古沢嘉通のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレリンカーン弁護士シリーズ。
ボッシュが警察を退職してしまった今となっては、
間接的な形でしか事件に関わらないのは仕方がないのだが、
どうも「敵」である刑事弁護士ハラーとのタッグはちょっと抵抗がある。
いまだに。
ボッシュ自身も刑事弁護の仕事には一線を引いていて、
ハラーの事務所のアソシエイツの頼みで、
彼女の甥の事件の警察資料を読み込んで内密でアドバイスをしても、
記者会見には同席しないと断るぐらいには。
とはいえ、もう登場しないかと思っていたボッシュが登場することは嬉しい。
ボッシュはハラーのお蔭で癌の治療を受けながら、
ハラーに届く無実を訴える手紙をの中から一通を選び出す。
保安官補 -
Posted by ブクログ
本作のタイトルは『復活の歩み』という事で、癌を患ったボッシュに復活の兆しがある事、そして、ミッキーが扱った事件で被疑者とされた人が復活することを表しているのかなぁと思っていたんですが、実は実は、物語の最後の最後に、もっと違う“復活の歩み”の兆しが描かれていたというのは、気のせいでしょうか?ってか、その人物の“復活”って何だ?という気もしますが。
ところで、ボッシュって、この作品上では、もう70歳を超えているんですね。という事は、ミッキ-・ハラーは何歳なんだ?ボッシュの娘のマディもLAPDでのキャリアを進めている様だし、物語の登場人物が移り変わっていくのかもしれませんね。 -
Posted by ブクログ
ハリー・ボッシュとミッキ-・ハラーが出る作品。
前作で、ボッシュは被爆してしまう訳ですが、今作では、その治療に取り組みながら、ハラーの仕事をしています。ボッシュは、LAPDやSFPDを退職し、どうやって行くのかと思っていたのですが、何とかうまくやっている様です。ってか、でもやっぱり、これまではハラーの反対側にいたわけですから、なにかと引っかかるところはある様です。
でも逆に、その警察官としこれまで培ってきたスキルが、刑事弁護士と仕事をする際に、何かと役に立つこともある様です。
上巻は、物語のほんのとっかかり。きな臭い香りもしてきています。下巻で、どう話が進んでいくのか、期待です。 -
Posted by ブクログ
ケン・リュウの作品はテーマがストレートに描かれていてわかりやすい。ディズニー映画級にわかりやすい。日本人が主人公の表題作など顔が赤らんでしまうほどだ。
わかりやすく説明的に描かれている分想像の余地は当然薄れてしまい、自分的には物足りなさを感じてしまう要因となるのだけれど。
SF味の薄い「文字占い師」のような作品の方が印象に残っています。空虚なただの言葉であるはずのものが強カな力をもち人々を動かしはじめる。ル・グインを思わせる読後感。言葉は大事に使わないとね。
ラストのオカルト・スチーム・パンクといった趣の「良い狩を」が哀愁もあり一番おもしろいかな。 -
Posted by ブクログ
リンカーン弁護士ミッキー・ハラーとハリー・ボッシュの最強コンビ。ミッキーの章は一人称、ハリーの章は三人称でスピーディーに展開する。シリーズ当初、刑事弁護で勝利を収めるために必ずしも正義や真実を求めなかったハリーが、自身の弁護によって無実の人が復活する瞬間に立ち会うことによって、これまでと全く違う弁護士になっていく。一方、ハリーは刑事弁護人の調査員となることでこれまでの法執行官としての自分自身を見つめ直すとともに娘とのふれあいを通じて生きる喜びを再認識していく。ラストに向かう息詰まる展開とカタルシスはファンを裏切らず、次回以降のふたりの活躍に益々期待させられる作品である。
-
Posted by ブクログ
海外SFは今まで古典的なディック、ハインライン、クラーク等の長編しか読んだことがなかったのですが、短編で作品ごとに全く違う世界が繰り広げられる本作に圧倒されました。
読む人やタイミングで、1番心に残る作品は変わってくると思います。「結縄」「文字占い師」にショックを受け、「紙の動物園」に涙しました。「良い狩りを」も好きです。
問題に向かって進むSFばかりに慣れていたので、こんな終わり方があるのか!と驚かされるものも多かったです。
個人的にはNetflixで連続ドラマ化して欲しいと思いました。作品によって長さが違っても融通がきくのが配信なので。
-
Posted by ブクログ
ネタバレボッシュは1950生まれの設定。
本書の出版は2022年、物語は2021年の設定と考えると71歳というところか。
ボッシュシリーズは常に事件の解決なり解明はされるのだが、一方で必ずほろ苦い側面も用意されている。
その多くの苦さは、ボッシュの性格vs.世間、組織の理不尽さの摩擦から来るものだったが、今回はちょっと違う。
もう最終回なのだろうか?
自分なりのケリを付けて辞めた警察組織、そして私立探偵、ボランティアとしての未解決事件への関与。
初めてボッシュシリーズを読んでから随分経つが、そうだよな。いつまでも続くはずもない。
これが最後とは思わないが、次にどの物語で会えるのだろう?
そんなことを思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ下巻は一気に読めてしまう。
硬直した官僚主義、事なかれ主義の上司、怠惰な同僚。
それでもバラードは腐ること無く捜査活動を続ける。
ボッシュのバックアップによって新たな証人からの情報を基に殺人犯人を追い詰めていく。
レイプ犯についても街灯への事前工作から次のターゲットを見つけ罠を仕掛ける。
一連の活動でバラードはロス市警を退職することとなったが、最後に本部長から復職を打診されて終わる。
二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)も同夜に犯行を重ねており、バラードは忙殺される。射殺事件でボッシュの協力を得た彼女は、動機の解明につながるギャング団の内通者に接触しようとする。だが、その行動から彼女は