【感想・ネタバレ】罪責の神々 リンカーン弁護士(下)のレビュー

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Posted by ブクログ 2018年06月02日

上巻に続き、下巻も快調。このまま決着するのか、それともどんでん返しがあるのか、善悪の境目を行き来するMHの活躍が語られます。衝撃のラストまで一気読みでした。訳者あとがきで、本巻がシリーズ最終巻である可能性につき触れられていますが、まだまだいろいろな因縁はあり、これで終わりだとは思えないのですが。個人...続きを読む的には、シリーズ継続を期待したいです。

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Posted by ブクログ 2018年03月26日

 マイクル・コナリーは、デビュー以来追い続けている作家の一人である。まず外れがないということもあるが、読んでいて安心感がある。ハリー・ボッシュ・シリーズもミッキー・ハラー・シリーズも、どれほどの苦難に曝されようと、それを上回る胆力と知力とで相手を打ち負かす。その知略の対決が常に凝りに凝ったプロットで...続きを読む固められたページターナーとしての作品力も素晴らしいが、またその主人公である刑事や弁護士の個性を構築してゆく力も凄い。決してタフで強いの一辺倒ではなく、人間味溢れる優しさ、悲しみ、慈しみ、迷い、そして生活感がいつもそこにある。

 そうしたシリーズのバランスを保ちながら安定して傑作を描き続ける作家がコナリーである。そして彼の作品は決して色褪せない。新作が出るたびに驚きに満ちた設定で物語がスタートされるので、一度はまり込んでしまったら、この緊迫感溢れるストーリーから目が離せない。コナリーの作品を読む時間が始まると、さしたる時間をかけずにいつも最終ページに辿り着き、満足の溜息を吐いている。

 本作もミッキー・ハラーが引き受けた弁護事件に物語は始まる。ハラーの容疑者は直観的にはシロで間違いないのだが、それ以上に驚かされるのは、被害者がハラーがかつて何度も助けたことのある娼婦グロリア・デイトンだったのだ。足を洗ったはずのグロリアが名を変えて娼婦に舞い戻り、そして容疑者に、自分の身に何かがあったらハラーに助けを求めるよう助言を残していたという。

 いわくありげなスタートと、もう一つの裁判に関わるノワール要素の強いキャラクターが絡んでくる。獄中にいる老弁護士とその継承者である法律経験に未熟な息子、また同じ刑務所に終身刑で収監されている大物麻薬密売人の影。そしてちらつくのが麻薬取締局の捜査官の不敵な影。

 そんな緊張感の中で描かれてゆくのが、活き活きとした法廷シーン。まさにリーガルサスペンスの真骨頂と言うべき判事や検察官との駆け引き。また陪審員たちは本書のタイトル<罪責の神々>としてハラーの中で重要視される。彼を助ける弁護士事務所の個性的なスタッフとの文句ないチームプレーも読みどころであり、彼らとの少し絡み合った人間関係も物語世界に立体構造を与えてくれている。

 そしてハラーの今後を占う女性とのラブロマンスももちろん仕込まれているという大盤振る舞いのこの作品、訳者によれば、この後のハラー作品は書かれていないので、これが大団円となる最後の作品となる可能性があるとのことである。ボッシュと並んでのWシリーズの翻訳をずっと引き受けて見事な仕事をしている古沢嘉通さんは、昔、ぼくがパソコン通信のNifty冒険小説フォーラムのSYSOPをしていた時代の知人の一人である。一度は彼の活躍する大阪で酒杯も交わした人なので、今さらながらに嬉しく、その活躍は現在も頼もしい限りである。

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Posted by ブクログ 2022年11月29日

売春婦殺人事件の弁護を担当することになったハラー。被害者は旧知の人物グロリアだった。彼女を尾行していた者がいたり、彼女を証言させようとしていた者がいたりして怪しい。

すごく面白かった。悪が暴かれる過程、息詰まる裁判どちらも素晴らしかった。


※ネタバレ

終身刑で刑務所にいる麻薬密売人のモイアが...続きを読む、自分のホテルに銃を仕込んだのはグロリアだとして証言させようとした。グロリアは麻薬捜査官のマルコから頼まれた。ハラーは裁判でそれを明かし、マルコのパートナー元殺人課刑事ラングフォードは裁判中に自殺、マルコは行方不明になりどうやらメキシコで殺されたらしい。

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Posted by ブクログ 2021年01月23日

チームプレーの成果が実を結ぶ!!
最後は思いがけないことで幕を閉じることになる。

無罪の人をきっちりと弁護できた事件でよかった!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月10日

ハラーの関わる刑事事件の裁判って、結構、凄い終わり方をすることがあるが、この裁判もその例には漏れない。

って言うか、ランクフォードとの遺恨が、そこまでひどいとは思いませんでした。でも、どちらかと言うと、恨みに思うのはハラーの方の筈で、ランクフォードはそうでも無いのでは?と思うんだけどね。

このシ...続きを読むリーズ、って言うか、この作家の、リンカーン弁護士はじめ、ボッシュ物も含めてすべて、色々と絡み合ってるよね。まさに『世間は狭い』です。LAと言う、小さくは無い街の筈なんだけどね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年12月21日

(上巻より)

とはいえ、日本の読者としては、ミッキーが寿司屋に行くところに釘付けだろう。
レインボーロールとか、生魚なしとか、ワサビなしとか、
寿司初心者ぶりにちょっとがっかりした。

それに加えて、ミッキーのトレードマークでもあるリンカーンの運転手が、
敵の攻撃で亡くなってしまったのは残念だった...続きを読む

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年04月05日

淡々と進むという感じ。もちろんいろいろなことが起きているのだけれど…。
もたもたしていたらヘイリーが大人になってしまうじゃない…。

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Posted by ブクログ 2018年01月23日

ボッシュシリーズの方が断然好きだけど、こちらもさすがコナリー、いつも期待を裏切らない面白さ。ハラーものはこれで終わりかもしれないとのこと。でもまたボッシュの方にも登場するのでは?

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Posted by ブクログ 2018年01月02日

売春婦をポン引きが殺した?単純そうな事件の裏を法廷で暴いていくリンカーン弁護士とそのチーム。アメリカの裁判や人身保護礼状など、日本にはない制度があるが、読める。

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Posted by ブクログ 2017年12月29日

グロリアは高級ホテルに泊まっている客に呼ばれ、客室に行ったところ応答がなく、空振りに終わって自宅に帰り殺害された。ホテルロビーの監視カメラ映像から尾行していた男の存在がわかる。その正体を突き止めたハラーは、罪責の神々である陪審員の前で、男を訊問し、黒幕が誰かを暴いていくのだったが…。

一時ほどの...続きを読む勢いはないけれど、リーガル・ミステリはやっぱりいいですね。マイクル・コナリーにはまだまだリンカーン弁護士シリーズも書いていただきたいと強く思います。

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Posted by ブクログ 2017年12月24日

リンカーン弁護士シリーズ5作目。傑作だった第一作目に匹敵するほどの面白さ。


タイトルが意味するところは陪審員。彼らに対していかに無罪のイメージを植え付けていくかが鍵となる。今回の事件はやや複雑で、複数の事件が入れ子構造に押し込められている。移り変わっていくハラーの思考に共鳴する緊迫感、そこに絡む...続きを読む様々な思惑を持った人物たち。濃厚なドラマに目が離せない。


意外性のある真相も面白いが、果たしてそこまでどうやって辿り着くの?という先の読めない展開がとにかく秀逸。証人を繋ぎながら黒幕へ狙いを定めるハラー手腕は見事の一言で、判事に若干同情しつつも、この法廷ドラマを心地よく堪能できた。


本作品のあと、続編は刊行されてないそうで。そう思うとシリーズ最終作かもと深読みできないこともない。でも、悪役キャラと足並みを揃えたり、証人リストを小道具に利用したりと、こちら側のギリギリで立ち回るハラーの妙味が見られないのは非常に残念だわ。

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Posted by ブクログ 2017年11月17日

現在の事件が過去の事件と絡んでいく、昨今のボッシュもののような感触の作品で、いつもながら安心して読めるクオリティ。ラストまで破綻もなく、法廷劇も見事。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年01月19日

グローリー=デイズ 殺害 犯人 弁護依頼 裁判所からの呼び出し 不正捜査 タレコミヤ 麻薬売人 終身刑は不当 襲撃 怪我 運転手の死亡 罠 証拠ビデオ 不正捜査の証言 決着

最終盤の法廷場面は圧巻

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Posted by ブクログ 2018年01月01日

期待したマイクル・コナリーもの。著者は年1冊ペースで出しているらしいけど、翻訳が追いつかないから日本語訳は3年2冊ぐらいのペースか。期待が大きかっただけに、...。

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