あらすじ
ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残していた一冊の殺人事件調書を託される。二十年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から盗んで、自宅に保管していたらしい。
その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。
恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラードに協力を求める。
また、ボッシュは、ミッキー・ハラーが担当しているモンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判に被告側調査員として協力もしていた。モンゴメリーは日中に裁判所近くの公園で刺殺され、現場に残されたDNAが一致したことでジェフリー・ハーシュタットが逮捕され、裁判にかけられていた。ハーシュタットは自供もしており、有罪必至の状況だった。
一方、バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が全身に移り、焼死した模様だった。事故死とみて、バラードはロス市消防署に処理を任せた。
これら三つの事件(「元服役囚殺害事件」「裁判所判事暗殺事件」「ホームレス焼死事件」)が複雑に重なり合い、終盤の怒濤の展開は近年屈指の作品に仕上がった。
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マイクル・コナリー『鬼火(上)』講談社文庫。
マイクル・コナリーの33作目の長編で、ハリー・ボッシュ・シリーズの第22作、レネイ・バラード・シリーズの第3作、ボッシュ&バラードものの第2弾ということらしい。さらにはミッキー・ハラーも登場し、ハリー・ボッシュ、レネイ・バラード、ミッキー・ハラーの揃い踏みという何とも贅沢で非常に面白い作品となっている。
かつて『現代最高峰のハードボイルド小説』と唱われたハリー・ボッシュ・シリーズは、警察小説と法廷ミステリー小説との融合小説に進化した。同時に、我らがヒーローの元ロス市警刑事のハリー・ボッシュも69歳となり、痛めた膝を人工関節に置換する手術を受け、リハビリをしているという事実に衝撃を受けた。我々は、ボッシュと共にそれだけ長い時間を過ごしたのだ。
ボッシュが殺人事件担当の新人刑事時代にパートナーを組み、殺人事件の捜査の在り方を教えてくれた恩師である元刑事のジョン・ジャック・トンプスンが亡くなり、ボッシュは葬儀に参列する。ジョンの妻、マーガレットは亡き夫から頼まれていたとボッシュに1冊の古い殺人調書を託す。その内容は1990年に起きた元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトンがハリウッドの路地で後頭部を撃たれて死亡した未解決事件だった。ボッシュはこの未解決事件を捜査するべく、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていたレネイ・バラードに協力を求める。
また、モンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判を担当するミッキー・ハラーに協力していたボッシュは、ハラーに自分が慢性骨髄性白血病にかかっているという驚くべき告白をする……
この後、ボッシュが託された元服役囚殺害の未解決事件を中心にミッキー・ハラーが担当する裁判所判事暗殺事件、レネイ・バラードが関わるホームレス焼死事件の三つが複雑に絡み合う展開のようだ。
定価990円
★★★★★
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今回も文句なし。この作家は本当にすごい。ハリーの未解決事件とバラードの焼死体事件、ハラーの判事殺害の3つが自然な形で進行するという盛りだくさんのストーリーだが、全く違和感がない。私の読みでは、ボッシュシリーズは今後こんな感じで、オールスター気味に進行するのではないか。本当に素晴らしい作家だと思う。
Posted by ブクログ
ボッシュ・シリーズ22作目。
ハリー・ボッシュが新人刑事だった頃にパートナーだった先輩のトンプスンが亡くなった。
葬儀に参列したボッシュは、未亡人から、トンプスンが保管していた事件の調書を渡される。1990年に起きた未解決事件で服役囚が殺されたものだった。
ボッシュはレネイに協力を求めます。
ボッシュは、ミッキー・ハラーが担当している事件の被告側調査員も引き受けていた。判事が公園で暗殺された事件である。
一方、レネイは、テントで暮らしていたホームレスの焼死事件も扱っている。事故死のように見えたのだったが…
三つの事件が進行し、絡み合う‥?!
Posted by ブクログ
ボッシュ&バラードの第三弾。
ボッシュは新人時代の恩師が亡くなり、
その妻から未解決殺人事件の調書を託された一方、
異母弟ハラ―弁護士が手がける判事殺人事件の
手伝いをする。
バラードの方はホームレスの焼死事件を追いながら、
ボッシュが預かった二十年前の殺人事件のことを聞きに
刑務所へ行くと事件が動き出す。
判事殺人事件は検察が訴えを取り下げ、
弁護士ハラ―としては事件が終わるが、
納得のいかないボッシュは真犯人を追い、
ホームレスの焼死事件とつながりが見えてくる。
(下巻へ続く)
Posted by ブクログ
ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残していた一冊の殺人事件調書を託される。二十年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から盗んで、自宅に保管していたらしい。
その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。
恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラードに協力を求める。
また、ボッシュは、ミッキー・ハラーが担当しているモンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判に被告側調査員として協力もしていた。モンゴメリーは日中に裁判所近くの公園で刺殺され、現場に残されたDNAが一致したことでジェフリー・ハーシュタットが逮捕され、裁判にかけられていた。ハーシュタットは自供もしており、有罪必至の状況だった。
一方、バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が全身に移り、焼死した模様だった。事故死とみて、バラードはロス市消防署に処理を任せた。
しかしこの内容紹介は、詳しい。
ハリー・ボッシュのシリーズとしては第22作。レネイ・バラードのシリーズとしては3作目。ミッキー・ハラーも登場し、実に盛りだくさんな展開を見せる。下巻に続く。
Posted by ブクログ
今回もバラードとの共同捜査。
リンカーン弁護士のハラ―も登場している。
ボッシュも69歳。
膝の不調で杖を使ったりしているがまだまだ元気。
今のところ好調だが下巻でどうなるか。
良いなあボッシュシリーズは。
ロクでもない事件に出会うけど最後まで諦めずにコツコツとやるべきことをやっていく。
物語だと分かっていながら元気づけられる。
こういう読書が今の自分に合っている。
下巻楽しみ。
作品紹介・あらすじ
ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師にあたるジョン・ジャック・トンプスン元刑事が亡くなり、ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残していた一冊の殺人事件調書を託される。二十年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から盗んで、自宅に保管していたらしい。
その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。
恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラードに協力を求める。
また、ボッシュは、ミッキー・ハラーが担当しているモンゴメリー上級裁判事暗殺事件裁判に被告側調査員として協力もしていた。モンゴメリーは日中に裁判所近くの公園で刺殺され、現場に残されたDNAが一致したことでジェフリー・ハースタットが逮捕され、裁判にかけられていた。ハーシュタットは自供もしており、有罪必至の状況だった。
一方、バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が全身に移り、焼死した模様だった。事故死とみて、バラードはロス市消防署に処理を任せた。
これら三つの事件(「元服役囚殺害事件」「裁判所判事暗殺事件」「ホームレス焼死事件」)が複雑に重なり合い、終盤の怒濤の展開は近年屈指の作品に仕上がった。
Posted by ブクログ
上巻で既に登場人物が多すぎる。
優秀なハードボイルド作品なら10人程度だろう。3倍以上の登場人物には付き合い切れないな。
また複数のストーリーを関連無く並行させるのも読む気を削ぐ。好きな作者だが離れさせるきっかけの作品となるだろう。
Posted by ブクログ
もはや大家といってもよいミステリの大御所の邦訳最新。デビュー作から邦訳は全て読んでいるがこれが33作目だとか。メインシリーズであるハリー・ボッシュものなのだけどベトナム帰りという設定の刑事なので本作ではもはや古希。ロス市警を不幸な感じで辞めて暫く小さい街の予備警官をやっていたがそこも辞めることになり現在は異母弟の弁護士を手伝うかたわら現役の夜勤刑事バラードと非公式のタッグを組んで主に未解決事件に取り組んでいる。本作では新人時代のメンターが亡くなりその未亡人から故人が自宅に持ち帰っていた殺人調書を託される。それは路地裏で殺害された麻薬中毒の若者の事件で故人が何に関心を持っていたのか不明なまま事件に取り組むことになる。一方、判事の殺害事件で異母弟が無罪を勝ち取るのだが調査に協力したことで古巣のロス市警から非難されることになってその真相究明に取り組むことになり、更にはバラードが関わっているホームレスが焼死した事件も以外な展開を迎え、ということで三つのそれなりに入り組んだ事件の捜査がこんがらがることもなく進んでいくところはやはり見事。ものすごく面白いのだけど…途中で放り出された箇所があるような気がしてどうにもすっきりしない。ざっと読み返してみたのだけどやっぱりどこかおかしい気がする。少し間を置いて再度最初から読んでみようと思うけどそんな感じ。面白いことは面白いし、このボッシュとバラードのシリーズは今後も楽しみなんだけど…どうにも気になる。