古沢嘉通のレビュー一覧

  • 復活の歩み リンカーン弁護士(下)

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    マイクル・コナリー『復活の歩み リンカーン弁護士 下』講談社文庫。

    『リンカーン弁護士』シリーズの第7弾にして、ミッキー・ハラーとハリー・ボッシュの共演作品の下巻。

    『リンカーン弁護士』シリーズの読みどころの一つが法廷でのミッキー・ハラーの驚くべき手腕を発揮する証拠開示と素晴らしい弁舌である。下巻ではその面白さが余すことなく描かれる。

    二転三転の息詰まる法廷劇と驚愕の展開、最後には清々しい結末が待っている。


    いよいよ、元夫の保安官補を銃殺したとして収監されているルシンダ・サンズの無実を証明し、『復活の歩み』を勝ち取るための裁判が始まる。

    リンカーン弁護士ことミッキー・ハラーは犯行の

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    2024年10月12日
  • 復活の歩み リンカーン弁護士(上)

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    マイクル・コナリー『復活の歩み リンカーン弁護士 上』講談社文庫。

    数年前から講談社文庫はビニールで包装されており、それを破り剥がすのが面倒で、ついつい読むのが後回しになってしまうのだ。過剰包装は止めて頂きたいものだ。

    本作は『リンカーン弁護士』シリーズの第7弾にして、ミッキー・ハラーとハリー・ボッシュの共演作品の上巻である。冒頭ではボッシュと何度かコンビを組んだ女性警察官のレネイ・バラードも登場する。

    非常に面白く、読み応えがある。まだまだマイクル・コナリーもハリー・ボッシュも健在であるようだ。ボッシュがお気に入りのジャズの演奏リストにジョー・ザヴィヌルの『バードランド』を加えていたの

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    2024年10月11日
  • 宇宙の春

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    良い。しかし重い。
    中国系アメリカ人が書いたとは思えないほど、抉るような日本の戦争の描写の作品が光る。
    日系米国人強制収容所に収容される女性科学者を通して描かれる沖縄の様子、「マクスウェルの悪魔」。
    過去を覗き見る技術と、人体実験で悪名名高い七三一部隊を中心に据えて、ドキュメンタリーが進む「歴史を終わらせた男 ——ドキュメンタリー」。
    軽い短編も挟まれつつ、なかなか重量級の作品ばかりである。しかし、それでも物語に引き寄せられてゆくのだ。

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    2024年09月14日
  • 転落の街(下)

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    一気読みでした。やはりコナリー。ミステリーとしては読ませる読ませる。上巻でくさした言葉遣いがあまり気にならずに読めたのも、話の盛り上げ方が上手いからだろう。満足しました。

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    2024年08月17日
  • 鬼火(下)

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    2024年の16、17冊目は、マイクル・コナリーの「鬼火」です。ハリー・ボッシュ&レネイ・バラードのシリーズ2作目です。参りました。読書に時間がかかる方ですが、短時間で読み切ってしまいました。面白過ぎました。オープニングからクライマックスまで、中弛みする事なく、緊張感を保ったまま進行するストーリーテリングの巧みさに感嘆します。訳も良いのでしょうが、頭の中で文章がスムーズに映像として変換されて行きます。そして、何と言っても登場人物が良い。バラードの切れ味の凄まじさとボッシュの衰えない情熱。人生の先輩としてボッシュの生き方には、見習うべき物を感じます。娘マディに対しての思いやりにもグッと来ます。

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    2024年06月24日
  • 贖罪の街(下)

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    LAPDの仕事から離れたボッシュに弁護士ハラーから依頼。女性惨殺事件で逮捕された男は絶対無罪だから調査してくれとのこと。調べてみると、悪徳警官二名の姿が。

    やっぱり面白い。悪い奴らの行動と動機の描写が抜群に巧い。頁を捲る手止まらず。

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    2024年05月15日
  • 正義の弧(下)

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    本当に長い間読み続けているこのシリーズ。今だに高い水準を維持しているので毎回楽しみだったが、
    最後の展開が衝撃的。今後どうなるんだろう?

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    2024年03月10日
  • 正義の弧(下)

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    物語の最終盤に、衝撃的な事柄が明らかにされるんですけど、訳者あとがきを見ると、実はその後、作者の気が変わった様で、その“衝撃的事柄”は解決する方向に向かう示唆がありますね。どうなるのか、次の作品が待ち遠しいです。

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    2024年02月15日
  • 鬼火(下)

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    だんだん歳老いていくボッシュを目の当たりにするのは淋しいけど、バラードが『私が行くまで待って』って言ってるのに…ってとこは若かりし頃と変わらないなとも思う。エドガーを怒らせていた頃よりボッシュも丸くなったってことかな。
    マディの成長も頼もしいし、バラードとのコンビもいい感じで相変わらず読み応えあり。

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    2024年01月21日
  • 紙の動物園

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    表題作の『紙の動物園』が、あまりにも素晴らしい作品だったので、読み終えていませんが感想を書いてしまいます。
    歴史に翻弄される人間の悲哀、深い愛情行動、辛い人生の救い、それらが合わさって、非常に深い物語に仕上がっています。
    一生に一度は読むべき傑作です。他の短編も読んできます。

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    2023年12月25日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    ビデオゲームをテーマにした、現代SFを牽引する豪華執筆陣によるオリジナルSFアンソロジー。全12編を収録。

    「リスポーン」「救助よろ」「1アップ」「NPC」「猫の王権」「神モード」「リコイル!」「サバイバルホラー」「キャラクター選択」「ツウォリア」「アンダのゲーム」「時計仕掛けの兵隊」を収録。

    創元文庫がときどき出すSF系アンソロジー。本書は『スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) 』というタイトルである。これを見て手に取った人なら、間違いなく楽しめる傑作ぞろい。書いているのはもちろんSFで著名な作者ばかりだ(……といっても自分は3人くらいしか知らなかったのだが^^;)。

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    2023年12月17日
  • 母の記憶に

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    中国系アメリカ人作家ケン・リュウの日本における第二短編集。SFに留まらない多彩な魅力に富む全16編を収録。

    「烏蘇里羆」「草を結びて環を銜えん」「重荷は常に汝とともに」「母の記憶に」「存在」「シミュラクラ」「レギュラー」「ループのなかで」「状態変化」「パーフェクト・マッチ」「カサンドラ」「残されし者」「上級読者のための比較認知科学絵本」「訴訟師と猿の王」「万味調和」「『輸送年報』より「長距離貨物輸送飛行船」(〈パシフィック・マンスリー〉誌二〇〇九年五月号掲載)」を収録。

    SF、ファンタジー、歴史ものなどいくつかの要素が混合されているタイトルが多く、その多様な作品群はすべてを一括りに語れない

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    2023年12月17日
  • 紙の動物園

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    中国系アメリカ人作家の短編集。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞受賞の表題作ほか、全15篇を収録。

    「紙の動物園」「もののあはれ」「月へ」「結縄」「太平洋横断海底トンネル小史」「潮汐」「選抜宇宙種族の本づくり習性」「心智五行」「どこかまったく別な場所でトナカイの大群が」「円弧」「波」「1ビットのエラー」「愛のアルゴリズム」「文字占い師」「良い狩りを」を収録。

    SFに与えられる各賞を総なめにした表題作「紙の動物園」が冒頭に収録されている。最初にもってきたのが正解で、いきなりガツンとやられるインパクトによって、この作家に対する印象が好感あるものに満ちてしまった。折り紙で作られた動物に生

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    2023年12月17日
  • 正義の弧(下)

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    レネイバラード・ハリーボッシュのコンビものの傑作。情報量が多いのに無駄がなく、複雑なプロットなのにスリリングであり、とにかく文句のつけようがない。伏線回収も単なるプロットの答え合わせでなく、キャラクターの心情を滲ませて効果的な場面を演出していて説得力が抜きん出ている。単体の作品としても、シリーズものの一作としても、その内容は見事。

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    2023年10月08日
  • 正義の弧(上)

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     時は過ぎゆく。その感を作品毎に強くしてゆくのが、本シリーズのこのところの読後感である。若いベトナム帰りの辣腕刑事であったハリー・ボッシュは、今や警察を退官し老いた私立探偵となっている。その後も何作もシリーズを続けていること自体奇跡的なのだが、本書ではナイトシフトの警察官であったレネイ・バラードが未解決事件専門の新部門の責任者となった構図がシリーズに新しい風を与える。

     さらにレネイ・バラードは、チームに退職者であるボッシュを迎え入れる。現役を退いてなお未解決事件に挑んできたボッシュの最新のヒストリーに、若き女性捜査官レネイ・バラードの運命を重ねることがシリーズの合体と継続とを奇跡的に成功さ

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    2023年10月03日
  • 正義の弧(下)

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     時は過ぎゆく。その感を作品毎に強くしてゆくのが、本シリーズのこのところの読後感である。若いベトナム帰りの辣腕刑事であったハリー・ボッシュは、今や警察を退官し老いた私立探偵となっている。その後も何作もシリーズを続けていること自体奇跡的なのだが、本書ではナイトシフトの警察官であったレネイ・バラードが未解決事件専門の新部門の責任者となった構図がシリーズに新しい風を与える。

     さらにレネイ・バラードは、チームに退職者であるボッシュを迎え入れる。現役を退いてなお未解決事件に挑んできたボッシュの最新のヒストリーに、若き女性捜査官レネイ・バラードの運命を重ねることがシリーズの合体と継続とを奇跡的に成功さ

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    2023年10月03日
  • 正義の弧(下)

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    マイクル・コナリー『正義の弧 (下)』講談社文庫。

    レネイ・バラード&ハリー・ボッシュ共演作の第4弾。マイクル・コナリーの37冊目の長編。

    全ての高みを極めた現代ハードボイルド小説の最高峰。

    シリーズの終焉を予告するようなラストには驚いた。31年間続くシリーズもいよいよ終わりの時を迎えるのか。

    マイクル・コナリーとの出会いは扶桑社ミステリーから1992年刊行の『ナイトホークス』である。以来31年間、新刊が刊行される度に読んでいる。まさかハリー・ボッシュが登場する作品がここまで続くとは思わなかった。70歳のヒーローというとハリー・ボッシュの他にはスティーヴン・ハンターのスワガー・サーガに

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    2023年08月06日
  • 正義の弧(上)

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    マイクル・コナリー『正義の弧 (上)』講談社文庫。

    レネイ・バラード&ハリー・ボッシュ共演作の第4弾。マイクル・コナリーの37冊目の長編。

    時代の流れと共に警察捜査の手法は変わり、DNAの検出や比較、遺伝子系図学調査までが容易になった。そんな時代の流れの中でも、70歳になったハリー・ボッシュは刑事であり続ける。

    もはやマイクル・コナリーの名人芸と読んで良いくらいの高みを極めた現代ハードボイルド小説の最高峰。


    ロス市警の未解決事件班の責任者となったレネイ・バラードは、ハリー・ボッシュがロス市警でやり残した一家4人が殺害されたギャラガー事件の捜査をちらつかせ、ボッシュをチームに引き入れる

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    2023年08月05日
  • 正義の弧(下)

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    レネイ・バラードとハリー・ボッシュのコンビ第四弾。ふたつの未解決事件を追うバラードとボッシュ。警察を引退していたボッシュをチームに入れたバラードだけれど、ボッシュの行動に振り回されていく。バラードシリーズが始まり、ボッシュが合流するようになってから本当に面白くなった。事件を追う二人の執念と、今作のラストにある展開と一気読みの面白さ。ここ何作か読み応えのある作品が続いているけれどその中でも一番の今作。

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    2023年07月26日
  • 警告(下)

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    最後まで飽きさせない。が、ラストは個人的には疑問なしとはしない。メロドラマ的要素も好き嫌いが分かれるところ。

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    2023年07月25日