古沢嘉通のレビュー一覧
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ヴィナ・ジエミン・プラサド / ピーター・ワッツ / サード・Z・フセイン / ダリル・グレゴリイ / トチ・オニェブチ / ケン・リュウ / サラ・ピンスカー / ピーター・F・ハミルトン / ジョン・チュー / アレステア・レナルズ / リッチ・ラーソン / アナリーニューイッツ / イアン・R・マクラウド / ソフィア・サマター / スザンヌ・パーマー / ブルック・ボーランダー / ジョナサン・ストラーン / 市田泉 / 小野田和子 / 佐田千織 / 嶋田洋一 / 中原尚哉 / 古沢嘉通 / 細美遙子3.7 (6)
Posted by ブクログ
SFってやっぱ面白い、と思わせてくれる16編と盛りだくさんの短編集。文庫も物価高騰のあおりを受けてこんなに高くなったか・・・と思いつつ買ったが、元は取れたと思う。
どの作品も味わい深いのだが、意識を持ったAIは物理的につながりさえできれば、ハード(シャーシ)を乗り換えていけるって設定が興味深い。人間が求めてやまない不死不老をAIなら実現できるという夢。
究極は「罪喰い」の世界で、人間はみな仮想空間(天国)に旅立ち、荒廃した地上にはロボットだけが残る。遺していく記憶を選べるってとこが業だ。
一方で、製品が成長したり、メンターがいたり、ロボット同士のいじめがあったりって世界の作品もあって、自意 -
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Posted by ブクログ
ハリー・ボッシュ・シリーズ20作目後半。
ロス市警を退職後、サンフェルナンドで予備刑事となり、次々に未解決事件を解決していたボッシュ。
30年前にボッシュが逮捕した死刑囚が、冤罪であったという証拠が新たに現れる。
当時、ボッシュが捏造したと疑われ‥?
(ありえない、って!)
一方、サンフェルナンド市警の管轄内でも事件が。
ボッシュは、潜入捜査に赴くことになります。
制約がありつつも腕を活かしていたボッシュ。
ロスでは犯罪者には有名だから潜入捜査などできなかったが、痩せた風貌でやや老いてきた今は、適役らしい?
捜査途中で出会った中毒患者に対しても、これまでとはやや違った対応を見せる。
とい -
Posted by ブクログ
ネタバレボッシュ&バラードの第四弾。
長年続いてきたシリーズだが、
COVID-19やマスクが登場する時が来るとは思わなかった。
マスクをする、しないにナーバスになっているのは、
アメリカの現実を反映しているのだろう。
なんだろう、例えば防護服を着て街中を歩けと言われているぐらい、
アメリカ人にとってマスクは違和感があったり、
抵抗感があることなんだろうか。
年越しパーティで空に向かって発砲するお祝いの最中に、
元ギャングの銃弾で死ぬ。
バラードがやる気のない臨時の相棒と現場にむかうが、
事故ではなく殺人とわかり、
薬莢はボッシュが昔担当した事件に導く。
バラードはこの殺人事件を担当するよう上司 -
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ジャック・マカボイ、ミッキー・ハラーと続いていたコナリー・ワールドだが、久々にハリーボッシュ&レネイ・バラードの登場でぼくは新年を美味い酒とともに迎えさせて頂いた。美味い酒というのは銘柄とか酒の種類のことではなく、良い物語が美味しくさせてくれる酒のこと。
今回はタイトルの通り、夜の事件なので主人公役はほぼレネイ・バラードと見て良い作品であった。そもそもハワイからやって来たバラードは、その後の展開で愛犬を失い、ビーチのテント生活から現在は普通のマンションに居を移している。いろいろ初期設定から変化を遂げている。
彼女の持ち前の捜査勘の良さはさらに鋭さを増しており、ボッシュという大先輩に限 -
Posted by ブクログ
ジャック・マカボイ、ミッキー・ハラーと続いていたコナリー・ワールドだが、久々にハリーボッシュ&レネイ・バラードの登場でぼくは新年を美味い酒とともに迎えさせて頂いた。美味い酒というのは銘柄とか酒の種類のことではなく、良い物語が美味しくさせてくれる酒のこと。
今回はタイトルの通り、夜の事件なので主人公役はほぼレネイ・バラードと見て良い作品であった。そもそもハワイからやって来たバラードは、その後の展開で愛犬を失い、ビーチのテント生活から現在は普通のマンションに居を移している。いろいろ初期設定から変化を遂げている。
彼女の持ち前の捜査勘の良さはさらに鋭さを増しており、ボッシュという大先輩に限 -
Posted by ブクログ
ネタバレケン・リュウのハヤカワの新書は全部買っているけれど、これは私の中で「紙の動物園」に迫るかも。ただ、第二次大戦でアジアを支配していた日本の話が2篇あるので、とても重い。初期の短編集に「歴史を終わらせた男」を入れなかったという判断もわかる。
「マクスウェルの悪魔」
戦時下の沖縄ユタの血筋の日系アメリカ人、かつ女性で科学者の主人公。
どこの土地でも余所者・敵地人として不当な扱いをされ、戦争も地獄の様相を見せる中、それでも人が拠り所とする故郷について描かれる。
重ねて出てくる「それが戦争ってものじゃないか」が重くのしかかる。
「歴史を終わらせた男」
ここで731部隊の話を突きつけられるとは。
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Posted by ブクログ
物語の世界にもCOVID-19はやってきています。
この物語の時間は、2019年の末から、2020年の初頭から3月ごろにかけて。ちょうど、世界がCOVID-19で騒ぎ始める時期ですね。
そんな大変な時期に、ミッキー・ハラーは、覚えのない殺人事件の容疑をかけられてしまい、絶体絶命の事態に追い込まれてしまうわけですが、まぁね、主人公がそのまま有罪になってしまう事は無いですよねw
でも、その無罪に至る過程が、また面白い。アメリカならでは(と、敢えて言いますが)の司法制度、刑事制度がそこにあるわけですが、それよってミッキー・ハラーは殺人容疑をかけられ、それによって無罪になると言ってもいいでしょう