青山美智子のレビュー一覧
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週末の銀座の歩行者天国でテレビのインタビュー番組が生放送されていた。インタビューされたのは童話の世界から抜け出してきたようなファッションの男性。彼は自分を王子と名乗り、逃げてしまった人魚を探しているという。たちまちこの王子のことはSNSでもとりあげられ話題になっていく。彼は一体何者なのか?そして偶然に王子と出会った人々は彼と話しているうちに自らの本当の気持ちに気づいていく。
世の中はたくさんのすれ違いで満ち溢れている。恋人。親子。夫婦。相手のことを大切に思いながら、勝手に相手の気持ちを解釈したり、自分に自信がないゆえに相手から逃げてしまったり。すれ違っていた人達が理解して、歩み寄って、心を交わ -
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青山さんと、ミニチュアアート写真家の田中達也さんによるコラボ連載短編集♪
通称ぐるぐるめと呼ばれる遊園地を舞台にした8つのストーリー。
安定の青山さんの連作短編に、各章ごとに そのお話にそった田中さんのミニチュアアート写真が添えられてる♡
これがほんと可愛くて〜!
1粒で2度美味しい〜(*´~`*)ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"
遊園地って非日常感あって なんかきらきら、ワクワクするんだなぁ♪
そんな気持ちを思い起こせてくれる1冊だった。
今回いつもの短編より短くて 個人的には少し物足りなさもあった。
その分、田中さんのミニチュアアートがいい感じでイメージを膨らま -
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どんなときに喫茶店で過ごしたくなるだろうかと考えてみた。
それは、たんにモーニングをしに…だったり、ランチの時間が過ぎてしまって、どうしようかと迷ったときだったり、ひとりになりたいときだったりで…そう考えるとやっぱり少しの休息をとりたいときなんだろう。
それは癒しの時間を必要としているからかもしれない。
泣きたい午後とは、そんないろいろな想いの詰まった短編集である。
「サロンエプロン」〜青山美智子
憧れのカフェでのアルバイトは恋してる気分。
「痛い人生設計を作る、ルノアールで」〜矢野帰子
高校時代の親友と貸し会議室で語る。
「空極のホットケーキと紅茶占い」〜斉藤千輪
まさか中国出身とは -
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ちょっと厳しめの星3つ。
大好きな青山美智子さんですが、まだ2作目の作品ということもあり、若干の読みにくさを感じました。
最大のマイナスポイントは、単行本の方には巻末の年表がないこと(文庫版にはあるそうです)。この物語は時代が少しずつ戻っていく構成なので、年表がないと各章のつながりや時系列が把握しづらく、もったいなく感じました。 また、各章の「案内所」でのやり取りがほぼ同じパターンで繰り返されるため、少し説明的でくどく感じてしまったのも残念な点です。
ただ、ところどころに心に残るフレーズがあるのはさすがでした。 特に第2章「2013年 つむじの巻」と第6章「1989年 ソフトクリームの巻 -
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チョコレートにまつわる短編集
少し甘すぎるかなと思う話もあったり、
苦めのビターチョコのような話もあったり、
様々な味(?)が楽しめる構成となっている。
BOX1とBOX2は対となっており、
違う立場からその人の想いを知る事ができる。
いいなと思ったのは、最初の
「チョコバナナ・コラボレーション」
高校の文化祭の模擬店で、ちょっと気になる
男子とチョコバナナを作る話。
う〜甘すぎる!
甘すぎるけど、高校生の時の
ドキドキした想い、甘酸っぱい想いが
思い出されて、なんだかいい。
履いているソックスのワンポイントが
ひよこではなく、清楚で知的に見える
クローバーにしてくれば良かったと
後悔する -
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ウォーキングしつつ内容をしっかり記憶しなくても良さそうなオーディブルの最適解だった。あらゆる人達の物語を繋ぐキーワードとして謎の王子と人魚はどこにいて誰なのか?とワクワクさせ、もしやこの人はさっき語られていたあの人ではないか?とスルスルと糸が引っ張りあって1つの形になるような書き方の青山さんらしい手法。読んでいてだんだん出てくる人達を知り合いだったと思いそうな親近感が心地良い書き方だけど、今回の結局人魚は見つかったのか?という点に置いては、クライマックスの手前の盛り上がり!!おお!!ついに!そうだったのか!とスッキリする後味を確信した!けれど、ミスリードでしたのような展開に少し、なんだか、星が
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ネタバレ青山美智子の新作だと思ったら、違ったのでちょっと残念。喫茶店のオムニバス。織守きょうやがホラーで笑。
最後の話で「餅が大好きで、最後は餅を喉に詰まらせて死んでしまった。最後の詰まった餅を吸い取られてしまってそれが心残りで、ナカマ茶屋に餅を食べに来た」て話で笑った。吸い取るよね
青山美智子 『サロンエプロン』
カフェの店員の仕事がんばろう!
朱野帰子 『痛い人生設計を作る、ルノアールで』
小説家になったけどあまり売れない。私立校卒の編集者に公立はつまらない人間しかいないと「下」に見られる。公立高校のとき同級生に面白い女がいて、久しぶりに連絡をとると(40歳くらい)、「痛い人生設計をつくろう」 -
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ネタバレ心が疲れた時に読みたい一冊。それぞれの章の登場人物がポッドキャスト「ツキない話」に出会って人生がゆったりと満ち欠けを繰り返しながら進んでいくお話で、ポッドキャストである番組に出会うというのが現代的で身近でした。大丈夫、大丈夫って自分に言い聞かせながら誤魔化しながら生き急いでるけどたまには立ち止まってもいいしゆっくりでいいんだよねって再確認できる小説。個人的には二章レゴリスのポン重太郎に共感した。別の章で明らかになるけどポン重太郎がミツバ急便での仕事がめっちゃ丁寧なのが本当に好き。気の配れる、仕事が丁寧な人って本当に尊敬するしそうなりたいと思う。
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内巻さん、外巻さん?アンモナイト?ファンタジー?これって最後まで読めるのか、わたくし?と思いましたが笑
読み進めるうちに、巻き巻きが面白くなってきた。
最後には、フィクションから伝わる言いたいこと、いっぱい伝わりましたよ、青山さん!
今回もやはり、最後まで読んでもう一度最初から読みたくなり、そうなんだ、そうなんだと納得。
「はぐれましたか?」
って、人が悩んだり迷ったとき、
こうやって問いかけられたら、
そうかも、はぐれちゃったのかもって、
ちょっと冷静に、ちょっと前向きに考えられるのかも。迷い迷ってるうちに自分にとって大切なこと忘れちゃってないかなって。
かめのぞき色の甕見てみたいな。限 -
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ポッドキャストで語られる「ツキない話」
5人の主人公の人生を、月の満ち欠けに重ね合わせて描いた心温まる物語。
毎朝7時に更新される「ツキない話」は、5人それぞれの人生を支え、少しずつ変えていく。語り手も登場人物も互いを知らず、まったく別の道を歩んでいるように見えるが、世の中は目に見えないところで確かに繋がっているのだと感じさせられる。
本作では「新月」という言葉が繰り返し登場するが、それは「物事を新たに始めるタイミング」を象徴している。人生においても、続けてきたことや信じてきたものがふと揺らぎ、立ち止まる瞬間がある。しかし、何万年も前から存在する月でさえ満ち欠けを繰り返しているのだから、私