古沢嘉通のレビュー一覧

  • 鬼火(下)

    Posted by ブクログ

    毎度のことながら楽しませてくれるハリー·ボッシュシリーズ。
    今回はバラード刑事との共演。ミッキー·ハラー弁護士もちょいと出演。
    複数の事件を丁寧に描きながら、、、おっとネタバレなので。
    最後のクライマックスはもう少し紙面を割いてもいいと思うが、そこに至るまでがスリリングなので赦す!笑

    0
    2023年04月09日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

    Posted by ブクログ

    ・ケン・リュウ編「金色昔日 現代中国SFアンソロジー」(ハヤカワ文庫SF)は「折りたたみ北京」に続く中国SFの第2弾である。登場人物等、さすが中国である。カタカナでではなく、漢字の名前が多い。ま づこのことに感心してしまつた。それほど私が中国とは無縁の読書生活を送つてゐるといふことである。さういふ内容の作品もあればさうではない作品もある。実に様々である。「本アンソロジーには、全部で十四名の作家による十六篇の作品が収録されて」(「序文」12頁)をり、「作品渉猟の場を拡大する方向に目を向けて」(同前)編まれたといふ。ただし、「本プロジェクトは、中国現代SFの代表的な作品を集めるという意図は」(同13頁)持つてゐないといふ。私にはいかなる作品が「中国現代SFの代表的な作品」か分からない。「中国SFと呼びうる作品の多様さと中国SF作家界の雑多な構成」(同前)といふことは、中国SFといつたところで、決して一つにくくれるものではないといふことなのであらう。
    ・表題作宝樹「金色昔日」はおもしろい作品であつた。私は現代中国の歴史を知つてゐるわけではないが、 それでもこの作品が現代中国の歴史をさかのぼつてゐることは分かる。主人公の「いちばん古い記憶はオリンピックの開会式だ。」(222頁)といふのが北京五輪であれば、彼は私達の同時代人であると言へる。 「三年生のときに感染症のSARSが流行し」(226頁)た。次にサダム・フセインやビン・ラーディンが出てくる。例の9・11もある。かうして様々な出来事があり、ゴルバチョフがソ連邦を作り、「?小平の計画経済改革が失敗し、経済は悪化の一途をたど」(243頁)る。さうして共産党内部抗争から天安門事件が起きる。主人公は学生側の指導部に加はるも、最後は軍隊に掃討される。……ここまで書けば十分であらう。この作品は歴史を改編しつつさかのぼつてゐる。従つて、最後は日独伊の三国同盟対米ソ同盟であ り、この中国側の動きとして国共内戦と国共統一戦線による抗日闘争である。この間に幼なじみの恋人が登場する。この女性の運命は歴史に弄ばれてゐる。最後は日中戦中に主人公に会ふことかなはず死ぬ。「ある意味で本書の作品中最も中国的な物語であ」(ケン・リュウ解説218頁)り、「人民共和国の歴史を知れ ば知るほど、この物語の意味もはっきりと見えてくる。」(同前)といふ。私に見えたものが宝樹の見たものであるなら、これが中国国内で発表できるのかと思ふ。「最初の公式な出版が英語版と」(同前)なるさうである。原典には"No Chinese publication"とある。中国語版なし。訳者はケン・リュウである。「公式な出版が英語」であるなら、非公式な中国語もあるのであらうか。中国国内で出せないから英語版を出したのではないのか。中国の現状を見る限り、危険を顧みずに敢へて出版するとは思へない。宝樹はいかなる人かと思つても、フリーライターであるらしいとしか分からない。web上 にもこれ以上はなささうである。この人、中国で現役の作家としてやつてゐるのだらうか。天安門事件や文革を描き、?小平の経済改革を失敗といふ。かういふことが許されるのなら、中国は今少しまともな国にな つてゐさうでる。しかしさうではない。あくまで習某の中国である。かうして日本語版が出るからには、この人の現在を心配する必要はないのかもしれない。もちろんこれは例外的な作品である。本書は普通のSFばかりである、とは語弊があるか。しかし、ここに様々な傾向の作品があり、様々な内容の作品があると知れる。おもしろい作品集であつた。

    0
    2023年04月05日
  • ブラックボックス(下)

    Posted by ブクログ

    小説自体は面白かった。しかしボッシュが硫黄島で自決した日本軍兵士の死体から奪った刀をコレクションしていると自慢してるのを読んで心底、この作家が嫌いになった。
    もう読む事はないだろう。

    0
    2023年03月17日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

    Posted by ブクログ

    アンソロジー集なので
    合間あいまに拾い読みしてました。
    いろんな作家さんがいることがわかって
    楽しかったです。

    好みなのは
    『おやすみなさい、メランコリー』
    『鏡』もテイストが近い。
    『月の光』『正月列車』は
    なんか星新一のようにニヤリとする。

    表題作の『金色昔日』も哀しいけど良かった。
    ひとつの家族の一代記なんだけど
    途中である違和感を感じてから先は
    胸が締めつけられつつ読んだわ。

    0
    2023年02月27日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

    Posted by ブクログ

    近年スマッシュ・ヒットを飛ばし続けている現代中国SFのアンソロジー、2019年に発売された「折りたたみ北京」に続く第二弾が満を侍して発売。SF者の期待感を表すかのような分厚さ。「折りたたみ北京」の1.5倍ぐらいになっている・・・(^_^; 早川書房さん、紙の文庫本は上下巻に分かれても構いませんので一冊あたりの厚みを抑えていただけないものでしょうかね〜。紙の文庫本にとって、「携帯性」ってとても重要なポイントだと思うんですけどね〜〜。

    閑話休題。
    一通り読んでみて、「折りたたみ北京」を読んだ時ほどの衝撃は、正直感じませんでした。読むこちら側の期待値の違いかもしれません。「よーし、面白いSF読むぞー!」と鼻息荒く読み始めたら、肩透かしを食った感じ。SFというよりも、「幻想小説」または「実験小説」といった趣の作品が多い印象です。
    ただ、面白くないわけではありませんので念のため。SF風味は薄めかもしれませんが、ひとつの小説のとしての完成度はどれも高く、読後感は良いです。これ、中国の商業作家たちが、クロスオーバーにレベルの高い作品を輩出し続けている、ということですよね。中国の文壇は今、とてもエキサイティングな状況にあるのだと思います。SFの枠に囚われることなく、もっと読まれても良い作品集だと思います。

    鴨的お気に入りは、劉慈欣「月の光」、宝樹「金色昔日」、張冉「晋陽の雪」あたり。いずれもSFとしてレベルが高いです。そして、やたらとインパクトがあったのが馬伯庸「始皇帝の休日」。「どこの野崎まどだよ」とツッコミを入れたくなる斜め上のぶっ飛びぶりで、どのような心構えで読めば良いのか最後までよくわかりませんでしたヽ( ´ー`)ノ
    いやー、相変わらず肩幅広いですねー。中国SF、当たり外れはありますが、この先も引き続きチェックしていきたいです。

    0
    2023年01月29日
  • 紙の動物園

    Posted by ブクログ

    空虚で絶望感のある未来世界で描くヒューマニズム作品。人間味や暖かみがより際立ちます。
    めちゃくちゃ感動するんだけど、すごく切なさが残る。ちょっと苦手。

    0
    2023年01月14日
  • 創られた心 AIロボットSF傑作選

    Posted by ブクログ

    2022-12-06
    AIテーマ短編集。便宜上AIと言っているが、それを人類に対してどう位置づけるかは千差万別。他者、鏡像、比喩、拡張、反映、などなど。いずれもとても興味深く、示唆に富み、刺激的。
    現実に近いという意味で、ケンリュウ「アイドル」、スラップスティックなコメディとして、アステアレナルズ「人形芝居」、その先の美しさとして、ジョンチュー「死と踊る」あたりが気に入ったかな。

    0
    2022年12月07日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

    Posted by ブクログ

    明記はされていないようだが(迂生は見つけられなかった)、訳者の顔ぶれからしておそらく英文からの重訳。そのせいか英米SFの翻訳を読んでいるような手触り。ローカリズムを売りにしているわけではないから当然かも知れない。収録作品のレベルは文句なく高いが、(編者が宣言しているように)アラが目立つ作もあるし、文化の違いか、一読して隔靴掻痒の感を覚える作もある。それも味かも知れない。

    0
    2022年11月29日
  • 鬼火(上)

    Posted by ブクログ

    上巻で既に登場人物が多すぎる。
    優秀なハードボイルド作品なら10人程度だろう。3倍以上の登場人物には付き合い切れないな。
    また複数のストーリーを関連無く並行させるのも読む気を削ぐ。好きな作者だが離れさせるきっかけの作品となるだろう。

    0
    2022年11月29日
  • 警告(上)

    Posted by ブクログ

    ジャック・マカヴォイとレイチェルのコンビ。ほぼジャックだけどね。記者が殺人事件を追う。ストーリー展開は非常に丁寧でマイクル・コナリーらしい。DNAビジネスの闇が深そうで怖い社会問題だと感じた。。下巻へ

    0
    2022年10月31日
  • 警告(下)

    Posted by ブクログ

    主人公マカヴォイは功名心なのか正義感なのか自分の記事を独占したいのかレイチェルやエミリーと詰まらない事でぶつかったり信頼を失ったりする。
    なんかその辺が作者の人物像の描き方の上手さなんだろけど、イマイチ主人公が好きになれない。
    物語自体は面白いが、ハラハラドキドキでページを捲る手がもどかしいという程でもない。
    そのへんがボッシュシリーズとは違うところ。
    なんでこんな男に惹かれるのだろうレイチェルは。。。

    作品紹介・あらすじ
    レイチェルから協力を断られたマカヴォイは、ニュース・サイトの同僚と協力して事件を追う。
    被害者と同じ状態で亡くなっている複数の女性を調べた彼は、彼女たちには他にも共通点があることを掴む。それはある会社に自分のDNA分析を依頼しているということだった。
    マカヴォイはジャーナリストとして疑惑の会社を直撃するが、その壁は高く、さらに重要な情報に近づこうとするたびに、相手は次々と死んでいく。
    そして、凶悪な連続殺人犯の魔の手は、マカヴォイに、またレイチェルにまで伸びてくる――。

    「アメリカの犯罪小説の巨匠による新作ミステリーは、クライマックスに向かって突進し、あなたを心から感動させるだろう……優れた作家であるコナリーは、読者が悲鳴を上げそうになるくらい緊張感を高めていく。あらたなマカヴォイ/ウォリング・シリーズの到来を予感させる見事な作品である」
    ――ピーターボロ・テレグラフ紙(英国) アレックス・ゴードン

    0
    2022年08月30日
  • 潔白の法則 リンカーン弁護士(下)

    Posted by ブクログ

    マイクル・コナリー『潔白の法則 リンカーン弁護士(下)』講談社文庫。

    リンカーン弁護士ミッキー・ハラー・シリーズの第6弾。

    下巻での怒濤の展開と意外な結末に期待していたのだが、それは大きく裏切られた。特に山谷も無く、平坦で単調なストーリーが続き、いつの間にか普通の結末を向かえていた。

    自らを弁護し、保釈を勝ち取ったハラーだったが、再逮捕により再び囚われの身となる。さらに拘留中のハラーは命を狙われるが……

    定価990円
    ★★★

    0
    2022年07月25日
  • 創られた心 AIロボットSF傑作選

    Posted by ブクログ

    人間のようなA.Iが多いが実際はそうじゃないんだろうな。
    印象的だったのは以下。
    『エンドレス』
    『アイドル』
    『もっと大事なこと』
    『ソニーの結合体』
    『人形芝居』
    『翻訳者』
    『赤字の明暗法』

    0
    2022年05月02日
  • 紙の動物園

    Posted by ブクログ

    紙の動物園:折紙で動物を作る優しい母。成長した主人公は中国人母を避けるように。母の死後虎の折紙に母の思いが託される。泣ける話。
    円弧:不老不死。
    良い狩りを:妖怪退治師と妖狐。機械仕掛の展開。

    0
    2025年05月22日
  • 素晴らしき世界(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    バラードとボッシュのコラボとして、それぞれが交互の一人称の章立てになっている。
    年老いたボッシュはまだまだ元気。
    徹夜や飯抜きで働く。
    この意欲は何処から来ているんだろう?
    事件は動き出すがすんなりとは行かない。
    下巻が楽しみ。


    作品紹介・あらすじ
    ロス市警ハリウッド署深夜勤務担当女性刑事レネイ・バラードが、ハリー・ボッシュと共演。深夜勤務からハリウッド署に戻ってきたバラードは、古い事件ファイルを見ず知らずの男が漁っていたのに気づく。男はロス市警を引退したハリー・ボッシュだった。ハリウッド分署管内で発生した古い未解決事件のファイルを調べていたのだった。ボッシュを追いだしたバラードだったが、その事件に興味を示す。十五才の家出少女がハリウッドの路地で殺害された事件だった。バラードはボッシュと協力して、殺人事件の真相解明に向かう。

    0
    2022年03月24日
  • 創られた心 AIロボットSF傑作選

    Posted by ブクログ

    ホントに人工知能的なものに意識や自我が誕生したら、それは人間のそれとは似ても似つかないものになるはず。理屈から真面目に考えてみれば、そうなるはずなのだが、そういう話は「翻訳者」くらいか。国産でこのテーマのアンソロジーを組んだら、そっちの方が主流になりそうな気がするんだが。まあ「人型」というものに対する彼我の意識の違いか。そんな堅いことを言わずにロボットテーマのアンソロジーだと思えば佳作揃いで楽しい。今更のアジモフ三原則をヌケヌケと持ち出す「もっと大事なこと」あたりがお気に入り。

    0
    2022年02月17日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

    Posted by ブクログ

    エドワード・ホッパーの絵をテーマにしたアンソロジー。著者によって作風が全く異なるが、ミステリ多めの17篇。

    〝キャロラインの話〟、〝海辺の部屋〟、〝夜のオフィスで〟が好み。
    ボッシュシリーズのマイクル・コナリー、ジェフリー・ディーヴァーやスティーブン・キングの短篇を読めたのもミステリ好きとしては嬉しい。

    0
    2022年01月06日
  • 警告(下)

    Posted by ブクログ

    マイクル・コナリー『警告(下)』講談社文庫。

    下巻の冒頭から連続殺人犯の百舌がいきなり事件の全貌に迫るかのような行動を見せ、上巻の少しダレた感じを一変するような面白い展開が始まる。しかし、まるで最初から複雑な迷路の出口を知っているかのように着実に事件の核心に迫るマカヴォイは、ちょっと出来過ぎのような感じもする。そして、消化不良の結末には唖然とするばかり。これまで上下巻を読むのに費やしてきた時間は何だったのか。

    レイチェルと共に事件の鍵を握る人物の家を訪れたマカヴォイはその人物が首吊り自殺に偽装され、死体となった姿を発見する。マカヴォイが事件の関係者に近付こうとする度に百舌は先回りして関係者を殺害し、ついに百舌の魔の手はマカヴォイとレイチェルにも近付く。

    なかなか見えて来ない百舌の正体……

    『ザ・ポエット』『スケアクロウ』に続くジャック・マカヴォイ・シリーズ第3弾。マイクル・コナリーの34作目の長編となる。『ザ・ポエット』ではマカヴォイが詩人と呼ばれる連続殺人犯と対決し、『スケアクロウ』では案山子と呼ばれる連続殺人犯と対決し、その過程でレイチェル・ウォーレスのFBI捜査官のキャリアを台無しにしてしまう。

    本作に登場する連続殺人犯は百舌と名乗り、ダーティ4と呼ばれる闇サイトでセックス依存症の女性を物色し、毒牙にかける卑劣な犯行を重ねる。女性を選定する手掛かりは民間の検査会社が集めたDNAなのだが、とうとうそんな時代が来たのかと思うと恐ろしくなる。

    定価990円
    ★★★

    0
    2021年12月22日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

    Posted by ブクログ

    エドワード・ホッパーという一人の画家が残した17の作品に対して別々の作家が絵から着想を得た話を展開する。作家による作風というのが現れるのがなかなか面白い。映写技師ヒーローが話としては面白かった。

    0
    2021年12月22日
  • 紙の動物園

    Posted by ブクログ

    家族の話が多い(個人の話が少ない)のが叙情的に感じるのだろうか。

    ・紙の動物園 中国母の折り紙の魔法
    ・もののあはれ 宇宙船を直すヒーロー
    ・月へ 土地と亡命申請者 中国語訳なし
    ・結縄 タンパク質構造解析とターミネーター種子
    ・太平洋横断海底トンネル小史
    ・潮汐 満潮と塔
    ・選抜宇宙種族の本づくり習性 口吻手記 石の脳
    ・心智五行 腸内細菌群と脳内化学
    ・どこか全く別な場所でトナカイの大群が
    ・円弧 ボディワークス社 不死
    ・波 おかえりなさい 数世紀前に追い越された
    ・1ビットのエラー
    ・愛のアルゴリズム
    ・文字占い師 秋 羊 制海権 freeze 中国語訳なし
    ・良い狩りを 機械になった妖狐

    0
    2021年11月20日