古沢嘉通のレビュー一覧

  • ダーク・アワーズ(上)

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    マイクル・コナリー『ダーク・アワーズ(上)』講談社文庫。

    マイクル・コナリーの36作品目。ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演作の第3弾。10年前の事件が再びハリー・ボッシュとレネイ・バラードとを結び付ける。

    若い頃のボッシュならば様々な制約など物ともせず、がむしゃらに事件捜査に邁進したのだが、引退した身分ではそうも行かず、ストーリー展開がまどろっこしい。

    深夜勤務専門刑事のレネイ・バラードはミッドナイト・メンと呼ばれる2人組のレイプ犯を追って大晦日の警戒態勢に入っていた。すると年越しの瞬間に銃による殺人事件が発生し、薬莢から10年前の未解決事件で同じ銃が使われていることが判明する。そ

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    2022年12月29日
  • ダーク・アワーズ(下)

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    自身の信じる正義を全うするためには法律の一線を越えることも厭わない危うさがハリー・ボッシュにはあった。そしてそれはレネイ・バラードにしっかり受け継がれている。ロス市警を辞め病気の再発も心配されるボッシュは一歩下がって「静」、「動」の役割を果たすバラードと絶妙な役割分担でで二つの事件の真相に迫っていく。いまひとつ後味の悪いエンディングは次回作に持ち越されるらしく、ますます6か月後の次回作が楽しみ。

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    2022年12月25日
  • 終決者たち(下)

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    久しぶりのボッシュシリーズ傑作だ。
    警官に復帰したボッシュは17年前の女子高生殺人事件を追う。
    ライダーとのコンビは流れも良く変な膠着は無い。ボッシュは妻と子供が絡むと途端に偏屈なジジイになってしまうので心配だった。

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    2022年12月25日
  • ダーク・アワーズ(下)

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    二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)も同夜に犯行を重ねており、バラードは忙殺される。射殺事件でボッシュの協力を得た彼女は、動機の解明につながるギャング団の内通者に接触しようとする。だが、その行動から彼女は警察の暗部を敵に回してしまった――。ボッシュとバラード、孤高の二人が夜のロサンジェルスを駆け巡る。
    ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第3弾。

    36冊目の長編作品。報道されているロス警察の腐敗、そしてコロナ禍の影響は、小説の形で後世にも残り続ける。

    翻訳のペースが本国にとうとう追いついたのは喜ばしいことだ。

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    2022年12月24日
  • ダーク・アワーズ(上)

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    ブラック・ライヴズ・マター運動がロス市警にも逆風となった2020年。
    深夜勤務刑事のバラードは二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)を追って大晦日の警戒態勢に入っていた。年越しの瞬間に銃による殺人事件が発生し、薬莢から10年前の未解決事件で同じ銃が使われていることが判明する。その担当は現役時代のボッシュだった。
    ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第3弾。

    バラードの台詞の語尾が、ところどころ気になる。あとは安定のリーダビリティ。下巻に続く。

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    2022年12月22日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    全体的に見てやや分かりにくい作品が多い印象。『折りたたみ北京』の方が分かりやすく面白い。だからマストバイとは言いにくいのだけど、糖匪(タンフェイ)「壊れた星」の一編だけは怪奇SFとして至極の出来なのでぜひ読んで欲しい。お気に入りは「壊れた星」「金色昔日」「開光」。

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    2022年12月20日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    「リスポーン」行動心理学によれば人間の行動は大きくレスポンポンデント条件付けとオペラント条件付けに分けられる、簡単に言うと環境に対して行動が発現する。それの極端な形が”ゲーム”である、というところからアイデアとったのかな?と思われる短編。ゲームの中でプレイヤーはどんな人にでもなれる。でも所詮それだって、条件付けの産物にすぎない。じゃあ、俺は俺のままでもなんだってできる。そういうことだろ?みたいな話。ゲームSFの懐の深さを見せつける読みやすい良作。

    「救助よろ」ケン・リュウは別格なので置いておくとしたら、これが一番面白かった。最初から現社会と異世界の合いの子みたいな世界観で、まあ、SFなんだし

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    2022年12月20日
  • 終決者たち(上)

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    未解決の少女殺人事件を追うブッシュとライダー。3年ぶりに市警に戻ったが相変わらずの切れ者だ。
    今回はブッシュの家族が殆ど出ないのでいつものぐだぐだは少ない。
    下巻が大いに期待が持てるので楽しみだ。

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    2022年12月18日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    時間をテーマにした作品が目立つのが興味深かった。時の進み方は相対的なんだよ、と諭されてるようで。また、多次元宇宙というのは昨今の流行りなのかな。

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    2022年12月11日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    TVゲームをモチーフにした短編SFアンソロジー。本作で初めて日本語訳される方も含め新進のSF作家の作品をまとめて読めるお得な本。いくつかの作品で感じたのはゲームを題材に、ゲーム的な解釈であればかなり殺伐とした雰囲気や残酷な展開もわりとマイルドに感じてしまえるということの面白さとある種の怖さ。ゲーム的な発想や物事の解釈はとっくにゲームの外にも飛び出していて私たちの発想に染み付いている。それは良くも悪くもなんだろうけど、ゲームはそんなことはお構いなしに面白さで突き進んでしまえるんですよね。

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    2022年12月04日
  • 罪責の神々 リンカーン弁護士(下)

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    売春婦殺人事件の弁護を担当することになったハラー。被害者は旧知の人物グロリアだった。彼女を尾行していた者がいたり、彼女を証言させようとしていた者がいたりして怪しい。

    すごく面白かった。悪が暴かれる過程、息詰まる裁判どちらも素晴らしかった。


    ※ネタバレ

    終身刑で刑務所にいる麻薬密売人のモイアが、自分のホテルに銃を仕込んだのはグロリアだとして証言させようとした。グロリアは麻薬捜査官のマルコから頼まれた。ハラーは裁判でそれを明かし、マルコのパートナー元殺人課刑事ラングフォードは裁判中に自殺、マルコは行方不明になりどうやらメキシコで殺されたらしい。

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    2022年11月29日
  • 警告(下)

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    終盤の逮捕劇が雑。fair warning が実在していてコナリーも所属してるのは驚いた。プライバシーポリシーをテーマにしている社会派の側面はいいと思った。。

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    2022年11月02日
  • エコー・パーク(下)

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    面白かった。
    シリアルキラーと偽装殺人に絡んで警察上司と担当弁護士を相手に戦う。
    最後はFBI捜査官の恋人とも仲違いして大団円では無いがいつもの事か。
    ボッシュシリーズは何時ももやっとするな。

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    2022年11月01日
  • リンカーン弁護士(上)

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    人気作家マイクル・コナリーの新シリーズの第一作。
    正直言って上巻はそれほど面白いとも思わず読んでいたが、後半一気に緊迫感が増し、最後はどう決着をつけるのだろうかとハラハラする。
    (法廷ミステリはそもそも法廷が山場の一つなのでそうなりがちだが)

    「リンカーン弁護士」というタイトルもいい。最初は札束を唸らせている羽振りのいい弁護士の話かと思いきや、事務所を借りずリンカーンで東奔西走して小銭をかき集めている弁護士の話である。

    この後シリーズ化するのも納得の作品で、元々のヒットシリーズと共演する作品もあるそうだ。まずは一番初めの「ナイトホークス」を読んでみようと思う。

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    2022年10月31日
  • エコー・パーク(上)

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    面白かった。
    上巻では拘束されたシリアルキラーは逃走したが事件の本当の殺人鬼はまだ姿を見せていない。スピードがあって読み応えがある。
    下巻が楽しみだ。

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    2022年10月17日
  • ブラックボックス(下)

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    92年ロドニー・キング事件で揺れるLAで殺されたデンマークのジャーナリスト、アンネケ。混乱の最中、刑事ボッシュにとって未解決事件に。20年後、使用された銃が別件で使われた。湾岸戦争で従軍した者たちと・・・

    ボッシュシリーズとしては傑作とは言えない。途中で犯人や動機が想像出来てしまうし、ラストのドキドキ感やや薄め。でもそういうことも傑作シリーズにはたまにはあるだろう。勿論次も読む。

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    2022年10月04日
  • 紙の動物園

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    ネタバレ

    結縄と円弧が特に好き。理解力が追いつかないのもあったけど大体は楽しく読めた。

    ト・ムを許すな!!!!!!(結縄)

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    2022年09月15日
  • 潔白の法則 リンカーン弁護士(下)

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    リンカーン弁護士ミッキー・ハラーもの。今回はハラー自身が殺人犯として逮捕されてしまう。拘置所で殺されかかったり、絶体絶命のピンチに陥りながら、容疑を晴らすべく自身の弁護を行っていくことになる。丁々発止の法廷劇、サスペンスたっぷり、いつもながらコナリーは読ませるなあ。

    ボッシュも少しだけ出てくる(特に活躍はしないけど)。で、やっぱり私は断然ボッシュ派なのだった。ハラーに協力し、裁判のために周辺調査を行っていたボッシュが、ハラーにこう言う場面がある。「俺は犯罪者のためには働かない」。これは、ハラーの無実を信じているという言明であると同時に、刑事弁護士として「犯罪者のために働く」ハラーへの痛烈な一

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    2022年09月13日
  • 贖罪の街(下)

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    ネタバレ

    (上巻より)

    ボッシュが示唆したDNAの矛盾が先に書かれていたので、
    裁判の行方が分かっていたのでそこはちょっと物足りなかったが、
    ボッシュの調査の過程は面白かった。
    ウーバーを使いこなすようになる話も。

    犯人たちに尾行されて家を突き止められたので、
    娘に危害が加わるのではないかとはらはらしたが、
    何事もなくてよかった。

    犯人が死ぬ間際に殺人を自白したことを捏造しなかったのは、
    ボッシュらしいと思っていたが、
    次のページですぐ後悔していたのも面白かった。

    いつか、ちゃんと時系列通りに読み直したい。

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    2022年09月04日
  • 贖罪の街(上)

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    ネタバレ

    ハリー・ボッシュのシリーズ。

    ああ、これがミッシングリンクだ。
    ボッシュが警察を退職した後、
    小さな警察署で働き始めるまでの間の話。
    読んでいなかった。

    退職を余儀なくされたボッシュが、
    異母弟の刑事弁護士ハラーの取り扱う事件を調査することになる。
    退職したとはいえ、長年刑事として働き、
    敵である刑事弁護士を手伝うことには、
    ボッシュ自身に複雑な気持ちもあり、
    仲間どころか娘からも裏切り者扱いされてしまう。

    だが、真実を追うべく調査を続けるボッシュ。

    (下巻へ続く)

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    2022年09月04日