古沢嘉通のレビュー一覧

  • 証言拒否 リンカーン弁護士(下)

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    わたしはやってない!裁判で無実をひたすら訴える容疑者。検察側、弁護側ともに決定的な証拠を欠き、勝敗は五分と五分。住宅差し押さえ代行に絡む莫大な金をめぐり人間たちの欲も蠢く。裁判妨害、血痕、身長差…。刻々と変わる法廷劇の結末は?名手コナリーの技に脱帽。圧巻のリーガル・サスペンス!!

    というわけで、物語を堪能いたしました。このクオリティはなかなかのものです。

    余談。ボー・デレクという女優の話が出てくる。「ボレロ」という映画は未見だが、「テン」の方は観た。確かにラヴェルのボレロが印象に残る使われ方をしていた。懐かしい。

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    2016年03月15日
  • 証言拒否 リンカーン弁護士(上)

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    シリーズ第四作。
    ローン未払いを理由に家を差し押さえられたシングルマザーが、大手銀行副社長撲殺の容疑で逮捕された。彼女は仲間を募って銀行の違法性に抗議するデモを繰り返す有名人。高級車リンカーンを事務所代わりに金を稼ぐ、ロスきっての人気弁護士ミッキー・ハラーは社会的注目を集める容疑者の弁護に乗り出す。

    安定の面白さ。映画化にまつわるくすぐりにニヤリ。

    ドラマ化された「ボッシュ」の新シリーズも待ち遠しい。

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    2016年03月13日
  • 夢幻諸島から

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     ここ(ドリーム・アーキペラゴ)ではどんなことも起こり得る―

     時間勾配の歪みにより地図の作成が不可能とされている架空の世界。そこに点在する無数の島からなる通称夢幻諸島(ドリーム・アーキペラゴ)が舞台の物語。英国作家の”信頼できない語り手”ことプリーストが書き記した、死と狂気に彩られた島々に纏わる35の記録譚。

     『グールン』~大提督劇場~

     商業演劇の演出家を目指し、とある劇場に勤め始めた青年。出演者の一人、謎の王”ロード”を名乗る奇術師との出逢いを発端に様々な出来事が巻き起こる。やがて、執拗に主人公を付け回す不審な小男や奈落での亡霊騒ぎがひとつに繋がっていく。

     『チェーナー』~雨

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    2016年02月17日
  • 双生児 上

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    SFだと思って読み始めたら、あんまりSF要素なかった。
    でも読みやすいのでぐんぐん先へすすむ。

    WW2詳しくないし、ロンドン空襲のことなどほとんど知らなかったので新しい視点を得た感じ。
    と同時に本編と関係ないんですが、東京大空襲はこのロンドンの空襲と比べるととんでもない規模だっただんだなあと苦しくなった。


    ところで出だしの暇なサイン会の切なさといったらもぅ……

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    2016年02月11日
  • ブラック・アイス

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    USの推理小説を読んでいると、最近?の刑事はけっこう似たような感じが多い、というか、流行ってる推理小説では同じようなタイプが受けているという事か、タフで、割と不器用だけど、何気に頭が切れる、みたいな。昔なら頭だけ働かせてれば良かったけど、今は汚れ仕事もこなさなくちゃいけないから、大変だよなー、などと思ったりする。とはいえケチをつけなければこの主人公は格好良いし、終盤に向けての勢いは悪くない。そしてメイクラブという翻訳を見た時に、なんかドキドキしてしまったという事だけは言っておきたい。なんつーか、こう、一回りして新しい。

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    2016年01月24日
  • 双生児 上

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    第1部で語られる歴史が明らかに我々の時代と異なり、
    「ブラックアウト」「オールクリアー」を
    読んだあとなので第2部の情報はすんなり受け入れ、
    短い第3部では何やら不思議な世界の一端、
    第4部は第2部との明らかな違いが見えて。
    これだけでは単に歴史改変、並行世界のSF
    としか思えないので、帯にある
    「ジャンルの枠を超えた」がいかなるものか
    期待しながら下巻を読むのだが、邦題『双生児』
    に対して原題 The Separation。どちらが
    物語にふさわしいと感じるかも興味のひとつ。

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    2015年12月03日
  • 夢幻諸島から

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    不思議な世界観の中でふわふわとするための本。
    文化レベルは、現代と同じ。
    「夢幻」といっても、魔法やドラゴンが出てくるわけではない。
    短いエピソードの連なりで、どんどん読めてしまうけれど、あまり急いで読むと見落としが出る。

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    2015年01月12日
  • 夢幻諸島から

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    ある世界に存在するたくさんの島についてのガイドブックの態をとってる短編連作。とはいっても少しずつ関連があって、同じ人も出てきたりするので長編とも言えるかもしれない。
    構造がずるい、楽しい!
    ただ、散らばってる情報を集めながら読む話なので、人は選ぶ気がする。
    手紙とか雑誌記事とかそういう断片から情報を取り込みながら読む話がすごい好きなので個人的にはとても楽しかったです。

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    2014年05月26日
  • エコー・パーク(下)

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    ネタバレ

    意外と後半は盛り上がりに欠けた。前半は緻密な展開だったが、後半ではいきなり上司に付いていったら愛人宅に行き、さらには弁護士のところで話しだしてカラクリが全て分かるという拙速な展開。
    一方で犯人はボッシュとレイチェルが調べた質草から簡単に潜伏先が分かって射殺、という物足りない展開だった。ドラマとしてはじっくりボッシュの心情が掘り下げているのは満足だけど、なぜかレイチェルが急に離れていくのは物足りない。果たして次は?

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    2014年04月12日
  • 死角 オーバールック

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    ネタバレ

    「エコーパーク」の失敗から、再び事件にカムバックしたボッシュの活躍を描く。
    ところが、今回は連載小説用に描かれているためにかなりテンポが速い。しかもテロ絡み?と言うことで、あたかも「24」のような物語の展開。
    ただ意外と読み慣れてくると奥さんが狙った殺人と言うオチが分かってくる。それがFBI捜査官と組んで、というのは分からなかったけど。
    エレノアとヨリをもどしそうな気配もあるけど、ボッシュも50代後半。今後はどうなるかな?
    シリーズでは毛色の変わった、番外編と言うような趣の一作。

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    2014年04月12日
  • 死角 オーバールック

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    ハリー・ボッシュのシリーズ。殺人事件を追うボッシュと放射線物質紛失テロ対策のFBIとの確執。結構あっけない結末。

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    2014年04月11日
  • 夢幻諸島から

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    なかなか訳者あとがき定番の内容紹介に入ろうとしないのは、
    作者の意向を汲んで、
    読者になるべく目かくしした状態で本書を発見してもらうために、
    訳者もくわしい内容紹介をされないそうだ。
    あとがき定番の内容紹介がくわしいあらすじ紹介ならば、
    言わずもがなのことだと思う。
    同じく訳者の方は、イアン・マクドナルドの「火星夜想曲」
    みたいな感じとおっしゃっているが、
    私にはコードウェイナー・スミスの「人類補完機構シリーズ」風味も少し感じられた。

    2012 年 英国 SF 協会賞長編部門受賞作品。
    2012 年 ジョン・W・キャンベル記念賞受賞作品。

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    2013年12月26日
  • リンカーン弁護士(下)

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    面白かった( ´ ▽ ` )ノ。
    まあ、ラストが(昨今のハリウッドサスペンスの定番でもある)「あれ」なのが何なんだけど

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    2013年11月20日
  • ラスト・コヨーテ(上)

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    ハリー・ボッシュ・シリーズ第4作。

    上司とのトラブルから休職処分を受けたボッシュ。そこで、35年近く前に殺害された母の未解決事件を調べることに。

    シリーズ初めから断片的に語られてきた母親についての謎がついに明らかになる。大地震によってお気に入りの住まいを追われ、さらに恋人とも別れ……。ボッシュにつきまとうやりきれなさや寂しさが行間からにじみ出てくる。

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    2018年01月19日
  • ブラック・ハート(上)

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    ハリー・ボッシュ・シリーズ第3作。

    4年前の連続殺人事件において、過剰な暴力により犯人を死に至らしめたとして、犯人の遺族から訴えられたボッシュ。その裁判が始まると、過去の事件と同じ手口で殺された新たな死体が見つかる。真犯人はほかにいるのか?

    裁判での息詰まるようなやりとり、最後に明かされる意外な犯人。著者の術中にまんまとはまってしまった。

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    2018年01月19日
  • 真鍮の評決 リンカーン弁護士 (下)

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    さすがコナリー、上巻はややもたついた感じがあったが、下巻になるとどんどんページをめくらせる急展開。まったく職人技としか言いようがない。どっぷり楽しませてもらった。

    いちゃもんをつけるなら、マカヴォイ記者の出番があれだけとは肩すかし。全然いいとこなかったものね。もうちょっと筋にからんできてもいいだろうに。あと、ボッシュとハラーの「関係」はちょっとできすぎでは…。

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    2013年10月01日
  • ナイトホークス(上)

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    ハリー・ボッシュ・シリーズ第1作。

    ロサンジェルス市警の刑事ハリー・ボッシュの活躍を描いたミステリ。著者デビュー作とのことで、人物造形が類型的。視点の置き方にもぎこちなさが感じられる。だが、主人公の孤独感が作品全体を包みこみ、独特な雰囲気を醸しだすことに成功している。結末には意表を突かれた。

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    2018年01月19日
  • リンカーン弁護士(下)

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    ネタバレ

    (上巻より続く)

    ただハリー・ボッシュが主役の作品に比べると、
    深みがなく、ハラハラドキドキ感は少々薄い。
    焦燥感が足りないというか。

    ただ、ここにきて、マイクル・コナリーの作品を好む理由が一つわかった。
    主人公とどういう関係にあれ、
    登場する女性が常に強く、優秀だというこだ。

    「スケアクロウ」の解説にあったように、
    どうもそれは、男性の目から見てかわいくない女性、のようだが。

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    2015年04月21日
  • リンカーン弁護士(上)

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    ネタバレ

    ようやくさかのぼって、
    ミッキー・ハラー弁護士の話を読む。

    「真鍮の評決」を読んだ時にも思ったが、
    裁判関係の詳細というか、
    裏事情がいろいろ書かれていて面白かった。

    例えて言えば、
    いろいろな業界を取り上げて、
    その内幕を描いたフレデリック・フォーサイスの様な
    面白さと言うか。

    テレビ番組でも業界内情もの好きの私としては、
    とても面白かった。

    (下巻に続く)

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    2015年04月21日
  • 真鍮の評決 リンカーン弁護士 (下)

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    ネタバレ

    (上巻より続く)

    という訳で、荒っぽいシーンは少ないが、
    二転三転する話の展開はいつもどおりで、
    面白い。

    そして、あっさりと打ち明けられるハリー・ボッシュとの関係にも
    びっくり。
    娘の心を取り戻したのも良かった。

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    2015年04月21日