古沢嘉通のレビュー一覧

  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    2025.4.5-2025.4.7
    イギリスの帝国主義には唖然とさせられるけど、4人の大学での交流、友情、信頼、諍い、などなど。彼らは現代の若者のような気楽な身分ではないとしても、この年代特有の強い結びつきが眩しい。
    下巻で物語がどう転がっていくのか。不安と期待。

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    2025年04月07日
  • レッドリバー・セブン:ワン・ミッション

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    初読み作家だけれど、面白かった。バイオハザード的世界観のSFサスペンス。濃霧立ち込める海上、船で目覚めた記憶喪失の7人に課せられたミッションの全貌が徐々に明らかになっていく過程はスリリング。何より「何も考えず」に没入できるシンプルなストーリー、バトル描写がしつこ過ぎないのも良い。そのうち映像化されそう。

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    2025年03月05日
  • 復活の歩み リンカーン弁護士(下)

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    本作のテーマはタイトルにもある「復活」。

    ある女性の冤罪を晴らすため、ハラーはボッシュとともに法廷で検察と戦う。
    優位に裁判を進めるハラーだが、決定的な証拠が採用されず、苦戦を強いられる。ボッシュの刑事としての長年の経験が、窮地を救うことになるのだが・・・。

    ストーリーの中心となる法廷劇はどちらかというと脇役で、著者はハラーがどのように復活していくかのきっかけを与えようとしているのではないか。ただし、ハラーが到達した転換点は読者に明かさないで終わる。

    そしてもう一つの復活がボッシュだ。癌からの復活。これも治癒したかどうかまでは明らかになっていないが、快方に向かっていることは伺える。
    ボッ

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    2025年03月04日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    下巻に入ると、上巻で語られていた4人の“学生生活”はすっかり消え失せ、清の持つ銀を狙って戦争を仕掛けようとする陰謀が焦点となる。歴史改変ものでもあるため、史実からどこまで外れていくかも読みどころだ。
    想定外の展開が多かった割には彼らの抵抗の行方は大体想像通りだったけれど、希望を感じさせるエピローグがよかった。
    全体を通して振り返ると、スチームパンクの世界観に補強として銀と言語(翻訳語)を用いた魔法をかぶせ、魅力的な4人の学生を配置した感じかな。ハリポタほど魔法色は強くなかった。

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    2025年02月24日
  • リンカーン弁護士(下)

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    上下巻。ベストセラー作家、コナリーのシリーズの1作。リンカーン弁護士というのは通称で主人公はミッキー・ハラー。独自の事務所ではなく高級車のリンカーンを事務所代わりに刑事事件専門の弁護士を営んでいる。ちょい悪親父のような風貌で悪い人物だろうが自分の中でお金に換えられるのであれば弁護する、というのが信条。但し、ポリシーも持っておりその葛藤を作品で読ませてくれる。絶妙な正義感を持っており白黒ハッキリ付けるタイプというよりもグレーで世の中を渡っていく感じか。作品としては非常に読みやすくプロットも二転三転としていて面白い。依頼人の底知れない不気味な所が上手く表れていると思う。ラストは案外すんなりと終わっ

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    2025年02月03日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    ゲームを題材にした短編アンソロジー。

    「リスポーン」、「1アップ」、「キャラクター選択」が面白かったが、驚くほど面白いというものには出会えなかった。

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    2024年12月30日
  • 暗く聖なる夜(下)

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    ネタバレ

    敏腕記者だった経歴もあり、プロットが緻密です。長編でありながら破綻のない展開とたまに顔を出すハードボイルド的セリフも魅力。とはいえ、何故か主人公に感情移入しづらいのも事実。これは、ジャーナリストとしての職業的特性から登場人物たちを客観的に、かつ状況描写を公正、正確に行おうとする性(さが)が前面にですぎている為の様な気がする。試しに、過剰な描写を排除するパトリシア・コーンウェルあたりと比較すれば私の言いたいことが伝わるかな。
    本作は、ハリー・ボッシュシリーズ9作目。訳者のあとがきが、シリーズ内容を時系列にまとめておりわかりやすい。
    解説は、ローレンス・ブロック推しの林家正蔵氏。彼はまた、落語家な

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    2024年09月27日
  • 紙の動物園

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    ケン・リュウは初見だったが思ったより情緒的で、ハードSFを期待して読み始めた自分にはちょっと合わなかったなと思いつつ読み進めたが、テッド・チャン(大好き)にインスパイアされたという2作品はとてもよかった。とくに「1ビットのエラー」は扱っているテーマも描き方もすごく好みだった。大変SF的な現象が「普通の」事実とつながることで、現実とフィクションがつながる感覚が好き。
    あとがきによると作者にとって重要な位置づけの作品らしく、それもまたうれしい。

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    2024年07月15日
  • 七月七日

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    日中韓の作者らによるSF幻想アンソロジー。
    全体的にあまり肌に合わなかったけれど、巨人少女という話が残酷で衝撃的だったのが忘れられない。
    SF大好きな方が読後どう思うのか気になるところです。

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    2023年10月15日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    「折りたたみ北京」に続くケン・リュウ選の中国SFアンソロジー第二弾.
    時間が遡る中での男女の愛を描く表題作「金色昔日」が秀逸.すごく幅があるのだが,始皇帝がゲームをする話なんかは,日本の同人誌でマンガとして書かれてそうだ.
    巻末に中国SFの歴史に関するエッセイが3編掲載されているが,非常に興味深い.少し前に福島正実の「未踏の時代」を読んだが,21世紀初頭の中国のSF界は,あの時代の雰囲気にとても似ている.そういった時代が中国にやって来るのが政治のために30年遅れて,現代になって一気に花開いているようだ.

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    2023年09月29日
  • 七月七日

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    どの作品も楽しく読んだけど、特に面白いというほどではなかったかな。
    日本人作家の日本の伝承を基にした作品がもっとあるとよかった。

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    2023年08月22日
  • トランク・ミュージック(上)

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    ネタバレ

    前作「ラストコヨーテ」では休職させられてカウンセリングに通わせられて憤慨していた。今作では殺人課に復職、上司もビレッツ警部補というまともな人物に。
    事件はサクサク解決に向かいそうなのだが、途中でエレノアと再会する。
    さあ、ここから色々なことが起きるんだろうな。
    下巻楽しみ。


    ハリー・ボッシュが帰ってきた!ハリウッド・ボウルを真下に望む崖下の空き地に停められたロールスロイスのトランクに、男の射殺死体があった。「トランク・ミュージック」と呼ばれる、マフィアの手口だ。男の名はアントニー・N・アリーソ、映画のプロデューサーだ。どうやら、彼は犯罪組織の金を「洗濯する」仕事に関わっていたらしい。ボッシ

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    2023年07月24日
  • 鬼火(下)

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    ネタバレ

    本筋の事件とは別に幾つもの事件について同時並行的に進行していく。それらがラスト100ページ(適当)バタバタと判明していく。そこのところはご都合的な感じを抱かせずハラハラとページを捲らせる。
    型破りでありながら自らのライフスタイルへの拘りを見せるバラードと老いてもなおアクの強さと粘りが衰えないボッシュ。次も期待したい。

    作品紹介・あらすじ
    バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が全身に移り、焼死した模様だった。事故死とみて、バラードは

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    2023年04月11日
  • 鬼火(上)

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    ネタバレ

    今回もバラードとの共同捜査。
    リンカーン弁護士のハラ―も登場している。
    ボッシュも69歳。
    膝の不調で杖を使ったりしているがまだまだ元気。
    今のところ好調だが下巻でどうなるか。
    良いなあボッシュシリーズは。
    ロクでもない事件に出会うけど最後まで諦めずにコツコツとやるべきことをやっていく。
    物語だと分かっていながら元気づけられる。
    こういう読書が今の自分に合っている。
    下巻楽しみ。

    作品紹介・あらすじ
     ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に

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    2023年04月10日
  • 鬼火(下)

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    毎度のことながら楽しませてくれるハリー·ボッシュシリーズ。
    今回はバラード刑事との共演。ミッキー·ハラー弁護士もちょいと出演。
    複数の事件を丁寧に描きながら、、、おっとネタバレなので。
    最後のクライマックスはもう少し紙面を割いてもいいと思うが、そこに至るまでがスリリングなので赦す!笑

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    2023年04月09日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    ・ケン・リュウ編「金色昔日 現代中国SFアンソロジー」(ハヤカワ文庫SF)は「折りたたみ北京」に続く中国SFの第2弾である。登場人物等、さすが中国である。カタカナでではなく、漢字の名前が多い。ま づこのことに感心してしまつた。それほど私が中国とは無縁の読書生活を送つてゐるといふことである。さういふ内容の作品もあればさうではない作品もある。実に様々である。「本アンソロジーには、全部で十四名の作家による十六篇の作品が収録されて」(「序文」12頁)をり、「作品渉猟の場を拡大する方向に目を向けて」(同前)編まれたといふ。ただし、「本プロジェクトは、中国現代SFの代表的な作品を集めるという意図は」(同1

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    2023年04月05日
  • ブラックボックス(下)

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    小説自体は面白かった。しかしボッシュが硫黄島で自決した日本軍兵士の死体から奪った刀をコレクションしていると自慢してるのを読んで心底、この作家が嫌いになった。
    もう読む事はないだろう。

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    2023年03月17日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    アンソロジー集なので
    合間あいまに拾い読みしてました。
    いろんな作家さんがいることがわかって
    楽しかったです。

    好みなのは
    『おやすみなさい、メランコリー』
    『鏡』もテイストが近い。
    『月の光』『正月列車』は
    なんか星新一のようにニヤリとする。

    表題作の『金色昔日』も哀しいけど良かった。
    ひとつの家族の一代記なんだけど
    途中である違和感を感じてから先は
    胸が締めつけられつつ読んだわ。

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    2023年02月27日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    近年スマッシュ・ヒットを飛ばし続けている現代中国SFのアンソロジー、2019年に発売された「折りたたみ北京」に続く第二弾が満を侍して発売。SF者の期待感を表すかのような分厚さ。「折りたたみ北京」の1.5倍ぐらいになっている・・・(^_^; 早川書房さん、紙の文庫本は上下巻に分かれても構いませんので一冊あたりの厚みを抑えていただけないものでしょうかね〜。紙の文庫本にとって、「携帯性」ってとても重要なポイントだと思うんですけどね〜〜。

    閑話休題。
    一通り読んでみて、「折りたたみ北京」を読んだ時ほどの衝撃は、正直感じませんでした。読むこちら側の期待値の違いかもしれません。「よーし、面白いSF読むぞ

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    2023年01月29日
  • 潔白の法則 リンカーン弁護士(下)

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    ボッシュシリーズが圧倒的に人気を誇るように、個人的にも抜群な面白みを抱いてた。まぁ、ポェットもそこそこだけど。初めてのリーガルもの、音字期待を抱いて読んだ状G退屈だったので、下巻にこそ期待を膨らませたが、申し訳ないが、平坦で人間の取引に最後まで終始した読み物。

    其処はコナリー・・科白、場面描写、展開の妙は他者をよせないが、最後の30ぺージは消化するだけの文字を追った感覚。

    金勘定にせこい弁護士とは言うものの、ハラーが持つ倫理観、人生で最大に愛したかつての妻と「おれたちの娘」を守らんとする切磋琢磨は小市民的あがきに映って、何となく小モノめいて。

    過保護ままにおばちゃんに最後はドスンとまでお

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    2023年01月25日