古沢嘉通のレビュー一覧

  • 罪責の神々 リンカーン弁護士(下)

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    リンカーン弁護士シリーズ5作目。傑作だった第一作目に匹敵するほどの面白さ。


    タイトルが意味するところは陪審員。彼らに対していかに無罪のイメージを植え付けていくかが鍵となる。今回の事件はやや複雑で、複数の事件が入れ子構造に押し込められている。移り変わっていくハラーの思考に共鳴する緊迫感、そこに絡む様々な思惑を持った人物たち。濃厚なドラマに目が離せない。


    意外性のある真相も面白いが、果たしてそこまでどうやって辿り着くの?という先の読めない展開がとにかく秀逸。証人を繋ぎながら黒幕へ狙いを定めるハラー手腕は見事の一言で、判事に若干同情しつつも、この法廷ドラマを心地よく堪能できた。


    本作品の

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    2017年12月24日
  • 夜より暗き闇(下)

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    本当は『ザ・ポエット』『わが心臓の痛み』をこの前に読んでおいたほうが良い ジャック・マカヴォイ テリー・マッケレイブ ボッシュシリーズに登場 有名映画監督の裁判 ボッシュ証人に 同時進行 猟奇殺人 ヒエロニムス・ボッシュ 絵画 ボッシュ,ダークサイドに転落か? 罠 解決 「夜より深き闇」 悪より邪悪なるもの

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    2017年12月15日
  • 隣接界

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    ネタバレ

    SF的な事象で人が消えるところから始まる。本作品は8部構成になっており、それぞれ関連してはいるが異なる舞台で物語が展開される。“関連している”ところが肝要で、本書のタイトルのように“隣接”している。第二部以降しばらくは、「これってSFなのかなあ」と訝しいが、後半から隣接度が高くなると、どんどん面白くなる。平行世界なのかタイムスリップなのか、謎は謎であるが、ジグソーパズルのピースが上手くはまらない感じが読んでいて楽しい。何度か読み直すと、新しい発見がありそうな作品だ。

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    2017年11月27日
  • 罪責の神々 リンカーン弁護士(下)

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    現在の事件が過去の事件と絡んでいく、昨今のボッシュもののような感触の作品で、いつもながら安心して読めるクオリティ。ラストまで破綻もなく、法廷劇も見事。

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    2017年11月17日
  • 転落の街(下)

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    (上巻より)

    昔はパートナーだったキズミン・ライダーと協力し合って、
    共通の悪を憎む気持ちで事件を解決したと思ったのに、
    少し立ち位置が異なっていたことがわかり、残念。

    全く作品とは関係ないが、
    息子が転落死したため介入してきた元ロス市警副本部長で市議アーヴィン・アーヴィングがそっくり、
    と書かれていたミスター・クリーンのパッケージがすぐわかったのが嬉しかった。

    早く娘が警察官として活躍できるといいな。

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    2017年11月10日
  • 転落の街(上)

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    ハリー・ボッシュ・シリーズ。

    この次の作品を先に読んでしまったので、
    個人的にはジグソーパズルのピースがぴったりはまったような満足感があった。

    前作で一緒に暮らし始めた娘が警察官を目指しはじめ、
    ボッシュは銃の扱いを教え、警察のコードを覚えさせ、人の観察法を訓練する英才教育を行っている。
    警察への政治の介入、ハイ・ジンゴに巻き込まれた今度の事件の展開より、
    よっぽど気になった。

    (下巻へ続く)

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    2017年11月10日
  • 転落の街(上)

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    ボッシュ・シリーズも15作目だそう。
    当代最高のハードボイルドと言われる作品、充実した内容です。
    ロス市警の未解決犯罪班で捜査を続けることになったハリー・ボッシュ。
    根っからの刑事だが、定年が延長になってよかったという年齢。
    引き締まった外見らしく、いまだにモテる。
    今回は、15歳になる娘のマディと同居、という新しい要素も加わっています。

    DNAの判定が進歩したため、再調査であきらかになった証拠による容疑者は、当時8歳の少年という。
    ありえない事実は、なぜ起きたのか?
    一方、高級ホテルから市議の息子が転落死。
    事故か、自殺か、他殺か?
    この市議というのが元ロス市警にいたアーヴィン・アーヴィン

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    2017年11月15日
  • 罪責の神々 リンカーン弁護士(下)

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    マイクル・コナリー『罪責の神々 リンカーン弁護士(下)』講談社文庫。

    シリーズ第5弾。見事なプロットと言えば見事なプロットなのだが…ミッキー・ハラーはシリーズ最大の命の危機を迎え、売春婦殺しの裏には驚愕の事実が…有りがちなストーリー。

    巧いことまとめたようだが、スッキリはしないし、出来すぎたラストが不満と言えば不満。

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    2017年10月26日
  • 罪責の神々 リンカーン弁護士(上)

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    マイクル・コナリー『罪責の神々 リンカーン弁護士(上)』講談社文庫。

    シリーズ第5弾。安定、安心の面白さ。

    リンカーン弁護士こと、ミッキー・ハラーは売春婦殺害容疑で逮捕されたポン引き、ラコースから弁護依頼を受ける。被害者の売春婦はハラーが何度も窮地を救ったことのある、かつての依頼人グロリアだった…

    続きが気になる。下巻に急ぎたい。

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    2017年10月26日
  • 転落の街(下)

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    未解決事件と現在の事件を解決しながら、警察内部の力関係などと戦っていく。
    老戦士のようにな感じです。

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    2017年10月02日
  • 母の記憶に

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    ネタバレ

    著者の実力が判る短編集。様々なSF的素材を上手いとうならせる料理法で絶妙な作品に仕上げている。それぞれに味があり面白かったが、題材はありがちだが残されし者が心に残った。人としての尊厳と子供たちの未来の天秤。以外に早くその時は訪れるのでは?
    以下 覚書
    ・ウスリー羆:バンパイヤ
    ・草を結びて環を銜えん:揚州大虐殺
    ・重荷は常に汝と共に:異世界の税金
    ・母の記憶に:ウラシマ効果
    ・プレゼンス(存在):遠隔介護
    ・シミュラクラ:3次元カメラ?の発展版
    ・レギュラー:ハードボイルド探偵
    ・ループの中で:遠隔戦争
    ・状態変化:魂が氷だったら
    ・パーフェクトマッチ:ビッグデータ=ビッグママが支配する世界

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    2017年09月23日
  • ラスト・コヨーテ(下)

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    ネタバレ

    パウンズとの軋轢 人違い 停職 精神分析 セッション マージョリー・ロウ殺し 追及 過去との遭遇 母の友人 犯人 どんでん返し 最初からいたんだ

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    2017年11月28日
  • 転落の街(上)

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    ボッシュが担当している未解決事件でレイプ殺人事件の容疑者のDNAに当時8歳の男の子が該当し、捜査を割り振られた直後に、ロス市警OBの市議の息子の転落死の捜査を指名されて、2つの事件の捜査が同時しながら、物語が進行する。

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    2017年09月17日
  • 母の記憶に

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    各篇実に多様な趣の短篇集なのだけど、そのどれにも独特の叙情感が漂っているのがケン・リュウの特徴ではないかなあ。作品によって濃淡はあるが、切なく心にしみる感じが共通している。

    強く印象に残るのは、揚州大虐殺に材を取った二篇。隠蔽され続けてきた歴史に光を当てたもので、心を揺さぶられた。特に「訴訟師と猿の王」の田の造型が見事。

    進んだテクノロジーが家族にもたらす軋みを描いたものも目につく。テーマ的な新しさはないが、ケン・リュウの故国や家族、特に母に対する思慕の念が色濃く投影されているようで、しみじみと読んだ。

    なかでもやはり表題作が出色。SF的ガジェットと普遍的な親子のありようが溶け合った一篇

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    2017年07月20日
  • ブラックボックス(下)

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    ネタバレ

    (上巻より)

    でもまあ、16才の娘といろいろとぎくしゃくしながらも、誕生日を祝ってもらったり、
    銃の訓練をしたりと、
    幸せな人生を送っているようで良かった。

    しかし、なぜ監察官がボッシュのピンチに現れたのかが、
    わからない。

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    2017年06月24日
  • ブラックボックス(上)

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    ネタバレ

    しまった。
    ボッシュ刑事の最新作だと思って飛びついたら、
    どうも何巻か飛ばしてしまったらしい。
    ボッシュ周辺の話がつながらない。

    過去に自分が遭遇した未解決事件を追うというストーリーは面白かった。
    刑事ものとしてはありがちといえばありがちが、
    その過去がロス暴動だし、
    これまたお約束のように入ってくる横やりが、
    人種差別だと思われかねないという政治的判断なところが、米国らしい。

    (下巻へ続く)

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    2017年06月24日
  • ラスト・コヨーテ(下)

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    ターニングポイントとなるハリー・ボッシュシリーズ第4弾。主人公はハリウッド署殺人課に所属する一刑事に過ぎないが、コナリーは群れること嫌う「一匹狼」的な存在として描いてきた。
    本作は、第1作から伏線としてあったボッシュの母親の死の真相を追い求める物語で、これまで以上の私闘を繰り広げている。上司への暴力行為で休職処分となったことを機に、30年以上前の未解決事件を再捜査するのだが、埋もれた過去から浮かび上がってくる事実は、当然のこと痛みを伴う。娼婦であるがために引き離された息子と再び暮らすことを夢見ていた母親の思いを知るほどに、ボッシュは殺人者への憎しみを深める。
    事件の性質上、全編がボッシュの単独

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    2017年06月23日
  • ブラックボックス(上)

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    ロス暴動大混乱の最中に発生し、まともに捜査ができず心に残っていたジャーナリスト殺害事件から20年。すべての事件には解決につながる「ブラックボックス」があるという信念のもと、ロス市警未解決事件班ボッシュは再捜査を開始。市警上層部の政治的圧力による監視をくぐり抜け、単独で事件を追いかける。

    シリーズ何作目かわからない。とにかく20周年記念らしい。

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    2017年06月05日
  • ラスト・コヨーテ(下)

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    十二分に面白いが、最後のちょっとばかし現実離れした展開がなければ、シリーズ屈指の大傑作になっていたであろう点が、どうにも悔やまれる。

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    2017年05月24日
  • 母の記憶に

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    卓越。

    どうも私は ”ガジェットと家族関係” テーマに惹かれたようで、「存在」「ループのなかで」が気に入った。
    技術がどれだけ発達しても世の中や常識がどれだけ変化しても、”家族のせつなさ” のようなものは消えてなくならないような気がする。

    短編にしておくのがもったいないような壮大な設定のものもあって、「草を結びて球を環をくわえん」など長編で読んでみたい。

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    2017年05月18日