あらすじ
保釈を勝ち取ったハラーだったが容疑は晴れておらず、再逮捕によって改めて自由を奪われてしまう。
さらに拘置中の身で命を狙われたハラーは、絶体絶命の危機に陥る――。
有罪ではないことと無実であることは違う。
獄中から自己を弁護する彼は、内外の敵に立ち向かい、「真実」にたどりつくことができるのか!?
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Posted by ブクログ
2023.07.08
本書はネットフリックスの原作となる。この本の良いところはこれまでのボッシュやリンカーン弁護士のシリーズを読んでいなくてもじゅうぶんに堪能できることにある。
もちろんこれまでの著者の作品を読んでいるとさらに奥行きは増す。
次に本書の評価できるのは、アメリカ司法制度について丁寧に述べられているので、司法制度について勉強になるということである。
潔白と無罪の違いも良くわかる。
新しい作品であることを含め、著者の作品の最初の一冊にしても良い傑作だと思う。
Posted by ブクログ
物語の世界にもCOVID-19はやってきています。
この物語の時間は、2019年の末から、2020年の初頭から3月ごろにかけて。ちょうど、世界がCOVID-19で騒ぎ始める時期ですね。
そんな大変な時期に、ミッキー・ハラーは、覚えのない殺人事件の容疑をかけられてしまい、絶体絶命の事態に追い込まれてしまうわけですが、まぁね、主人公がそのまま有罪になってしまう事は無いですよねw
でも、その無罪に至る過程が、また面白い。アメリカならでは(と、敢えて言いますが)の司法制度、刑事制度がそこにあるわけですが、それよってミッキー・ハラーは殺人容疑をかけられ、それによって無罪になると言ってもいいでしょう。
面白かったです。作者の自作は、2020年の末ごろの時代。COVID-19が猛威を振るってしまっている世界の話になる様です。
Posted by ブクログ
リンカーン弁護士シリーズ。マイケルコナリーは今回も超絶クォリティだった。文句なしに面白い。最近の話題も入っており、リアルタイム感もすごい。以前の話も絡んでくるので、是非最初から読むべし。とにかく面白く、ハズレがない。
Posted by ブクログ
〈リンカーン弁護士〉シリーズ第六弾。ハラーが殺人容疑で逮捕され収監される。その中で自ら弁護士として容疑を晴らしていく。犯してもいない殺人でありながら次々とハラーに不利な証拠が出てくる。検察の捜査とハラーを含む弁護側の捜査。そして裁判。この裁判がとても面白い。ハラー自身が被告となっていることもあって裁判の流れ、ハラーの弁護士として、被告としての立場、感情がより緊迫感を増して伝わってくる。シリーズの中で一番好きな作品。リーガルサスペンスの傑作だと思う。
Posted by ブクログ
リンカーン弁護士ミッキー・ハラーもの。今回はハラー自身が殺人犯として逮捕されてしまう。拘置所で殺されかかったり、絶体絶命のピンチに陥りながら、容疑を晴らすべく自身の弁護を行っていくことになる。丁々発止の法廷劇、サスペンスたっぷり、いつもながらコナリーは読ませるなあ。
ボッシュも少しだけ出てくる(特に活躍はしないけど)。で、やっぱり私は断然ボッシュ派なのだった。ハラーに協力し、裁判のために周辺調査を行っていたボッシュが、ハラーにこう言う場面がある。「俺は犯罪者のためには働かない」。これは、ハラーの無実を信じているという言明であると同時に、刑事弁護士として「犯罪者のために働く」ハラーへの痛烈な一言なのだ。
もちろん、警察や検察は「金と組織」の力、つまり権力によって圧倒的に優位なのであって、それに個人で対峙し、一矢を報いて行こうとするハラーの考え方も理解はできる。しかし、「依頼人が実際に犯罪を犯したかどうかには関心がない」と明言し、時に殺人者をも巧みな弁護で無罪にし、そのことにさほどの葛藤を感じないハラーに、心からの共感を寄せることは難しい。
追い詰めた非道な犯罪者が、この後の裁判で罪から逃れるかもしれないとわかりながら、今なら誰も見ていないと思っても引き金を引くことはできないボッシュ。裁判で圧倒的に有利になるであろう一言の嘘が、ボッシュには言えない。ハラーものだというのに、自分にとっては、苦悩しつつ「犯罪者と同じものになる」ことを拒むボッシュの姿がよりくっきりと浮かび上がってくるような気がしてくる。
「無罪」と「無実」は違うものであり、ハラーは当然無実(潔白)であることを明らかにしようと奮闘する。その点が、ハラーの扱ってきた他の裁判(無罪でさえあればその理由は何でもいい)とは違う。結末は皮肉だ。やはり著者にとっても一番のご贔屓はボッシュなのではないかと思ったりした。
Posted by ブクログ
(上巻より)
監獄からわざと海外逃亡を匂わす電話をかけて、
検察を罠に陥れ保釈を勝ち取ったり、
陪審員選びの際に、
調査員からのメッセージをこっそり受け取ったり、
付箋を入れ替えてわざと検察に盗み見させたりと、
ハラーらしいやり方は面白かった。
ただ、FBIが捜査中の事件を引っ掻き回されたくない、という理由で、
控訴が取り下げられた、という結末にはちょっと納得がいかない。
ハリーのガレージで見つかった殺人の証拠の謎も解けてないし。
コツコツとヒットを飛ばし点を稼いでいたのに、
大雨でノーゲーム?
サヨナラ満塁ホームランで逆転勝ちしてほしかった。
コロナの状況が描かれたり、
「証言拒否」の依頼人が証言台に立たされたのにはびっくり。
Posted by ブクログ
もはや希代のページターナーと呼んでいいだろう。上巻の1/3くらいからページをめくる手が止められない。それくらいスリリングで熱っぽくリーガルサスペンスが展開していく。結末の意外性はそれほどでもないが、それが気にならないほど十分に面白い。
Posted by ブクログ
保釈を勝ち取ったハラーだったが容疑は晴れておらず、再逮捕によって改めて自由を奪われてしまう。
さらに拘置中の身で命を狙われたハラーは、絶体絶命の危機に陥る――。
有罪ではないことと無実であることは違う。
獄中から自己を弁護する彼は、内外の敵に立ち向かい、「真実」にたどりつくことができるのか!?
コロナ禍初期のアメリカが描かれているのが、ポイントの一つ。リーガルものとしてはまずまず。
Posted by ブクログ
ボッシュシリーズが圧倒的に人気を誇るように、個人的にも抜群な面白みを抱いてた。まぁ、ポェットもそこそこだけど。初めてのリーガルもの、音字期待を抱いて読んだ状G退屈だったので、下巻にこそ期待を膨らませたが、申し訳ないが、平坦で人間の取引に最後まで終始した読み物。
其処はコナリー・・科白、場面描写、展開の妙は他者をよせないが、最後の30ぺージは消化するだけの文字を追った感覚。
金勘定にせこい弁護士とは言うものの、ハラーが持つ倫理観、人生で最大に愛したかつての妻と「おれたちの娘」を守らんとする切磋琢磨は小市民的あがきに映って、何となく小モノめいて。
過保護ままにおばちゃんに最後はドスンとまでお土産を貰い・・・・