古沢嘉通のレビュー一覧

  • 紙の動物園

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    ネタバレ

    読書備忘録583号。
    ★★★★。
    じわ~と来るSF短編集。カチコチのSFではなく、どの作品もファンタジー的で、東洋的で細やかな情感で、叙事詩的な雰囲気を感じさせる。
    アメリカSF界の旗手で、本のタイトルになっている紙の動物園でヒューゴー賞、ネビュラ賞、世界幻想文学大賞の3冠達成。史上初。
    紙の動物園:生きていくためにカタログに載り、アメリカ人に買われて結婚した台湾人の母。ハーフとして生まれた主人公。幼い頃、おもちゃが欲しいとねだった。母はチラシの紙で動物を折り、ふぅ~っと息を吹き込み命を与えた。動き出す紙の動物たち。成長した主人公はいつまでも英語を話せない母にイラつく。そして母は亡くなり、動物

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    2021年05月08日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    すごく読みたいと思いつつずっと寝かせてあったのを、今モンハンにハマっているので読んだ。もっと早く読んでおけばよかったとも思うし、面白い本読む機会を今得られて良かったとも思う。 殺伐とした雰囲気の中にどこかユーモアのある「リスポーン」、フィクションが段々リアルに置き換わっていくのが切ない「救助よろ」や、「1アップ」「キャラクター選択」は王道の面白さで、短いテキストにたっぷりユーモアを効かせた「ツウォリア」などが好みだった。 『レディ・プレイヤー1』が好きなら絶対ハマるはず。

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    2021年04月25日
  • 宇宙の春

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    読むのがつらい作品も。つらいというのは読みにくいとかつまらないとか言うのではなくて、かつて日本がしてきた史実を突きつけられるようで。

    星新一っぽい『古生代で老後を過ごしましょう』○

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    2021年04月19日
  • 訣別(下)

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    久しぶりのハリー・ボッシュシリーズ。
    謎解きとしては特筆すべきところはないかなと思うが、その世界観は楽しめると思う。
    相棒のミッキー・ハラーがいい味を出している。
    リンカーン弁護士シリーズの方が面白いかも。

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    2021年03月28日
  • 贖罪の街(上)

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    ハリー・ボッシュ・シリーズ18作目。
    実は17作目「燃える部屋」よりも先に読んでしまってました。

    前作の事件のことで、ロス市警から退職を余儀なくされたボッシュ。
    ただし、異母弟の弁護士ミッキー・ハラーに依頼して、ロス市警を訴えているところ。

    そのハラーからの依頼で、調査員の仕事をすることに。
    ずっと刑事だったボッシュにとって、検察側ではなく弁護側(いわば犯人側)の仕事をすることは、警官仲間から見た裏切り行為になってしまう。
    悩みつつも、仕事を引き受けます。

    ハラーの古くからの依頼人で現在は更生して画家となっている人物が容疑者となった事件。
    現場での調査に鋭い嗅覚を働かせるボッシュ。
    有能

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    2021年03月08日
  • 素晴らしき世界(上)

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    ボッシュとバラードは、意外にいいリズムで仕事をしているようですね。なかなかおもしろいです。

    上下巻構成の場合、上巻では物語の背景だけ描いて、実際に物語が動き出すのは下巻からという事が多いですが、この作品では、意外に上巻から物語が動いています。

    ボッシュのパートで、タイタス・ウェリヴァーの姿がチラつくのは秘密です(笑)

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    2021年02月20日
  • 訣別(下)

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    ハッピーエンドとなってよかった!

    読んだそばから次は何を読もうかと考える。
    後を引く面白さが残るのがいい~

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    2021年02月20日
  • 素晴らしき世界(下)

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    正義を実現するためには適正な手続きを踏み越えてしまう危うさがバラードにもあり、それがハリーとの共通項。70歳に近づき警察官としての肩書を活かした活動が終わりに近づいて来ているハリーにとってバラードは欠かせないバディになるに違いない。バラードとボッシュで章建てを分ける構成も冴え、ますます次回作が待てない。

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    2021年02月03日
  • 罪責の神々 リンカーン弁護士(下)

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    チームプレーの成果が実を結ぶ!!
    最後は思いがけないことで幕を閉じることになる。

    無罪の人をきっちりと弁護できた事件でよかった!

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    2021年01月23日
  • レイトショー(下)

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    コナリーの新シリーズは夜勤シフト(レイトショー)でハリウッド分署に勤務するレネイ・バラードが主人公。ボッシュ同様、正義感が強く曲がったことが嫌いで、もちろん上司にも楯突く。
    強盗から殺人まで、深夜勤務ならではの様々な犯罪ひとつひとつに真摯に向き合い、これはと定めた事件には独自の捜査で真相を追い詰める。その出自に合わせたオフの過ごし方含めて、とっても魅力的な物語。きっとこのシリーズが続いていけば、さらに面白くなっていくはず。もちろん伝説の刑事ボッシュとの共演もあり得るのでは。

    巻末掲載のインタビューにて、いまなぜ新しいシリーズをはじめたんですか?と言う質問に
    「なぜなら、人は鮫のように書かねば

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    2021年01月18日
  • 素晴らしき世界(上)

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    現代ハードボイルドの第一人者の一人である作者が新たに始めたロス市警の夜間専門刑事バラードの第二作目に作者の看板にして出世作であるハリー・ボッシュが早くも登場、と聞いて凄く楽しみにしていた作品。ロサンゼルス市警のエリート部門である強盗殺人課にいた二人だが時期は大幅に違っていてベトナム帰りのボッシュはロス市警を退職し再雇用はされていたものの良くない辞め方をして今は近隣の小規模な警察で顧問のようなことをしている。一方のバラードは若くしてエリート部門に配属されたが上司に受けたセクシャル・ハラスメントを告発した結果、今は所轄の夜勤専門に左遷されている、という設定。本作はボッシュもの前作の続編で前作で知り

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    2021年01月13日
  • 素晴らしき世界(下)

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    深夜勤務からハリウッド署に戻ってきたバラードは、古い事件ファイルを見ず知らずの男が漁っていたのに気づく。男はロス市警を引退したハリー・ボッシュだった。ハリウッド分署管内で発生した古い未解決事件のファイルを調べていたのだった。ボッシュを分署から追いだしたバラードだったが、ある事件に興味を示す。十五歳の家出少女がハリウッドの路地で殺害されたかつての未解決事件だった。彼女はボッシュと協力して、殺人事件の真相解明に取り組むが、日々の捜査にも追われ、ボッシュと別行動を余儀なくされ、思わぬ危機に直面することになる。

    ボッシュの活躍は、バラードとのタッグで、まだまだ続く。私にしては珍しく、今回は落ちが読め

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    2020年12月13日
  • 素晴らしき世界(下)

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    コナリーはこれだけ多くの作品を生み出しているにも関わらずクオリティが大きく落ちることはなく、今作もご多分に洩れず良作と言える。ドラマ版BOSCHで部分的にストーリーが使われているのをすでに観ていたため、結末に驚きはなかったが、ボッシュとレネイ・バラードとの邂逅を含め、シリーズものとして(十分にサーガと言って良い)の重厚感も増している。

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    2020年12月13日
  • 素晴らしき世界(上)

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    ロス市警ハリウッド署深夜勤務担当女性刑事レネイ・バラードが、ハリー・ボッシュと共演。深夜勤務からハリウッド署に戻ってきたバラードは、古い事件ファイルを見ず知らずの男が漁っていたのに気づく。男はロス市警を引退したハリー・ボッシュだった。ハリウッド分署管内で発生した古い未解決事件のファイルを調べていたのだった。ボッシュを追いだしたバラードだったが、その事件に興味を示す。十五才の家出少女がハリウッドの路地で殺害された事件だった。バラードはボッシュと協力して、殺人事件の真相解明に向かう。

    ハリー・ボッシュのシリーズとしては第21作。主人公が二人になる分、携わる事件数が増えている。物語の後半に向けてど

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    2020年12月13日
  • 素晴らしき世界(下)

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    ネタバレ

    (上巻より)

    途中でボッシュが危険な目に遭った時は、
    もしかしてこれはコラボではなくて、
    リレーだったのではないかと不安になった。
    ボッシュ最後の事件にするつもりなのではないかと。

    結果としては、
    ボッシュもバラードも無事だったし、
    警察を辞めざるえないボッシュが「捜査」を続けられるようで良かった。
    残念ながら、
    殺された女性の母親を救うことはできなかったが。

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    2020年12月09日
  • 素晴らしき世界(上)

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    ネタバレ

    ボッシュ&バラードの第二弾。

    そうきたか。
    ボッシュとバラードのコラボとは。
    しかもどちらかがチラッと登場するのではなく、
    がっぷり四つに組んでいると言うか、
    タイマン張ってると言うか、
    二人三脚と言うか。

    前作の潜入捜査で知り合った女性を家に招き入れたボッシュは、
    その娘の未解決事件を追う途中でバラードと出会う。
    それぞれ、担当の事件を抱えながら
    二人でひたすら古い職質カードを読み続ける。

    (下巻へ続く)

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    2020年12月09日
  • 素晴らしき世界(下)

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    ボッシュとバラードがコンビを組んだ第一作。ボッシュが調べている未解決事件、前作『汚名』から続く捜査にバラードが加わり二人で動き出す。過去の事件、過去の人物を追っていく中で二人の理解も深まっていく。社会の裏、そこを狙う犯罪者とボッシュたちとの対決。そしてラストが良かった。二人の思いがとてもいい。長く続いてるシリーズだけれどまだまだこのシリーズは面白くなっていきそう。

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    2020年11月23日
  • レイトショー(上)

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    現代ミステリ界のナンバーワン作家の一人である作者は主要なところでもロサンゼルス市警の刑事ハリー・ボッシュ、弁護士ミッキー・ハラー、FBIのテリー・マッケイレブ、新聞記者ジャック・マカヴォイといずれもヒットしたシリーズ作品を持っていて更に単発ものも出したりしている。それがここに来て更に新たなシリーズものの主人公を産み出したというのでさっそく手に取ってみた。これまでも単発ものや重要な役割に出てきた女性達、レイチェル・ウォリング、キャシー・ブラック、ルシア・ソトがいたのだけれど今回新たに生み出された女性主人公については新たなシリーズ展開をする、と作者も宣言しているようだ。彼女レネイ・バラードはボッシ

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    2020年11月17日
  • 汚名(下)

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    出れば必ず読むボッシュシリーズ。ボッシュは60歳をこえ、ロス市警を離れてほとんどボランティアみたいな形で小さな市の警察業務に関わっている。思えばずいぶん長いことボッシュを見てきたんだなあと、ちょっと感慨深い。いつ頃からか作品の雰囲気が初期とは違ってきたけれど、それもまた良し、と思う。

    ロスのような大きな舞台ではなくても、事件はやっぱり結構派手だ。ボッシュが直面する難題は二つあり、一つは薬物絡みの犯罪への潜入捜査、もう一つは思いがけず自身にかけられた汚名をそそぐこと。この二件が同時進行していくが、ややこしく錯綜したりはせず、とても読みやすい。長篇をだれることなく読ませるところが、さすがコナリー

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    2020年11月04日
  • 紙の動物園

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    とても面白かった。東洋の世界観が見事に反映されたSFで、このレベルの作品はなかなか出るものではないと思う。織り込まれている歴史背景や人種観のメッセージ性が深く、SFの枠を飛び越えて面白いと思う。 テッド・チャンの『あなたの人生の物語』のなかでも「地獄とは神の不在なり」が好きだったので、「1ビットのエラー」を読んでピンときた。一番お気に入りの短編は「良い狩りを」で、訳者さんがトリに持ってきただけあるなと思った。訳者あとがきを読めば、この短編集への愛が感じられる。

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    2020年11月02日