古沢嘉通のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
北京五輪の開会式を彼女と見たあの日から、世界はあまりにも変わってしまった――『三体X』の著者・宝樹が、中国の歴史とある男女の運命を重ね合わせた表題作、『三体』の劉慈欣が描く環境SFの佳品「月の光」、春節シーズンに突如消えた列車の謎を追う「折りたたみ北京」著者の郝景芳による「正月列車」など、14作家による中国SF16篇を収録。ケン・リュウ編による綺羅星のごときアンソロジー第2弾。解説/立原透耶 本書は新☆ハヤカワ・SF・シリーズ『月の光 現代中国SFアンソロジー』を改題・文庫化したものです。
〈収録作品〉
序文
ケン・リュウ
夏笳(シアジア)「おやすみなさい、メランコリー」
劉慈欣(リウ・ツーシン)「月の光」
糖匪(タンフェイ)「壊れた星」
韓松(ハン・ソン)「潜水艇」「サリンジャーと朝鮮人」
程婧波(チョン・ジンボー)「さかさまの空」
宝樹(バオシュー)「金色昔日」
郝景芳(ハオ・ジンファン)「正月列車」
飛氘(フェイダオ)「ほら吹きロボット」
張冉(ジャン・ラン)「晋陽の雪」
吴霜(アンナ・ウー)「宇宙の果てのレストラン――臘八粥」
馬伯庸(マー・ボーヨン)「始皇帝の休日」
顧適(グー・シー)「鏡」
王侃瑜(レジーナ・カンユー・ワン)「ブレインボックス」
陳楸帆(チェン・チウファン)「開光」「未来病史」
エッセイ 王侃瑜/宋明煒(ソン・ミンウェイ)/飛氘
*****
中国SF短篇集で「折りたたみ北京」に続く第2弾とのこと。
色々なタイプの作品が収められているので玉石混交なのだけれど、僕にとっては玉の方が多かった。
「折りたたみ北京」は積読状態だし「三体」は長編過ぎて読むのを躊躇しているのだけれど、俄然読みたくなってきた。
ただ700頁を超える文庫なので、上下巻に分けても良かったような気がする。
読んでいてちょっと手が疲れてしまった(体力付けろ! ってことだろうか)。 -
Posted by ブクログ
ハリー・ボッシュ・シリーズ、20作目。
元ロス市警の凄腕の刑事で、退職後は郊外のサンフェルナンド市警の予備刑事になっています。
未解決事件捜査に活躍しているボッシュのもとに、昔のパートナーだったロス市警のルシア・ソトがやってくる。
検事補と今のパートナーの刑事と一緒で、ボッシュが30年前に逮捕した連続殺人犯プレストン・ボーダーズに関して、あらたな証拠が出たという。
DNA捜査が未熟で証拠として認められなかった時代のことだが、今回の発見で、当時ボッシュが違法行為を行ったという疑いがかかったのだ。
DNAという動かしがたい証拠。
ボーダーズの弁護士ランス・クローニンはボッシュが証拠を捏造したと主張。
ロス市警もボッシュが退職した時にいざこざがあったため、罪を押し付けようという態度が見える。
刑事として働く最後の時期に差し掛かっているボッシュに降りかかった、思いがけない汚名。
リンカーン弁護士と異名を取るミッキー・ハラーに、ボッシュは協力を求めます。
サンフェルナンド市では、薬局の経営者が銃殺される事件が起き、ボッシュも駆り出された。
犯罪者集団のアジトを突き止めるために、ボッシュは潜入捜査に挑む。
どうなる‥? -
Posted by ブクログ
「リスポーン」行動心理学によれば人間の行動は大きくレスポンポンデント条件付けとオペラント条件付けに分けられる、簡単に言うと環境に対して行動が発現する。それの極端な形が”ゲーム”である、というところからアイデアとったのかな?と思われる短編。ゲームの中でプレイヤーはどんな人にでもなれる。でも所詮それだって、条件付けの産物にすぎない。じゃあ、俺は俺のままでもなんだってできる。そういうことだろ?みたいな話。ゲームSFの懐の深さを見せつける読みやすい良作。
「救助よろ」ケン・リュウは別格なので置いておくとしたら、これが一番面白かった。最初から現社会と異世界の合いの子みたいな世界観で、まあ、SFなんだしこういうこともあるかなぁ、と思いながら読んでいたら意外な仕掛け。ゲームみたいな世界だったらなあ、とは誰しも一度は思うこと(多分)。でもラストのオチはお約束みたいでイマイチだったかな。そんなに悪い世界とも思えないし……。
「1アップ」ゲーム好きが、ゲーム好きならではの発想や推理力から、大きな敵に打ち勝つという王道ながら感動のストーリー。レディプレイヤーワンに求めてたのはこれだったのに……(その話は今は関係ないでしょ)。
「猫の王権」認知症とゲームの未来について、といった解説がなされていたけど、着想はゲームばかりでコミュニケーションを取ってくれなくなってしまった隣人からなのでは? ある意味どこにでもある話なのだと思う。ラストの解釈は難しいんだけど、そういう方向から考えたら、「ゲームは確かにコミュニケーションを奪う、でもそこにはそれだけの魔力も確かに存在している」ってことかな?
「神モード」セカイ系! 崩壊していくセカイ、そこに残されるきみとぼく。よくあるストーリーだけど、それでも好きなものは好き。コメント以上。
「リコイル!」MGSが好きなんだろうなあと思いました。
「キャラクター選択」ゲームがスカウトの役割を果たす、というアイデアは「The video game with no name」にもありましたね。こっちはちょっとひねってある。ネットの感想で「なぜわざわざガーデニングの上手い人をとるのか、オチが雑」というのを見たけど、多分「戦うことを求められる場においても人々の幸せを求めて違った選択肢を見つけられる人こそが平和を守るためには必要」。泣ける。
「時計仕掛けの兵隊」ゲームを進めるに連れて、ゲーム世界と作中世界、そして現実世界までもが交錯していく様は、まさに”ナラティブ”なゲーム体験。抑圧され、知ることを許されず、自己選択を制限されることの苦しみ、それに不自由な身でありながらも少しでも抵抗しようと試みるのは、何よりもそれが自分自身の問題であるから。「無知であることと、知ろうとしないことは、別物である」これはアレックスに向けた、そして私たち読者に向けたメッセージ。その読後の余韻の重さにしびれる。