黒澤いづみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトル『それはそれはよく燃えた』の1文から始まるショートショート集。
ネットの炎上、恋心、火事など、こんなものまで「燃える」のかと思える作家25人の25作を1冊の本で読めるのはとても贅沢。
でも後味は25作25様で、ほっこり甘いものもあれば苦々しいもの、ざらっと心地悪いものなど本当にさまざま。
クイズノックのファンなので河村拓哉さん目当てでこのシリーズを読み始めたが、矢樹純さん、三津田信三さんなど、このシリーズは毎回新しい作家さんと出会えて、読書の幅が広がって嬉しい
私は総じてホラーが好きなので、今回の『それはそれはよく燃えた』はぞくっとする話が多くて、とても好み。不穏で悲しくて残酷 -
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昨年、単行本で読んで話の内容に凄く引き込まれたのに最後だけ何か府に落ちず、何でだったのかなと思い、文庫解説→再読しました。
内容は比較的覚えていたので、改めて読んでみて、文章構成や登場人物のキャラが分かりやすくていいなと思った。
各章ごとの終わりに主人公ではない人の目線からのストーリーを入れているのも単調にならず飽きさせないので面白い。
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■再読してみて。
ただの異形変形してしまう奇妙な話ではなく、
病気(ハンセン病、エイズ、コロナ)など差別的対象のオマージュと、引きこもり問題の『8050問題』を掛け合わせた二重の問題提起があったから引き込まれ -
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25編のショートショート集で、ちょっとした時間にも読み進める事ができて楽しかったです。
全て『だから捨ててと言ったのに』の一言から始まり、そのあとは作者さんによって推理物になったり、ホラーになったり、感動物になったりと、ショートショート集なのにとても読みごたえがありました。
知っている作家さんの作品には作家さんらしさが出ていて楽しめました。初めての作家さんの作品もあったので好みの作風の作家さんの他の話も読んでみたくなりました。
このショートショート集をきっかけに読書の幅が広がりそうです。
今回は第四弾目とのことで、前作も読んでみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレおぞましいのに、読み続けずにいられない。強烈に引き込まれる物語。
美晴は会社員の夫とひきこもりの息子と暮らす主婦。ある日、彼女は息子の部屋で虫に似た姿のおぞましい『異形』を見つけてしまう。小型犬ほどの大きさの不快な生物は、息子・優一の変異したものに違いなかった。なぜなら、その頃、世間では『異形性変異症候群』という不可解な現象が広がっていたのだから。社会から隔絶された状態で暮らすニートや引きこもりの若年層だけがかかるその病気に、親たちはさまざまな反応を見せる。美晴は同じ病気の子供を抱えた親たちの会を見つけ、そこに参加する。
まず、子供たちが変異する異形の姿が何種類ものバリエーションがあり、読 -
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独特な設定が見事に活きる作品。
異形になる病の子供を持った親のお話。
自分だったらとてもまともに育てることはできない、と思いながら親の愛情に心打たれました。
でも読んでいくうちに、その親が追い詰めたんだな、と気づいていきます。病の原因も察知する頃には、片方が悪いわけではないという思いになりました。
不快だったのは、助けあいましょうと言いながら、現実逃避に走る変異者の親たち。必死に問題と向き合おうとする人の前で、のらりくらりしながら、こんな子供でも私たちは大事にしてます、とアピールされているようで、好きになれませんでした。
でも、そういう色々な家族の姿を、独特の設定を活かして描いた、心に響く小説 -
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ネタバレ美晴の愛はすごいと思った。
変異しても愛しづつけることができない人、殺してしまう人がいる中で美晴はものすごく頑張ったと思う。だから優一も結難病として認定された。『異形性変異症候群』、別名ミュータント・シンドロームから回復できたんじゃないかな。でもたぶんわたし的に夫は回復できないと思う。
・これに罹ったが最後、患者は死に至るのだ。それは物理的な死ではなく、人間としての死である。
・優一を切り捨てる、という選択肢は美晴の中に存在していなかった。どう考えても、たとえ人の形を成していないとしても、息子はやはり息子だったのだ。
・「……おかあ、さん」
・美晴はか細く「ごめんね」と呟いた。 「…… -
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もしも息子が虫になったとしたら、愛情を注ぎ続けられるのだろうか。
この小説では虫に限らず、犬や植物、魚などにも変身する。
しかし単なる変身ではなく、どれもグロテスクな外見になってしまう。
その姿を受け入れられず殺してしまう親もいれば、主人公のようにこれまでの関係性を見つめ直し、親子関係を立て直そうとする人もいる。
コミュニケーションが取れずに外見も受け入れられないとなれば、拒絶してしまう家族の気持ちも正直わかってしまう。
子どもは親の所有物のように扱われ、それが優一にとっては苦痛だった。
過干渉はよくないが、子どもの幸せを思うからこそ、親はつい口を出してしまうもの。
親と子の在り方を見つめ直 -
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Posted by ブクログ
宮部みゆきが衝撃を受けたと紹介していた1冊
カフカの『変身』が病として起こった世界
罹患すると、ある者は鳥のような異形に、ある者は植物のような異形に、一夜にして姿を変える
昆虫のような異形に変わった息子を持つひとりの母親
父親は、もう人間では無いのだから処分するように主張する
『変身』後の家族の絆がリアルに描かれていて考えさせられるし、これでもかというくらい良質などんでん返しが続くので、脳トレにもなる小説
A book that Miyuki Miyabe once mentioned as having deeply shocked her.
A world where Kafka -