古沢嘉通のレビュー一覧
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面白かったです。
満足!
「リンカーン弁護士」で登場したやり手弁護士のミッキー・ハラー。
いささか自分の仕事に疑問を感じたり、病気治療の痛み止めで薬物中毒になってリハビリの時期を過ごしたりという経験を経て、少し雰囲気が変わっている。
そんなときに出会った事件。刑事ハリー・ボッシュとも関わることになります。
弁護士仲間のジェリーが事務所の駐車場で射殺され、犯人は見つからない。
理由によっては、後継の自分も撃たれかねない。
という状況で、強面の刑事ボッシュと互いに信じられずにやり合うが、やがて協力体制に。
離婚した妻のもとで育っている娘ヘイリーに会うのが楽しみなハラー。
「パパは悪い人のため -
Posted by ブクログ
リンカーン弁護士シリーズ2作目だが、なんといってもあのボッシュが絡んできたのにはびっくり。
しかも、カメオ出演じゃなくて、驚きの展開に!
記者のマカヴォイも出てくるし、コナリーの作品全体で、サーガが構築されてきた。
主人公ハラーは、前作に比べてちょいワル(死語)風な部分が少なくなった感じで、殺された前任弁護士の跡を継いで、見事な弁護の腕を見せる。
法廷ものかと思って、読み進んでいたら、終盤に差し掛かって怒涛の
どんでん返しの連続技!
やや強引なところもあるが、そのサービス精神と腕の冴えは、凄い。
題名の「真鍮の評決」という言葉の意味にも、納得。
これからのハラ-とボッシュに眼が離せな -
Posted by ブクログ
なにこれ~~!っていうくらい、ものすごくおもしろかった!
特に下巻。上巻は普通におもしろい法廷モノと思ってたくらいだけど、下巻では怒涛の驚きの連続で。ラストの驚愕の事実にはぞくぞくした。そして、なんともしみじみした。そうなのか……。
ボッシュシリーズより好きかもしれない!
それと、ボッシュシリーズでもそうなんだけど、舞台であるロサンジェルスが、マイクル・コナリーを読んでるとすごく哀切があるっていうか、なんかいいなあと思う。いわゆる明るいウエストコーストって感じではなく。砂漠とか山が近い感じで。ミッキーやボッシュが家のテラスから見る景色を見てみたい。 -
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1992年に「ナイトホークス」でデビューしたマイクル・コナリーの長編は訳出されているだけで19冊ある。で、面白さの盛りはかなり早い時期に過ぎていて、私的には「ザ・ポエット」(96年)、「わが心臓の痛み」(98年)あたりがベストだろうか。もっとも、これはその後のコナリーの作品が面白くないという意味ではない。コナリーとローレンス・ブロックは、大リーグになぞらえればテッド・ウィリアムスやピート・ローズみたいなもので、ホームランは少なくても二塁打を連発する。4割を打つ。ハードボイルド史に残るアベレージヒッターだ。しかしですね、本作は紛れもない「ホームラン」である。ピークをつけてから20年以上たって、こ
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ネタバレ解説を読み直してみると、ボッシュは色々
女性とお付き合いしてたんですね、記憶にないけど、
ただ、エレノアだけは良く覚えています。
やっぱり、愛の弾丸説でしょうか。
って、私関係ないんですけどね。
二度も三度ものドンデン返し、最後の最後での
クロスの・・・衝撃でした。
彼の求めたものは?復讐?懺悔?誰かオレを裁いてくれ?
それは、分らないけれども、ん、衝撃というしかないなぁ。
リンデルは、いい同僚になってくれるといいなぁ。
ライダーにラングワイザー、ボッシュの周りには魅力的な女性も
たくさんいるのよね~。あと、私、詳しくないけど、ジャズ好きなボッシュも、シュガーレイとサックスを練習するボッシュの -
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<ハリー・ボッシュ・シリーズ>の第12作目。シリーズ最高傑作かも。殺人犯と、それを追う主人公のボッシュ。出生から少年期を過ごした環境が、ふたりとも似ている。しかし、一方は犯罪者に、もう一方は刑事に。人生の矛盾を感じる。殺人犯が同じような環境で育った刑事に語る犯行動機。到底理解不能だ。なにが道を分けたのか。終盤の展開では、正義と悪の境界線が歪みを見せる。ボッシュ自身の心の闇も覗かせる。本シリーズは、「ボッシュの心」も注目するところだ。シリーズの中で明らかにされてきた、ボッシュの出生から少年期、刑事となり不明だった父親を見つけ出した頃の話、このあたりを読んでいないと本書読後の感慨が浅くなる。
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“現代ハードボイルドの最高峰”というフレコミに納得。イントロ、プロセス、巧みな人物造形に主人公を取巻くジレンマと企み、冷静で非情なクライマックスを経ての心揺さぶられるラストまで、クールで隙のないプロットにただただ酔いしれた。
ミステリらしい視点から紐解く真相もよかったが、やはり特筆すべきは、事件に関わる人物たちのドラマだろう。さらりとした描写の中にいかに多くの怒りや悲しみが隠されていることか。シチュエーション、会話、すべてが絶妙のタイミングなので、少ない行間から余りある感情をダイレクトに受け取ることができる。この感触が最後まで途切れないので、引き込まれた作中からはみ出すストレスは皆無だった