古沢嘉通のレビュー一覧

  • 母の記憶に

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    一編一編がおそろしく練られた、まるで宝石箱のような短編集。取り上げる題材や時代は実に多彩でバラエティに富んでいるが、メッセージは根底では統一されている。それは“融合”。多様性の意義と実践が叫ばれる現代においてその輝きはさらに増して見える。特に「万味調和」は珠玉。

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    2021年11月20日
  • 紙の動物園

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    ファンタジーなものからハードSFまで楽しめます。日本が舞台になっていたり、漢字が主題だったりで海外作品ですが身近に感じるのが多かったです。表題作はたくさんの賞を取ったそうですが、スチームパンクっぽい「良い狩りを」がお気に入りです。?

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    2021年11月18日
  • 素晴らしき世界(上)

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    バラードに引っ張られてなぜか仕事が頑張れる。キャラ設定の強さなのかストーリーの良さなのか‥。
    パトリシア・コーンウェルのスカーペッタシリーズにハマった時も同じ感覚だった気がする。
    星4なのは翻訳がどうにも腹落ちしないから。残念。

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    2021年11月10日
  • ナイトホークス(下)

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    「ナイト・ホークス」の名称で入り,原題は「ブラック・エコー」と知ると、両方の名称に通ずる低音が聞こえる―まさに通奏低音。
    これだけでハリーの内面が透かし見えて行く想いがする。

    ラストで種々のラインで黒幕の内面に迫って行こうとするハリーの独り言ちが聴けるのは本、文字ならではの効能・・無論画面でナレーターが言う時もあるが文字にして、読みつつ、呟くとこだまがする。

    一件硬派でありつつ・・のボッシュ
    正義『と称する』宝にも愚物にもなりかねない持ち物をどう転がしていくか、長いシリーズが楽しみになる。生後とは主観が多いものであるし、既にこの回でも登場したクラークらという愚物、そしてヒール アーヴィング

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    2021年10月12日
  • 鬼火(下)

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    あとがきに、この作品でのボッシュの年齢が書かれていますが、まぁまぁの年齢ですね。って言うか、その年齢で、マディがまだ大学生って、だいぶ年が行ってからできた子どもだったんですね。

    作品の最後で、今後も犯人との因縁が続きそうな描写がありますが、果たしてどうなるのでしょう?

    ボッシュも、まぁまぁな年齢ですしね。ボッシュが登場するのも、最後の方に近づいてきているのは感じます。

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    2021年09月27日
  • 暗く聖なる夜(下)

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    人間、誰もが大金に目が眩む。ましてや金欠な輩には貪欲で、しかもその大金を直に扱う関係者であれば尚更だ。アリバイ工作を綿密に練り計画する。だが、仲間が多ければ多いほど欲が「仲間割れ」を導き被害者と化す。二点三点のミステリー小説は最後まで読み応えがある。

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    2021年09月06日
  • 暗く聖なる夜(上)

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    人間、誰もが大金に目が眩む。ましてや金欠な輩には貪欲で、しかもその大金を直に扱う関係者であれば尚更だ。アリバイ工作を綿密に練り計画する。だが、仲間が多ければ多いほど欲が「仲間割れ」を導き被害者と化す。二点三点のミステリー小説は最後まで読み応えがある。

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    2021年09月06日
  • ブラック・アイス

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    近頃のドラマや映画で定番になっているメキシコ・ルート(ハワイ産“アイス”と入れ替わり⁉︎)の麻薬犯罪の実態を30年前にして生々しく書き切っていることに驚かされる。ミステリアスな内面を抱える新たな恋人とは次作で更なる進展があるのか、気になるところだ。

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    2021年09月04日
  • ナイトホークス(下)

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    ネタバレ

    ドラマでは10代の娘を持つギャンブラーである元妻として登場したエレノアだが、小説第一作の主役として活躍したにもかかわらず事件が終結するとともに退場する、という意外な形のシリーズの滑り出しに驚く。厄介者だとハリーを嫌うアーヴィングの憎まれ役ぶりが最初から全開なのもむしろ楽しい程。

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    2021年08月15日
  • 鬼火(下)

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    ネタバレ

    (上巻より続く)

    ボッシュの娘の大学での侵入事件は
    あっさりと解決して良かった。
    警官ではなくて、司法の道を進むつもりのようだが。

    それとバラードが「レイトショー」になった原因の
    元上司を追い込めたのは面白かった。

    でも、衝撃だったのは、
    ボッシュが白血病になったということ。
    前回もシリーズの最後なのではと、
    びくびくしながら読んでいたが、
    いや、シリーズにいつか最後が来るのは仕方がないが、
    できればボッシュがこの世からいなくなるのを知りたくはない。

    例え、バラードがその闘志を引き継ぐとしても。

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    2021年08月14日
  • 鬼火(上)

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    ネタバレ

    ボッシュ&バラードの第三弾。

    ボッシュは新人時代の恩師が亡くなり、
    その妻から未解決殺人事件の調書を託された一方、
    異母弟ハラ―弁護士が手がける判事殺人事件の
    手伝いをする。

    バラードの方はホームレスの焼死事件を追いながら、
    ボッシュが預かった二十年前の殺人事件のことを聞きに
    刑務所へ行くと事件が動き出す。

    判事殺人事件は検察が訴えを取り下げ、
    弁護士ハラ―としては事件が終わるが、
    納得のいかないボッシュは真犯人を追い、
    ホームレスの焼死事件とつながりが見えてくる。

    (下巻へ続く)

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    2021年08月14日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    ゲームがしたくなる!
    ゲーム好きには人間ドラマがドラマチックに目の前に映し出され、ゲーム未経験にはゲームの妄想が膨らむ傑作短編!

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    2021年08月03日
  • 鬼火(下)

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    ボッシュシリーズでありバラードシリーズでもある今作。この二人に加えてハラーも登場するから面白くなるに決まってる。バラードの存在がボッシュを生き生きとさせているような感じがってここ最近のシリーズでは一番面白い。三つの事件の捜査と姿の見えない犯人。終盤にある人物が浮かび上がってからの展開は迫力と緊張感がある。こういう空気があるからこのシリーズは長く続いていても飽きないしずっと面白い。

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    2021年07月30日
  • 母の記憶に

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    粒揃いの短編集。ケン・リュウの短編小説には何とも言えない余韻があり、次の話に取り掛かるまで浸る時間を要することが多い。悲しい結末の話も多いけれど、人物やその思想へのスポットの当て方には作者の温かみが感じられる。「草を結びて環を銜えん」「シミュラクラ」「訴訟師と猿の王」がかなり良かった。ミステリ要素を孕んだ「レギュラー」はこんな話も書けるのかと驚かされる。

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    2021年07月28日
  • 鬼火(下)

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    下巻は怒涛の展開。堪能いたしました。
    ボッシュもまもなく70代。世代交代となるのかどうか。今後も楽しみ。

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    2021年07月25日
  • 鬼火(上)

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    ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残していた一冊の殺人事件調書を託される。二十年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から盗んで、自宅に保管していたらしい。
    その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。
    恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラ

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    2021年07月23日
  • 鬼火(下)

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    ボッシュ、バラード、ハラー。まさにコナリーオールスターゲームが破綻なく終わるかと思いきや…
    終盤に劇的展開が待っています。

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    2021年07月18日
  • 訣別(上)

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    刑事ハリー・ボッシュのシリーズ、第19作。
    ロス市警は退職したが、ロス郊外のサンフェルナンドの市警察署に誘われ、無給の嘱託刑事となっています。
    私立探偵の免許も取り直し、それぞれの立場で事件を抱えることに。

    根っからの刑事が警察を辞めてどうなることか、と思わせたが。
    サンフェルナンド署は小さくて人手も予算も足りないが、ボッシュの能力を認め、力を貸してほしいと言ってきたのが嬉しい。
    ボッシュにとっては、警官の身分を維持していられるのも、ありがたいところ。

    ある日、かっての上司に呼び出され、大富豪ホイットニー・ヴァンスからの依頼があると伝えられます。
    ボッシュを名指しで、若い頃の恋人かその子孫

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    2021年07月03日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    それぞれの作家の個性が存分に発揮されているので、読者側がホッパーの絵をどう見るかによって、意表をつかれたり、違和感があったり、またぴったりとハマったり感想が分かれるだろう。
    個人的にはホッパー研究者の作品が(これは半ばノンフィクションかもしれないが)最も印象に残った。

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    2021年05月29日
  • レイトショー(下)

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    新ヒロイン誕生。最初はやっぱりボッシュの方がエエなーと読んでいたが、上司との軋轢、複数事件が進むストーリー。
    やっぱり飽きさせない。今後キャラづけ進むにつれ面白さが膨らみそー。楽しみです。

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    2021年05月22日