまでには至らない。そういう機会を増やすしかないな。
「肌の色は意識にフォーカスされるのに、耳の長さに対してはそうではない。」
→社会的な意味、コンテクストが意識の着目点を作る。これが付与されていないものは自然と「黙過」される。黙過は「社会的な文脈によって共創造されるもの」とも言えるか。黙過は個人の歴史によって否認・抑圧されるだけの現象ではない! -
Posted by ブクログ
戦争やAI、資本主義と民主主義など現在のさまざまな論点についての識者の発言をまとめた一冊。
大国の覇権ではなく、各国・地域の利害に基づく多様なつながりが増えている現代、米中問題とか対ロシアという近視眼的な見方では追いつかないというのはよく分かる。
個人的に面白く読んだのはAIの話。人間を超えるか、という問いの立て方になんとなく違和感を持っていたけれど、素人にはそれがうまく説明できず、漠然とした危惧にあおられたままだった。その違和感を詳細に言葉で説明してくれた感じ。
たとえば人口「知能」というネーミングが導く恐怖感とか、AIの背後でデータを学習させるために単純作業をする労働者たちが抱える問題、データやツールを独占する国家や大企業の権力の問題の方が、AIそのものよりもはるかに深刻な危惧だ、と。
一方で、そもそも「知性」を外から入った情報を処理して何らかのアウトプットをすること、と定義すると、人間の知性とAIは確かに似たような作業をしているようにも見えるし、「創造性」についても、人が過去の経験や学習を基に作品を創り、AIはデータを基に「創造的な」作品をアウトプットすると考えると、やはり類似性は見える。
それでもなお、本質的な問題は人間の側にある。バイアスがかかったり誤った情報が出てきた時に、それを見分ける能力を持ち得るか、拡散されるフェイクにどう対応するか。現在進行形の課題をしっかり考える足掛かりになる。 -
Posted by ブクログ
海外の有識者2人への個別インタビューに対して、国内の有識者2人が討論するという面白い構成。
各国のコロナ対策の是非、ロシアのウクライナ侵攻に対するスタンスなど、インタビューを掘り下げていくと、有識者によって意見の食い違いがあることが分かり、国籍や立場によって複雑な事情があることを理解した。
SNSやデジタル技術によって、人々が「単純化」された理論への志向が強くなり、少しでも異質なモノを見つけ次第排除しようとする傾向は、私自身も含め危惧している。リアルの交流が減ると、ついつい異質な他者を排除できるからだ。ただし、同じ価値観を共有できるほど、社会が単純ではない。
人間は不確実で不完全な生き物。理解できない行動は誰にもある前提のもと、「agree to dissagree」のマインドを意識したいと思う。
例えば、これまで読んだことの無いようなジャンルの本やニュース記事を読むとか、賛成出来ない意見に少しだけ耳を傾けるとか。そこまでやるのが苦痛であれば、価値観の合う人(仲の良い友人や家族など)と、自分の間にあるビミョーな違いを探して見るのも良いかもしれない。もちろん、アラ探しではなく、良い関係を維持したままが望ましいが。 -
Posted by ブクログ
日本人のインタビューアによる、マルクス・ガブリエルのインタビュー。audibleで聴く。
ウィルス学者が統治してはいけない、力を持っていけない、というのは、本当に良い意見であると思う。日本のコロナ対策は、専門家チームをまとめる尾身会長がかなりの発言権を持ってしまった。そのことが、東京オリンピックを史上初の無観客によるオリンピックにしてしまった。このときに、日本にマルクス・ガブリエルのような人が、専門家チームの意見が力を持つような状況に声をあげて議論をしていけば、無観客を避けられたかもしれない。そういったことを考えてしまう。
トルコをEUに加盟させないのは、EUの最大の過ちという。なるほど。
人間の本質は、「答え」ではなく、「問い」なのです。良い言葉である。 -
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わかりあえない他者と生きることを主義、考え方について突き詰めたわかりづかくはない哲学の本だったなぁと思います。マルクスガブリエルは好きで何冊か読んでおり、倫理資本主義という考え方もすごくいいなと思っています。一方で、マザーテレサはもっと人生を楽しむべきだった。彼女はそうではなかったと思うという話が出てきましたが、それは本人に聞いてみないとわからないのではないかなぁと思いました。作中断言されることが間々出てきますが、私はこれが解です。というよりもものごとはコインのように裏表があり、シーソーのように絶えず揺れ動いていて時代や環境や感情によってあらゆるものは常に変化しているのかなと思います。そうであるのであれば、今現在自分が納得できる選択を積み重ねていくのが1番メインになるのかなと思います。たまに納得できなくても進まないといけなかったり将来のこと考えてあえてそうでない方をとることもあるだろうからやっぱり100%これがってないのかなと。
作品のタイトルに対する唯一の解である”対話する”については、しないよりはしたほうが良いと思うけれど、結論を待ったなしに出さないといけない選択の場合は対話はその答えではないのかなと思ってしまいます。そこまで切迫してなくてもみんな日々の暮らしに必死だからなかなか難しいのかな。でも対話したほうがよいと常に思っておきたいです。 -
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コロナ禍をテーマにした、識者たちの短いインタビュー記事が集められたものだが、人間の生死について、人間どうしの関係性について、また経済について(これに関しては私自身の基礎知識がなく、よくわからなかったが…)など、コロナ禍に限らず、人間社会が抱える普遍的で本質的な事柄が多岐にわたって言及されていた。
色々なるほどと思う言葉に出会ったが、特に、世界的な傾向にある「分断」が抱える問題について、アメリカ人経済学者の言葉が腑に落ちた。彼は、それは誰か一人の責任ではなく「差異を超えて互いに話し合うことを妨げている深い分断そのもの」が問題であると語った。特定の人物に責任を転嫁させるような報道に違和感があったが、話し合い、過ちを認め合うことが「分断」から「結束」への橋渡しになると思った。 -
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他者をめぐるインタビュー集。
全くもって理解も共感もできない他者と、時間と場所を共有して生きなくてはならない時、どうすればいいのだろう。ロシアや北朝鮮をどう見ればいいのか、「他者」をどう考えればいいのか、そんな思いから読みました。
内容的には広く浅く、限りなく平易に語られていたけれど、わかりやすいというのはむしろわかりにくい事なのかもしれない。
あまりに一般的な言説は精緻さを欠くため、意図していることのコアな部分が見えてこないように感じてしまいました。
そんな中深く感じ入ったのは、自分のアイデンティティよりも前に他者との関係があるということ、他者がいないと自分の信念を疑うこともなく、その外側に出ることはできない、ということ。今の自分は他者によって形作られているということを理解させられた。
他者の本質はここにあるのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
「新しい実在論」、「新しい実存主義」を提唱するマルクス・ガブリエルのインタビューをもとにした本。
哲学者としては、若いし、かっこいいし、現実的な提言もおこなうしということで、最近、人気の様子。
あれもこれも実は存在するが、「世界」つまり、唯一の意味をもつ総体のようなものは存在しない、という主張は、彼に期待されているように思える「相対主義の乗り越え」というより、「相対主義の徹底」のように私には思える。
この哲学的なポジションは興味あるところで、彼の本はわりと読んでいます。
で、最近は日本でも人気で、インタビューをベースとした日本企画ものの本も多くなっている。
なるほどと思うところも多いのだが、政策提言的なところについては、よく言えば現実的、悪く言えば、わりと常識的かな?
彼の哲学的な主張と政策提言がどうつながっているのかはよくわからないでいるのだが、そんなに単純に良い悪いを言うことができるのかな?と思ってしまう。
この本の「他者論」もそんなに新しいものに思えないし、コピーにあるように「差異と分断を乗り越える」ような思想ではない気がする。
う〜ん、なんでもかんでも「哲学者」に聞いてみるというのも、そろそろやめた方がいいのかも。
わたしも、ガブリエルのこの手のインタビュー本を読むのは、この辺までとして、「なぜ世界は存在しないのか」3部作の最終作が翻訳されるのを待とう。 -
Posted by ブクログ
おすすめフレーズ
・新しい実在論は二つのテーゼが組み合わさってできています。ひとつ目なあらゆる物事を包摂するような単一の現実は存在しないという主張です。現実は一つではなく、数多く存在する。
ふたつ目は、私たちは現実をそのまま知ることができるという考え方です。
学び
ある出来事に対して人それぞれの正しさの判断があるということを改めて理解できた
なぜ
新しい実在論の考え方や、世界は存在しないのフレーズで説明している。
例えば、、、
ドナルドトランプのSNSのニュースを正と見るか偽とみるか、ニュースが書いてあることは現実でそれをどう捉えるかは人次第。 -
Posted by ブクログ
哲学を全く知らない自分にはちょっと難しく感じました。
アヴェンジャーズを全く知らずにエンドゲームを見た感じかもしれない。
なので是非また読み返してみたいです。
哲学についてなにも知らなかったので、役割や、ものの見方に関して勉強になりました。
まず、哲学者は地球に降り立った地球外生命体のように世の中を観察する、という説明で哲学とは何か、というのがなんとなく掴めた気がしました。
また、物理学的に捉えられる宇宙こそが世界そのものであるという考え方や、
科学が他の全てのものごとの捉え方と比較して優位になりすぎていることへの指摘も印象に残りました。