古沢嘉通のレビュー一覧
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大分前に買って放置していた本。
ゲームというお題のアンソロ集。テキストゲームを選んだ人が多いのがちょっと意外でしたが…文筆家が選ぶんだからそれもそうか、と今思いました。
猫の王権とキャラクター選択が好きでした。
桜坂 洋「リスポーン」
デヴィッド・バー・カートリー「救助よろ」
ホリー・ブラック「1アップ」
チャールズ・ユウ「NPC」
チャーリー・ジェーン・アンダース「猫の王権」
ダニエル・H・ウィルソン「神モード」
ミッキー・ニールソン「リコイル!」
ショーニン・マグワイア「サバイバルホラー」
ヒュー・ハウイー「キャラクター選択」
アンディ・ウィアー「ツウォリア」
コリイ・ドクトロウ「アンダのゲーム」
ケン・リュウ「時計仕掛けの兵隊」 -
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ネタバレ女性連続レイプ事件と、巨額遺産相続人の調査。
2つのストーリーをボッシュが前者は警官、後者は探偵として追う。
ただ、この2つのストーリーは交わらない。
推理小説にありがちな交差して、複雑な展開となって、
一挙に2つとも解決する、という展開にはならない。
マディとの関係、ベトナム戦争での記憶、元警官としての矜持。
様々なことが2つのストーリーのあいだに微妙に交差し、過ぎていく。
ボッシュの日常を描いた作品と言えるだろう。
シリーズも30作目。
ファンとしてはこのような作品もあっていい。
等身大のボッシュが日々どのように考え、悩み、事件に立ち向かっていくのか。
一つ確実に言えるのは、ボッシュは筋金入りのワーカホリックということだろう。
事件に携わっていることが自身の人生への大きな励みになっているように思えてならない。
最後に、ボッシュは刑事復帰への足がかりを掴んで終了する。
やはり筆者もボッシュを探偵ではなく、刑事として描きたい気持ちの方がが強そうだ。 -
Posted by ブクログ
いわゆるビデオゲームを題材に12のSF短篇が集うアンソロジー。話題のケン・リュウや、「All you need is kill」の桜坂洋、「火星の人」のアンディ・ウィアーなどネームバリューのある作家もちらほら。というより、恥ずかしながらそれ以外は初めて知る作家ばかりで、ある意味新鮮なアンソロジーでした。
個人的には次の作品が面白かったです。
・桜井洋「リスボーン」:リスボーンというゲーム特有用語を用いた小説。オチはちょっと弱い気がしましたが、ゲームSF小説らしさを感じる小説でした。
・チャーリー・ジェーン・アンダース「猫の王権」:健忘症のパートナーの治療を目的にとあるゲームを勧めたところ…ゲームは単なる娯楽に留まらず、様々な用途に用いられることもある。そんなゲームの多様性を感じる小説でした。でもなんか最後は哀しい。
・ケン・リュウの「時計仕掛けの兵士」:本書でのベスト。女バウンティ・ハンターは依頼どおりターゲットを確保するが、帰還の宇宙船で暇つぶしにターゲットが作成したテキスト・ゲームをはじめてみたところ…巧みなストーリーテリングは流石。 -
Posted by ブクログ
>はじめに神は画面を創造された。
>画面は混沌であって、闇がすべてを覆いつくし、なにもなかった。
>神は言われた。「ドットあれ」こうして、ドットがあった。ドットは光であり、画面は闇であった。神は言われた。「パドルあれ」こうして、パドルが産まれた。
ゲームをモチーフにしたSFのアンソロジー。
桜坂洋・アンディウィアー・ケンリュウと顔ぶれが豪華で、テーマも斬新、タイトルで面白そう!と思って手に取ったけど面白かった。原書は26篇500ページ超だということで、未訳になったのも読みたい!なんで減らしたのさ!500ページじゃ売れそうにないからか!?・・・売れなさそう・・・。
特に面白かったのは、桜坂洋「リスポーン」
カートリー「救助よろ」ブラック「1アップ」マグワイア「サバイバルホラー」ハウイー「キャラクター選択」ウィアー「ツウォリア」・・・挙げてくと全部挙げる羽目になりそう。
「1アップ」が一番良かったかな。
ネットゲーム友達が死んだというので家を訪ねると、故人の遺作自作ゲームが残されていて、そのゲーム内指令を現実でクリアしていく。最後に辿り着いた結論が・・・!というお話。緊迫感があって良かった。
「サバイバルホラー」とか「救助よろ」のゲームが現実に侵食してくる感じもすごい好き。
たった8ページの「ツウォリア」も好きだなー。『ふわふわの泉』『不全世界の創造手』とかみたいな、世界を良くしてくれるわくわくが素敵。いやさすがウィアー、この人は外れないわ。
ケンリュウは、なんかSFとしてすげーって感じあるんだけど、今んところあんま好きになる短編に出会わないなー。なんか読みづらい。売れてる作家が自分に合わないのだとすると惜しいというか悔しいというか残念。
ちょいちょいネットスラングが使われてて、原文のイメージを生かそうとしているんだろうけど、こういうスラングってすぐに風化するから今読むとちょっと恥ずかしいのが難点。と言ってもきっと原文のスラングも同じ恥ずかしさを抱えていそう。 -
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「短編画廊 絵から生まれた17の物語 (ハーパーコリンズ・フィクション)」
新ジャンルに遭遇。
エドワード・ホッパー(1882-1967)。 作家ローレンス・ブロックは、ホッパーの作品は「絵の中に物語があること、その物語は語られるのを待っていること」を強く示唆していると語り、ホッパーの絵から物語を紡ぐこの短編集を考えついた。
しかし、良く思いついたなぁ。それが率直な感想。ブロックの呼びかけに集まった面々の中にスティーヴン・キングが居るからと言う理由だけで読んだ私は、美術に全く詳しくない為、ホッパーが如何に偉大な画家だったなのか全く分からない。
各短編を読んでみて、よくここまで膨らませてストーリーを書けるなぁと思った。作家は0から話を考えることもあるから、ホッパーの絵が題材になる今回は多少は楽なのかも知れない。しかし、題材にするからには、ホッパーの絵の意図を汲み取ること、汲み取るまでにはいかなくとも、絵を見て感じなければ、きっと小説を書くことは出来ないし、きっと当て書きよりも難易度が高そうだ。更に、もしかしたら小説を読んだ熱狂的なホッパーファンが、やんや言ってくるかもしれないのだ。なんと面倒なことだろうか。
とは言え、「ガーリー・ショウ」を読むときっと熱狂的なホッパーファンも納得してくれるのではないか。序盤からすると暗めなストーリーと思いきや、最後のオチ。去り際には女性のキレを感じる。おぉ、ポーリーンよ!と思っちゃう。
「キャロラインの話」は、きっと良い話なんだろう、いや、違うのか?と思わせる。あれ?さくっとバレて意外な方向にいくと思いきや、もしかしたら違うかも?と思ってしまった。間違いなく良い終わりに行くはずなのになんでだろう。インパクト弱めだが、気になる短編。
「アダムズ牧師とクジラ」はユーモラスな締め。「音楽室」はキングらしいダークなストーリー。音楽は野蛮な野獣を抑えるって言う台詞がまあ何ともで、最後はローレンス・ブロックによる 「オートマットの秋」 。
どれもホッパーの絵からインスピレーションを受けて描かれていたとは思えない。ホッパーを知る人ならば、きっと楽しめるのだろう。知らない人でも、純粋な短編として楽しめる。