古沢嘉通のレビュー一覧

  • 迷宮(下)

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    まあいつもながら見事と思わずにはいられない内容。スリリングな状況から始まり、展開が落ち着いたかと思わせた後に更にまた盛り上げてくるストーリーテリングの巧さは抜きん出ていると言わざるを得ない。

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    2025年12月24日
  • 迷宮(下)

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    ネタバレ

    初めてこのシリーズの作品を読んだ。
    続きが気になって仕方がなくて、すぐ読み終えた。
    複数の事件を同時に追いかけるため、たまに人物の名前など、混乱してしまうことはあった。だが、どの事件も印象的かつ刺激的であるため、なんとかついていけた。
    恐らく前作までを読んでいたらもっと楽しめたのだろう。是非一作目から読んでみたい。

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    2025年12月23日
  • 迷宮(上)

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    ロス市警未解決事件班刑事のバラードは銃とバッジを盗まれて窮地に陥る。ボッシュの協力を得て窃盗犯に迫った彼女は、犯人が連邦議会議事堂襲撃事件の指名手配犯とつながっていることを突き止めた。二人は市警とは秘密裏にFBIと連携、さらなる大規模テロを阻止し、盗まれた物を取り戻そうとするが──。

    レネイ・バラード・シリーズ第6作。ハリー・ボッシュと娘マディが豪華共演。

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    2025年12月21日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    key作品のような日常パートが長く、なかなか本題に着手しないが、いざ展開するとジェットコースターのように怒りと憎しみと楽しさと悲しさが頻繁に入れ替わる。
    キャラクターに思い入れができ、時代背景や土地の文化を自身に馴染ませながら読み進めていくとなるほど、面白い。特に話題に銀や翻訳が絡むと長くなりやすいので注意が必要。説明パートのようなもの。

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    2025年12月16日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    疫病が流行る広東からイギリスへ連れていかれるロビン。
    ラヴェル教授の指導の下オックスフォード大学へ。
    そこで気の合うはみ出し者仲間と出会って友情を育んでいく。

    ハリーポッターのような雰囲気のあるSF。翻訳と銀と魔法と人種差別が絡む世界。

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    2025年12月16日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    外国語ができてもできなくても、知的好奇心をくすぐる仕掛けがギチギチに詰まってて相当手強い!一気に脈拍数が上がったところで、下巻へ続く

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    2025年12月13日
  • 天使と罪の街(下)

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    さて、小説というのは終わりよければすべて良し、の場合もあれば、途中は盛り上がったのに最後がなぁ、というのもあろう。でもって今作はと言うと、すまん正直に言って最後のボスとの戦闘が残念というか、何これヤラセなの?てなくらいのB級ハリウッド感。盛り上げるためにわざと逃がしたんじゃないかよてかドリフかよってな具合でそれ以降がすっかり醒めてしまってねぇ。
    というのもラストまでは良かったから尚のこと気になるのかも。頑張って推理して追い詰めて、と、順調に進んだのになぁ。

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    2025年11月28日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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     ずいぶん間が開いてしまった。やっと読み終わった。やはり予想した通り希望に溢れるエンディングとはならなかったけれども。
     銀と言語(翻訳)を使った魔法、物語の中に入り込むとクラクラしてしまう。
     ある言葉が持つ「力」をいかに損なわずに他の言語に「翻訳」できるか。現実に「翻訳された」作品を読んでいるわけで、本当に表現されていることを、どれだけ正しく受け止められているのか……

     「翻訳とはまさにそういうことなんだ、と思う。話すということはそういうことなんだ。他人の話に耳を傾け、自分の偏見を越えて、相手が言おうとすることをわかろうとすることだ。自分自身を世界に示しほかのだれかが理解してくれることを

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    2025年11月22日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    久しぶりに時間が過ぎるのを忘れるほど夢中になって読んだ。

    基本はハリー・ポッターを思わせる魔法学園ものなのだけれど、帝国主義や階級社会の闇が色濃く描写されていて、現代性が強い。
    主人公を含む同期4人組が男2女2で、1人だけが白人という設定も効果的。かけがえのない友情を育みつつも、互いのマイノリティ間ギャップに苦しみ、栄光と信念の間で悩む姿がリアル。

    なにしろ、銀の棒に適合対となる言語を刻んで魔法を発現させる、というアイデアが発明すぎる!言語の盛衰が魔法に影響したり、英語から遠い言語を扱える者が重宝されたり、魔法によって産業や生活が豊かになっている、という設定がおもしろすぎるし、メタファーと

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    2025年10月22日
  • 素晴らしき世界(下)

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    ネタバレ

    2025年の38、39冊目は、マイクル・コナリーの「素晴らしき世界」です。レネイ・バラード&ハリー・ボッシュのシリーズ1作目となります。コナリーの産み出した2大ハードボイルド主人公の夢の共演となります。
    人気の無いハリウッド分署でファイルキャビネットを漁っていた男(ボッシュ)をバラードが見咎めた事から始まります。ボッシュは、15才の少女デイジー・クレイトンが殺害された未解決の事件を調べており、2人は協力して事件を調べ始めます。
    相変わらず、ストーリーテリングが上手いです。一見、関係の無いと思われる冒頭の事件が、そういう風に繋がって行くのかと分かった時には、唸ります。
    物語は、このデイジー・クレ

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    2025年10月22日
  • レッドリバー・セブン:ワン・ミッション

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    面白かった。
    自分の記憶がない中、普通なら思い出したいと思うが、思い出す事が逆に生命の危機に繋がってしまう。
    思いも寄らない発想に触れられ楽しめた。

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    2025年09月28日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    子供の夏休みの課題図書には少し話が難しいかもしれないが、ハリポタとかスチームパンク、ソフロニア嬢とかが好きなら是非。イングランド人以外の大英帝国の負の側面に触れる19世紀オックスフォードの学園もの。
    銀と翻訳による言葉の魔法で蒸気機関や機能を向上させる、今なら電気やネットをイメージすると近いだろうか。理論は難しいのでそんな気にしなくて良い。

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    2025年08月05日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    下巻はオックスフォード大学の王立翻訳研究所「バベル」で翻訳学を学ぶ男女4人のその後の顛末である。

    主人公のロビンはカルカッタ出身のイスラム教徒ラミー、ハイチ生まれの黒人女性ヴィクトワール、英国の高級将校の娘ラティスらと共に入学した。英語から遠い言葉ほど「適合対」の威力が増すので世界中から集められた。彼らは一緒に行動しお互いの友情を育み、ネイティブ翻訳者を目指す。言語学や翻訳研究に没頭する黄金の日々を過ごす。

    四人は卒業航海で広東に行き、侵略戦争の引き金となる交渉に関わる。当時のイギリスは銀獲得のため清朝政府にアヘン貿易を迫っていた。ロビンは大学の侵略加担に反対し、母親の見殺しを責めて同行の

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    2025年08月08日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    この本を手にする時も、読んでいる途中でも「SFファンタジー」という分類定義に何度も邪魔された。
    SFならまだしもファンタジーは流石についていけないという思い込みに、「そんなのを何で今更読むんだ」と幾度となく引き止められた。
    しかし純文学を頂点とする序列感覚や好き嫌いの決めつけがいかに読書の世界を狭めていたか思い知ることになる。そもそも文学や小説は仮構でありフィクションだ、作家は自由に創造力と構想力で表現を極め、読者がそれを受け止めて楽しめばよい。
    それが自分の濫読のコンセプトであったはずだ。

    この作品は傑作であることは間違いない。
    ネビュラ賞・ローカス賞については知らなかったが、知れば受賞も

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    2025年08月03日
  • 紙の動物園

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    表題作がやばすぎるSF短編集
    魔法のような母さんの折り紙だけがずっとぼくの友達だった
    なんて美しい物語だろう
    子供の頃に読めば反抗期は終わり
    大人になって読めば親に会いたくなり、子供が愛おしくなる
    SFとファンタジーにしかできない物語がこの本にはある

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    2025年07月28日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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    19世紀オクスフォードの架空歴史翻訳魔法小説の下巻。上巻巻末の驚愕の展開から、怒涛の展開の下巻。
     キーワードは、ブリカス、銀、魔法、翻訳、学生生活、友情、植民地、産業革命、超えられない立場の違い、ダブルどころかトリプルミーニング、東大安田講堂。
     これだけの材料が絶妙に組み合わさり、無駄なく世界観を、物語を動かしていく。
     ただ、あまりにもきっちりハマりすぎており(上巻の中盤でオチが読める)、破天荒さに欠けるので星4。

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    2025年07月17日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    19世紀のオクスフォードを舞台に、銀細工による魔法がイギリス中に行き渡っている、という設定の元に描かれる架空歴史モノ。主人公は清国で生まれ、イギリスで育った若者。
     翻訳のニュアンスのズレが魔法の源だが(魔法に呪文はつきものだ)、言語について深く踏み込んでいるのは興味深い。オクスフォードを舞台に、マルチリンガルである主人公は、翻訳の妙味を学びつつ、19世紀のイギリスということで、ブリカス全開の現実に向き合う。銀細工の魔法が産業革命の蒸気機関の代替となっていて、盛り沢山の作品だ。

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    2025年07月16日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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     “銀の棒が震えながら歌っていた。自分たちに関する筆舌に尽くしがたい真実を表現しようとしているかのようだ。それは翻訳が不可能だと言う真実だった。翻訳がとらえ、表現する純粋な意味の領域は決してわからないだろうし、わかりようがないことを。
    というのも、アダムの言語なんてものがどうやったらあり得るのだろう? 生得的で、完璧に理解可能な言語なんてものは存在しない。そんな言語になり得る候補なんてない。威張りちらし、一つのものになろうとして、吸収できるような言語はない。
    言語はたんなる相違なのだ。千もの異なる見方、世界の動き方がある。いや、ひとつの世界の中に千の世界がある。そして翻訳は、どれほど無駄であろ

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    2025年07月11日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    同じ意味の単語を二か国語からそれぞれ選んでも、語源を辿ると完璧には一緒の意味を示すことにはならない。言葉は、単語一つ取り出しても歴史的・文化的背景によって本質的に多義的なのだ。この単語のペアに含まれた意味のズレに魔法が宿る、という設定が面白い。これは自分でも考えて作りたくなる。
    例えば日本語と英語のペアでは、こんなのはどうだろう?
    「間」と「gap」をGoogleで調べるとAIがこう回答してくれる。

    「間(ま)」と「gap」は、どちらも「隔たり」や「隙間」を意味しますが、ニュアンスや使われ方が異なります。「間(ま)」は、時間や空間、または心理的な隔たりなど、幅広い意味で使われる抽象的な概念で

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    2025年07月10日
  • ナイトホークス(下)

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    ハリー・ボッシュシリーズ第1作
    読み応え抜群。複雑に展開していくストーリーにどんどん引き込まれる。
    緻密な構成と人物描写も楽しかった。
    ドラマ版も観てみようかな。

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    2025年07月10日