古沢嘉通のレビュー一覧
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さあて、下巻でどのようにSF要素を……
いや、どっちかというとミステリじゃないかなあ。
1941年のことに詳しくないし、
ヘスについてもほぼ知らないと言ってもいいくらいだし、
そのあたりの基礎知識があれば、より興味深く読めただろうね。勉強不足だね、僕の。
解説読んで、一晩考えて、やっといろいろ得心がいきましたよ。
そしてちゃんと原題も見ておくべきだった……
今は、
もし戦争が終わっていても米中戦争が起こっていたくらいだから日本が戦争に巻き込まれるなりするのは確実だし、太平洋戦争はなかったかもしれないけれど南方の国々は植民地支配から開放されたんだろうか、
とかそっちのifが頭のな -
Posted by ブクログ
南北の大陸に挟まれたアーキペラゴ地帯。磁気による歪みのために正確な地図はつくれず、いったいいくつの島があるかも不明だ。島々は平和不可侵条約を締結しているものの、北の大陸で戦争をくりひろげる南大陸国家の戦略的利害のために、多くの島々には軍事基地がおかれ、脱走兵がやってきては連れ戻され、条約は有名無実化している。
まずはこの世界像にぞくぞくとする。こんな島嶼国がどこかに実在しているのをたしかに知っているという気がする。
このアーキペラゴには幾人かの伝説的な人物たちがいる。無類の美男で女好きの画家バーサースト、社会改革の提唱者カウラー、トンネル堀りアーティストのジョーデン・ヨー、自ら伝説化した故郷の -
Posted by ブクログ
丈ちゃんオススメの本
600pを超える15の短編集。それぞれの時代においてサイボーグ化したエージェントが、それぞれに活躍するファンタジーである。
複数登場するエージェントに感情移入できるかどうかってところが楽しむコツなんだが、外国作品だからか、そこが多少難しい。人間味を感じさせる好々爺ジョゼフも良いが、人間になりたいサイボーグのヒロイン・メンドーサや成長を続ける少年アレックなんかが、私の好みかな。
序文はエージェントの紹介っぽい「ゼウスの猟犬たち」、メンドーサがブドウの樹の下の過去の事件を発見してしまう「貴腐」、役割がイマイチわかんない「スマート・アレック」、出来損ないエージェン -
Posted by ブクログ
ボッシュはもちろん、テリー・マッケイレブやポエットまで、ファミリー総出演。ボッシュ・シリーズは順序通りに読む必要はないと思うけど、本作品だけは別。作中でがっつり『サ・ポエット』の犯人についてネタばらししてあるので、必ずそちらを先に読みましょう。
私立探偵になっているボッシュだが、中身は警察小説のまんま。探偵というカラーが目立っているとも思えないし、刑事時代と違うのはバッジの有り無しだけという気もする。まあ、前職時代から一匹狼スタイルで捜査をしてきたボッシュなので、それが私立探偵になっても特に違和感は感じないが。
高度に知的な殺人犯──よく目にするキャラだが、このタイプの取扱いって実は難儀だ -
Posted by ブクログ
ハリー・ボッシュとテリー・マッケイレブ、さらにはジャック・マカヴォイの三人が共演するというファンには贅沢な作品。
これまでのシリーズにはなかった法廷シーンなどで緊張感を盛り上げてあり、さくさくと面白く読めたのだが、全体的にばたばたしてまとまりに欠ける。ボッリュとマッケイレブのふたりを主役にし、全く別の事件を展開させるのはさすがに混乱する。ヒエロニムスの絵画をモチーフにしてるのも、その後の展開に都合よく利用されたようで効果的とは思えない。
とまあ、細かい点が目立ってしまうのも、このシリーズが常にハイレベルをキープしてるからこそなのだが。一番の収穫はヒエロニムスの作品に興味を持ったことかな。