古沢嘉通のレビュー一覧

  • エコー・パーク(上)

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    初めて読むボッシュシリーズ。

    物語の展開の速さ、登場人物の魅力、後味の苦さに魅了された。

    出会いは遅かったが、楽しみは多い。

    第一作からボッシュの奇跡を追うつもりだ。

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    2010年05月15日
  • リンカーン弁護士(下)

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    マイクル・コナリーはジャーナリスト出身なので事実の調査に基づいて書くため、フィクションでもリアリティがある。この作品も構想から5年かけて仕上げたということで、念入りに細部が作り込まれていてまるで映画のワンシーンの連続である。すぐに映画化の話が来たそうだが、さもあろう。今年公開予定というが、やはり、私の中ではミッキーハラー像は出来上がっているので、別物として見に行きたい。

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    2010年04月07日
  • ナイトホークス(上)

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    ロス市警刑事ハリー・ボッシュシリーズ第1作目。
    私の頭では想像できない展開にどんどん読み進めてしまう。
    これからも登場するFBI捜査官エレノア・ウィッシュとの出会い。
    渋キャラで、暗い過去を持つ一匹狼のハリー・ボッシュ。
    このシリーズ(日本語訳11冊)の幕開けともなるナイトホークス。

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    2010年01月26日
  • リンカーン弁護士(上)

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    私の中では『ユダの窓』と本作品がリーガル・ミステリの双璧。
    長めの助走を経て、物語は一気に加速する。中盤にサスペンス色を際立たせた、リーガル・ストーリーの挟み撃ち。この構成は素晴らしく、どうやっても抗うことのできない吸引力となって、読者を確実に支配する。サスペンスフルな展開の中にも、リーガル・ミステリとしてのテリトリーをキープしているので、全体のトーンは統一されている。
    保釈保証人や調査員、検事である元妻や囚人など、脇役が次々と事件に絡んでくるストーリーもいい。その辺りに無駄な動きは一切なく、また過剰にキャラを利用して話を歪めるという欲深さもない。
    刑事弁護士という主人公の立場は、いろんな

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    2010年01月24日
  • リンカーン弁護士(下)

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    リーガル・サスペンスを書きたいと思っていたというコナリーが、野球場である弁護士に出会い、満を持して5年がかりで書いた作品。

    弁護士のハラーは刑事のボッシュとは反対の立場で、淡々と仕事をこなしていく様子だった始まりですが、なぜか似たような場所に住んでいる。
    危機に陥って、しだいにボッシュと似てくるような?
    犯人との対決はいかに?!

    ハリー・ボッシュ・シリーズに比べると、細かい説明が長く丁寧で、ジャンルと始まった時代の違いを感じさせます。
    コナリーは達者ですね~。
    続く作品では、ボッシュと共演もあるとか。
    それは楽しみ!

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    2010年03月04日
  • リンカーン弁護士(下)

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    来年マシュー・マコノヒー主演で映画の公開が決まっている。
    読んでから観るか?観てから読むか?
    もう読んでしまったので読んでから観ますが、かなり期待しています。
    このミステリーは久々に本当におもしろかった!

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    2009年10月28日
  • 終決者たち(下)

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    終決者とは、事件の捜査を終結させる人という意味ですね。他のタイトルと間違えなくて良いかも。
    17年前の少女殺人事件を再捜査するボッシュとキズ。
    家庭は崩壊し、事件の痛みはまだ長く続いていた…
    当時の警察の捜査が不十分だったことを突き止めるが、警察内部の反発を食らいながら、猟犬のごとき本能を発揮、事件解決へ。

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    2013年03月14日
  • リンカーン弁護士(下)

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     待ちに待っていたマイクル・コナリーの新作。しかも、あらたな分野に挑戦。今回は、なんと異色のリーガル・サスペンスであった。ハリー・ボッシュ、テリー・マッケイレブに次ぐ、本書の魅力的な主人公は、弁護士のミッキー・ハラー。高級車リンカーンの後部座席を事務所代わりに、ロサンジェルス郡に点在する40ヶ所近い裁判所を縦横に行き来し、こまめに事件を拾って弁護報酬を稼ぐ刑事弁護士である。期待を裏切らない面白さだった。主人公ハラーが悩み、追い込まれていく過程に、ドキドキ・ハラハラしてしまい、どんな対抗策、どんな結末が待っているのかと、読むスピードが一気に上がったほどだった。内容(「BOOK」データベースより)

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    2011年09月30日
  • ナイトホークス(下)

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    下巻では、エレノアの裏が暴かれていきます。動機としては少し弱いような気もするのですが、複雑な人格の背景が多少は垣間見れたような気がしました。

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    2009年10月04日
  • ナイトホークス(上)

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    ボッシュを主人公とするマイケル・コナリーの推理小説の中でも、もっとも面白い内容でした。後の作品でも出てくるFBI捜査官、エレノアとの出会いを描いた第1作です。ボッシュはおっさんの渋さがにじみ出たキャラクターで、コナリーの作品は全く明るくないのですが、その分深みがあると思います。

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    2009年10月04日
  • 終決者たち(上)

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    ボッシュシリーズ最新作。ロス市警に復帰したボッシュが17年前の未解決事件を追う。論理とボッシュの思いが錯綜する展開。やはり、このシリーズは面白い。

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    2009年10月04日
  • 暗く聖なる夜(上)

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    地道に一つ一つ調査する序盤から、尻上がりに話が盛り上がっていくスピード感は毎度ながら見事。FBIの横槍(というか、彼らから見ればボッシュが横槍を入れているのだろうが)と、それに絡むやりとりが読んでいて最高に楽しい。面白くて読み終わるまで止まらなかった。

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    2009年10月04日
  • 暗く聖なる夜(下)

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    たぶん最後のほうにどんでん返し的な展開があるのだろうな、と見当がついていたが、それがどの方向にひっくり返るのか分からなくてやはり驚かされた。というか、ため息が出た…。あと下巻の最初のほうに印象的なシーンと共に出てくるルイ・アームストロングの『この素晴らしき世界』が聴いてみたくなった。

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    2009年10月04日
  • 暗く聖なる夜(下)

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    後半は展開急で、これまで以上に派手な感じ。
    結末には救いがあります。今までで一番読後感が良かったですよ。

    ボッシュのシリーズは92年発行の「ナイト・ホークス」で始まり、この後も順調に出ていて、現代最高のハードボイルドと評されています。
    ハリー・ボッシュは1950年生まれという設定。(作者より6歳上)
    本名はヒエロニムスで、有名な画家と同じ運命的な名。
    シングルマザーだった母を11歳で亡くし、里親を点々として育つ。ベトナム戦争での過酷な体験でトラウマを負い、刑事としては凄腕だが一匹狼タイプ。
    痩せ型でなかなか渋い外見らしく女性にはもてるし、中身もだんだん変わってきたみたい。
    低い立ち位置に立っ

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    2009年10月07日
  • 天使と罪の街(上)

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    マイクル・コナリーの豪華キャストが登場するお腹いっぱいになる本です。久々にジェットコースターのごとく読んでしまいました。

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    2009年10月07日
  • 暗く聖なる夜(上)

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    ハードボイルドの頂点に立つ、といっても過言ではないハリー・ボッシュシリーズ。私の中では主人公のボッシュは、歌手のスティングが本の中で語りかけています。

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    2009年10月04日
  • 天使と罪の街(下)

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    さて、小説というのは終わりよければすべて良し、の場合もあれば、途中は盛り上がったのに最後がなぁ、というのもあろう。でもって今作はと言うと、すまん正直に言って最後のボスとの戦闘が残念というか、何これヤラセなの?てなくらいのB級ハリウッド感。盛り上げるためにわざと逃がしたんじゃないかよてかドリフかよってな具合でそれ以降がすっかり醒めてしまってねぇ。
    というのもラストまでは良かったから尚のこと気になるのかも。頑張って推理して追い詰めて、と、順調に進んだのになぁ。

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    2025年11月28日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

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     ずいぶん間が開いてしまった。やっと読み終わった。やはり予想した通り希望に溢れるエンディングとはならなかったけれども。
     銀と言語(翻訳)を使った魔法、物語の中に入り込むとクラクラしてしまう。
     ある言葉が持つ「力」をいかに損なわずに他の言語に「翻訳」できるか。現実に「翻訳された」作品を読んでいるわけで、本当に表現されていることを、どれだけ正しく受け止められているのか……

     「翻訳とはまさにそういうことなんだ、と思う。話すということはそういうことなんだ。他人の話に耳を傾け、自分の偏見を越えて、相手が言おうとすることをわかろうとすることだ。自分自身を世界に示しほかのだれかが理解してくれることを

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    2025年11月22日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

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    久しぶりに時間が過ぎるのを忘れるほど夢中になって読んだ。

    基本はハリー・ポッターを思わせる魔法学園ものなのだけれど、帝国主義や階級社会の闇が色濃く描写されていて、現代性が強い。
    主人公を含む同期4人組が男2女2で、1人だけが白人という設定も効果的。かけがえのない友情を育みつつも、互いのマイノリティ間ギャップに苦しみ、栄光と信念の間で悩む姿がリアル。

    なにしろ、銀の棒に適合対となる言語を刻んで魔法を発現させる、というアイデアが発明すぎる!言語の盛衰が魔法に影響したり、英語から遠い言語を扱える者が重宝されたり、魔法によって産業や生活が豊かになっている、という設定がおもしろすぎるし、メタファーと

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    2025年10月22日
  • 素晴らしき世界(下)

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    ネタバレ

    2025年の38、39冊目は、マイクル・コナリーの「素晴らしき世界」です。レネイ・バラード&ハリー・ボッシュのシリーズ1作目となります。コナリーの産み出した2大ハードボイルド主人公の夢の共演となります。
    人気の無いハリウッド分署でファイルキャビネットを漁っていた男(ボッシュ)をバラードが見咎めた事から始まります。ボッシュは、15才の少女デイジー・クレイトンが殺害された未解決の事件を調べており、2人は協力して事件を調べ始めます。
    相変わらず、ストーリーテリングが上手いです。一見、関係の無いと思われる冒頭の事件が、そういう風に繋がって行くのかと分かった時には、唸ります。
    物語は、このデイジー・クレ

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    2025年10月22日