古沢嘉通のレビュー一覧

  • 双生児 下

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    さあて、下巻でどのようにSF要素を……


    いや、どっちかというとミステリじゃないかなあ。


    1941年のことに詳しくないし、
    ヘスについてもほぼ知らないと言ってもいいくらいだし、
    そのあたりの基礎知識があれば、より興味深く読めただろうね。勉強不足だね、僕の。
    解説読んで、一晩考えて、やっといろいろ得心がいきましたよ。
    そしてちゃんと原題も見ておくべきだった……


    今は、

    もし戦争が終わっていても米中戦争が起こっていたくらいだから日本が戦争に巻き込まれるなりするのは確実だし、太平洋戦争はなかったかもしれないけれど南方の国々は植民地支配から開放されたんだろうか、

    とかそっちのifが頭のな

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    2016年02月11日
  • 紙の動物園

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    ネタバレ

    表題作のほか、『心智五行』、『文字占い師』など、せつなくも惹かれる作品はある。しかし、半分の作品は理解できずに読み流してしまった。集中して文字を追わないと、展開を把握できぬままに進み、幾度も読み返すはめになる。翻訳がまずいわけではないのだろうが、奇抜であって、心理描写を読み解かなければならない海外SF作品についていけない自分を知った。うむ、残念。

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    2020年12月25日
  • ブラック・アイス

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    デビュー作を読んだのは、もう随分前だ。
    三人称でありながらも、常に主人公の行動を追い、彼の視点で描写するため、読んでいる最中でも、一人称のストーリーと錯覚する。
    作者は、ヒーローの孤独をより際立たせるために、内面描写を出来るだけ避けるスタイルとしたのだろうか。
    とまれ、ハードボイルドに求められる要素は本書でも申し分なく盛り込まれており、ストイックに真相に向かってひた走るハリー・ボッシュは、惚れ惚れとするほど格好良い。
    クライマックスでの対決シーンは、まるで古臭い西部劇だが、実は極めて現代的な暴力的決着として描かれる。

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    2014年07月27日
  • 夢幻諸島から

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    南北の大陸に挟まれたアーキペラゴ地帯。磁気による歪みのために正確な地図はつくれず、いったいいくつの島があるかも不明だ。島々は平和不可侵条約を締結しているものの、北の大陸で戦争をくりひろげる南大陸国家の戦略的利害のために、多くの島々には軍事基地がおかれ、脱走兵がやってきては連れ戻され、条約は有名無実化している。
    まずはこの世界像にぞくぞくとする。こんな島嶼国がどこかに実在しているのをたしかに知っているという気がする。
    このアーキペラゴには幾人かの伝説的な人物たちがいる。無類の美男で女好きの画家バーサースト、社会改革の提唱者カウラー、トンネル堀りアーティストのジョーデン・ヨー、自ら伝説化した故郷の

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    2013年12月16日
  • 夢幻諸島から

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    異世界の島々〈夢幻諸島〉のガイドブックという形をとった物語。
    最初は異世界の描写が少々退屈で延々と各島の説明をしていくだけかと思ったが、読み進んでいくと何人かの芸術家や文化人が繰り返し登場し、同じ人物やエピソードが異なる角度から語られていたりして面白い。幻想的な世界に思いを馳せながらゆったりと一、二編ずつ読んだ方がよかったかも。

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    2013年11月22日
  • 夢幻諸島から

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    最初はちょっと取っつきにくい。
    でも多分、噛めば噛むほど味が出る、スルメのような小説。
    もう一回読むか。

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    2013年10月21日
  • 真鍮の評決 リンカーン弁護士 (上)

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    「リンカーン弁護士」ハラーに、ボッシュとマカヴォイが絡む。まあなんと魅力的な出だしだろう。ちょっとまだ調子が出ないけど、下巻に期待。

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    2013年10月01日
  • ブラック・アイス

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    ハリー・ボッシュ・シリーズ第2作。

    モーテルで発見された麻薬課刑事の死体。自殺で片付けようとする警察幹部をしり目に、死因に不審感を抱いたボッシュはひとり捜査に乗りだす。

    寂寥感が漂う作風は前作と同じだが、視点の置き方や人物描写などに違いが見受けられる。よりハードボイルドらしくなったというか。邦訳に関しては、むずかしい言いまわしが影をひそめて読みやすくなり、ボッシュのぞんざいな物言いが丁寧なものに改められた。ただし、会話文ひとつで印象が変わってしまうので、そこは慎重に訳してほしい。

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    2018年01月19日
  • 黒き計画、白き騎士 時間結社〈カンパニー〉極秘記録

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    丈ちゃんオススメの本

     600pを超える15の短編集。それぞれの時代においてサイボーグ化したエージェントが、それぞれに活躍するファンタジーである。

     複数登場するエージェントに感情移入できるかどうかってところが楽しむコツなんだが、外国作品だからか、そこが多少難しい。人間味を感じさせる好々爺ジョゼフも良いが、人間になりたいサイボーグのヒロイン・メンドーサや成長を続ける少年アレックなんかが、私の好みかな。


     序文はエージェントの紹介っぽい「ゼウスの猟犬たち」、メンドーサがブドウの樹の下の過去の事件を発見してしまう「貴腐」、役割がイマイチわかんない「スマート・アレック」、出来損ないエージェン

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    2013年09月01日
  • ラスト・コヨーテ(上)

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    母の死をほじくりかえすボッシュ。
    迷宮入りでもなんでもなく、思いがけない手が加えられていたことを知り。
    「ちょっと無理があるのでは」というシーンもあったけれど、通底するメッセージは痛いほど伝わってくる。
    旅行先なのにどっぷりボッシュの世界に入ってしまって、一瞬どこに自分がいるか忘れてしまっていました。

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    2013年07月26日
  • 終決者たち(上)

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    おかえり!ボッシュ!
    うん、はい、ジャンゴ!的な
    一歩ずつ、固めていく作業が
    好きです。古巣に戻ってきて
    生き生きとしてる様子。
    やっぱり、ここだなと。
    自分の生きる道を見つけたのでしょうか。

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    2013年07月13日
  • ナイトホークス(下)

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    刑事ハリー・ボッシュ・シリーズ。
    「ピューリツァー賞候補になった記者だから読め」と家族にすすめられて、第1作目を読む。
    原語で読んでいないせいもあるのだろう、海外の刑事ものの情景描写は少し苦手である。
    優れているのかは判断できないが、展開がスピーディなので飽きずに読める。

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    2013年07月09日
  • 死角 オーバールック

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    ネタバレ

    ハリー・ボッシュシリーズの中でもかなり趣きの変わった一編。元々新聞紙の日曜版に連載されていたということで、テレビドラマの『24 TWENTY FOUR』のような感じの構成である。その分、これまでのような重厚さを感じられず、面白いのだけれど物足りなさも残る。

    放射性物質強盗事件を追い掛けるボッシュとFBIとの駆け引きは、いつもながらの我流を崩さない突っ張り合いで繰り広げられる。前作でボッシュから離れたレイチェルの再登場が嬉しく、捜査と共に彼らの関係も興味深く映る。

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    2013年06月29日
  • 天使と罪の街(下)

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    ボッシュはもちろん、テリー・マッケイレブやポエットまで、ファミリー総出演。ボッシュ・シリーズは順序通りに読む必要はないと思うけど、本作品だけは別。作中でがっつり『サ・ポエット』の犯人についてネタばらししてあるので、必ずそちらを先に読みましょう。

    私立探偵になっているボッシュだが、中身は警察小説のまんま。探偵というカラーが目立っているとも思えないし、刑事時代と違うのはバッジの有り無しだけという気もする。まあ、前職時代から一匹狼スタイルで捜査をしてきたボッシュなので、それが私立探偵になっても特に違和感は感じないが。

    高度に知的な殺人犯──よく目にするキャラだが、このタイプの取扱いって実は難儀だ

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    2013年04月27日
  • 真鍮の評決 リンカーン弁護士 (下)

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    うーーーーん。いや、オモシロイよ?オモシロイんだが。前作の出来が良すぎたのかなんなのか。びっくりするような出来事も特になかったしなー。でも、次回作も読みます。あ、人畜無害なあの人は、ただの人畜無害な人でしたw

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    2012年11月16日
  • 真鍮の評決 リンカーン弁護士 (上)

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    上巻で動きはほとんどなく。ワクワク感はありつつも。一番人畜無害っぽいヤツが怪しいのかな、とか。下巻に期待!

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    2012年10月26日
  • リンカーン弁護士(上)

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    ネタバレ

    次回作にハリーボッシュが出ると聞いて読んでみました。
    前半はなんとなくまどろしかったけれど、相棒のレヴンが殺されてから
    俄然、おもしろくなってきました。

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    2012年08月27日
  • 真鍮の評決 リンカーン弁護士 (下)

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    面白いんだが、それ以上のインパクトに欠けるのでは、は個人的意見。
    結末にややキレがないとも思えるのですが。
    ハリー・ボッシュもゲスト的な扱いだし。
    今年、秋ごろHB物の新作でないかな?

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    2012年06月11日
  • 夜より暗き闇(下)

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    ハリー・ボッシュとテリー・マッケイレブ、さらにはジャック・マカヴォイの三人が共演するというファンには贅沢な作品。

    これまでのシリーズにはなかった法廷シーンなどで緊張感を盛り上げてあり、さくさくと面白く読めたのだが、全体的にばたばたしてまとまりに欠ける。ボッリュとマッケイレブのふたりを主役にし、全く別の事件を展開させるのはさすがに混乱する。ヒエロニムスの絵画をモチーフにしてるのも、その後の展開に都合よく利用されたようで効果的とは思えない。

    とまあ、細かい点が目立ってしまうのも、このシリーズが常にハイレベルをキープしてるからこそなのだが。一番の収穫はヒエロニムスの作品に興味を持ったことかな。

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    2012年02月12日
  • 終決者たち(下)

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    ロサンジェルス市警に復帰したボッシュ。組織の中を再び生き始めるボッシュの葛藤が、物語に味を持たせる。

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    2011年08月09日