古沢嘉通のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
早川書房 翻訳SFファンタジイ編集部のXタイムラインに流れているのを見て、面白そうだったので購入。(気になったらとりあえず買う!積む!)
霧に包まれた水上の小型船で目覚めた一人の男。自分の記憶がない、名前すらも分からない。頭部には手術痕。近くには銃で自殺したと思われる男の死体。小型船には彼ら以外に5名の男女(計7名)。皆同じく記憶喪失。残っているのは、警察、軍人、医師、科学者など、専門家として身体に染みついた行動パターン(=筋肉記憶)のみ。何も分からないまま小型船は進む。そして衛星電話が受信するは何者かからの指令。果たして彼らに与えられたミッションとは―――。
記憶喪失の男女が、それぞれの -
Posted by ブクログ
ネタバレ差別や格差の構造的な問題を銀と翻訳の魔法の世界を使って読者に分かりやすいように表現したかったのかなと思った。あまりに分かりやすく説明されたため、この物語で重要なのはその問題を説明することであり登場人物たちや銀と翻訳の魔法は説明用に都合よく設定され用意されただけの存在に思えた。魔法は斬新な設定で登場人物たちも特殊な出自でどれも面白いのに、その魅力を味わえる話があまりなかった。語源の話は普通に面白かった。ロビン以外の主要キャラの退場がアッサリすぎて悲しい。いやほんと、世界観の作り込みはすごかったけど気持ちいい展開が無くてずっとストレス。ご都合主義な展開が好きというわけではないはずだが。普通に好みじ
-
Posted by ブクログ
ネタバレ魔法!ファンタジー!わくわく!と思って読み始めたらめちゃめちゃダークファンタジーで、 苦しい…悲しい…と思う場面が多くありました。けれど学生らしいふふっとするようなシーンもあり、読んでいてほんとうに色々な感情が芽生えました。 言葉を訳すことによって生み出される魔法の力。たくさんの言葉の意味が作中に登場して、それがどのような効果を生み出すのか、読んでいてとても面白かったです。しかし後半に行くにつれて、その力は正しく使われているのか。 そう疑問に思う主人公たち。その結末はとても胸が苦しくなりました。 ラヴェル教授が序章では想像もつかないくらいひどい(グリフィンとロビンをバベルに連れてくるための経緯
-
Posted by ブクログ
本作のテーマはタイトルにもある「復活」。
ある女性の冤罪を晴らすため、ハラーはボッシュとともに法廷で検察と戦う。
優位に裁判を進めるハラーだが、決定的な証拠が採用されず、苦戦を強いられる。ボッシュの刑事としての長年の経験が、窮地を救うことになるのだが・・・。
ストーリーの中心となる法廷劇はどちらかというと脇役で、著者はハラーがどのように復活していくかのきっかけを与えようとしているのではないか。ただし、ハラーが到達した転換点は読者に明かさないで終わる。
そしてもう一つの復活がボッシュだ。癌からの復活。これも治癒したかどうかまでは明らかになっていないが、快方に向かっていることは伺える。
ボッ -
Posted by ブクログ
上下巻。ベストセラー作家、コナリーのシリーズの1作。リンカーン弁護士というのは通称で主人公はミッキー・ハラー。独自の事務所ではなく高級車のリンカーンを事務所代わりに刑事事件専門の弁護士を営んでいる。ちょい悪親父のような風貌で悪い人物だろうが自分の中でお金に換えられるのであれば弁護する、というのが信条。但し、ポリシーも持っておりその葛藤を作品で読ませてくれる。絶妙な正義感を持っており白黒ハッキリ付けるタイプというよりもグレーで世の中を渡っていく感じか。作品としては非常に読みやすくプロットも二転三転としていて面白い。依頼人の底知れない不気味な所が上手く表れていると思う。ラストは案外すんなりと終わっ
-
ケン・リュウ / 桜坂洋 / アンディ ウィアー / デヴィッド・バー・カートリー / ホリー・ブラック / チャールズ・ユウ / チャーリー・ジェーン・アンダース / ダニエル・H・ウィルソン / ミッキー・ニールソン / ショーナン・マグワイア / ヒュー・ハウイー / コリイ・ドクトロウ / アーネスト・クライン / D・H・ウィルソン / J・J・アダムズ / 中原尚哉 / 古沢嘉通3.6 (31)
-
Posted by ブクログ
ネタバレ敏腕記者だった経歴もあり、プロットが緻密です。長編でありながら破綻のない展開とたまに顔を出すハードボイルド的セリフも魅力。とはいえ、何故か主人公に感情移入しづらいのも事実。これは、ジャーナリストとしての職業的特性から登場人物たちを客観的に、かつ状況描写を公正、正確に行おうとする性(さが)が前面にですぎている為の様な気がする。試しに、過剰な描写を排除するパトリシア・コーンウェルあたりと比較すれば私の言いたいことが伝わるかな。
本作は、ハリー・ボッシュシリーズ9作目。訳者のあとがきが、シリーズ内容を時系列にまとめておりわかりやすい。
解説は、ローレンス・ブロック推しの林家正蔵氏。彼はまた、落語家な -