古沢嘉通のレビュー一覧
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売春婦殺人事件の弁護を担当することになったハラー。被害者は旧知の人物グロリアだった。彼女を尾行していた者がいたり、彼女を証言させようとしていた者がいたりして怪しい。
すごく面白かった。悪が暴かれる過程、息詰まる裁判どちらも素晴らしかった。
※ネタバレ
終身刑で刑務所にいる麻薬密売人のモイアが、自分のホテルに銃を仕込んだのはグロリアだとして証言させようとした。グロリアは麻薬捜査官のマルコから頼まれた。ハラーは裁判でそれを明かし、マルコのパートナー元殺人課刑事ラングフォードは裁判中に自殺、マルコは行方不明になりどうやらメキシコで殺されたらしい。 -
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人気作家マイクル・コナリーの新シリーズの第一作。
正直言って上巻はそれほど面白いとも思わず読んでいたが、後半一気に緊迫感が増し、最後はどう決着をつけるのだろうかとハラハラする。
(法廷ミステリはそもそも法廷が山場の一つなのでそうなりがちだが)
「リンカーン弁護士」というタイトルもいい。最初は札束を唸らせている羽振りのいい弁護士の話かと思いきや、事務所を借りずリンカーンで東奔西走して小銭をかき集めている弁護士の話である。
この後シリーズ化するのも納得の作品で、元々のヒットシリーズと共演する作品もあるそうだ。まずは一番初めの「ナイトホークス」を読んでみようと思う。 -
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リンカーン弁護士ミッキー・ハラーもの。今回はハラー自身が殺人犯として逮捕されてしまう。拘置所で殺されかかったり、絶体絶命のピンチに陥りながら、容疑を晴らすべく自身の弁護を行っていくことになる。丁々発止の法廷劇、サスペンスたっぷり、いつもながらコナリーは読ませるなあ。
ボッシュも少しだけ出てくる(特に活躍はしないけど)。で、やっぱり私は断然ボッシュ派なのだった。ハラーに協力し、裁判のために周辺調査を行っていたボッシュが、ハラーにこう言う場面がある。「俺は犯罪者のためには働かない」。これは、ハラーの無実を信じているという言明であると同時に、刑事弁護士として「犯罪者のために働く」ハラーへの痛烈な一言なのだ。
もちろん、警察や検察は「金と組織」の力、つまり権力によって圧倒的に優位なのであって、それに個人で対峙し、一矢を報いて行こうとするハラーの考え方も理解はできる。しかし、「依頼人が実際に犯罪を犯したかどうかには関心がない」と明言し、時に殺人者をも巧みな弁護で無罪にし、そのことにさほどの葛藤を感じないハラーに、心からの共感を寄せることは難しい。
追い詰めた非道な犯罪者が、この後の裁判で罪から逃れるかもしれないとわかりながら、今なら誰も見ていないと思っても引き金を引くことはできないボッシュ。裁判で圧倒的に有利になるであろう一言の嘘が、ボッシュには言えない。ハラーものだというのに、自分にとっては、苦悩しつつ「犯罪者と同じものになる」ことを拒むボッシュの姿がよりくっきりと浮かび上がってくるような気がしてくる。
「無罪」と「無実」は違うものであり、ハラーは当然無実(潔白)であることを明らかにしようと奮闘する。その点が、ハラーの扱ってきた他の裁判(無罪でさえあればその理由は何でもいい)とは違う。結末は皮肉だ。やはり著者にとっても一番のご贔屓はボッシュなのではないかと思ったりした。 -
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ネタバレ(上巻より)
監獄からわざと海外逃亡を匂わす電話をかけて、
検察を罠に陥れ保釈を勝ち取ったり、
陪審員選びの際に、
調査員からのメッセージをこっそり受け取ったり、
付箋を入れ替えてわざと検察に盗み見させたりと、
ハラーらしいやり方は面白かった。
ただ、FBIが捜査中の事件を引っ掻き回されたくない、という理由で、
控訴が取り下げられた、という結末にはちょっと納得がいかない。
ハリーのガレージで見つかった殺人の証拠の謎も解けてないし。
コツコツとヒットを飛ばし点を稼いでいたのに、
大雨でノーゲーム?
サヨナラ満塁ホームランで逆転勝ちしてほしかった。
コロナの状況が描かれたり、
「証言拒否」の依頼人が証言台に立たされたのにはびっくり。 -
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ネタバレリンカーン弁護士シリーズ。
警官に車を止められ、
トランクから遺体が発見されてしまったハラー弁護士は
殺人の裁判の間、監獄に収監されていた。
さすが刑事弁護士というべきか、
金を払って監獄の中での身を守ってもらっていた。
とはいえ、裁判所への往復のバスの中で、
襲われてしまうが。
最初、監獄にボッシュが現れないことにイライラした。
今までの関係から、
当然、異母弟のハラーの危機を救いに来るだろうと思っていたから。
もちろんボッシュは殺人事件の調査に参加するが、
その際に、
ふたりがお互いに監獄にいる自分を見られたくなかった、
見たくなかったと言い合っていた。
自分には男同士の気持ちがわかっていなかったらしい。
(下巻へ続く) -
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マイクル・コナリー『潔白の法則 リンカーン弁護士(上)』講談社文庫。
リンカーン弁護士ミッキー・ハラー・シリーズの第6弾。
2020年の作品。このシリーズにもコロナ禍が描かれることになろうとは。
相変わらずリーダビリティーは高いが、ストーリーはありふれているようにも思う。下巻を読まないとこれ以上の評価は出来ないが……
ミッキー・ハラー最大の危機にハリー・ボッシュや元妻、元カノ、仲間が集結し、ハラーの容疑を晴らそうと奮闘する。誰がやったのかを証明することが潔白の法則ということか。
あろうことかミッキー・ハラーが殺人容疑で逮捕される。ハラーのリンカーンのトランクから見知らぬ男の射殺体が見付かり、自宅のガレージからは銃弾が見付かったのだ。収監されたハラーは自分自身を弁護するための本人訴訟に挑む。
ハラーを見舞った最大の危機に、ハラーを助けようと集まったハリー・ボッシュ、ハラーの元妻や元カノと仲間たち。彼らはハラーの潔白をどのようにして証明するのか。一体、誰がハラーを罠に嵌めたのか。
定価990円
★★★★