古沢嘉通のレビュー一覧
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ネタバレお待ちかねのコナリーの新作です。前作の『判決破棄』が2014年の11月でしたから、1年3ヶ月待ちました。コナリー自身は年1冊のペースで新作を出してるし、2011年~15年の5年間で6冊もだしているのに、この翻訳ペースは遅すぎない? アメリカの法廷のルールがわかんないということもあるのかもしれないが、ちょっと意味不明の訳文がいくつかある。この訳者大丈夫?と思っているのは、私だけかしら? と、いうようなことはありますが、さすが、コナリーです。面白いです。今回はリンカーン弁護士シリーズ4作目ですが、私はリーガルサスペンス大好きですので、手放しで絶賛です。ボッシュもいいけど、ハラーもいい。周りを固める
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ハードボイルド・リーガル・サスペンス小説の下巻。
読み応えのあるボリュームの上下巻。最後まで予断を許さぬ展開の面白さ。特に最終盤の展開は予想だにしなかった…
息詰まる法廷での攻防。被告が罪を犯したのか否かは関係無く、無罪放免を勝ち取るためだけの闘いはアメリカらしいと言えばアメリカらしいのだが、日本人には馴染めない部分もある。
ハラーを襲った暴漢の正体が明らかになり、裁判は一進一退の混迷極める展開へと突き進む。さらには様々な人間たちの欲望が事実を歪め、それでもハラーは裁判での勝利を獲得するために闘い続ける。果たして、ハラーはリサ・トランメルの無実を勝ち取ることが出来るのか…そして、その結末 -
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マイクル・コナリーの第23作目、リンカーン弁護士シリーズの第4作目にして、コナリー最長となる大作。ハードボイルド・リーガル・サスペンス小説。まだ、上巻。楽しみは下巻へと続く。
家を差し押さえられたシングル・マザーのリサ・トランメルに大手銀行副社長殺害の嫌疑が掛かる。無実を訴えるリサの依頼を受けたミッキー・ハラーは彼女の弁護に乗り出すが…事件を巡り、渦巻く人間の欲望…
今回、ハラーに対峙するのはハラーが一度も勝ったことのない辣腕検事。始まったばかりの法廷での攻防も興味深いが、ハラーを襲った暴漢の正体も気になる。
『ナイン・ドラゴンズ』で夢の共演を果たしたハリー・ボッシュも少しだけ登場する。 -
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待望の夢幻諸島(ドリーム・アーキペラゴ)のガイドブックであり、アーキペラゴのいくつかの魅力的な、あるいは特徴的な島が紹介されている。『限りなき夏』で訪れたことのある旅行者も、これから夢幻諸島を旅行しようと考えている人にも歓迎される一書であろう。
だが、この手の本にはお定まりの地図というものが本書にはまったく欠けている。周知の通り、時間歪曲のため、夢幻諸島ではたとえ航空写真を撮っても、正確な地図を描くことができないのだ。この点については、リーヴァー島の項を参照されたい。ディデラー・エイレットの調査の概要が説明されているからである。1日2回、ふたつの時間歪曲の渦が世界を回っているのである。それ -
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読んでみるといい歴史改変ものと紹介されたが、
たしかに面白い物語だった。
双子が歩む二つの歴史というだけではなく、
その二つでさえ、絶えず変化を繰り返して、
解説にあるような、ヒントもちりばめられており
(見落としたヒントはあとがきで回収)
何が起こっているのかと、思いながら
一気に読み進んで、鮮やかに、かつ幻想的に
物語は終わる。
国戦時中の人々の生活の一端、兄弟家族の複雑な感情、
と戦争と平和に対する考証も加えて、
技巧的エンターテインメント小説。
第2部の時代の行き来や変化と、第5部の変化には
何らか構成上に関係があるのではないかと、
思ってしまうが、どうだろう? -
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ネタバレ久々にボッシュと再会。さすがに下巻にシリーズ作品の略歴が書いてあって読みやすい。ただ残念ながらレイチェルとの前回のラストを覚えていない…
今回は陰惨な事件ながら捜査をする前に犯人が捕まっていて、その自供から連続殺人事件が発覚。過去のボッシュの事件と交差するが、犯人の自供の真偽が問われる、という変わった内容。この犯人はスケープゴートで共犯がいるような気がするが。
ラストで犯人は脱走、ギズが撃たれるという展開。しかし今回はレイチェルと復縁し、少しはボッシュの魂も救われているが…。
とにかく文章がうまく、一行一行に味がある。訳者は同じだけど、時々古めかしい表現が鼻につく。「得心する」とか使わないだろ -
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ネタバレファンにはおなじみドリーム・アーキペラゴの連作短編集。「限りなき夏」(国書刊行会)に収録された同シリーズの強烈な4編もいっしょにおすすめ。パラレルワールドとも云い難い謎の群島を舞台に、謎設定と謎人物たちが、謎の時間軸で交錯する。「限りなき夏」の4編ではそんな印象なかったけど、こちらの短編集を通読すると、ドリーム・アーキペラゴのメイン・テーマってひょっとしてプリーストによるアート論な気がしてきた。キャラやストーリーだけじゃなくて、その世界観と謎設定も含めてぜんぶが。ドリーム・アーキペラゴって、もうその語感だけで、何杯でもおかわりできます。
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プリーストの「奇術師」を以前に読んだときには,その反則気味の種明かしに「そりゃないぜ」と思ったものだが,本書には参りました.負けました.
架空の「夢幻諸島」の島々のガイドブック,ということだが,島の紹介もあれば,単にその島にまつわる誰かの出来事を綴った完全な小説もあり,しかも謎解き風のものもあれば,幻想小説もあり.
また,本書にクラクラするのは,何人かの人物は超有名人という設定で,幾つかの島の物語に繰返し出てきたり.全短編を通して読めば,そういった人達の姿が徐々に浮かび上がってきたり.
もう一度読み返せば,また別の面が浮き上がってきそうだ.プリースト,他のも読んでみようかな. -
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最初は掴みどころが少なく読み進めるのに苦労。途中から何度か登場する人達の人物像や各々の相関関係が見えてきたり、諸島にまつわる謎や出来事が繋がり始めたりして、驚かされたり更なる謎が浮かんだりして、俄然猛烈に面白くなった。全ての謎が最後に収束するわけではないが、だからこそ読後にフワフワ&クラクラした心地良い余韻が残り、かつ何度も読み返したくなった。
例えば今度読む時は、繰り返し登場する人物がどの島の話の時に登場するのか対応表を作り、各人物毎に登場箇所だけを一気読みしてみると、最初読んだ時とは違ったその人物に関する何かが見えて面白いかもと妄想している。
または、不明な個所も多いけど、島ごとの気候や -
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コナリーのメイン・シリーズは、ロス市警のハリー・ボッシュと決まっているようなものだが、時にノンシリーズと思われるキャラクターであれ、メイン・シリーズに登場したり、続編が出たりすることも数多くあるので、『リンカーン弁護士』のミッキー・ハラーが再び登場して、シリーズ化の勢いを見せ、さらにハリー・ボッシュが共演することになろうことも予測の範囲でなければならないのだろう。それにしてもいつもいい意味で裏を欠かれ、ツイストを見せられてしまうのが、コナリーの作法であり、手腕であるのだ。全く侮れない作家である。
前作のラストシーンを受けて長い休養から復帰することになったミッキーは、のっけから、殺された友 -
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コナリーのメイン・シリーズは、ロス市警のハリー・ボッシュと決まっているようなものだが、時にノンシリーズと思われるキャラクターであれ、メイン・シリーズに登場したり、続編が出たりすることも数多くあるので、『リンカーン弁護士』のミッキー・ハラーが再び登場して、シリーズ化の勢いを見せ、さらにハリー・ボッシュが共演することになろうことも予測の範囲でなければならないのだろう。それにしてもいつもいい意味で裏を欠かれ、ツイストを見せられてしまうのが、コナリーの作法であり、手腕であるのだ。全く侮れない作家である。
前作のラストシーンを受けて長い休養から復帰することになったミッキーは、のっけから、殺された友 -
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有史以前、人類誕生の時代から暗躍している秘密結社<カンパニー>。これこそ時間旅行と不老不死の技術を手に入れた真なる秘密結社であり、その他の秘密結社といわれるものは<カンパニー>の存在を隠すダミーでしかない。
その<カンパニー>のエージェントたちの関与した事件の数々を収録した短編集。この作品のエージェントたちは、(タイプはさまざまだけれど)秘密結社の構成員というより大企業の末端構成員という感じ。いかにも秘密結社的に邪魔者を排除したり戦争を引き起こしたりはするけれど、基本的にビジネスなので希少生物が絶滅する前に保護するといっても、それが商売になるからやるだけ。命令だからするだけ。やりたい仕事ができ -
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わくわくしながら一気読み!気付けば朝でした。眠かったです。
知り合いの弁護士の死をきっかけに刑事弁護士復帰を果したマイクル・ハラー。
彼が担当することになった、世間も注目する映画会社の会長が関わる殺人事件の裏に隠されている謎に迫っていく過程で、ハラー弁護士自身も命を狙われることになってしまう。
一連の出来事に潜む闇の正体とは?
後半一気に加速する物語に目が離せない。
最後の最後、いい意味でこちらの考えを裏切ってくれました。
さすが「当代最高のハードボイルド」の称号を恣にするハラーシリーズですね。
何よりハラー弁護士と、今回友情出演しているボッシュ刑事がかっこよすぎる。
洋画がお好きな方には