あらすじ
1936年、オックスフォード大学ボート部所属のジャック・ソウヤーとジョー・ソウヤーは、ベルリン・オリンピックに舵なしペア英国代表として出場、見事銅メダルを獲得した。だが帰国後、一卵性双生児の二人の運命は決して交わることなく、一方は空軍爆撃機操縦士として、もう一方は国際赤十字職員として第二次大戦下の混沌たる世界をさまよっていった……。歴史に翻弄される二人の男の人生を虚実入り乱れた語りで描く大作 解説/大森望
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Posted by ブクログ
こういうオチね。
しかし、スムーズに幻想の世界に入っていくなぁ。
騙されるか、と身構えていてもムダ。
たった一行の文章で、ぜんぜん違う世界に変わっちゃうんだから。
読み返してもダメ。
そことは繋がっているようで、繋がっていないから。
プリーストの作品、これまで読んだのはずれ無し。
Posted by ブクログ
あー、最初から文庫版で読みたかったかも。ミスリードされたまま「続く」で終わって、下巻でやられちまった感で満喫できたかも。w
世界史の勉強のし直し迄も強いられてしまいました。
更に大森望の解説を読んで、「ドリームマシン」の内容が思い出せなくて焦っている。そして他にも未読のものがあると気付いてポチりに走ってしまった。
Posted by ブクログ
読んでみるといい歴史改変ものと紹介されたが、
たしかに面白い物語だった。
双子が歩む二つの歴史というだけではなく、
その二つでさえ、絶えず変化を繰り返して、
解説にあるような、ヒントもちりばめられており
(見落としたヒントはあとがきで回収)
何が起こっているのかと、思いながら
一気に読み進んで、鮮やかに、かつ幻想的に
物語は終わる。
国戦時中の人々の生活の一端、兄弟家族の複雑な感情、
と戦争と平和に対する考証も加えて、
技巧的エンターテインメント小説。
第2部の時代の行き来や変化と、第5部の変化には
何らか構成上に関係があるのではないかと、
思ってしまうが、どうだろう?
Posted by ブクログ
双子のもう一人、ジョーのパート。
良心的兵役拒否者としての登録、赤十字の仕事、遠く離れた妻の関係と赤ん坊、兄弟と和平の交渉。
日付も読まずに一読しただけでは、最後まで読んでも何が起きていてどういう意味なのか分からなかった。双子であるから尚更ややこしい。偽のヘス、兄弟の動向、子供の名前、微妙にすれ違う史実。解説を読んで、該当ページをパラパラと見て文脈を思い出して、ああそういうものなのかと。再読したい。
私がヨーロッパ第二次世界大戦の史実にうといだけかと思いながら読んでいたけど、流石に終結くらいはわかるし、そう言われればそうだよな…
Posted by ブクログ
ドイツと戦争中のイギリスを舞台にしたSF。
解説を読むまで勘違いして読んでたことに気付かなかった。
もう1つの歴史はお兄ちゃんの妄想で片付けてしまうところだった。
メビウスの輪のようにぐるっと入り口につながっているのでした。
Posted by ブクログ
なるほど〜、奥泉光先生の戦記ものとの共通点かぁ。
大森望氏の解説が優れているので、頑張って作品を読み通した甲斐がありました。
SFが苦手でも、歴史改変ものがあんまり好きじゃなくても、優れた世界文学を読みたい気持ちがあれば読んで良かったと思えるプリースト。
Posted by ブクログ
上巻半ばで解説のネタバレ直前まで読み…なんとなく輪郭掴んでから読み進み。
そうか、タイムリープとifなSFだったのかと。最終的にジョンは楽観的な奴である程度の自分の幸福を得られたらタイムリープをやめたけどジョーは神経質で理想主義だから二兎を追ってしまいぐるぐるしてるなぁと雑な感想になりました。
Posted by ブクログ
さあて、下巻でどのようにSF要素を……
いや、どっちかというとミステリじゃないかなあ。
1941年のことに詳しくないし、
ヘスについてもほぼ知らないと言ってもいいくらいだし、
そのあたりの基礎知識があれば、より興味深く読めただろうね。勉強不足だね、僕の。
解説読んで、一晩考えて、やっといろいろ得心がいきましたよ。
そしてちゃんと原題も見ておくべきだった……
今は、
もし戦争が終わっていても米中戦争が起こっていたくらいだから日本が戦争に巻き込まれるなりするのは確実だし、太平洋戦争はなかったかもしれないけれど南方の国々は植民地支配から開放されたんだろうか、
とかそっちのifが頭のなかをぐるぐるしています。