ジェフリー・ディーヴァーのレビュー一覧
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電力会社のシステムを使って、電気が無差別に人々を攻撃する。
停電になっても大放電となっても、現代の社会は成り立たない。
それを知っての犯人の攻撃なのだが。
無差別に人を殺して回るというのは、さすがにやりすぎだと思う。
そして手段が電気なのが怖い。
私はゴリゴリの文系なので、電気のことはさっぱりちっとも全然まったくわからないので、余計に怖い。
なので、犯人については情状の余地なし。
イケイケどんどんのサックスと、自分に自信がなくて一歩引いてしまいがちなプラスキーはいいコンビだと思っていたけど、今回はさすがのサックスも恐怖を隠し得ない。
そして最後の最後でプラスキー!!
もう一人、初期から結構お気に入りだったFBIのデルレイが、最新の捜査手法と合わなくて焦りが見えるのが気になる。
デジタル操作が主流の現在、自ら潜入したり情報屋を使ったりとアナログなデルレイは、もっと自分に自信を持っていてほしいのだが、ライムのフォローもほとんどないまま、勝手に年寄り枠に転がり落ちて行っているようで。
下巻での巻き返しを期待してる。 -
Posted by ブクログ
読んでいて違和感を覚える「シックスティーン」という表記。
最初は犯人が16歳の少女たちを狙っているのかと思った。
けれど老若男女を問わず、その辺にいる人々を見な一律に「シックスティーン」と脳内で呼んでいる。
また、犯人が被害者の名前の後に付けている4桁または4個の数字。
その名前の人物に、何らかの意味を付加しているのだとは思うが、数字の意味が読み解けなかった。
けれど、4桁×4つの数字、つまりそれが「シックスティーン」だと気がついて、ああ、あの番号ねと思ったところから、作者の書きたかった全貌は見えた気がする。
もちろん細部は全然わかっていないので、犯人は誰と一人には絞れていないが。
気に入ったものはすべて手に入れたいと思う犯人。
もちろんそんなことが世間にばれてはよろしくないので、自分の痕跡を残さず、逆に身代わりの痕跡を置いて、犯行を重ねる。
この徹底した「痕跡を残さない」こだわりは、「痕跡」の意味を熟知しているからに他ならない。
情報は、データは、弱点にもなるが、すべての人々のすべての情報を知る者は、おのずと権力を手に入れたも同然となる。
ヒットラーを見るまでもなく。
単純に読むと「すべてを手に入れたい」犯人は、すべての情報を知り権力を持ちたいあの人に重なるが、そんな簡単でいい?
あの人の後ろに巧妙に隠れている人がいるのではないかと思って読んでみたが、今のところわからない。
ライムが追っていた国際的な殺し屋の事件、セリットーが追っていたロシアン・マフィアの事件も、この事件と重なってくるのか?
サックスがかわいがっている女子高生の悩みは、ライムの高校時代の苦い思い出を昇華させそうな気がするけれど。
それと、今回2ページにわたる登場人物紹介があるのに、そこに出てこないアントワン・ジョンソンが気になる。
拘置所にいるアーサーを何くれとなくかばう、大男の黒人。
彼かなあ?って思っているのだけれど。 -
Posted by ブクログ
今回は冒頭から犯人たちの名前と手口が語られる。
ということは、動機を探るミステリなのか?
そして刑事に昇進したサックスは、初めて事件捜査の指揮を取ることに。
たとえそれが自殺であっても、捜査を疎かにしないサックスは、自殺することが不可能な証拠を見つけ、殺人事件として捜査を続ける。
本来は、ライムが指揮を取っている連続殺人の事件をメインに動かなければならないサックス。
でも、初めての事件だから最後まで責任をもって取り組みたいし、しかしライムの事件は重大案件で…「事件を二つ抱えることは可能です」と突っ張ってしまうのだよね。
というわけで、ライムの事件、サックスの事件、犯人の視点とストーリーが細切れになってしまい、進捗はもったり。
犯人の魔の手が!ってところで視点が切り替わり、次に犯人の視点に戻った時は大した展開になっていないパターンが続く。
いや、おかしいだろう。
時計のようにきっちりきっちりした完璧主義者の主犯と、感情が先立つ従犯の取り合わせも不自然だし、完璧主義者の割には結構想定外の出来事が多すぎる。
これは、どちらかがどちらかを裏切っているのかも。
いや、いつものパターンなら、捜査側の方に裏切り者がいる筈だ。
二人ほど怪しいと目星をつけている人がいるが、裏切り者だとしたら二人は多すぎる。
さくっとダンスが見切ってくれないだろうか。
そして今回一番のピンチはサックスの心情。
何よりも汚職警官を憎んできた彼女の心の芯にあるもの。
それが揺らいでしまった。
けれど、この汚職警官の流れがきっと、二つの事件を繋ぐんじゃないかと思っているのだけど、続きを早く読みたいわ~。 -
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上巻を読んでいた時にずっと感じていたのは、140年前の冤罪事件が、なぜ現代の女子高性を殺害しなければならないことに繋がるのかが理解できなさ過ぎたこと。
ただ単に「殺してやる」くらいの殺意ではなく、腕利きのプロの殺し屋を雇ってまでなぜ殺さねばならないのか。
しかも、プロのくせに、どうも共犯者との連絡がうまく取れているように見えない。
それぞれが自分の判断で勝手に動いているように見える。
そういうやり口のプロなの?
最初はレイプ目的を偽装して殺そうとした。
次は、テロリストたちの見てはいけない何かを目撃したからという理由で。
それらの違和感は、読んでいるうちにすっかり解消した。
全てに納得したわけではないよ。
黒幕の動機があまりに弱いよね。
ずっと損得勘定で生きてきた人が、自分の人生を賭けてまでやることかね。
私なら全財産を持って姿を消すけどなあ。
不本意かもしれないけど、安全な位置にいられる。
そんな事件のあれこれよりも、今回勉強になったのは、アメリカにおける二重政府のあり方だ。
アメリカの州は日本の県とは違い、独立した政府と法律を持っている。
ただそれを野放しにすると、合衆国として成り立たなくなるので、合衆国としての一段上の連邦政府と法律が存在するわけだ。
合衆国憲法と権利章典は、連邦政府から国民を守るにすぎず、州による人権侵害からは守ってくれない。
そこで憲法修正第○○条を作り、州法上の行き過ぎた人権侵害を防ぐ(例えば人種差別や選挙権等)のだけど、そもそもその修正法のあり方が適法ではないという人たちが今も多数いて、揉めているらしい。
この辺り、日本の憲法9条と似てるかも。
”アメリカ国民は常にバランスを求めてきました。国外の脅威から国民を守り、国民の生活を規制するだけの強さを持ちながらも、暴君となるほどには強くない政府を望んだのです。”
今、アメリカのバランスは結構危ういところで何とか均衡を保っているように見えるけど、無批判にイケイケどんどんと流れに乗っていくと、大きなしっぺ返しがそのうち来るような気がする。
日本だって、そう。 -
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博物館でマイクロフィルムを閲覧していた16歳の少女が、襲われる。
直前に気づいた少女の機転で、なんとか逃げ出すことができたが、代わりに図書室長が射殺される。
会話の最中に室長が狙撃されたことにより、刑事ロン・セリットーは精神的に大きな打撃を受ける。
狙撃犯の狙いは少女・ジェニーヴァだが、彼女が閲覧していたマイクロフィルムが持ち去られたことにより、事件の裏には別の動機があるのではないかとライムたちは考える。
問題のマイクロフィルムにはジェニーヴァの曽祖父について書いた記事があり、公民権運動の旗手でありながら犯罪者として追われたジャニーヴァの祖父が抱えていた秘密とは何か?
というのが大きな謎ではあるのだけど。
私としては、たかだか16歳の少女を執拗に狙う理由が、そのヒントが、この上官に掛かれていなければフェアではないと思うのだけど、一向にそれがわからない。
逆に殺し屋のほうの少し悲しい半生などが描かれているんだけど、これが事件のヒントになっているのかなあ。
ジェニーヴァの両親もあまり愛情深くは見えないし、彼女の身近の誰かが殺し屋を雇ったとなると、疑えるっちゃ疑える。
彼女が死ぬことで、誰にメリットが…?と考えると、親戚だって無関係ではないかもしれない。
だけど、殺し屋たちはジェニーヴァの住所も高校も知らなかったんだよね。
うーん、黒幕は誰なんだろう?
あと、セリットーだけではなく、ライムもまた心に屈託を抱えていて心配。
定期的に訪れる死への願望というか…。
サックスを置いて死んじゃダメでしょ。 -
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「これまでの作品の中で最高の”どんでん返し度”を誇る」と著者が豪語したらしいけど、これ、フェアですかね?
たしかにどんでん返しだったけど。
それまでに何らかの伏線あった?
シリーズを考えると、いい話ではあった。
魔術師の師弟コンビだけではなく、ライムとサックスの師弟コンビについても、それぞれの今後を考えさせる。
弟子はいつか師の元を離れて自分の足で立たねばならない。
そしてその時師は、きちんと弟子を送り出すことができるか。
今回は事件の捜査と並行して、サックスの昇進試験があった。
いつまでも平の巡査ではなく、現場での裁量範囲を広げるためにもサックスは昇進したいと思っていた。
で、結果は、市警史上トップ3の成績を叩き出すのだが。
サックスが鑑識の作業を行っている時に、現場にずかずかと入ってきた男が、実は下院議員で、報道カメラの前で被害者救出などのいい場面を見せようとしていたのに、サックスにつまみ出されてしまったところがテレビに映し出され、昇進試験を不合格にしろ、とか、無給の停職処分にしろとか言いはじめる。
もちろん言うだけではなく、実際に警察組織を動かすわけで。
本当に、質の悪いやつに目をつけられちゃったね、って感じでした。
どこにでも下らん政治家っているんだね。 -
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二重に鍵をかけていても部屋に入ってくる。
手錠をして身柄を拘束しても、するりと抜け出してしまう。
そして、ライムの家に忍び込んで部屋に火をつけることさえ難なくできてしまう犯人。
これは手ごわい。
今回は、実行犯の後ろにいる人はなんとなくわかるんだけど、事件の本来の目的がわからないので、どう関わっているのかがまったく不明。
あと、ローランド・ベルが抱えている事件から引きはがされてライム率いる捜査チームに入って来たけど、代わりにライムがベルの保護対象者がいつどこで狙われるかを注意することになった。
この二つの事件は、どこかで交差するはずだよね、物語的に。
そして、サーカスもどこかで関わってくるんだろうと思う。
犯人の目的とは?
それがわからないので、事件の全容がまったく見えない。