ジェフリー・ディーヴァーのレビュー一覧
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これは、すっかり騙されました。
第1作の『ボーン・コレクター』こそ犯人の目星がつかないまま最後の直接対決まで読んでしまったけれど、2作、3作と実行犯の後ろにいる黒幕はわかったので、今回も余裕をかましていたのですが。
今回は黒幕であるはずの”ゴースト”が実行犯でもあるので、混乱したのです。
2作目も3作目もライムが実行犯を追い詰めて、その後ろから黒幕があぶりだされるというパターンでした。
しかも、黒幕はライムのわりと近くに現れる。
ところが実行犯のゴーストはライムから逃げているのですから、黒幕としてのゴーストはライムのそばにいられない。
だから、誰がどうやってライムの動きをゴーストに教えているのかを考えながら読んだのですが。
ゴーストの正体がわかった時の衝撃たるや。
しかもそれが引き起こすであろう悲劇をどうやって回避するのかが全然想像できない。
というか、想像する間も惜しんでストーリーにのめり込む。
だって、結構ライムの味方も命を失ったり障害を負ったりしがちだからさ。
今回は、珍しくライムと意気投合した彼の死が本当に惜しまれる。
なのにゴーストは平然とライムたちの目の前でアメリカ国外へ脱出しようとする。
なんでそんなことになるの?
でも、私もずっと気にはなっていたのだ。
いくら執念深い性質だとはいえ、なぜゴーストは、密入国者たち全員を殺すことにこだわるのか。
今回はすっかり作者にやられましたな。
次作はもっと注意深く、そして先入観を持たずに読もう。 -
Posted by ブクログ
タイトル通り「驚愕の結末」が待っているミステリ短編集。短くても充分すぎるほどの盛り上がりと反転が楽しめる作品ばかりです。
ライムシリーズである「完全犯罪計画」にはどきどき。ライムの命を狙う何者かの存在。敵はいったいどのような攻撃を仕掛けてくるのか……そしてここから「真夜中の密室」へ繋がるようです。そういえばまだ読んでいなかった「真夜中の密室」。
多くの人物が登場する群像劇「魔の交差点」にもやられたなあ。まさかこんな展開だったとは。人間は一面から見ただけではわからないよね、という気分です。「麗しきヴェローナ」「どんでん返し」も一筋縄ではいかない物語。どんでん返しがあるだろうと予測はしていたものの、読めなかったなあ。 -
Posted by ブクログ
中国からの密航船に乗船している、国際手配中の犯罪者”ゴースト”を逮捕するため、ライムたちは密航船の位置を特定し拿捕しようとした。
しかしそれに気づいたゴーストは、船を沈没させ、証言者となり得る密航者たちを殺したうえで逃亡を図る。
ゴーストの手から逃れた密航者を執拗に追いかけるゴースト。
密航者たちを救出し、ゴーストを逮捕したいライムたち。
生き延びるために姿を消した密航者たちの居場所を、どちらが先に突きとめるのか。
それから、謎の、ゴーストの手下の正体も。
前回延期となったライムの手術が、近々行われる予定になっている状況での捜査。
ライムの詰めが時折甘くなるのと、サックスの集中が途切れがちなのが気になる。
頭脳では圧倒的に優秀なライムも、人を羨んだりない物ねだりをするところが、このシリーズのいいところなのかもしれないが。
今までシリーズを読んできて感じる傾向としては、黒幕の協力者はライムの懐近くにいる。
船に同乗していた手下と、ゴーストが買収している警察関係者のうちのどちらか、または両方が。
とすると怪しいのは…。
それから、ティーンエイジャーに対しては、怖い目に遭わせることはあっても、殺された人は今のところなかったはずだし、悪く見られていても根はいい子だったりするので、反抗期の少年は味方なんじゃないかと思っている。
さて、正解はいかに。 -
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“逆行”するミステリー。
映画の「メメント」が好きな自分にはかなり刺さる設定だった。 いままで知らなかったのが悔しくなったほど。
本作は、通常なら最終章にあたる結末部分から始まり、そこから過去へと遡っていく構成になっている。冒頭を読んだ時点では、ここで終わるの? この先どうなるの?という不安とわくわくが同時にあった。しかもここから“過去”へ遡っていくため、未来側の情報はもう増えない。本当に全部繋がるのか半信半疑だった。
その不安は杞憂だった。必要な情報が絶妙なタイミングで配置されていて、逆行する構成そのものがどんどん気持ちよくなってくる。
ふだんは細かい伏線確認のために読み返したりは面倒臭がってあまりしない。けれど流石に、この本の“最終章”、事の始まりの第1章まで読み終えた後には、あの時何て言ってたっけ?と慌てて読み返した。
最後まで読むと、冒頭の章で何が起きたのかがわかる。真相も含め、“逆行”だからこそ成立する面白さがある作品だと感じた。 -
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最後の最後まで真相がわからず、ハラハラしました。
上巻の時点で予想していた黒幕については合っていましたが、目の前の事件と黒幕が全然繋がっていかなくて。
殺人や誘拐の犯人と目されていた少年の無罪を信じて、サックスは少年を刑務所から逃がすのだけど、無罪を信じた決め手というのがよくわからなかった。
後にライムが少年と会った時にも、サックスが無罪を信じた理由がわかったというようなことが書いてあったけど、それもよくわからなかったなあ。
サックスの暴走により、地元の警察官に何人もの死者が出てしまったことで、うまく事件を収めることができるのか。
登場人物表に出てこない”宣教師”とは何者なのか。
なぜ敵は、いつもピンポイントでライムたちの裏を賭けるのか。
など、考えることがたくさんあって、楽しかったです。
しかも、黒幕はさておき、実働部隊の面々がさあ…玉ねぎを剥くように次々に…。
さすがにこれで終わりだろう、と思っても、まだ出てくるんだよ。
アメリカ南部の田舎町って、こういう感じなの?
怖い~。
もう、誰も信じられない。
でも、最後の方に出てきた、背の高い黒人の男の正体はすぐにわかったので、ライムがサックスのことを最後まで守ろうとしているのがわかって、安心した。
でも、町の人たちはこの解決で納得できたのでしょうか。
私がこの町の住人だったら、怒髪天だよ。 -
Posted by ブクログ
ニューヨークから離れてノースカロライナ州に来たライムとサックス。
成功の可能性は限りなく低い、最先端の脊椎手術を受けるために。
そこへ地元の保安官から、少年を殺害し、少女を誘拐した少年を探してほしいと依頼を受ける。
地元からは札付きの悪と言われているギャレットは、追っ手を撹乱するための罠をいくつも仕掛けていて、警察官が一名死亡する。
手術までのわずかな時間だけ協力することにしたライムとサックスは、鑑識の技術を動員して少年を捕まえることに成功したのだが…。
証拠第一主義のライムは、ギャレットの犯人だと決めつけるが、実際にギャレットを捕らえたサックスは、彼は殺人を犯していないような感触を得る。
それを確かめるため、留置所に向かったサックスは…。
上巻なので、この先どんな展開になるかはわからないけれど、一応犯人等を予想しながら読んだ。
怪しい人は一人思い浮かんでいる。
賞金稼ぎに情報を流したり、留置場の裏口を開けておくようにした人。
その他に、黒幕か実行犯かわからないけれど、ギャレットが少年を殺害したとしている人物も予想はついた。
ということは、結構大掛かりな事件になりそうなんだけど、予想当たるかな? -
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これぞディーヴァーの超ドエンタメミステリー、気軽に楽しめる短編集 #サプライズ・エンディングス
■きっと読みたくなるレビュー
超ドエンタメミステリーと言えばこの人、ジェフリー・ディーヴァーの短編集『サプライズ・エンディングス 嘘』
ディーヴァーの短編集を読むのは初めてだったんですが、想像以上に楽しめました。思った以上に物語の密度が濃いのにびっくり、読み応えがあるんよ。もちろん驚きを仕込むのも忘れていない。
おすすめは『帰任報告』『ターニングポイント』で、これぞディーヴァーの謎解きですよ。素晴らしかったです。また巻末に収録されている川出先生の解説も、作品の背景が知ることができてありがたいです。
時間があるときに気軽に楽しめるミステリー短編集でした~
●被害者クラブ
名門大学の女性教授がレイプドラッグによって卑猥な写真を撮影され、さらにネットに公開されてしまう…
アメリカのカレッジ文化の裏側を垣間見える作品、物語としては着実なミステリーです。終盤から一気に真相まで突き抜けていく感じが好き、タイトルも秀逸。
●忘れられし者
麻薬で捕まってしまった青年、被害者の仲間に目をつけられてしまい刑務所は危険な状況。無実を信じる父親は… 懸賞金ハンター、コルター・ショウシリーズの短編。
コルター・ショウって賞金稼ぎというダークな稼業なんだけど、誠実でイケメンなイメージですよね。本作もドラマの主人公のようでした。しかしどの国にも社会的弱者ってのは居てさ、なんだか切なくなってきますね。真相を追うミステリーとしても楽しめました。
●帰任報告【おすすめ】
エルパソ市警がメキシコの麻薬カルテルの取引現場を追う。
本作も映画化希望、おもろい! なんといっても躍動感、そして想像以上のプロットに驚愕ですね。
●ターニングポイント【おすすめ】
殺人現場にマトリョーシカ人形が落ちているという連続殺人事件。人を腐さすことしかできない嫌な男と刑事の視点で物語が進行する。
まぁ嫌な奴が出てきて思わずニヤニヤ、このキャラクターは忌々しくて脳裏に焼き付く。そしてやっぱりディーヴァーの切れ味鋭さだねっていうミステリー。おもろい! -
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どんでん返しの名手ジェフリー・ディーヴァーの短編集、結末や如何に… #サプライズ・エンディングス
■きっと読みたくなるレビュー
どんでん返しの名手、ジェフリー・ディーヴァーの短編集『サプライズ・エンディングス 罠』
どの作品もタイトルとおりで、驚きのエンディングが待ち受けてるんだけど、ひとつひとつ技が違うのは流石ですよね。また物語の背景や舞台、アプローチもそれぞれ違うから飽きずに楽しめますね。
好きなのは『魔の交差点』『麗しきヴェローナ』、どちらも映像が目に浮かんでくる。人間像に血肉が感じられるんすよねー。素晴らしかったです。ちなみに続き『サプライズ・エンディングス 嘘』も、この後レビューします。
●完全犯罪計画
リンカーン・ライムシリーズの短編。リンカーンライムが命が狙われているという情報がはいり警戒するのだが…
終始ヒヤヒヤさせる一気読みサスペンス! 例の人物が出てきてファンとしてはニヤリですね。犯罪に使われるツールや技術がどんどん新しくなってきて物騒ですね、リンカーン・ライムもどんどんアップデートして悪者には負けないでほしい。
●魔の交差点【おすすめ】
様々な立場で生きる人々、彼らがコンビニで犯罪に相対したとき…
ある事件を背景にした群像劇、様々な人と人とのつながりが入り乱れる人間交差点です。短いお話なのに登場人物が一気に6,7人でてくるので、人名を覚えられない人はメモしながら読むのが吉。ネタバレしない程度に私のメモを書いておきます。
・ジャマール:黒人男性、銃を入手しようとする若者
・アダム:退役軍人、物乞い
・レイニー:女性、不倫中
・カルロス:黒人男性、離婚協議中
・ブレット:殺し屋
・フロム:警察官
アメリカの治安が悪いエリアの一時一部分を切り取ったようなお話。ちょっと間違えば命が危ないすよね… ひとりひとりの会話や行動が目に浮かぶんすよね、顔つきまでイメージできちゃう感じでした。
●麗しきヴェローナ【おすすめ】
2つの犯罪組織が覇権争いになっている。しかしお互いのボスの息子と娘がどうやら恋仲のようで…
犯罪小説版のロミオとジュリエットです。もうこれ映像でみたい、めっちゃ面白そうじゃん! こういう小説こそ海外ミステリーでしか読めないと思うんだよね、イチ推し。
いつの時代も世代によって対立構造が作られがちだけど、結局年齢差じゃなくて人間性だよなーって思ってます。
●どんでん返し
巨悪犯を逮捕するため、刑事たちが人気ミステリー作家に作戦の依頼をするが…
漫画みたいな設定、破天荒はプロットを思いついたところで、ちゃんと組み立てられているのが恐ろしい。しかも本作、短編ですからね。すっきりまとめているところもスゴイよね。テクニックに目を見張る作品でした。 -
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あっという間に読み終わってしまった。300ページ。
FBIの重要参考人3人を殺すべく、コフィン・ダンサーと呼ばれる殺し屋が雇われた。
参考人は3人のパイロットで、うち2人は夫婦。
そのうちの夫の方が、早々に殺されてしまう。
リンカーン・ライムたちは残された2人の参考人を守りながら、コフィン・ダンサーを追い詰める。
とはいえ、ライムたちはあくまでも鑑識であり、現場に残された証拠がなければ何もできない。
どうしたって初動は、犯人の後を追いかけるだけになってしまう。
どこで犯人に追いつき、先回りできるか。
犯人は心を病んでいる。
いつも心の中に、厳しく鍛錬する上官となんとか認めてほしい自分がいる。
多分幼少期に、父親に抑圧されていたのだろうと思われる。
軍隊式に厳しく殺し屋に育て上げられた犯人は、ライム並みに状況判断が的確で、行動が迅速。
ライムもそこそこ良い読みをしているのだが、上巻の段階では追いついたとはまだ言えない。
しかし、ものすごくいいところで上巻が終わってしまって、我に返る。
ちょっと待って。
このまま作者の手のひらの上で転がされてていいの?
まず、最初から殺し屋も、それを雇った黒幕も明かされているけれど、本当か?
割と早い段階でそこに疑問を感じたので、私の中では黒幕別人説が有力で、それは誰かというところまでは想像できている。
しかし、ものすごくいいところで上巻が終わってしまったので、もしかしてミスリードされているのでは?と思ってしまった。
殺し屋(スティーヴン・ケイル)とライムが思うコフィン・ダンサーはイコールなのか?
ちょっと殺し屋の背景が書かれ過ぎじゃない?と我に返ったのだ。
だってボーン・コレクターの時、犯人視点で書かれたあれこれは、フェイクではないものの、ミスリードを誘導させるものだったはず。
だとしたら…。
などと、読み終わっても妄想が止まらない。
たいていいつも考えすぎて空振りなんだけど、いいの。
こういう余韻が楽しいのだから。
ああ、早く下巻を読みたい。 -
Posted by ブクログ
なかなか犯人と思しき人物が出てこなくて、これはパトリシア・コーンウェルの『検視官』シリーズのように、なんの伏線もなくいきなり犯人が断定されるやつか、と思ったけれど、実際に犯人が姿を現したら、ちゃんと伏線もあったことに気がついた。
うん、これはちゃんとしたミステリ。
3人目の被害者からは、生きているうちに救出することができたので、ライムたちの勝ちだなと思いながら読んでいたのに、犯人は被害者の生死など最初からどうでもよいと思っていたんだな。
犯人が姿を現した時、たまたまそばにいた人が巻き添えを食ってしまったのはショックだったし、その後の展開も想像を絶するけれど、何事もなかったかのように次の事件が持ち込まれるのが一番ショックだったかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレニューヨーク市警で科学捜査のエキスパートだったリンカーン・ライムが主人公のシリーズの第一弾。
現在のライムは、事故のため四肢が麻痺し、首から上と左手の薬指しか動かすことが出来ない。
自殺しようにもそれすらできない状況で、彼は楽に死なせてくれる人を探している。
そんな時、猟奇的な殺人事件が起きる。
元同僚たちはライムの寝室を捜査本部とし、殺人犯を追うのだが、実際に現場に行って鑑識業務を行うのは、関節炎に苦しむ美貌のパトロール巡査のアメリア・サックス。
彼女は傍若無人なライムに最初は反発するけれど…。
事件がニューヨーク市警からFBIに横取りされたところまで。
サックスの現場検証とライムの頭脳で、3人目の被害者は命を取り留めたというのに、FBIに何ができるというの!という気持ちと、4人目のターゲットが犯人にロックオンされてしまった状態のまま、下巻へ続く。
続きが気になるやないかい!