古沢嘉通のレビュー一覧

  • レイトショー(下)

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    ある夜、女装男性が酷い暴行を受け、昏睡状態に。独自捜査を進めるバラードだが、同夜ナイトクラブでの銃撃事件に駆り出される。ロス市警内部の闇と闘い、身の危険にさらされながら二つの事件の真相に辿り着く。邪悪極まりない男たちに敢然と立ち向かうタフで優しき女性刑事の姿に胸が熱くなる新警察小説。

    新シリーズの立ち上がりは、まずまず。今後の、他のキャラクターとの共演が実に楽しみ。

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    2020年02月24日
  • レイトショー(上)

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    ロス市警女性刑事レネイ・バラードはハワイ出身、三十代独身。上司とぶつかりハリウッド分署深夜勤担当刑事に。レイトショーは警察内隠語深夜勤を指す。初動捜査はできても本格的捜査は昼勤の刑事に委ねなければならないという制約のある中、使命を果たそうと苦闘する。新シリーズにしてニュースターが誕生!

    マイクル・コナリーの翻訳作品は、これで30作目になるのだとか。「バッドラック・ムーン」と「チェイシング・リリー」の二作はあいにく未読なので、私にとっては28作目となる。相変わらず、快調なペースで読ませます。

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    2020年02月23日
  • レイトショー(下)

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    「60歳を過ぎた作者が新たなキャラクターを創るなんて」と不安に感じたファンもいるのでは。かく言う私もその一人でした。結論、まったくの杞憂。というかむしろ傑作。主人公の造形とスピーディーな展開に引き込まれます。白眉は、下巻2/3くらいの上司とのやりとり。思わず喝采でした。コナリー最新4作のうち3作に登場するルネイ・バラードはハリー・ボッシュ、ミッキー・ハラーに続く存在になること間違いなし。次の翻訳が待てない!

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    2020年02月18日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    アメリカの書評で話題だったので気になっていましたが、和訳が出たので早速読みました。これを手に取るのはやっぱりみんなホッパー付きの人だと思うのだけれど、私もその一人で、で、読んでいる中で、お、と思うタイミングでホーッパー作品が出てくるので読んでて心地よかったです。いろんな作家さんの短編小説が入っていて、初めて知る人もいて、それも良いです。ただちょっとこじつけじゃないの?と思ってしまう組み合わせもありましたが、それもまあ楽しみかと。なによりこういう本を企画し実行した編集さんがすごい。

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    2020年02月03日
  • 転落の街(下)

    nao

    購入済み

    アーヴィング、懐かしい…途中消えたけど最後はアーヴィングらしく締めましたね。そういうところが変わってなくて嫌いになれないなー
    (ええ私はアーヴィング派)
    逆にボッシュはパートナーを雑に扱いすぎてて、腹が立ちました。本編でボッシュの事を自己満足のクソ野郎と考えている人が出てきますが、思わず大きくうなずいてしまいました。
    今までの経験や嘘を見抜く勘があるとか言ってる割に、自分がその人を認められるようになるまで相手の自尊心を傷つける事を平気でやり続けられるっておかしいんじゃないのこの人。
    なので、そういう人だと思ってなかったけど、人種差別的なモノを持っているように今回は感じました。
    あとど

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    2020年01月31日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワードエドワード・ホッパーの絵を題材にした短編集。
    絵と物語を楽しめる。
    「オートマットの秋」「牧師のコレクション」「音楽室」が面白かった。

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    2020年01月26日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーの絵をもとに
    17人の作家の17つの短編。
    序文でローレンス・ブロックも言っているけど、本当にバラエティ豊かだ。
    色白で、表情が虚ろにも見える人びと。
    (そのせいなのかちょっと死体と犯罪が多い)
    スウェーデンの映画監督、ロイ・アンダーソンの作品にでてくる人みたい。

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    2020年01月18日
  • リンカーン弁護士(上)

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    リンカーン弁護士シリーズの三作目。上下巻にもかかわらず読みやすい上に面白く、今回は、ミッキー・ハラーとボッシュ刑事の競演とあってなじみもあり、すぐに読み終わった。
    コナリーの大好評であるシリーズとして、それぞれが主人公で活躍している、その二人がタッグを組む事だけでもわくわくする。
    ミッキー・ハラーよりもボッシュ刑事シリーズが多く書かれているそうだが、ハラーのほうから入ると、やはり法廷シーンの緊張感が嬉しかった。


    24年前の少女強姦殺人事件の犯人は、無実を訴え続けている。DNA判定が進歩して、証拠になった妹のワンピースの裾についていた精液が犯人のものと違っていることが判明した。
    「判決破棄」

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    2019年12月28日
  • リンカーン弁護士(下)

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    やっと、文句なしの面白い本に会えた。最近面白いなぁと思ったものは多いが、全編を通して、息継ぎがないくらいに読み通したのは久々で、評判どおりだった。

    リンカーン・コンチネンタルの後部座席を事務所にして仕事をする、弁護士のマイクル(ミッキー)・ハラー。

    儲からない貧乏仕事ばかりで、別れた妻の元にいる子どもへの養育費も含めて経費の支払いに汲々としている。計算高いが、人間味もある、勝つためには裏技も使う、知的戦力に優れ、法廷の弁論合戦も計算された演技力を駆使する。
    面白く読み応えがあった。
    いくつかの小さな担当事件が挿入されているが、これがメインの事件につながるところもあり、こういったわずかな報酬

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    2019年12月20日
  • エコー・パーク(下)

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    ネタバレ

    ウエイツが現場検証で逃げ出すのはドラマと一緒。
    ただし原作では森の中。
    撃たれて死んだのは2名、キズミンも撃たれて生死の境をさ迷うが生還する。
    しかし刑事生命は絶たれて本部長付きに戻る。
    逃走自体も陰謀だった、オシェイが筋書きを描いたのか?
    ボッシュはレイチェルと共に逃れたウエイツの隠れ家を見つけ出し人質を奪還しつつウエイツを射殺。

    陰謀の筋書きを追うボッシュ。
    実は引退間際の上司が、かつて殺された女性の真犯人(有力者ファミリー)から依頼された話だった。
    それを暴いたボッシュは上司に犯人たちと取引をさせるべく手配する。
    上司と犯人である息子と父親との3者での会談、遠くで見守る警察メンバー。

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    2019年11月19日
  • エコー・パーク(上)

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    ネタバレ

    期待を違わぬボッシュシリーズ。
    アマプラで観た物語とダブっているが関係なく新鮮に読める。ボッシュのプライドと使命感、それが個人的に暴走しそうになるが踏みとどまる。
    また気まずく別れた女にも捜査の為には連絡を躊躇わなくて、しかもヨリを戻す図太い神経、さすがだぜボッシュ!
    上巻では犯人にしてやられたけど、下巻が楽しみだ!

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    2019年11月14日
  • ブラック・ハート(下)

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    ハリー・ボッシュ・シリーズ第3弾、今回はボッシュがハリウッド署に異動になった原因となるドール・メイカー事件の裁判から始まる。原告側女性弁護士の名前がチャンドラーなんてハードボイルドだ。

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    2019年11月10日
  • 罪責の神々 リンカーン弁護士(上)

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    面白い展開。期待たっぷりで下巻へ。
    事件とは別に、前作の記憶があやふやで親子関係がどうやったか思い出せないなー。

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    2019年11月03日
  • 終決者たち(下)

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    ネタバレ

    凶器である拳銃に残されたDNA。
    合致したチンピラの電話の盗聴と動かすための新聞記事を仕掛ける。
    この作戦にまつわるエピソードで下巻の半分を使う。

    チンピラは殺されてしまい、その作戦は大失敗。
    窮地のボッシュ、復帰3日目で馘首か?

    アーヴィングの勝ち誇った態度に反発するボッシュ。
    その反応としてアーヴィングの部下がボッシュの家を訪問する。
    彼の話で、更に失敗を噛み締めるボッシュだが、
    記録を読み返して殺された少女の部屋が保存されていることに目を付けて新たな証拠を入手する。

    更にチンピラ殺害の時の電話のからくりに目を付けて、ついに犯人を確定する。
    警察を去らざるを得なくなるアーヴィングとほ

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    2019年10月16日
  • 終決者たち(上)

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    ネタバレ

    ボッシュシリーズはアマプラでドラマを見て以来、時系列を無視して適当に読んでいる。
    今回は以前読んだ「天使と罪の街」の後の物語。
    その物語の最後の方で、かつての相棒であったキズミン・ライダーからの電話でロス市警復帰を強く促された。
    当作上巻はその話を受けてロス市警に復帰した初日の話。
    殆どが朝7時から真夜中まで、巻末が翌日の朝。
    いやあボッシュ、飛ばすなあ。
    この頃は54歳くらいか?
    事件は1988年に起こった黒人と白人の混血少女の殺人事件。
    過去の事件記録を読んでキズミンと捜査方針を決めて精力的に関係者に会いに行く。

    このシリーズも大体のパターンがあって、
    ボッシュと相棒、上層部の敵役、直属

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    2019年10月14日
  • 訣別(下)

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    ネタバレ

    連続強姦犯人の生体情報を得られるかもしれない覆面と手袋を入手して、更に盗難車情報から車のキーを現場に落としたのでは?との推理をしたボッシュ。
    しかし大富豪の末裔探しが佳境になっており手が離せない。
    相棒女性刑事に任せたところ連続強姦犯に拉致された模様。
    署内総出で探し、そこで気づいた犯人像。
    そいつの家で色々あって、さすが修羅場を潜り抜けたボッシュ、サイコパスなクソ野郎に銃弾を浴びせる。
    躊躇いなく撃てるっていうのもボッシュならでは。

    こっちが一段落したと思ったら大富豪の死因が殺人だということで二人の刑事の訪問を受ける。
    この刑事達との駆け引きもボッシュならでは。
    彼等を手玉に取りながら与え

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    2019年10月14日
  • 訣別(上)

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    ネタバレ

    ボッシュシリーズ最新刊
    予算が切り詰められた小さい署で無給の刑事と私立探偵をやっている66歳のボッシュ。
    娘は大学生、家を出て一人住まい。
    ある日かつての嫌いな上司の天下り先に呼ばれたボッシュ、嫌々訪問する。
    元クソ上司から大富豪からの依頼を紹介され翌日に赴く、この辺はチャンドラーの「大いなる眠り」っぽい話になるかと思ったが、大富豪との会談はあっさりしたもの。
    10代の頃、妊娠させた女性が居るので係累を探して遺産を相続させたいとのこと。

    いつものようにボッシュは他にも事件を抱えていて、それは連続強姦犯。
    どっちも精力的に追っかけて行くのだが、職場の嫌な上司、意欲的な女性相棒、無能な同僚など周

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    2019年10月11日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーという画家の絵から、17人の作家たちがそれぞれの物語を紡いでいく、いっぷう変わった趣向の短編集。

    文章に合わせた絵ではなく、一場面を切り取った絵から背景にある物語を想像するというのは、なかなか興味深い。皆それぞれ個性的で、そこまで想像の世界を広げていくのかと驚く。
    知っているのはキングとキャロルオーツくらいだったが、大御所キングの作品は絵そのままという感じでいちばん凡庸だった。
    自分ならこの絵からどんな物語を作るだろうと、読む前に考えるのも楽しかった。

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    2019年10月02日
  • ブラックボックス(下)

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    ネタバレ

    下巻の後半から事件捜査に弾みがつく。
    上司の警部補からの告発を受けて内部監査部の女性刑事からの調査を受ける。
    そんなこんなで捜査を妨害されるのを防ぐために休暇を取って関係者と思われる男達の地元に乗り込む。
    危機に陥るが、何故か女性刑事に救われる。
    ここはなんだかな、ちょっと都合良いな。
    むしろ自力で切り抜けて欲しかった。

    ハンナとは別れるんだろうな、という予感と
    最後に被害者の兄との電話の会話で幕を閉じる。

    62歳、一時はこれまでかと娘の事を思いながら死を覚悟した瞬間もあったが意気盛ん、流石アメリカンはタフだな。

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    2019年09月27日
  • ブラックボックス(上)

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    ネタバレ

    20年前のロス暴動の際に路地裏で射殺されたデンマークの女性ジャーナリストの未解決事件を追うボッシュ。
    検挙数字や自分の成績しか考えず干渉してくる新任の警部補。当初はギャングが使った銃から、ストリート絡みかと思われたが、湾岸戦争の時の戦争犯罪を取材していた。
    しかし捜査の前途に暗雲が漂う。それに抗った報いで内部監査からの調査にかけられてしまう。

    このボッシュの捜査にかける情熱、周りを巻き込む執念と秘密主義。こういった事から一部からは否定的なリアクションを招いてしまう。
    娘を思う気持ちの強さと、それゆえ娘との摩擦や前作で知り合ったハンナとの関係など、濃い人生だなあ。
    まあ薄かったら物語にならない

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    2019年09月24日