古沢嘉通のレビュー一覧
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南北の大陸に挟まれたアーキペラゴ地帯。磁気による歪みのために正確な地図はつくれず、いったいいくつの島があるかも不明だ。島々は平和不可侵条約を締結しているものの、北の大陸で戦争をくりひろげる南大陸国家の戦略的利害のために、多くの島々には軍事基地がおかれ、脱走兵がやってきては連れ戻され、条約は有名無実化している。
まずはこの世界像にぞくぞくとする。こんな島嶼国がどこかに実在しているのをたしかに知っているという気がする。
このアーキペラゴには幾人かの伝説的な人物たちがいる。無類の美男で女好きの画家バーサースト、社会改革の提唱者カウラー、トンネル堀りアーティストのジョーデン・ヨー、自ら伝説化した故郷の -
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丈ちゃんオススメの本
600pを超える15の短編集。それぞれの時代においてサイボーグ化したエージェントが、それぞれに活躍するファンタジーである。
複数登場するエージェントに感情移入できるかどうかってところが楽しむコツなんだが、外国作品だからか、そこが多少難しい。人間味を感じさせる好々爺ジョゼフも良いが、人間になりたいサイボーグのヒロイン・メンドーサや成長を続ける少年アレックなんかが、私の好みかな。
序文はエージェントの紹介っぽい「ゼウスの猟犬たち」、メンドーサがブドウの樹の下の過去の事件を発見してしまう「貴腐」、役割がイマイチわかんない「スマート・アレック」、出来損ないエージェン -
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ボッシュはもちろん、テリー・マッケイレブやポエットまで、ファミリー総出演。ボッシュ・シリーズは順序通りに読む必要はないと思うけど、本作品だけは別。作中でがっつり『サ・ポエット』の犯人についてネタばらししてあるので、必ずそちらを先に読みましょう。
私立探偵になっているボッシュだが、中身は警察小説のまんま。探偵というカラーが目立っているとも思えないし、刑事時代と違うのはバッジの有り無しだけという気もする。まあ、前職時代から一匹狼スタイルで捜査をしてきたボッシュなので、それが私立探偵になっても特に違和感は感じないが。
高度に知的な殺人犯──よく目にするキャラだが、このタイプの取扱いって実は難儀だ -
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ハリー・ボッシュとテリー・マッケイレブ、さらにはジャック・マカヴォイの三人が共演するというファンには贅沢な作品。
これまでのシリーズにはなかった法廷シーンなどで緊張感を盛り上げてあり、さくさくと面白く読めたのだが、全体的にばたばたしてまとまりに欠ける。ボッリュとマッケイレブのふたりを主役にし、全く別の事件を展開させるのはさすがに混乱する。ヒエロニムスの絵画をモチーフにしてるのも、その後の展開に都合よく利用されたようで効果的とは思えない。
とまあ、細かい点が目立ってしまうのも、このシリーズが常にハイレベルをキープしてるからこそなのだが。一番の収穫はヒエロニムスの作品に興味を持ったことかな。 -
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ボッシュ・シリーズ第13作。上下巻でもなくページ数も多くないのでサッと読めてしまう。
「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」の日曜版にて、連載回数が決められていた作品だということを了承の上、読んでいただきたい。確かに、通常のシリーズ作と比べると物足りなさはあるが、限られた枠の中でもボッシュらしさは存分に体感できる。
作中では12時間足らずの出来事だが、中身がギュッと詰まっているのでより多くの時間の拡がりを感じ取れる。レイチェルを中心とした各キャラとの微妙な距離感もいい。終盤の目まぐるしい展開とも併せて、次回作を楽しみにさせる手腕に隙はない。動機やラストへの運びに強引さはあるものの、映像が脳裏 -
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過去を清算した前作で一区切りついたのか、本作品はシリーズして見ると第二章というか、新しい展開の印象がある。新しい上司、新しいチーム。現場復帰したことに喜びを見出し、エレノアとの再会もあって、オンオフともに充実しまくりのボッシュ──どうもイメージではない。でもこのスタイルでいくなら慣れるしかない。モヤモヤを払拭するだけの面白味ある事件ならばなおよかったのだが、それがそうでもないので一気読みというわけにはいかず。
ショウビズとベガス。二流三流レベルの世界で儲けた金に群がる人間たちの間で事件は起こる。序盤までは面白かったのだが、舞台がベガスに移ったあたりからどことなく都合のいい展開が目につき始め、