古沢嘉通のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ボッシュ・シリーズ19作目、後半。
サンフェルナンド署の嘱託刑事としては、連続暴行事件を追い、私立探偵としては、大富豪の遺産を相続させる人間を探すボッシュ。
捜査の過程で、若い頃にヴェトナム戦争に参加した記憶がよみがえる。
シリーズ初期には、ヴェトナム帰りの暗さを引きずった刑事だったが、最近はその影はだいぶ薄れていました。
この数年、いることも知らなかった最愛の娘マディと出会い暮らしている日々も影響しているのだろう。
サンフェルナンド署では、新入りだが経験豊か過ぎるボッシュのやり方に、同僚がついて行けないところも。
自分もミスをしないわけではない、これまでミスをして覚えてきたことを教えたいと語るボッシュ。
目の付け所の確かさに、次第に信頼を得ていきます。
全く異なる事件それぞれの展開と、66歳になったボッシュの人生。
コナリーの衰えない筆力に感動しました。
様々な新鮮味とスケール感、いつもの解決力と、きびきびした文体で、読ませます。
ボッシュが首になりそうだと何年もハラハラさせたくせに(笑) -
Posted by ブクログ
20世紀を代表するアメリカ人画家の一人であるエドワード・ホッパーの作品は、写実的だが郷愁を感じさせるタッチ。現代的な孤独感。描かれる人物の物憂げな表情。ありふれた構図なのだが何故か惹かれるものがある。
そんな魅力に惹かれる作家も多く、この本の編者であり著者の一人が、これまたアメリカ探偵小説の雄ローレンス・ブロック。ホッパーの作品から発想された短篇小説を創り出すというアンソロジーの企画に賛同したのは、彼と交友関係のある多彩なアメリカ人文筆家達。
18枚のホッパーの作品に、ブロックを含め、17人の作家が描く17編の短編は、ミステリー、サスペンス、ハードボイルド、スパイモノ、ホラー、ヒューマンドラマ、コンゲーム、ラブロマンスと幅広いジャンルの作品が揃う。
翻訳陣もニクイ。スティーブン・キングには白石朗、マイケル・コナリーには古沢嘉道と、過去に夫々の作家の翻訳を手掛けた人を起用している。
贅沢な一冊。
個人的にはロス市警を退職し私立探偵となったハリー・ボッシュが登場するマイケル・コナリーの『夜鷹 ナイトホークス』が一押し。 -
Posted by ブクログ
刑事ボッシュは二つの事件を抱える。1.未解決事件班として、1989年女性が殺害された事件で残されたDNAと合致する者がいた。その容疑者ペルは当時8歳だった・・・ 2.不倶戴天の敵アーヴィング市議(元市警副本部長)の息子がホテルから転落死した。市議から指名され、他殺、事故、自殺のいずれかか捜査するよう命じられる・・・
勿体ないので、旅行の時のように最小限の、確実に読み通すからという場合にしか読まないシリーズ。やはり、面白すぎだった。
ボッシュはもう60歳。このシリーズが終わってしまうのかと、危惧する。震える。
次作を読むときに忘れないように下にネタバレ。
※ネタバレ
アーヴィングの息子は、タクシー会社が新規参入するために他の会社の免許が更新されないようにするため暗躍していた。アーヴィング自身が警察に圧力をかけ、また息子の親友の警官が違法な捜査をしてタクシー会社を潰そうとしたとボッシュは解釈した。そして対立会社の者に殺されたと、しかし、アーヴィング自身は関与してなく、息子は離婚の故の自殺だった。アーヴィングを潰したい本部長が意図してメディアに偽情報を流していた。アーヴィングは激怒している。
女性殺害事件は、ペルを虐待する男が犯人だった。虐待するときに使用したベルトで殺害していた。その男は父親にはなりすまして暮らしていた。そして37人も殺していた。ボッシュは正規の令状をとって捜索をしていなかったのと、護送の際にペルが犯人に襲いかかってもおり、警察の不手際をこれからアーヴィングに責められるはずである。 -
Posted by ブクログ
テレビドラマBOSCHを観てから読む小説は2作目だけど、相乗効果は高くボッシュも娘のマディ(デスキャブのブラックサンをボッシュの着メロに設定してる)もドラマのイメージでいきいきと話し動く。
無給刑事として未解決事件の捜査にあたりながら、私立探偵として調査も請け負う生活を続けるボッシュ。元の勤務先であるロス市警とは訴訟沙汰以来、険悪な関係が続いてる。
連続強姦事件の捜査と大富豪の跡取り探し、という二つの立場でストーリーがグイグイと進み(特に跡取り探しの面白さ、ベトナム戦争絡みだと話が具体的立体感を持って迫ってくる!)どんなトラブルが待っているのかとハラハラしてしまうほど。
義弟のリンカーン弁護士とのタッグも相変わらず順調で、こちらも定番のストーリーになってるな。
もっともっと永遠に続いてもらいたいな。 -
Posted by ブクログ
当代最高のハードボイルド作品と言われる、ハリー・ボッシュ・シリーズの邦訳最新刊! ボッシュ刑事物の最新作は、前作『訣別』同様、ボッシュに関わるふたつの事件を平行して描く。ボッシュが陥る二種類の危機(潜入捜査における現実的な死の危険と、捜査官としての名誉が汚される危機)を迫力たっぷりに描きだし、またしても抜群のページターナーに仕上がっている。特に前者の潜入捜査では、何度も死の危険に襲われ、シリーズ中”ボッシュ最大の危機”を描いたと言っても過言ではない。
原著題名のTwo Kinds of Truth(二種類の真実)とは、かつての同僚たちからも証拠捏造を疑われた際のボッシュの心情に関するくだり(「ボッシュは、この世には二種類の真実があると知っていた。ひとつは、ひとりの人間の人生と使命に関して、けっして変わらぬ原則である真実。もうひとつは、政治家やペテン師や、悪徳弁護士とその顧客たちの、目的に適うように折り曲げ、加工できる柔軟な真実」)に出てくるもの。
同情は行動の代わりにはならない。これが、ボッシュ刑事の行動原理なのか。次回作も楽しみ。