黒澤いづみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
親子といっても別の体を持つ人間。どれだけ言葉を尽くしても解り合えないことは多い。なのにお互い話し合うこともせず違いを認め合うこともしなかったから その能力を取り上げられるかたちで異形となって意思の疎通が絶たれてしまったのか? そして言葉や意思疎通の方法を失って初めてお互いを理解しようと努力したということだろうか…
王女のキスでカエルから王子に戻る様に無償の愛で異形から人間に戻る感じには少し物足りなさを感じた。
正直あまり気持ちの良い話ではなかったが最初から最後まで〝あなたならどうしますか?〟とずっと問われている様に思えて 色々考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
できの良くない親として,この本を読んでいて辛くなる部分が多かった.子供というのは勝手に育つもので,見守って,必要な時だけ支えてあげれば良い.とはよく聞くけれど,美晴もそれができずに悩んでいた.
「先回りしてできることをしてやるのではなく,できないことを手伝ってやること.」
「肯定的にも否定的にもわざわざ意味付けする必要もない,確かな事実がある... 他人の反応,ひいては言葉,自分自身を含めた感情,意味と呼ばれているもの,そのすべてがあたかも本物のように振る舞うだけで,実はまやかしであるということ.ただ移りゆく現象と同じようなもので,自分を脅かし害するような絶対的な力は持ち得ないこと.どう在っ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ書き出しが『だから捨ててと言ったのに』から始まる短編集。様々な作家さんがこの一言からそれぞれの物語を紡ぐので、本当にいろんなジャンルの話が読めるのが面白い。
個人的に印象に残っているのは多崎礼さんの『海に還る』、摩耶雄嵩さんの『探偵ですから』かな。短いからこそ、その世界にスッと入り込めてわかりやすい話が好み。『海に還る』は人魚の話で多崎さんの作品らしいファンタジーな世界観が8ページにまとまっていて良かった。『探偵ですから』はとにかくわかりやすい作品で読みやすかった。短い話なのに、物語の登場人物の心情もわかりやすかったし、飼ってる犬がしゃべりだすとか少し怖い感じもするけど、主人公が助かって良か -
Posted by ブクログ
ある日突然自分の子供が異形の生き物になってしまう、という不思議な設定のお話。
ファンタジーなのにリアルな親子関係、人間関係が描かれていて楽しく読めた。
もしも自分の子供がある日虫になってたら変わらず愛せるだろうか…?足の部分が指になってる芋虫が自分の子供でも…?
想像しながら読んでいたけれど、なかなか許容するのは難しい…作中に出てくる何人かの人みたいに、私なら殺してしまいそうだ……
全部でざっと10人くらいの登場人物が出てきたけれどどの人も人柄とかをさらっとしか書いていなくて、その知らない具合がリアルな人間関係っぽくて良いなあと思った。
最後に異形になった子供達の心のうちというか、葛藤とい -
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