古沢嘉通のレビュー一覧
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マイクル・コナリーは面白いのに、たなぞうでは人気がないなぁ〜。もったいない。でも、この主人公はちょっと……待ちに待ったコナリー最新作なのに。う〜ん、残念。内容(「BOOK」データベースより)高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い込んだ。久々の儲け話に意気込むハラーだが…警察小説の名手が挑む迫真のリーガル・サスペンス。わくわくしながら読み始めたものの、主人公の刑事弁護士ミッキー・ハラーを「なんていけ好かない男なんだ」と感じてしまい、がっかりしてしまった。なぜなら、ハラーはいかに多くの報酬を得るかということにしか関心のない弁護士だったからだ。仕事の進め方も、依頼人を第一に考えるのではなく、より多くの報酬を見こめる手順を踏もうとする。悪徳とは言わないまでも、嫌なタイプだ。<ハリー・ボッシュ>シリーズが最高で、気に入ったマイクル・コナリー。本書は彼の最新作。それで期待に胸躍っていたのだが、予想外の幕開きにはちょっと引き気味になってしまった。ところが、やはりコナリーは裏切らない。中盤から後半、新たな動きが……一気に期待もテンションも高まる。当初嫌悪感を抱いた主人公ハラーではあったが、ちらりと正義感を覗かせ、下巻へ繋ぐ。さあ、どうする、ハラー?急展開は、コナリーの真骨頂。一筋縄では行くわけはなかった。こう展開させるために、ハラーの人物設定をそうしたわけか。こういう展開があるから好きになったのを忘れていた。
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ボッシュのシリーズ9作目。
ロス市警を辞めて1年になるハリー・ボッシュが心残りのある事件を追って活躍します。
映画会社に勤めていた若い女性が殺された事件を捜査していた時、映画撮影の場で200万ドル強奪事件に遭遇、銃撃にも加わったボッシュ。
ところが強奪事件が大きすぎたために管轄が変わり、目撃したにもかかわらず捜査から外されていました。
その後、女性の事件が何の進展もなく放置されていることを知り、新たに証拠を調べ始めます。
事件に関わった元刑事が今は半身不随になっているのを訪ねたボッシュに市警とFBIから妨害が入り、そうなると止めるどころか絶対に後に引かないのがボッシュ。
原著は03年、日本では05年9月発行の本です。
刑事を辞めたために前ほどぴりぴりしていないような〜はじめのうちは展開も緩やか。
運命の女性エレノアとの再会も丁寧に、じりじりと描かれます。
半身付随の元刑事とその妻との出会いも描写が生半可でなく、この作者の鋭さを感じます。
そういえば、このシリーズは有能で魅力的な女性が意外なほど、たくさん出てくるのです。現実を反映しているのでしょうか? -
Posted by ブクログ
ボッシュ・シリーズ。意外とこのシリーズってアクションものっぽい要素があるなとよく思うんだけれど、今回も、氾濫しそうな川を流されるとか、はらはらするシーンもあっておもしろかった。・・・・・・だけど、先に読んだ「ザ・ポエット」のほうがおもしろかったような気が。その続編なので犯人がすでにわかっているせいか? 「ザ・ポエット」の主人公のジャーナリストが出てこなかったのも寂しかった。好きなキャラクターだったので。FBI捜査官レイチェルも前作のほうがしっかり書き込まれていた気がするし。そして、わたし、てっきりボッシュはエレノアとよりを戻すと思い込んでいて、ボッシュはどんな家庭生活を送るのかなあ、とのんきに楽しみにしていたのに、そういう展開ではなくてちょっとがっかり。コナリーのノンシリーズ「わが心臓の痛み」はクリント・イーストウッドで映画化されている(この本も読まなきゃ!)。で、あの映画はどうだったこうだったという話がこの作品中によく出てきて(つまり、本のなかでは、実際起きた事件が映画化されたことになっている)、そういうのを読んでいると、なにが現実なのか架空の話なのかふとわからなくなったりしておもしろい感じがした。なんだかロサンジェルスには本当にボッシュがいるような気がしてきた。。。。
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Posted by ブクログ
現実と夢の境界が曖昧に溶けていく独特の読書体験を与える作品だった。
主人公ピーターが現実世界と夢諸島を行き来する構造は非常に魅力的で、どちらが“本当”なのか分からなくなる感覚は、どこか村上春樹作品にも通じるものを感じた。
一方で、ピーターの人物像には強い苛立ちも覚えた。特に終盤、女性に原稿を読んでほしいと執拗に頼む場面は痛々しく、自分の存在を他人に承認してもらおうとする必死さが露骨に表れていて印象的だった。彼の行動は共感しづらいが、その不器用さや逃避の姿勢にはどこか現実的な怖さもある。理解しきれない部分を残しつつも、読後にじわじわと思考を刺激し続ける、不思議な余韻を持った一冊だった。