古沢嘉通のレビュー一覧

  • 正義の弧(下)

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    ハリーボッシュとレネイバラードの共演作。今までのシリーズで1番だと思う。ボッシュの刑事や人間としての強さが強く描かれていて、本当に素晴らしいキャラクターになっている。ドラマを見たことはないが、本ほどは描けないのではないだろうか。唯一の苦言は日本語タイトル。本当にしょうもないタイトルを付けるものだ。「砂漠の星」の方がずっと良いと思う。

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    2023年07月22日
  • 正義の弧(上)

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    ハリーボッシュとレネイバラードの共演作。今までのシリーズで1番だと思う。ボッシュの刑事や人間としての強さが強く描かれていて、本当に素晴らしいキャラクターになっている。ドラマを見たことはないが、本ほどは描けないのではないだろうか。唯一の苦言は日本語タイトル。本当にしょうもないタイトルを付けるものだ。「砂漠の星」の方がずっと良いと思う。

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    2023年07月22日
  • 潔白の法則 リンカーン弁護士(下)

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    2023.07.08
    本書はネットフリックスの原作となる。この本の良いところはこれまでのボッシュやリンカーン弁護士のシリーズを読んでいなくてもじゅうぶんに堪能できることにある。
    もちろんこれまでの著者の作品を読んでいるとさらに奥行きは増す。
    次に本書の評価できるのは、アメリカ司法制度について丁寧に述べられているので、司法制度について勉強になるということである。
    潔白と無罪の違いも良くわかる。
    新しい作品であることを含め、著者の作品の最初の一冊にしても良い傑作だと思う。

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    2023年07月08日
  • 創られた心 AIロボットSF傑作選

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    SFってやっぱ面白い、と思わせてくれる16編と盛りだくさんの短編集。文庫も物価高騰のあおりを受けてこんなに高くなったか・・・と思いつつ買ったが、元は取れたと思う。

    どの作品も味わい深いのだが、意識を持ったAIは物理的につながりさえできれば、ハード(シャーシ)を乗り換えていけるって設定が興味深い。人間が求めてやまない不死不老をAIなら実現できるという夢。
    究極は「罪喰い」の世界で、人間はみな仮想空間(天国)に旅立ち、荒廃した地上にはロボットだけが残る。遺していく記憶を選べるってとこが業だ。

    一方で、製品が成長したり、メンターがいたり、ロボット同士のいじめがあったりって世界の作品もあって、自意

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    2023年06月30日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    恥ずかしながら私自身は本書を読むまで作品と名前が一致していなかったのだけれど、米国では誰もが知る巨匠エドワード・ホッパー。
    様々な作家の作品からなる『短編回廊』とは違って、一冊丸ごとエドワード・ホッパーの絵画から紡がれた物語はどこか懐かしく、登場人物とはこれまでもドラマや映画、小説などで出会っていたような不思議な既視感と絵そのものから漂う危うい気配にゾクゾクした。おもしろかった!

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    2023年05月10日
  • 紙の動物園

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    作品が凄いし、これを違和感無く翻訳した翻訳者も凄い。難しい話が語られているのに、何となく理解できる世界観を作り出せるのが本当に素晴らしい。何とも言えない切なさや刹那さ、、、言葉にできないものが物語として描写されている。本当に頭の良い人が書くとこういう物語になるのかもしれない。難しい話を解るように語り聞かせてくれる。ものすごく良かった。

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    2023年04月03日
  • ダーク・アワーズ(下)

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    ネタバレ

    バラードとボッシュがタッグを組んだ三作目。バラードシリーズは「レイト・ショー」から四作目となるが、シリーズ中一番だと思う。
    ロス市警の警官である事に限界を感じつつある主人公が直面する様々な事態が、リアリティを持って描かれている。2人のダッグの進化楽しみだ。

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    2023年03月23日
  • 汚名(下)

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    久しぶりに読んだボッシュ。やっぱりスゴくおもしろくて、ずっと読んでいたくなる。下巻はあっという間に終わってしまった感じ。
    設定がしっかりしているので、前作、いやもっと以前の細かい事柄をおさらいしたくなってしまって、実際、上巻の途中で前作を読み直してしまった。

    でも、マディが大学生。そりゃボッシュも歳を取って丸くなるよね。エドガーといた頃の尖った感じとは明らかに違う円熟味。それはそれで少し淋しいかな。

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    2023年02月12日
  • 汚名(下)

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    ハリー・ボッシュ・シリーズ20作目後半。

    ロス市警を退職後、サンフェルナンドで予備刑事となり、次々に未解決事件を解決していたボッシュ。
    30年前にボッシュが逮捕した死刑囚が、冤罪であったという証拠が新たに現れる。
    当時、ボッシュが捏造したと疑われ‥?
    (ありえない、って!)

    一方、サンフェルナンド市警の管轄内でも事件が。
    ボッシュは、潜入捜査に赴くことになります。

    制約がありつつも腕を活かしていたボッシュ。
    ロスでは犯罪者には有名だから潜入捜査などできなかったが、痩せた風貌でやや老いてきた今は、適役らしい?
    捜査途中で出会った中毒患者に対しても、これまでとはやや違った対応を見せる。
    とい

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    2023年02月01日
  • ダーク・アワーズ(下)

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    ネタバレ

    (上巻より)

    海岸をねぐらとしていたのバラードが、
    海の近くとはいえ普通の部屋に住み始めていたのは
    ちょっ残念な気もした。
    さらに、飼っていたローラが亡くなっていたのが、
    さらに残念だった。
    新しくチワワを買い始めたけど。

    COVID-19の件もだが、
    ボッシュがヨーダ、じゃなくて、メンターになる日が来るとも思っていなかった。
    二人で探偵を始めるのも良かったけど、
    退職願いをメールで送りつけて、標的の女性の身代わりとなったバラードが
    警察に戻れそうで良かった。

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    2023年01月22日
  • ダーク・アワーズ(上)

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    ネタバレ

    ボッシュ&バラードの第四弾。

    長年続いてきたシリーズだが、
    COVID-19やマスクが登場する時が来るとは思わなかった。
    マスクをする、しないにナーバスになっているのは、
    アメリカの現実を反映しているのだろう。
    なんだろう、例えば防護服を着て街中を歩けと言われているぐらい、
    アメリカ人にとってマスクは違和感があったり、
    抵抗感があることなんだろうか。

    年越しパーティで空に向かって発砲するお祝いの最中に、
    元ギャングの銃弾で死ぬ。
    バラードがやる気のない臨時の相棒と現場にむかうが、
    事故ではなく殺人とわかり、
    薬莢はボッシュが昔担当した事件に導く。

    バラードはこの殺人事件を担当するよう上司

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    2023年01月22日
  • ダーク・アワーズ(下)

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    マイケルコナリーの作品はどれも非常に面白いが、本作は一番かもしれない。他のミステリーや警察物と段違いのレベル。もはや「マイケルコナリー」というジャンルではないか。本作の前にハリーボッシュシリーズとレネイバラートを読んでから本作を読むべし。登場人物が作品ごとに成長し、関係が深まっているので、コナリー物はできるだけ最初から読むべし。

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    2023年01月22日
  • ダーク・アワーズ(上)

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    マイケルコナリーの作品はどれも非常に面白いが、本作は一番かもしれない。他のミステリーや警察物と段違いのレベル。もはや「マイケルコナリー」というジャンルではないか。本作の前にハリーボッシュシリーズとレネイバラートを読んでから本作を読むべし。登場人物が作品ごとに成長し、関係が深まっているので、コナリー物はできるだけ最初から読むべし。

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    2023年01月22日
  • ダーク・アワーズ(下)

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     ジャック・マカボイ、ミッキー・ハラーと続いていたコナリー・ワールドだが、久々にハリーボッシュ&レネイ・バラードの登場でぼくは新年を美味い酒とともに迎えさせて頂いた。美味い酒というのは銘柄とか酒の種類のことではなく、良い物語が美味しくさせてくれる酒のこと。

     今回はタイトルの通り、夜の事件なので主人公役はほぼレネイ・バラードと見て良い作品であった。そもそもハワイからやって来たバラードは、その後の展開で愛犬を失い、ビーチのテント生活から現在は普通のマンションに居を移している。いろいろ初期設定から変化を遂げている。

     彼女の持ち前の捜査勘の良さはさらに鋭さを増しており、ボッシュという大先輩に限

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    2023年01月06日
  • ダーク・アワーズ(上)

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     ジャック・マカボイ、ミッキー・ハラーと続いていたコナリー・ワールドだが、久々にハリーボッシュ&レネイ・バラードの登場でぼくは新年を美味い酒とともに迎えさせて頂いた。美味い酒というのは銘柄とか酒の種類のことではなく、良い物語が美味しくさせてくれる酒のこと。

     今回はタイトルの通り、夜の事件なので主人公役はほぼレネイ・バラードと見て良い作品であった。そもそもハワイからやって来たバラードは、その後の展開で愛犬を失い、ビーチのテント生活から現在は普通のマンションに居を移している。いろいろ初期設定から変化を遂げている。

     彼女の持ち前の捜査勘の良さはさらに鋭さを増しており、ボッシュという大先輩に限

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    2023年01月06日
  • 宇宙の春

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    ネタバレ

    ケン・リュウのハヤカワの新書は全部買っているけれど、これは私の中で「紙の動物園」に迫るかも。ただ、第二次大戦でアジアを支配していた日本の話が2篇あるので、とても重い。初期の短編集に「歴史を終わらせた男」を入れなかったという判断もわかる。


    「マクスウェルの悪魔」
    戦時下の沖縄ユタの血筋の日系アメリカ人、かつ女性で科学者の主人公。
    どこの土地でも余所者・敵地人として不当な扱いをされ、戦争も地獄の様相を見せる中、それでも人が拠り所とする故郷について描かれる。
    重ねて出てくる「それが戦争ってものじゃないか」が重くのしかかる。


    「歴史を終わらせた男」
    ここで731部隊の話を突きつけられるとは。

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    2023年01月04日
  • 潔白の法則 リンカーン弁護士(下)

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    物語の世界にもCOVID-19はやってきています。

    この物語の時間は、2019年の末から、2020年の初頭から3月ごろにかけて。ちょうど、世界がCOVID-19で騒ぎ始める時期ですね。

    そんな大変な時期に、ミッキー・ハラーは、覚えのない殺人事件の容疑をかけられてしまい、絶体絶命の事態に追い込まれてしまうわけですが、まぁね、主人公がそのまま有罪になってしまう事は無いですよねw

    でも、その無罪に至る過程が、また面白い。アメリカならでは(と、敢えて言いますが)の司法制度、刑事制度がそこにあるわけですが、それよってミッキー・ハラーは殺人容疑をかけられ、それによって無罪になると言ってもいいでしょう

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    2022年11月22日
  • 潔白の法則 リンカーン弁護士(下)

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    リンカーン弁護士シリーズ。マイケルコナリーは今回も超絶クォリティだった。文句なしに面白い。最近の話題も入っており、リアルタイム感もすごい。以前の話も絡んでくるので、是非最初から読むべし。とにかく面白く、ハズレがない。

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    2022年09月11日
  • 潔白の法則 リンカーン弁護士(上)

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    リンカーン弁護士シリーズ。マイケルコナリーは今回も超絶クォリティだった。文句なしに面白い。最近の話題も入っており、リアルタイム感もすごい。以前の話も絡んでくるので、是非最初から読むべし。とにかく面白く、ハズレがない。

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    2022年09月11日
  • 潔白の法則 リンカーン弁護士(下)

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    〈リンカーン弁護士〉シリーズ第六弾。ハラーが殺人容疑で逮捕され収監される。その中で自ら弁護士として容疑を晴らしていく。犯してもいない殺人でありながら次々とハラーに不利な証拠が出てくる。検察の捜査とハラーを含む弁護側の捜査。そして裁判。この裁判がとても面白い。ハラー自身が被告となっていることもあって裁判の流れ、ハラーの弁護士として、被告としての立場、感情がより緊迫感を増して伝わってくる。シリーズの中で一番好きな作品。リーガルサスペンスの傑作だと思う。

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    2022年07月29日