古沢嘉通のレビュー一覧
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ハラーの復帰と、異なるふたつの殺人事件の輪郭をなぞる上巻はスローペース。後半は展開の妙で読ませてくれるが、若干アンバランスさも感じた。前作が傑作だったのでどうしてもハードルが上がってしまうが、総合的に判断するにやっぱりコナリーは面白いし、コナリーのリーガルサスペンスは読み応えがある。
ペリー・メイスンのような、正義を追求する高潔な弁護士というキャラではなく、ドラッグに沈没し、法の表と裏でぐらぐら揺れてる等身大のキャラがいい。事件と連動して追い詰められていくハラーの微妙な心理が、その都度印象に残る。また、法曹界のルールやシステムも巧く取り込んで、斜めから切り取って見せる目線が、個人的にはすごく -
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ネタバレマッケレイブとボッシュの共演ということで
楽しみに読みました。
マッケレイブはイーストウッドのイメージで
読めました。リタイヤした感じの初老(?)の
感じで、いいなぁ。
ボッシュは、映画化したら、誰が演るんだろう。
私的には、あんまり二枚目じゃない、カートラッセル
が頭に浮かびました。もちっと目が鋭くてもいいいな。
そんな事、思いながら、久しぶりのシリーズで、ほとんど前の
事件を忘れていましたが、それでも、充分楽しめました。
パズルのピースがハマるように、サークルがカチッと戻って
きました。ボッシュがたれこみをしたかどうか、それは謎のままだと思う。マッケレイブが見た瞳の闇の中の光は、どんな意味 -
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ボッシュシリーズ13作目。
ニューヨークタイムズマガジン(日曜発行)に連載されたものに加筆修整した作品。
そのせいか、スピーディでテンポがよい。
仕事中毒で目下恋人もいないボッシュ。
マルホランド・ドライブの東端、展望台で死体が発見される。
スタンリー・ケント医師。
跪いて射殺され、ギャングの処刑めいた状態だが。
ポルシェの中には奇妙な跡が…
レイチェル・ウォリングと半年ぶりの再会。
ケント医師は放射性物質に直接アクセスすることが出来るため、FBIのリストに載っていたのだ。
妻のアリシアが襲われてケント医師は脅迫されたことがわかる。
FBIとの縄張り争いが始まる。
展望台の上にマドンナが -
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ジェフリー・ディーヴァーと並ぶ、お気に入りの作家。本書はその最新作。ツイストがあるのはディーヴァーと同じ。ただ、ディーヴァーほどあからさまではない。そして、主人公。本書のボッシュは孤高の刑事である。己に従えば従うほど、周りの人間が離れていく。男も女も。だから孤独。それでも生き方は変えられない。不器用といえば不器用だが、信念を持った男である。そこが、かっこ好くもあり悪くもある。とにかく根っからの刑事である。シリーズすべてを読んできて、頭の中にボッシュの生きている世界が出来上がっている。この一作だけをいきなり読んでも本シリーズの良さはわからないだろう。事件だけでなく、主人公ボッシュの出生から現在