あらすじ
警察官になっているボッシュの娘、マデリンは未解決事件班に加わり、とてつもない事件に突き当たる。
1947年の未解決殺人“ブラック・ダリア”事件解明への鍵を手に入れたのだ。
複数の事件が絡み合い複雑化するなか、捜査陣からも犠牲者が。
果たしてバラードたちはすべてを解き明かすことができるのか。
2025年度バリー賞最優秀長編賞受賞作!
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Posted by ブクログ
マイクル・コナリー『迷宮 下』講談社文庫。
マイクル・コナリーの39冊目の長編。レネイ・バラード刑事シリーズの第6弾。
一難去ってまた一難。二転三転のうねるような展開とレネイ・バラードが画策した見事な結末。
バラードが対決する相手は未解決事件の真犯人たちだけではなく、新たにロス市警未解決事件班に加わったマディをクビにしろと言い出すロス市警のトップやブラック・ダリア事件の真犯人を示す新たな証拠の受け取りを拒む地区検事長と一筋縄ではいかない。
一般企業でも必死に品質改善に取り組む社員が居る一方で品質問題を隠蔽したり、売上だけを重視して品質を無視するようなトップが居るのだから、似たような構図である。
ハワイ出身でサーフィンを日課とするロス市警未解決事件班のバラードは、こうした組織の軋轢と犯罪者捜査、自ら陥ってしまった窮地を全てを決着させてしまうのだから、本当に胸がすく。
バラードとボッシュがFBIと連携し、テロ組織による無差別銃撃計画を未然に防ぎ、無事にバラードのバッチを取り戻したのだが、マスコミにボッシュが情報提供者であることがリークされる。
一方、未解決事件のまくらカバー強姦犯を追うバラードらロス市警未解決事件班のメンバーは地道な捜査により少しずつ真犯人へと近付いていく。
さらには、マディが掴んだ1947年に起きた有名な未解決殺人事件であるブラック・ダリア事件解明する鍵により、多くのことが明らかになり、犯人を特定するための証拠固めが行われる。
そんな中、まくらカバー強姦犯に近付いていたロス市警未解決事件班のメンバーの1人が何者かに銃殺される。組織の混乱に乗じたバラードの上司は、マディをクビにしろと言い出し、バラードはマディを未解決事件班に残ずための方策に頭を抱える。
果たして、バラードたちは全ての事件は解決出来るのか……
そして、マディの運命や如何に。
本体価格1,050円
★★★★★