あらすじ
有罪必至の容疑者はいまだに余裕の笑みを浮かべ続ける。陪審員、検察、容疑者。誰かが嘘をついているのだ。さらに同僚弁護士が遺した事件ファイルに鉄壁の容疑を突き崩す術を見つけたわたしまでもが命を狙われるはめになる――。ハラーとボッシュの意外な関係も明かされ、驚愕のどんでん返しにコナリーの技が光る!
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Posted by ブクログ
そうきましたかぁ。黒幕の事は、なんとなく最初から怪しいとは思っていましたが、まさか本当に黒幕だったとはねぇ。
それにしても、ミッキーは、弁護士なのに(逆にむしろ刑事専門弁護士だから?)、いつも命を狙われますねぇ。そういう仕掛けがあるので、このシリーズは、単純な法廷ものとは違う、スリリングな感覚があるんですね。
それと、ハリーとミッキーがねぇ、まさか、そんな関係だっとはね。
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まさに二転三転する展開は見事しか言いようがない。
しかもミッキーとボッシュという2大キャラをうまく描き分け見せ場を作りながらラストになってタイトルの意味が分かる展開はまさにコナリーならではの緻密なプロット。これだけ綿密に計算され構成された小説はなかなかないが、このレベルの作品を年に一作以上のペースで書いているコナリーの力量はスゴイ。
Posted by ブクログ
コナリーのメイン・シリーズは、ロス市警のハリー・ボッシュと決まっているようなものだが、時にノンシリーズと思われるキャラクターであれ、メイン・シリーズに登場したり、続編が出たりすることも数多くあるので、『リンカーン弁護士』のミッキー・ハラーが再び登場して、シリーズ化の勢いを見せ、さらにハリー・ボッシュが共演することになろうことも予測の範囲でなければならないのだろう。それにしてもいつもいい意味で裏を欠かれ、ツイストを見せられてしまうのが、コナリーの作法であり、手腕であるのだ。全く侮れない作家である。
前作のラストシーンを受けて長い休養から復帰することになったミッキーは、のっけから、殺された友人弁護士の仕事を引き継ぐことになる。弁護士の殺害犯を探るヒントは、弁護士の引き受けていた仕事の中にあるだろうことを、ミッキーのみならず警察の捜査官も当然探るはずである。案の定、知人弁護士の職場には、ハリー・ボッシュが事件資料を漁っている姿が。早い段階で二人の小説ヒーローが顔合わせとなり、読者サービスの美味しさに舌鼓を打ちながらページをめくることにになる。
前作でも見せたとおり、機転の利くミッキーである。一流の法律事務所を経営しているわけではなく、今もなお運転手は弁護料代わりに調達している。31件ある死んだ弁護士の仕事をミッキーは振り分ける。金にならぬ仕事、捜査の困難な仕事は、他の事務所に回す。しかし新聞を賑わしたような有名な事件には飛びつく。そこに大きな罠があるとも知らず。
コナリーのストーリー・テリングについて今更書き記すことはないと思うが、大船に乗った気持ちでストーリー展開の二転三転ぶりを楽しんでもらえればいいと思う。ましてやボッシュとのやりとりは、そのキャラクターの違いもさながら、お互いのスタンス、距離感などは、味わい深いものがある。事件とは別に彼らの関係にとんでもない真実が見出されるラストでは、少し出来すぎのきらいがあるものの、コナリーだから、ということで容赦してもいいような気がする。
今後のシリーズ化は占えないものの、少なくともこれで二人の共演は今後約束されたようなものである。楽しみがまた一つ増えたと言っていい。できれば、『わが心臓の痛み』『夜より暗き闇』登場のテリー・マッケイレブのような結末を迎えては欲しくない。
Posted by ブクログ
わくわくしながら一気読み!気付けば朝でした。眠かったです。
知り合いの弁護士の死をきっかけに刑事弁護士復帰を果したマイクル・ハラー。
彼が担当することになった、世間も注目する映画会社の会長が関わる殺人事件の裏に隠されている謎に迫っていく過程で、ハラー弁護士自身も命を狙われることになってしまう。
一連の出来事に潜む闇の正体とは?
後半一気に加速する物語に目が離せない。
最後の最後、いい意味でこちらの考えを裏切ってくれました。
さすが「当代最高のハードボイルド」の称号を恣にするハラーシリーズですね。
何よりハラー弁護士と、今回友情出演しているボッシュ刑事がかっこよすぎる。
洋画がお好きな方には間違いなくおすすめできる作品です。
Posted by ブクログ
面白かったです。
満足!
「リンカーン弁護士」で登場したやり手弁護士のミッキー・ハラー。
いささか自分の仕事に疑問を感じたり、病気治療の痛み止めで薬物中毒になってリハビリの時期を過ごしたりという経験を経て、少し雰囲気が変わっている。
そんなときに出会った事件。刑事ハリー・ボッシュとも関わることになります。
弁護士仲間のジェリーが事務所の駐車場で射殺され、犯人は見つからない。
理由によっては、後継の自分も撃たれかねない。
という状況で、強面の刑事ボッシュと互いに信じられずにやり合うが、やがて協力体制に。
離婚した妻のもとで育っている娘ヘイリーに会うのが楽しみなハラー。
「パパは悪い人のために働いているの?」と聞かれてしまう。
元妻マギーは検察官なのだ。
裁判の傍聴に一度連れてきてくれるようにマギーに頼むと、渋い顔をされるが連れてきてくれる。
幼い娘には難しくてわからなくても、何かを感じて欲しかったのだ。
軽いようでも、実は理知的な判断力をもっているミッキー・ハラー。
裁判のリアルで地道な描写がほとんどだった1作目でしたが。
今度は法廷が舞台のリーガル・サスペンスの楽しみはもちろん、より刺激的な~思いがけない展開で読ませます。
根っからの刑事ボッシュも客演ながらしっかり活躍。
ロサンジェルスの山の反対斜面に住んでいた二人には、実は思わぬ縁が…!
ハラーの厳格な父親がねえ…
2008年の作品。
この後、ボッシュものとハラーものが2冊ずつ出ているらしい。
安定したペース、翻訳も期待してます!
著者は1956年、フィラデルフィア生まれ。
引き抜かれてロサンゼルス・タイムズの記者になった経歴。
刑事ハリー・ボッシュのシリーズは当代最高のハードボイルドと評価されています。
ハードボイルドにしては?女性の描き方が個性あって上手いですよ。身近に有能で素敵な女性が沢山いるんでしょうね。
Posted by ブクログ
リンカーン弁護士シリーズ2作目だが、なんといってもあのボッシュが絡んできたのにはびっくり。
しかも、カメオ出演じゃなくて、驚きの展開に!
記者のマカヴォイも出てくるし、コナリーの作品全体で、サーガが構築されてきた。
主人公ハラーは、前作に比べてちょいワル(死語)風な部分が少なくなった感じで、殺された前任弁護士の跡を継いで、見事な弁護の腕を見せる。
法廷ものかと思って、読み進んでいたら、終盤に差し掛かって怒涛の
どんでん返しの連続技!
やや強引なところもあるが、そのサービス精神と腕の冴えは、凄い。
題名の「真鍮の評決」という言葉の意味にも、納得。
これからのハラ-とボッシュに眼が離せなくなった。
Posted by ブクログ
素晴らしい!
高いレベルを維持できているのが凄いです。
結局、どのシリーズも緩くあるいは硬くむすびつく【マイケル・コナリー】ワールドなのだろうけど今回の驚愕はまた格別でした。
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なにこれ~~!っていうくらい、ものすごくおもしろかった!
特に下巻。上巻は普通におもしろい法廷モノと思ってたくらいだけど、下巻では怒涛の驚きの連続で。ラストの驚愕の事実にはぞくぞくした。そして、なんともしみじみした。そうなのか……。
ボッシュシリーズより好きかもしれない!
それと、ボッシュシリーズでもそうなんだけど、舞台であるロサンジェルスが、マイクル・コナリーを読んでるとすごく哀切があるっていうか、なんかいいなあと思う。いわゆる明るいウエストコーストって感じではなく。砂漠とか山が近い感じで。ミッキーやボッシュが家のテラスから見る景色を見てみたい。
Posted by ブクログ
読んでしまった。またこれで半年以上、待たなければいけない。次のコナリー作品が出るまで。相変わらず一気に読ませてくれる。コナリーは第一級のストーリーテラー。息をも継がせぬ展開は健在。ストーリーに絡んでくるハラーの娘と元妻との距離感も読ませるけど、なんと言ってもボッシュとの距離感がいい! 早く次回作を翻訳してチョウダイ、英語では悲しいかな読めないもん、俺は。
Posted by ブクログ
1992年に「ナイトホークス」でデビューしたマイクル・コナリーの長編は訳出されているだけで19冊ある。で、面白さの盛りはかなり早い時期に過ぎていて、私的には「ザ・ポエット」(96年)、「わが心臓の痛み」(98年)あたりがベストだろうか。もっとも、これはその後のコナリーの作品が面白くないという意味ではない。コナリーとローレンス・ブロックは、大リーグになぞらえればテッド・ウィリアムスやピート・ローズみたいなもので、ホームランは少なくても二塁打を連発する。4割を打つ。ハードボイルド史に残るアベレージヒッターだ。しかしですね、本作は紛れもない「ホームラン」である。ピークをつけてから20年以上たって、この一発が出てくるとは思いもしなかった。タイトルよし。プロットよし。キャラクターよし(なんとハリー・ボッシュとミッキー・ハラーの競演なのだ!)。そして、どんでん返しよし。やられた、そうくるかい!ってなもんで、未訳の4冊を読むのが早くも待ち遠しい。太鼓判です。
Posted by ブクログ
さすがコナリー、上巻はややもたついた感じがあったが、下巻になるとどんどんページをめくらせる急展開。まったく職人技としか言いようがない。どっぷり楽しませてもらった。
いちゃもんをつけるなら、マカヴォイ記者の出番があれだけとは肩すかし。全然いいとこなかったものね。もうちょっと筋にからんできてもいいだろうに。あと、ボッシュとハラーの「関係」はちょっとできすぎでは…。
Posted by ブクログ
(上巻より続く)
という訳で、荒っぽいシーンは少ないが、
二転三転する話の展開はいつもどおりで、
面白い。
そして、あっさりと打ち明けられるハリー・ボッシュとの関係にも
びっくり。
娘の心を取り戻したのも良かった。
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これは、面白い。アメリカの裁判のキモもよくわかるし。主人公がちょっとモテ過ぎなのが若干腑に落ちないけれど。シリーズものらしいので他の作品も楽しみだ。
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ハラー復帰 知り合い弁護士の死 転がり込んだ注目裁判 被告無罪の自信 魔法の銃弾 残渣試験の真実 陪審員 事件の真相 襲撃 被告の死 大きな陰謀の実態 真鍮の評決/
おもしろいです。ハラーとボッシュのとりあわせだけでも興味しんしんだけど、二転三転のストーリー転回、表題の意味が判明するラストの会話、さらに二人の驚きの関係など、読みどころ満載です。
Posted by ブクログ
G 2012.3.10-2012.3.15
「特捜部Q」のあとでは、コナリー、古沢氏のなじみの
ある文章だけでも、何倍も読みやすい。
ボッシュもすべて読んではいるけど、こっちの
ほうが好みかな。
次作が待ち遠しい。
Posted by ブクログ
ハラーの復帰と、異なるふたつの殺人事件の輪郭をなぞる上巻はスローペース。後半は展開の妙で読ませてくれるが、若干アンバランスさも感じた。前作が傑作だったのでどうしてもハードルが上がってしまうが、総合的に判断するにやっぱりコナリーは面白いし、コナリーのリーガルサスペンスは読み応えがある。
ペリー・メイスンのような、正義を追求する高潔な弁護士というキャラではなく、ドラッグに沈没し、法の表と裏でぐらぐら揺れてる等身大のキャラがいい。事件と連動して追い詰められていくハラーの微妙な心理が、その都度印象に残る。また、法曹界のルールやシステムも巧く取り込んで、斜めから切り取って見せる目線が、個人的にはすごく好みだったりする。
終盤に二転三転するのだが、この転び方がかなり荒っぽい。予想はしてたのだが、それでも違う位置に着地したので、いい意味で期待ハズレ。細かい疑問や違和感はあるにはあるが、ラストで沈黙させられたように思う。この苦悩はいい読後感。
単独で読んでも差し支えないが、前作やボッシュ・シリーズの経験値がよりストーリーを面白くしてくれるのは言うまでもない。そう考えると、コナリーって挑発的だなあと思うのは穿った見方かな?
Posted by ブクログ
法廷になだれ込んでからのテンポは快調。
リーガル・サスペンスを堪能しました。
ツイストが多い作家というと、ジェフリー・ディーヴァーが有名ですが、確か彼の作品にもリーガルものがあったような気がします。(未訳)
それから、最近翻訳がされていない、フィリップ・マーゴリンにもねりが効いた作品がいくつかありましたね。
Posted by ブクログ
冒頭の「人は嘘をつく。」が全編を貫くテーマになっていて、最後の最後までくるくると展開が変わり、どんでん返しの繰り返しの後、意外な真犯人にたどりつく。
事件が解決したあとにも、ハラーの個人的な謎が解明され、最後まで、意表をつくストーリーになっている。展開にスピードがあり、面白い。
Posted by ブクログ
うーーーーん。いや、オモシロイよ?オモシロイんだが。前作の出来が良すぎたのかなんなのか。びっくりするような出来事も特になかったしなー。でも、次回作も読みます。あ、人畜無害なあの人は、ただの人畜無害な人でしたw