あらすじ
なんと、強姦未遂事件は米国憲法成立の根底を揺るがす140年前の陰謀に結びついていた。そこにジェニーヴァの先祖である解放奴隷チャールズ・シングルトンが関与していたのだ……。“140年もの”の証拠物件と最先端の科学捜査技術を駆使し、ライムはすべてを解き明かすことができるか? 2006年「週刊文春ミステリーベスト10」第4位。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
やはり、読み始めたら、他のことが出来なくなった。「なるほど、こう来たか」と思うところが、何度もある。ストーリーの面白さもさることながら、今回はライムのセリフにユーモアの要素がたぶんに加わり、それも楽しめた。「人はなぜかかならず自分の最大の弱点を最大の武器と勘違いして攻勢に出たつもりになる」とライムが得意げに言うシーンは笑えた。140年前の解放奴隷の事件で、なぜ少女の命が狙われるのか、なぜ12番目のカードが犯行現場に残されたのかが、非常にしっくりとした状態で解き明かされる。読後の開放感は心地よい。また、池田真紀子さんの訳も自然。名人芸の域ではないだろうか。文句なしの★5個。
Posted by ブクログ
やってしまった、気付けば平日の深夜1時、終盤に入ってページをめくるのをやめられなくなってしまった。
個人的には石の猿はいまひとつで、前作の魔術師はまぁまぁだったけど、今作は前作以上に良かった。
終盤にセトルが銀行相手にふっかけるシーンは痛快だった。
カウンセラーに化けたボイドの相棒がセトル親子を連行する直前、ラキーシャの挙動が怪しくて、えっ黒幕?!ってまんまと思わされた。でも、その怪しさの理由が明らかになった時は、けっこう辛かったな。
そして、リンカーンの小さな勝利には驚いた!サックスが気付く前に反応できた自分を褒めてやりたい笑
Posted by ブクログ
やっぱり面白い!
今回はアメリカの古い時代の事件も絡んで、歴史のお勉強まで(笑)
この命を狙われた少女のまぁ大人びたというか、賢いというか、自分のこのころこんな口きけたかと思ってしまったわ。
それにしても今回もさっぱり犯人の予想もたたず、どっぷりとリンカーンの世界に引きずり込まれて、( ̄ー ̄?).....??アレ??( ̄ー ̄?).....??アレ??と、一人大通りの真ん中に立たされた気分でウロウロ。
真っ赤なカマロで乗りこんでいくサックスのカッコいいったら、惚れぼれするね。
相変わらず浮かぶ映像はアンジーなんだけど(笑)
とりあえずルーキーも大丈夫だし、ちょっと心配したセリットー刑事もなんとか立ち直ったようだし、良かったわ~
順序をバラバラで読んできたリンカーン・ライムシリーズ読み終えてしまって、ちょっと淋しいなぁ。
Posted by ブクログ
これだけ引き出しが豊富な作家はすごい。Jディーバーの書いた本を片っ端からよんでいるが、毎回見事に騙される。これだけ違うパターンで読者をあっと言わせる閃きは凄いの一言。
Posted by ブクログ
何回も良い意味で予想を裏切る期待通りの展開。
人種差別という難しいテーマを持ち込むだけでなく、140年前の事件と現在進行形の事件、また警察の目を逸らすための事件など複雑に絡み合いながら進んでいく。
こいつが実は真犯人じゃないかと素人ながら推理したりしてみても、簡単に裏切られ、なんだこっちか?と振り回されながら読み終えました。
やはり、リンカーン・ライムはすごい。
登場人物それぞれが生き生きと表現されているのもポイントが高い。
早く続編が読みたい(^^)/
Posted by ブクログ
博物館内にある図書室で解放奴隷の記事を読んでいたジェニーヴァは何者かに襲われた。現場に残された証拠品から強姦目的かと思われた事件はやがて様相を変えていき……140年前と現在を繋ぐ事件の行方は→
アメリカの黒人奴隷解放や憲法成立が語られるシリーズ6作目。
“5分の3の人間”という意味が最初わからなかったんだけど、読み進めていくと「あぁ」となるし、マジ選挙行こうって思った(本筋と関係なし)
物語としては今作も見事にひっくり返してくれる。何度も。マジで何度も(笑)→
今作は私の推しであるベルが出ずっぱり(ジェニーヴァを警護する係なので)で嬉しい。もう一人の推し、デルレイもいいとこで登場するし、キャラ小説としてもホクホク。
あと、ラストがとてもいい。物語のベースが辛いだけに、ラストの主要キャラの決心には光が見えてとても良い。
Posted by ブクログ
リンカーン6作目
リンカーンシリーズを再読中
内容は覚えていなく、新刊のように読んでいる
追いかけて追いかけて捕まらず
そうかと思えば方向転換したり
過去に読んでいるのに、予想がつかないまま楽しく振り回された
Posted by ブクログ
140年前の黒人奴隷、その歴史に関する内容を今更ながら知れた…
子供の頃に姉と2人で選んだ映画を父親が連れて行くという我が家の慣例行事があった。
2人とも子供のくせに何故だか「ルーツ」を選んだ。
子供心に強烈なインパクトで悲しかった記憶があり、今作はそういう意味でもグッとくる部分が多かった。
今作も予想を裏切る事なく三回転半ひねりのでんぐり返しです(*´ー`*)
子供相手で皆んな優しかった笑笑
無事助かった新人君は今後も登場かしら?
Posted by ブクログ
南北戦争後の解放奴隷の逃走場面から始まるストーリーは、そのDNAを持つ被害者の危機的状況から始まる。リンカーンライムシリーズ特有の疾走感と、幾重にも張り巡らされた伏線(と回収)は相変わらず秀逸で、読む者を夜通し惹き付けて止まない。Colors(有色人種)やジェンダー差別はアメリカだけの闇ではないが、差別・被差別との対比を嫌味なく、誤解を恐れずに書くと、両者ある程度公平に描いている秀作。公民権運動前、有色人種が5分の3人と扱われていたのは僅か150年前のことである。自分を完全な人間として見て生きるか、否かは自分自身で決めることだ、と四肢麻痺の犯罪学者は教えてくれる。
Posted by ブクログ
(上巻より)
それに、高校に刑事が高校生として、潜入捜査しているのも面白かった。
しかも札付きの少女として。
生徒たちが大人びているアメリカの高校ならでは、という気もするが。
あと、ちらっと前回の主人公、イリュージョニストが出てきたのも良かった。
ハッピーエンド好きの自分としては、
当然、ジェニーヴァの人生が好転することを望んでいたが、
例え、彼女の向上心に心を動かされない読者でも、
彼女の祖先の土地をだましとった銀行に、
その権利を請求しに行く最後の場面は溜飲が下がるに違いない。
Posted by ブクログ
シリーズ第6弾。女子高生ジェニーヴァが襲われそうになるところから始まる。現場に残された一枚のタロットカードの意味は。その後も狙われるジェニーヴァ。ライムたちはいつも通りひとつひとつの謎の検証していく。その捜査、推理から見えてくるもの。犯人の工作とライムたちとの駆け引きの面白さ、二転三転する展開。140年前の手紙が教えてくれるもの。興味は尽きない。黒人奴隷が託した願いとそれを現代に呼び戻したジェニーヴァの想い、ライムの仕事。何一つ見逃さないライムの頭脳が今作も楽しませてくれる。
Posted by ブクログ
博物館の図書室で、高校生の少女ジェニーヴァが命を狙われる。ジェニーヴァはとっさの機転で逃げ出すが、その後も命を狙われ続け、リンカーン・ライムが捜査に乗り出す。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだリンカーン・ライムシリーズ。リンカーンはそれは失念しないでしょう、という点はあったけど、やっぱり面白い。ライムとサックスの関係も毎回楽しみ。
Posted by ブクログ
やっぱりジェニーヴァのキャラクターの魅力がすごい。
ホントに物語を牽引している。
後半の「え? あれ? は?」みたいな展開は見事。
このシリーズも1巻から読むしか。
久しぶりに読み応えのある本でした。面白かった。
Posted by ブクログ
リンカーン・ライムシリーズ第6作目。
もー「魔術師」読んでからJ.ディーヴァー熱が下がりません。
ハーレムに住むある女子高生が、先祖の記事が載った古い雑誌を読んでいたところを、犯人に襲われる。現場に残された品から、犯人の動機や居所を突き止めようとするリンカーン率いる捜査チーム。しかし、更なる事件が捜査チームを待っていた。
この作品もディーヴァーならではのスピーディーでスリル溢れる作品なのですが、個人的に一番魅力だったのは、ハーレムの街並みの描写や、ハーレムの高校に通う生徒達の日常が描かれていること。NY・ハーレムの空気を感じ、興味をそそられました。
あと、ライム・チームの他のメンバーのキャラがくっきりしてきたところも好き。
セリットーやベルなど、いつもはちょっぴり脇に下がっているメンバーの登場シーンが多く、楽しんで読めました。
いつもの連続ドンデン返しはちょっと弱めだけれど、いつもいつもドンデン返し技で見せるのではなくって、こういうディテールもしっかり描いてくれるところがこのシリーズの魅力の一つだよなあ、なんて思います。
しかし、彼の作品はほんっと読み出すと止まらない。金曜日から読み始めちゃった日には、気づいたら日曜夕方を迎えてしまうので要注意です。
Posted by ブクログ
リンカーン・ライムシリーズ6作目。今回は事件は比較的地味だったけれど、エピソードが味わい深かった。どんでん返しの連続も十分味わえたしラストも嬉しかった。しかし、16歳の恋愛経験0のジェニーヴァにまでさっくりバレるラブっぷりはどうなの(笑)まあそこがいいけど。
Posted by ブクログ
いつものシリーズ通りぐいぐい読ませる内容だったのは確か。ただ上巻を読みながら、きっとまだ何かあるのだろうと思ったのが、そうでもなく終結したのが残念だった。12番目のカードも、「えっそれだけ!?」という感じで表題にするまでかなと思った。たしかに象徴的な意味では必要だったが。いつもと違う、過去の事件の解決や、ライムの最後のシーンを見せるための作品と思えば十分シリーズの中でも読み応えのあるものだとは思った。
Posted by ブクログ
やっぱりさすがディーヴァー、すごくおもしろかった!わたしはこういうミステリが好きなんだー!と思った。こういう、とはどういう?まず、謎解きの過程が明確、っていうか、どうしてこういう捜査をしているのかっていうのが根拠があってわかりやすいというか。事件現場に残されていたものの分析とか科学的な捜査は、こんなことするんだーって好奇心もあるし、なるほどねーと説得力もある。よくあるような、素人探偵がなんとなーくききこみしたり、偶然知ったりするうちになんとなく核心に迫っていくのとは違う。それにプラスして、ディーヴァーならではのすごいハラハラ感。見せ場はもちろん盛大にスリリングなんだけど、ほかにほんのちょっとしたことでもドキッとさせられたり。それと、犯人さがし以外にも、さまざまな要素が盛り込まれていて物語に厚みがある。今回だったら、ハーレムの歴史とか、黒人社会についてとか。(ちょっと「アラバマ物語」も読んでみたくなった。)登場人物の、事件にかかわる部分だけじゃない個人的なこととか。今回は主人公ライムの回復のこととか、精神的にダメージを受けた刑事がどうやって立ち直るかとか、被害者の少女の成長とか。いちばん好きなのは読後感がいいところ! 希望がある。読み終わると勇気がわいてくるような。途中も暗くないし。ただ今回……以下ネタばれ。事件解決といったん思わせて、っていうのがあまりうまくいっていないような。見せかけなんじゃないか、とわたしでも思うんだから、聡明なライムがそう簡単に納得するはずはないだろう、と。
Posted by ブクログ
リンカーン・ライムシリーズ第6作目下巻。
上巻でイラついた、ヒロインが何がなんでも学校に行こうとする理由が明かされていた。なるほど。
真に狙われていた理由はもう壮大過ぎて、理解の範疇を超えている。
Posted by ブクログ
このミス海外編2007年版6位。リンカーン・ライムシリーズ第六作。文庫だと上下2分作の大作。黒人少女が複数の殺し屋から狙われるパタン。凄腕殺し屋を捕まえたと思ったら別の殺し屋が出てくるし、殺しの目的を偽装して本当の目的を隠して捜査を混乱させるというシリーズで前にも出てきたパタン。今回は現在の殺人の動機に140年前の先祖の事件が関連しておりその謎解きも同時に進めていく趣向。いつもながらドンデン返しのために、複雑な偽装などを繰り返すんだけど、小娘一人ぐらいもっと簡単に一発で殺しときゃ偽装とか何人も殺し屋用意したりする必要ないじゃんと思ったりしてしまう。殺人の動機もちょっと変。本筋の周りに刑事がトラウマになったり微妙な恋愛の話が絡んだりと飽きさせない展開で一気読みさせる。ただ、ちょっと長すぎて途中でちょっと飽きたりもする。命狙われてる女性がそれを知ってながら大人しく保護されてなくて勝手に一人で動こうとするのもこのシリーズの特徴だけどちょっと不自然。
Posted by ブクログ
ディーバーの中ではまあまあだったかな、それなりに面白いてな感じはしたけど…f^_^;
あれ❓カードの意味って何に関連してたんだっけ❓みたいなww
1番良かったのはライムとサックスの最後のラブラブシーンwww
Posted by ブクログ
セリットーに焦点を当てるという試みは、
外れてもいないと思いますが、
作者が、読者の期待(どんでん返し、
科学推理)にどう応えようとしているかの
迷いのような気もします。
今回は、科学捜査から、アメリカの歴史、
そして、法律?まで物語が広がっています。
ただ、どんでん返しが、最初の頃に比べ、
物足りなくなってきている気がします。
そこが残念。
Posted by ブクログ
どんでん返しの続くストーリー。
黒人に対する差別問題の歴史が根底にあり、馴染みが薄い分、少し共感しにくい話。
ただ、殺し屋を追い詰める過程や騙し合いは、息をつかせない面白さ。
Posted by ブクログ
〈リンカーン・ライム〉シリーズ第6弾
絶妙なプロット、驚愕のエンディング
"140年もの"の証拠物件を解明できるのか?
ライムの頭脳が時空を超える――
「2006年度週刊文春ベストミステリーベスト10」第4位
襲われた少女・ジェニーヴァの祖先を探っていくと、
そこには140年前のアメリカ合衆国憲法成立の根底を揺るがす、
解放奴隷の秘密があった。
一方、ジェニーヴァが襲われるが、そのうちの一人は出所した父親であったことが判明する。
また、微細な証拠物件を中心に捜査した結果、実行犯は「歩く処刑人《デッドマン・ウォーキング》」トムソン・ボイドであることを突き止める。
彼は元死刑執行人だった。
一息つく間もなく、学校カウンセラーに化けていたトムソン・ボイドの相棒に襲われるジェニーヴァだったが、今度は父親の機転で難を逃れる。
これほどまでに執拗に付け狙われるジェニーヴァ、あるいはその祖先が関与しているモノとは……。
明かされてびっくりのオチではあるものの、高い水準を求めてしまっているディーヴァーにしては平凡かなあといった印象。
ミステリ :☆☆☆
ストーリー :☆☆☆
人物 :☆☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆☆☆
Posted by ブクログ
まあまあかな、リンカーライムシリーズもいい加減慣れてきたからか、あまり驚かずに淡々と読んだ。最後のオチはステキだった、ジェニーバが幸せになりますように。あとライムのリハビリに期待!