古沢嘉通のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
海外小説で今年評価が高い小説として紹介されていました。
上下巻に分かれているとのことなので、しばらくしたら下巻を買おうと思います。
主人公はここ数年本業を離れていた弁護士。
知り合いの弁護士の殺人事件を発端に、その業務を引き継いで復帰するところから物語が始まる。
弁護士はなぜ殺されたのか…その秘密に近づくにつれ、引き継いだ事件に隠された闇に気づいていく。
海外小説らしい非常にテンポのよい進行と、皮肉の利いた個性豊かな登場人物が、まるでドラマを見ているかのような感覚に導いてくれます。
どいつもこいつも一筋縄ではいかないキャラクターで、今後どう活躍していくのか非常に楽しみです。 -
Posted by ブクログ
「リンカーン弁護士」のシリーズ第2弾。
ミッキー・ハラーは刑事弁護士。
法廷や刑務所を効率よく回るため、3台のリンカーンを事務所代わりに乗り回している。
正義の味方のつもりでいたくても、ほとんどの仕事は、常習犯罪者の刑を出来るだけ軽くする手続きというのが実情。
元妻マギーは有能な検察官で、幼い娘ヘイリーとは時々会う。
いろいろあって1年もの療養期間を過ごし、ようやく仕事に復帰しようとした所。
相互に契約を結んでいた弁護士仲間ジェリー・ヴィンセントが殺された。
ジェリーの仕事をいきなり引き継ぐことになったハラー。
信頼している秘書ローナと、ジェリーの事務所に乗り込むが。パソコンとファイルの一部が盗まれていた。
ローナはもう一人の元妻だが、長年の友人で、一時結婚したが間違いに気づいたという仲。
ジェリーはセレブの弁護を引き受けていて、裁判がもうすぐ始まるというタイミング。
映画プロデューサーで富豪のエリオットが、妻と浮気相手の二人を射殺したとされる事件。
25万ドルもの前金が振り込まれていた。
証拠はほとんど状況証拠だが…
ロス市警強盗殺人課の刑事ハリー・ボッシュも登場。
作者が長年書き継いでいる人気シリーズの強面刑事です。
殺人事件に対しては素人っぽいミッキー・ハラーと、互いに反発もしながら、そろそろ協力も。
上手く絡んで面白くなるか!?作者のお手並み拝見☆ -
Posted by ブクログ
2012年の今年、見た洋画で、原作を読んでみたいと思ったのは「裏切りのサーカス」(ジョン・ル・カレ「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」)と、これ。映画版はマシュー・マコノヒー主演で、ブラッド・ファーマン監督がメガホンを執った。マコノヒーにとっては久々の当たり役になった。
エドガー賞処女長編賞受賞作家のマイクル・コナリーによるベストセラー。主人公は裁判に勝つためなら、手段を選ばないLAのスゴ腕弁護士ミック・ハラー。かつて弁護した黒人を運転手に使って、高級車リンカーンの後部座席をオフィス代わりにしている。顧客はチンピラ。検察側との取引によって、刑を軽減させるのが主な仕事だ。
そんなちょい悪のミックが、大金目当てで暴力事件の弁護を引き受ける。最初は簡単な仕事と思えたが、依頼人のルイスには4年前にミックが担当した別の殺人事件の真犯人ではないかとの疑惑が浮上。そんな時、ミックが依頼していた調査員が殺される…というのが上巻までの筋立て。
小説版はミックの一人称で進んでいくが、ほぼ原作通りの展開。つまり、小説は映像的にも優れているということだろう。 -
Posted by ブクログ
リーガル・サスペンスは法曹界に身を置く人により副業として書かれ、それが成功に結び付けば作家業として転身、というパターンが多いように思う。だからこそ、業界に身を置かぬが既にプロである犯罪小説作家が、このジャンルに手を付けるというのは、対本職という意味でのハンディを負っており、それゆえに相応の決意と準備とが必要とされるものだと思う。
アメリカン・クライム・ノヴェルの現役頂点に立つ作家と言って過言ではないコナリーでさえ、本書の執筆に5年を費やしたそうである(ボッシュものだと通常執筆にかける時間は2年)。法曹界もののスリラーが、作家にとっての新ジャンルとは言え、質の高い創作が常に求められる頂点の作家であればこそ、かくも慎重なる5年であったことだろう。この作品の、どのページからもそうした並々ならぬ創作側の苦労と決意が滲み出ている気がする。
これまで、なぜ誰も書かなかったのだろうと思われるのが、まず表題ともなっているリンカーン弁護士のような存在である。事務所を持たず超零細経営で、裁判所から裁判所へと渡り歩き、ケチな報酬をちびちび稼ぐという、何だか夢のないリアリズムいっぱいの商売に従事する弁護士のことであるらしい。
我らが主人公ミッキー・ハラーはどうであろうか。事務所はリンカーンの後部座席、保釈を勝ち取ってやった犯罪者を報酬の支払い一部として運転手として用立て、広告に記載されている連絡先は、元妻兼マネージャーの住居の電話を当てがっている有り様だ。
ミッキーは、依頼人としてとうとう金の成る木を掴まえる。不動産女王からの依頼により、息子を暴行事件の容疑から逃れさせて欲しいというケースである。有能な調査員とのコンビにより調査が進むにつれ、事件は、過去にミッキーが弁護を手がけたある裁判に結び付く。
過去の自らの判断への懐疑が産む、罪悪感にプラスして、なけなしの正義感。別れた妻二人と残された娘の命を危険に曝しながら、捜査線上に浮かび上がる邪悪なものへの脅威が徐々に増してゆく。
LAの迷路のような世界、煮立った鍋の底のような世界を、職業と生命を賭けて切り抜けようと足掻く壮年弁護士のサスペンスに仕上がったこの一作。
コナリーはまたも新たなアンチヒーロー像を作り上げたのである。彼の行手には、完璧なサスペンスを楽しめる複雑な迷宮。次回作も既に上梓されているそうで、そこではボッシュとの競演が見られるらしい。これまた実に楽しみな話である。 -
Posted by ブクログ
リーガル・サスペンスは法曹界に身を置く人により副業として書かれ、それが成功に結び付けば作家業として転身、というパターンが多いように思う。だからこそ、業界に身を置かぬが既にプロである犯罪小説作家が、このジャンルに手を付けるというのは、対本職という意味でのハンディを負っており、それゆえに相応の決意と準備とが必要とされるものだと思う。
アメリカン・クライム・ノヴェルの現役頂点に立つ作家と言って過言ではないコナリーでさえ、本書の執筆に5年を費やしたそうである(ボッシュものだと通常執筆にかける時間は2年)。法曹界もののスリラーが、作家にとっての新ジャンルとは言え、質の高い創作が常に求められる頂点の作家であればこそ、かくも慎重なる5年であったことだろう。この作品の、どのページからもそうした並々ならぬ創作側の苦労と決意が滲み出ている気がする。
これまで、なぜ誰も書かなかったのだろうと思われるのが、まず表題ともなっているリンカーン弁護士のような存在である。事務所を持たず超零細経営で、裁判所から裁判所へと渡り歩き、ケチな報酬をちびちび稼ぐという、何だか夢のないリアリズムいっぱいの商売に従事する弁護士のことであるらしい。
我らが主人公ミッキー・ハラーはどうであろうか。事務所はリンカーンの後部座席、保釈を勝ち取ってやった犯罪者を報酬の支払い一部として運転手として用立て、広告に記載されている連絡先は、元妻兼マネージャーの住居の電話を当てがっている有り様だ。
ミッキーは、依頼人としてとうとう金の成る木を掴まえる。不動産女王からの依頼により、息子を暴行事件の容疑から逃れさせて欲しいというケースである。有能な調査員とのコンビにより調査が進むにつれ、事件は、過去にミッキーが弁護を手がけたある裁判に結び付く。
過去の自らの判断への懐疑が産む、罪悪感にプラスして、なけなしの正義感。別れた妻二人と残された娘の命を危険に曝しながら、捜査線上に浮かび上がる邪悪なものへの脅威が徐々に増してゆく。
LAの迷路のような世界、煮立った鍋の底のような世界を、職業と生命を賭けて切り抜けようと足掻く壮年弁護士のサスペンスに仕上がったこの一作。
コナリーはまたも新たなアンチヒーロー像を作り上げたのである。彼の行手には、完璧なサスペンスを楽しめる複雑な迷宮。次回作も既に上梓されているそうで、そこではボッシュとの競演が見られるらしい。これまた実に楽しみな話である。